• 検索結果がありません。

国際共同治験の現状と海外データの評価 宇山佳明 ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 (PMDA) 千葉大学大学院医学薬学府医療行政学講座客員教授名古屋大学大学院医学系研究科客員教授 Pharmaceuticals & Medical Devices Agency レギュラトリーサイエンス学会 201

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "国際共同治験の現状と海外データの評価 宇山佳明 ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 (PMDA) 千葉大学大学院医学薬学府医療行政学講座客員教授名古屋大学大学院医学系研究科客員教授 Pharmaceuticals & Medical Devices Agency レギュラトリーサイエンス学会 201"

Copied!
30
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

国際共同治験の現状と海外データの評価

宇山佳明

(独)医薬品医療機器総合機構 (PMDA)

千葉大学大学院医学薬学府医療行政学講座 客員教授 名古屋大学大学院医学系研究科 客員教授

(2)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

日本語版:http://www.pmda.go.jp/operations/notice/2007/file/0928010.pdf 英語版:http://www.pmda.go.jp/operations/notice/2007/file/0928010-e.pdf

Japanese version English version

国際共同治験に関する基本的考え方

(3)

基本的考え方

 国際共同治験を計画する際には民族的要因についても考慮 して計画すべき  ICH E5 のブリッジングの考え方は国際共同治験においても 有用  適切な評価を行うためには、十分な日本人症例数を組み入 れておくことが適切  一貫した結果が得られなかった場合に、症例数のためで あるのか、真に民族的差異によるのかを区別することが 重要  日本人症例は、検証試験だけでなく、探索的である開発段 階の早期の臨床試験から組み入れることが適切  用量反応性における民族的要因の関与を検討すること

(4)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

Trends of GCTs including Japan

4 0 5 10 15 20 25 30 0 50 100 150 200 250 300 350 400 % o f M RCT s N um be rs of A ll C TN FY2007 (Apr-Sep) FY2008 (Oct-Mar)

FY2009 FY2010 FY2011

(5)

GCTs or Bridging-based Drug Approval

FY2007 FY2008 FY2009 FY2010 FY2011 0 25 50 75 100 125 Total Bridging GCT N um ber o f A ppro ved Drug s 0 2 4 6 8 10 % of GCT % of Bridging %

(6)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

GCT-based Drug Approval (1)

6

Name of Drug Indication Approval

Tolterodine Overactive bladder with symptoms of urge urinary

incontinence, urgency, and frequency Apr. 2006

Losartan Diabetic nephropathy with proteinuria and

hypertension in patients with type 2 diabetes Apr. 2006 Trastuzumab Adjuvant therapy for metastatic HER2-overexpressing

breast cancer Feb. 2008

Insulin glulisine Diabetes mellitus Apr. 2009

Tadalafil Pulmonary arterial hypertension Oct. 2009

Peramivir * Type A and Type B Influenza virus infection Jan. 2010

Everolimus Metastatic renal cell carcinoma Jan. 2010

Panitumumab Metastatic colorectal carcinoma with wild-type KRAS

tumors Apr. 2010

Travoprost/Timolol* Glaucoma Apr.2010

Temsirolimus Advanced renal cell carcinoma Jul. 2010

(7)

GCT-based Drug Approval (2)

Name of Drug Indication Approval

Laninamivir * Type A and Type B Influenza virus infection Sep. 2010

Nilotinib Newly diagnosed chronic myeloid leukemia in chronic

phase Nov. 2010

Dabigatran Stroke and systemic embolism in patients with

non-valvular atrial fibrillation Jan. 2011

Trastuzumab Metastatic HER2-overexpressing gastric cancer Mar. 2011

Pramipexole Parkinson's disease Apr. 2011

Edoxaban* Prevention of venous thromboembolism after major

orthopedic surgery Apr. 2011

Dasatinib Chronic myeloid leukemia (CML) Jun. 2011

Indacaterol Chronic obstructive pulmonary disease (COPD),

including chronic bronchitis and/or emphysema. Jul. 2011 Linagliptin Type 2 diabetes mellitus (adjunctive to diet and exercise) Jul. 2011

(8)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

GCT-based Drug Approval (3)

