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急性曝露ガイドライン濃度 (AEGL)
Propargyl alcohol (107-19-7)
プロパルギルアルコールTable AEGL
設定値Propargyl alcohol 107-19-7 (Final) ppm
10 min 30 min 60 min 4 hr 8 hr
AEGL 1 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5
AEGL 2 20 20 16 10 6.6
AEGL 3 130 91 72 29 14
設定根拠(要約):
プロパギルアルコールは、3 つの炭素を有するアセチレン系アルコールで、中等度の揮発性と、
ゼラニウムに似た臭気を示す。その用途は、化学物質の中間体、溶剤の安定剤、土壌燻蒸剤、腐 食防止剤である。米国における年間生産量は、50万~280万ポンドと推定されている。
プロパギルアルコールへのヒトの曝露に関する情報は、得られていない。動物データから判断す ると、プロパギルアルコールは眼や気道に対して刺激性を示す可能性がある。
プロパギルアルコールの毒性データが、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ネコを用いた試 験から得られている。これらの試験には、急性(1~2 時間)曝露によるものと、長期(9 日間~13 週間)曝露によるものがある。致死データとして、半数致死に関する推定濃度や実測濃度が得ら れており、例えば
1
時間曝露では、ラットで約1,000~1,200 ppm、ネコで約 1,300 ppm、2
時間曝 露では、ラットで約850 ppm、マウスで約 875 ppm
であった。長期試験では、プロパギルアルコ ールへの反復曝露が最大88 ppm
の濃度で14
日間、または64 ppm
で13
週間行われ、死亡は生じ なかったが、ラットおよびマウスの嗅上皮と気道上皮に顕著な病理組織学的変化が生じている。プロパギルアルコールに吸入曝露された場合の生殖毒性、発生毒性、発がん性のデータは、いず れも入手できなかった。遺伝毒性の試験結果は曖昧である。プロパギルアルコールは急速にプロ パギルアルデヒドと様々な抱合生成物に代謝され、主に尿を介して排泄される。
AEGL-1
値は、プロパギルアルコールに6
時間曝露されたマウスにおける、気道の病理組織学的な変化に関する無影響濃度の
25.3 ppm(Zissu 1995)に基づいた。プロパギルアルコールへの曝露
を
80 ppm
で7
時間(59 回の曝露のうちの1
回目)受けたラットに眼刺激と嗜眠の徴候が認められ、その後、被験動物が順応していることから(Dow Chemical Co. 1964)、この
25.3 ppm
という 濃度は、適切な出発点と考えられる。プロパギルアルコールに対する毒性学的反応は、試験した2
動物種間で質的に同様であるように思われ、また、単純な直接接触刺激物質については、個体間 の反応のばらつきが3
倍を超えないと予想される。したがって、種間不確実係数3
と種内不確実 係数3
を適用した(よって、総不確実係数は10)。軽微な直接接触刺激作用は、曝露時間によって
著しく変化しないと予想されるため、同じ値をAEGL-1
のすべての曝露時間に採用した。AEGL-2
値は、88 ppm という出発点に基づいた。マウスをプロパギルアルコールに1
日6
時間で、4、9、または
14
日間曝露した試験において、この濃度で、嗅上皮と気道上皮に重篤な組織 学的変化が引き起こされている。この出発点は、ラットをプロパギルアルコールへ59
回曝露し た試験において、初回の80 ppm
での7
時間曝露により、眼刺激と嗜眠が認められた(反復曝露に より順応が生じた)ことによって支持される(Dow Chemical Co. 1964)。種差を考慮して不確実係 数3
を適用したが、これは、プロパギルアルコールの毒性作用が種間で大きく異ならないと思わ れるためである。プロパギルアルコールによる病理組織学的病変は、直接接触刺激によって生じ たと思われるため、個体内変動の考慮に関しては、不確実係数3
を適用した。式C
n × t = k(n は0.8~3.5
の値)を用いて(ten Berge et al. 1986)、出発点となった試験における曝露時間の6
時間 から、AEGL の各曝露時間への時間スケーリングを行った。プロパギルアルコールについては、試験に基づいた
n
