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なぜなら英語ノートの活動はすぐに発話につなげようとするからだ

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Academic year: 2021

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平成23年度教職大学院派遣研修研究報告書 研修生番号 23K03 氏 名 高橋 豪

研究主題

―副主題―

子供の発話を促す英語絵本を使った教師のはたらきかけ

所属校 新宿区立落合第四小学校 派遣先 玉川大学教職大学院

項 目 内 容

Ⅰ 研究の目的 平成 23 年度から外国語活動が本格実施された。英語ノートが導入されて、「毎 週1時間、1年もの間、何を教えたらいいのか」という先生たちの戸惑いは少し 軽減された。しかし英語ノートをそのまま使う活動では何か物足りなく感じる。

なぜなら英語ノートの活動はすぐに発話につなげようとするからだ。

小学校学習指導要領の外国語活動の目標には、「外国語を通じて,言語や文化に ついて体験的に理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の 育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケー ション能力の素地を養う。」と書かれている。現在外国語活動で一般的に扱われ ているのは英語ノートである。英語ノートで登場したセンテンスを使った活動だ けでは、ある程度の英語の習得はできても、「コミュニケ-ションを図ろうとす る態度の育成を図る」ことができるとは言い切れない。積極的にコミュニケーシ ョンを図ろうとするのは、自分の考えや思いが自発的に生まれる時である。だか らこそ、習得できていない英語で行うことは難しいのである。

最近は、あちこちで外国語活動における絵本の活用が見られるようになった。

しかし、読み聞かせの仕方は、バラバラである。今回の研究で、読み聞かせの仕 方によって、子供の発話数が全く違ってくるということが分かった。子供の発話 を促すために、教師はどのように働きかければよいのかを研究した。

Ⅱ 研究の方法 外国語の絵本の読み聞かせをする際、教師がどのように働きかければ子供が自 分の考えや思いを伝えられるのか、2 年生の 6 つのグループに絵本の読み聞かせを 行い、検証した。被験者は、新宿区立落合第四小学校 2 年生で、8~9名の6グ ループにわけた。使用した絵本は、オックスフォード・リーディング・ツリーシ リーズの A NEW DOG である。担任が子供たちとコミュニケーションを取りながら、

絵本の読み聞かせを行った。録画したビデオから、教師(Teacher)と子供(Kids)

の発話を書き起こし、下記のカテゴリーにわけて分析を行った。

教師

英語で話しかけている・日本語で話しかけている・英語で質問している 日本語で質問している・英語で反復している・日本語で反復している 褒める・驚く

子供

英語で反復している・日本語で反復している・英語で質問に答えようとしてい る・日本語で質問に答えようとしている・知っている英語を話そうとしてい る・自分の経験を話そうとする・絵から内容を推測しようとする・思ったこと を話す・質問しようとする・理由を挙げて説明しようとする・体で表現する

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Ⅲ 研究の結果 A と B の二つのグループに英語絵本で読み聞かせをした。圧倒的に B グループの 発話数が多かった。A グループは、できるだけ日本語を使わないようにし、英語中 心の読み聞かせであった。B グループは、英語に関係なく、日本語中心の読み聞か せである。

A グループのように、教師が英語で質問したことに対しては、子供が英語で答え ようとするために、絵本の絵に注目するのではなく、英語そのものに注意がいく。

そのため、絵から気が付いたことなどを自由に発言する雰囲気も生まれにくい。

そして、英語の質問が難しいと教師が判断した場合、日本語で言い直している。

これでは、教師の発言時間が長くなり、会話のリズムが悪くなってしまう。一方、

B グループの会話では、とにかく、絵から気付くことをいっぱい言わせた。教師側 からの投げかけも短くはっきりとしていた。そして、子供の言ったことを反復し たり、褒めたり、驚いたりすることで、発話を促していた。発話数も増えた。B グループの子供の発話を分類すると、「絵から想像する。」「思ったことを発言 する。」というのが多い。話したいと思って話したことである。自由に話すこと ができる雰囲気は、実に楽しいものであった。いろいろな想像を働かせ、子供た ちは終始笑顔であった。教師の英語が降ってくる A グループの子の顔がこわばっ ていたのに対して、B グループは、笑いながら読み聞かせを楽しむといった感じで あった。

英語を味わわせるという点については、子供が話した日本語を英語に直して反 復した。子供が夢中になって話している時は、雰囲気も盛り上がっている。身を 乗り出している。その時に、子供がつぶやいたことで英語に直せることは、教師 が直して反復してあげたことが効果的であった。

Ⅳ 考察 結論から言えば、英語絵本によって、英語が上達することはあり得ない。しか し、絵本を使って、コミュニケーション活動を充実させる方法はある。そこに英 語も交えて話しかけていくことで、絵から英語の意味を推測することができ、英 語を使って話すことへの下地が作られる。

英語は日本語と比べて、リズムやテンポが重視される言語である。テンポある コミュニケーションによって、教師と子供の間に楽しい雰囲気を築き、そこに英 語のエッセンスを取り入れることで、思いを伝えるコミュニケーションに英語を 活用していくきっかけになっていくと考えられる。

これまで、英語ノートの内容だけでは、子供の活動意欲が起こらないと感じ、

学級の実態にあわせて活動をアレンジしてきた。小学校の学級担任がここまで研 究するのは大変なことである。そこで絵本は有効である。子供と共に楽しみ、内 容を考えながら読み進めていけばいいと考える。

参照

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