8

Name of Drug Indication Approval

Gefitinib EGFR-Positive unresectable or metastatic non-small cell

lung cancer (NSCLC) Nov. 2011

Everolimus Progressive neuroendocrine tumors of pancreatic origin

(PNET) Dec. 2011

Denosumab Bone complications in patients with multiple myeloma or

solid tumour that has spread to the bone. Jan. 2012 Aripiprazole Manic episodes associated with bipolar disorder Jan. 2012 Olanzapine Depression episodes associated with bipolar disorder Feb. 2012 Exenatide Type II diabetes mellitus (adjunctive to diet, exercise and

treatment with SU) Mar. 2012

Crizotinib Anaplastic lymphoma kinase (ALK)-positive, advanced or

metastatic non-small cell lung cancer (NSCLC) Mar. 2012 Budesonide/

Formoterol

Asthma (where use of a combination of inhaled

corticosteroid and long-acting β2 adrenoceptor agonist is appropriate)

Jun. 2012

Formoterol Chronic obstructive pulmonary disease (COPD) Jun. 2012 Red: Asian Global Clinical Trial *: First Approval in the world

• 国際共同治験データの評価経験が近年急速に集積

(9)
(10)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency 10

例1:アジア地域での国際共同治験

アリピプラゾール

ドパミンD

2

及びセロトニン5-HT

1A

パーシャルアゴ

ニスト、セロトニン5-HT

2A

アンタゴニスト

双極性障害における躁症状の改善

(平成24年1月承認)

(11)

主要評価項目

Prepared based on -40 -30 -20 -10 0 10 20 0 50 100 150 200 250 300 Di ff e re n c e ( Dru g -P la c e bo) Number of patients

YMRS difference by country

Indonesia Japan All Malaysia Philippines Taiwan China

FAS におけるYMRS(Young Mania Rating Scale)合計点の ベースラインからの変化量(プラセボ群との差)

(12)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

審査でのディスカッションポイント

12 

人種間のPKプロファイルの同等性をPPK解析

により予め確認

YMRS評価トレーニングを、映像等も組み入れ

て予め実施

外来/入院患者での国内外の差異

日本では入院患者が多いが、海外では外来

患者が多くなる。

外来患者で効果が低かったが、原因は明確

になっていない

症例数が少ないと地域間比較は困難

(13)

例2:大規模国際共同治験

ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩

経口投与可能な非ペプチド性の直接トロンビン阻

害剤のプロドラッグ

非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒

中及び全身性塞栓症の発症抑制

(平成23年1月承認)

(14)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

ダビガトラン:臨床データパッケージ

14 Phase I(日本人、白人) 単回(50-300 mg) 反復(110, 150mg) Phase II ワルファリン対照用量探索試験 非盲検:12W:1日2回: 3群(n=174) 110mg, 150mg, ワルファリン Phase III ワルファリン対照検証試験(国際共同治験) 本薬用量のみ盲検:1-3Y: 1日2回: 3群(n=18113) 110mg, 150mg, ワルファリン Phase I 単回(10-600 mg) 反復(50-400mg) BA、食事、高齢者、腎・肝障 害等の試験 Phase II 用量探索試験 本薬用量のみ盲検:12W: 1日2回: 10群(n=502) 本薬50, 150, 300mg×アスピリン0, 81, 315mg ワルファリン Phase II 継続長期試験 非盲検:約4Y, 4群(n=361) 150, 300mg×1日1回, 1日2回

日本

海外

(15)

有効性

主要評価項目:  全脳卒中(出血性を含む)又は全身性塞栓症の発生 110mg 150mg Warfarin Total N 6015 6076 6022 Subject-years 11900 12039 11797 Stroke/SEE (Yearly rate%) 182 (1.53) 133 (1.10) 198 (1.68) Hazard ratio (95%CI) 0.91 (0.75-1.12) 0.66 (0.53-0.82) - Japanese N 107 111 108 Subject-years 145 150 151 Stroke/SEE (Yearly rate%) 2 (1.38) 1 (0.67) 4 (2.65) Hazard ratio (95%CI) 0.52 (0.10-2.84) 0.25 (0.03-2.27) -