の値を導出するにはデータが不十分であるため、デフォルト値を適用して、短 い時間に外挿する場合はn = 3、長い時間に外挿する場合は n = 1
とした。ただし、6時間曝露値 を10
分間値に外挿することには不確実性が伴うため、AEGL-2の10
分間値には、30分間値を適 用した(NRC 2001)。AEGL-3
値は、Stasenkova and Kochetkova(1966)が報告した、マウスの致死データに基づいた。BMCL
05(5%の反応率が得られるベンチマーク濃度の 95%信頼限界下限値)の、573 ppm(2
時間曝 露)を出発点とした。このBMCL
05値は、ラットを用いた試験(Vernotet al. 1977)で報告されてい
る1
時間致死濃度の範囲1,040~1,200 ppm
と整合性がある。また、BASF(1965)では、1,300 ppm のプロパギルアルコールに1
時間曝露されたウサギ2
匹とモルモット6
匹はいずれも死亡しなか ったが、ネコは2
匹中1
匹が同じ曝露条件で死亡したことが報告されている。これらの得られた データによって、種間不確実係数3
が支持される。動物データによって、嗅上皮と気道上皮がプ ロパギルアルコールの主要な標的であることと、これらの組織の損傷が単回急性曝露による死亡 に寄与している可能性があることが示唆されている。プロパギルアルコールへの反復曝露(約90
日間)試験によって、腎毒性と肝毒性の証拠が得られているが、これらのデータは、そのような 全身毒性が単回急性曝露によって起こることを支持するものではない。したがって、種内不確実 係数としては3
を適用した。AEGL-2 値の項で記載した方法と同様にして、時間スケーリングを 行った。プロパギルアルコールの
AEGL
値をTable 6-1
に要約する。3 TABLE 6-1 AEGL Values for Propargyl Alcohol
Classification 10 min 30 min 1 h 4 h 8 h
End Point (Reference) AEGL-1
(nondisabling)
2.5 ppm (5.7 mg/m3)
2.5 ppm (5.7 mg/m3)
2.5 ppm (5.7 mg/m3)
2.5 ppm (5.7 mg/m3)
2.5 ppm (5.7 mg/m3)
No-observed- adverse-effect level for histopathologic changes in respiratory tract of mice (Zissu 1995) AEGL-2
(disabling)
20 ppm (46 mg/m3)
20 ppm (46 mg/m3)
16 ppm (37 mg/m3)
10 ppm (23 mg/m3)
6.6 ppm (15 mg/m3)
Lesions in olfactory and respiratory epithelium (Zissu 1995)
AEGL-3 (lethal)
130 ppm (300 mg/m3)
91 ppm (210 mg/m3)
72 ppm (160 mg/m3)
29 ppm (66 mg/m3)
14 ppm (32 mg/m3)
Estimated lethality threshold in mice (Stasenkova and Kochetkova 1966)
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注:本物質の特性理解のため、本文書の最後に、参考として国際化学物質安全性カード(ICSC)
を添付する。
国際化学物質安全性カード
プロパギルアルコール ICSC番号:0673 プロパギルアルコール
PROPARGYL ALCOHOL 2-Propyn-1-ol C
3H
4O / CH_CCH
2OH
分子量:56.1 CAS登録番号:107-19-7
RTECS番号:UK5075000 ICSC番号:0673
国連番号:2929
EC番号:603-078-00-X 災害/
暴露のタイプ 一次災害/
急性症状 予防 応急処置/
消火薬剤
火災
引火性。 裸火禁止、火花禁止、禁煙。 粉末消火薬剤、水溶性液体用泡消火薬剤、水噴霧、二酸化 炭素。
爆発
33℃以上では、蒸気/空気の爆 発性混合気体を生じることがあ る。33℃以上では、密閉系、換気、
および防爆型電気設備。 火災時:水を噴霧して容器類を 冷却する。
身体への暴露
作業環境管理を厳密に! いずれの場合も医師に相談!吸入 咳、咽頭痛。 局所排気または呼吸用保護
具。 新鮮な空気、安静。医療機関
に連絡する。
皮膚
吸収される可能性あり!