(16)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

安全性

16 110mg 150mg Warfarin Total N 6015 6076 6022 Subject-years 11900 12039 11797 Major bleeding (Yearly rate%) 318 (2.67) 375 (3.11) 396 (3.36) Hazard ratio (95%CI) 0.79 (0.68-0.92) 0.93 (0.81-1.07) - Japanese N 107 111 108 Subject-years 145 150 151 Major bleeding (Yearly rate%) 8 (5.53) 5 (3.33) 5 (3.31) Hazard ratio (95%CI) 1.68 (0.55-5.15) 1.02 (0.29-3.51) - 大出血の頻度と年間イベント率

(17)

審査時のディスカッションポイント(1)

 ワルファリンのコントロール目標値の国内外差等は存在する ものの、非弁膜症性心房細動における抗凝固療法に関して、 治療の方針や選択をはじめとする外因性民族的要因に大き な国内外差はないと考えられる。  内因性民族的要因に関する申請者の主張を踏まえると、本 薬の抗凝固作用や薬物動態に臨床的意義のある国内外差 はないものと考えられる。  1160.26試験を日本人を含めた国際共同治験として実施し たことは妥当であり、1160.26試験の日本人部分集団と日本 人以外の集団の成績を一纏めにして評価することは可能と 判断した。 日本人集団での結果の評価

(18)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

審査時のディスカッションポイント(1)続き

18  実施可能性に基づき設定された日本人症例数から一貫性を評 価することは非常に困難  得られた結果の範囲内では、全体集団の成績と日本人部分集 団の成績に大きな齟齬は認められなかった。  ワルファリンとの比較で出血イベントについて、全集団では本 薬群の方が低かったが、日本人部分集団では同等で、ワルフ ァリンPT-INRの目標値の違いが影響している可能性がある。  本邦における本薬のリスクとベネフィットのバランスを評価する 上では当該国内外差を考慮に入れる必要があるが、臨床的に 許容可能な成績が得られており、日本人での有効性と安全性 が期待できる。  各用量での日本人患者に関する製造販売後の情報収集が非 常に重要 日本人集団での結果の評価

(19)

特定使用成績調査  観察期間2年間、予定症例数5,000例程度  重要な特定されたリスク:出血-重点調査項目

審査時のディスカッションポイント(2)

 国際共同治験での日本人症例数が非常に少数であったこと から、製造販売後調査等において、本薬の安全性及び有効 性に関して十分な情報収集を行うことが必要  特に、下記が重要  抗血小板薬併用患者、高齢患者、腎機能障害患者における本薬の 出血リスクを含めた安全性  本剤1回110 mg 1日2回に減量投与された患者における患者背景や 安全性に関する情報収集  「併用注意」時の影響の検討  胃腸障害と消化管出血についての安全性の検討

(20)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

製造販売後の対応

20

2011年3月発売:出血リスクは想定されていたが、

2011年6月 2011年7月 2011年8月 

承認前の安全性評価の限界

製造販売後の継続的な評価が重要

RMPの早期計画と効率的実施

(21)
(22)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency 22

(23)

国際共同治験をさらに適切に実施するために(1)

東アジア地域を主とする場合でも、事前に民族的要

因の影響を検討することは重要

日常的な国際連携が重要

治験自体を実施しなくても、プロジェクトの状況を

共有しておくことが有用

東アジア地域での積極的な開発

欧米に比べて東アジア地域で罹患率が高い疾患

領域(例:胃癌、肝炎等)で、かつ日本単独では

(24)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

国際共同治験をさらに適切に実施するために(2)

 PKデータの比較  同一プロトコルでの結果を比較しないと、間違った解釈につな がるおそれがある(日中韓共同プロジェクトの成果)。  海外在住日本人での結果も評価可能(医療環境よりも、遺伝 的要因等の内因性民族的要因が結果を評価する上で重要  有効性及び安全性を評価する試験  内因性民族的要因のみならず、診断方法や標準治療等の医 療環境、教育、文化等の社会的要因等の外因性民族的要因 を考慮  日本の医療環境下で確認すべき  日本在住の日本人が適切に組み入れられた臨床試験(国際 共同治験又は国内単独での臨床試験)の結果に基づき評価 24

(25)

PKプロファイルを考慮した開発戦略の分類

大きな差異 がある 大きな差異 がない 大きな差異 がない 大きな差異 がある 東アジア人間での比較 東アジア人間での比較 アジア地域で 日本と欧米で アジア・欧米等の多地域による共同 日本人と白人の比較 大きな差異がある 大きな差異がない

(26)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

国際共同治験結果の評価(1)

 全集団の評価に加えて、全集団と日本人集団の間で結 果の一貫性を評価  日本人集団が部分集団であり必ずしも試験目的を達成 するのに十分な症例数が組み入れられていない可能性 、組み入れられた集団間に結果として差異が生じている 可能性等に留意  日本人症例数を踏まえ、点推定値のみならずその精度( 標準偏差等)にも着目  日本人集団における主要評価項目の評価だけではなく 、副次評価項目についても、主要評価項目の結果や全 集団の結果と同様の結果が示されているか確認すべき 26

(27)

国際共同治験結果の評価(2)

 安全性についても同様に、全集団と日本人集団との間 で著しく異なった傾向が認められていないか確認すべき  全集団と日本人集団との間で結果に差異が認められた 場合には、要因毎の部分集団解析結果等も参考に差異 が生じた原因について十分に考察し、当該国際共同治 験の結果を日本人の有効性及び安全性の根拠とするこ とが可能であるのか慎重に評価  これらの評価結果及び考察については、申請時にCTD に適切に記載すべき

(28)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

大規模国際共同治験

 真の評価指標に関するエビデンスを構築するため、日本の 積極的な参加が推奨される。  一方で、一貫性の検討を十分に行える日本人症例数が確保 できない可能性もある。  既知情報や代替指標と真の評価指標との関係、国/地域間差異の 影響等を精査し、日本を含む全集団を一つの集団としてみなすことが できるか検討  既通知質問6の方法は、数百例規模での治験を想定しており 、大規模治験に適用することは困難な場合もある  主要評価項目(生存率等の真の評価手法)との関係性が合理的に類 推可能で、かつより少数例で評価可能な指標(代替指標)に基づき、 結果の一貫性が検討可能な症例数を必要最小例数とし、可能な限り 多くの日本人症例を組み入れることも一案  副次評価項目の結果等についても検討することが重要 28

(29)

国際共同開発における長期安全性評価

 国際共同開発では、承認申請までに収集できる日本人症例数 が、国内単独開発に比べ減少し、特に安全性を評価する上で 問題となる可能性  致死的でない疾患に対して長期投与が想定される医薬品につ いては、十分に長期投与時の安全性を確認する必要があり、 基本的には日本人で1年間投与された症例として100例程度以 上の安全性データが収集できるよう計画すべき  ただし、症例集積が困難な場合等で、以下のような場合には、 上記の症例数を満たさなくとも評価が可能な場合もある。  開発早期の探索的な段階から日本が継続的に国際開発に参加しており、 複数の試験結果から、日本人と他の外国人との間で安全性に大きな差異 がない  他の類似する効能・効果で既に承認されており、外国人と大きな差異がな

(30)

レギュラトリーサイエンス学会2012年9月

Pharmaceuticals & Medical Devices Agency

Information

30

 PMDA ホームページ

http://www.pmda.go.jp/index-e.html/

 PMDA DRUG Information(添付文書、審査報告書等の検索)

http://www.info.pmda.go.jp/info/search.html

 E-mail: uyama-yoshiaki@pmda.go.jp

参照

関連したドキュメント

Hiroyuki Furukawa*2, Hitoshi Tsukamoto3, Masahiro Kuga3, Fumito Tuchiya4, Masaomi Kimura5, Noriko Ohkura5 and Ken-ichi Miyamoto2 Centerfor Clinical Trial

医薬保健学域 College of Medical,Pharmaceutical and Health Sciences 医学類

金沢大学学際科学実験センター アイソトープ総合研究施設 千葉大学大学院医学研究院

工学部の川西琢也助教授が「米 国におけるファカルティディベ ロップメントと遠隔地 学習の実 態」について,また医学系研究科

 少子高齢化,地球温暖化,医療技術の進歩,AI

鈴木 則宏 慶應義塾大学医学部内科(神経) 教授 祖父江 元 名古屋大学大学院神経内科学 教授 高橋 良輔 京都大学大学院臨床神経学 教授 辻 省次 東京大学大学院神経内科学

⑹外国の⼤学その他の外国の学校(その教育研究活動等の総合的な状況について、当該外国の政府又は関

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上