発赤。 保護手袋、保護衣。 汚染された衣服を脱がせる。多
量の水かシャワーで皮膚を洗い 流す。医療機関に連絡する。応 急処置を行うときは保護手袋を 着用する。
眼 痛み、重度の熱傷。 安全ゴーグル、顔面シールド、ま たは眼用保護具と呼吸用保護 具の併用。
数分間多量の水で洗い流し(で きればコンタクトレンズをはずし て)、医師に連れて行く。
経口摂取 作業中は飲食、喫煙をしない。 口をすすぐ。安静。医療機関に
連絡する。
漏洩物処理 貯蔵 包装・表示
・個人用保護具:自給式呼吸器付完 全保護衣。
・この物質を環境中に放出してはなら ない。
・漏れた液やこぼれた液を密閉式の容 器にできる限り集める。
・残留液を砂または不活性吸収剤に 吸収させて安全な場所に移す。
・耐火設備(条件)。
・強力な酸化剤、食品や飼料から離し ておく。
・暗所に保管。
・密封。
・食品や飼料と一緒に輸送してはなら ない。
・EU分類 記号 : T, N
R : 10-23/24/25-34-51/53 S : (1/2-)26-28-36-45-61
・国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1
・国連の副次的危険性による分類 (UN Subsidiary Risks):3
・国連包装等級(UN Packing Group):II
重要データは次ページ参照
ICSC番号:0673
Prepared in the context of cooperation between the International Programme on Chemical Safety &the Commission of the European Communities © IPCS CEC 1993
国際化学物質安全性カード
プロパギルアルコール ICSC番号:0673
重 要 デ
| タ
物理的状態; 外観:
特徴的な臭気のある、無色の液体。
物理的危険性:
蒸気は空気より重い。
化学的危険性:
熱、酸化剤、過酸化物、光の影響下で重合す ることがある。酸化剤と激しく反応する。多くのプ ラスチックを侵す。
許容濃度:
TLV:1 ppm (TWA); (皮膚) (ACGIH 2007)。
MAK:2 ppm, 4.7 mg/m3; 皮膚吸収(H); ピーク 暴露限度カテゴリー:I(2); 妊娠中のリスクグルー プ:D (DFG 2007)。
(訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照)
暴露の経路:
体内への吸収経路:蒸気の吸入、経皮、経口 摂取。
吸入の危険性:
20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめて 急速に有害濃度に達することがある。
短期暴露の影響:
眼、皮膚、気道を刺激する。蒸気は眼、皮膚、
気道を刺激する。肝臓、腎臓に影響を与え、機 能障害を生じることがある。許容濃度を超えて 暴露すると、死に至ることがある。医学的な経過 観察が必要である。
長期または反復暴露の影響:
物理的性質
・沸点:114℃
・融点:-48~-52℃
・比重(水=1):0.97
・水への溶解性:混和する
・蒸気圧:1.54 kPa(20℃)
・相対蒸気密度(空気=1):1.93
・引火点:33℃ (c.c.)
・爆発限界:3.4~70 vol%(空気中) 環境に関する
データ ・水生生物に対して毒性が強い。
注
・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。
・蒸気は抑制されておらず、重合してバルブや排気孔を塞ぐことがある。
Transport Emergency Card(輸送時応急処理カード):TEC(R)-61GTF1-II NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)3;F(燃焼危険性)3;R(反応危険性)3
付加情報
ICSC番号:0673
更新日:1997.11 プロパギルアルコール
© IPCS, CEC, 1993