マドリッド制度の更なる活用にむけて
各種様式を用いる際の実務情報
(2017 年 7 月更新)
各種様式を用いる際の実務情報
目次
はじめに ... 1
パート I – マドリッド制度の概要 ... 3
マドリッド制度とは ... 3
国際出願 ... 5
国際登録の出願に関する要件 ... 5
1. 出願人適格 ... 5
2. 基礎商標 ... 5
国際登録の出願方法 ... 6
出願から登録まで ... 9
国際登録の管理 ... 10
MADRID E-RENEWAL SERVICE による更新手続 ... 10
国際登録の管理 ... 11
地理的範囲の管理... 12
保護範囲の管理 ... 12
国際登録に係るその他の変更記録 ... 13
国内登録の国際登録による代替 ... 14
パート II – 様式の注釈 ... 15
マドリッド協定議定書のみによって支配される商標の国際登録の出願 (APPLICATION FOR INTERNATIONAL REGISTRATION GOVERNED EXCLUSIVELY BY THE MADRID PROTOCOL) ... 16
公式様式 MM2 – 注釈 ... 16
はじめに ... 16
様式 MM2 の記入方法 ... 16
第 1 欄: 当該官庁が本国官庁となる締約国 (CONTRACTING PARTY WHOSE OFFICE IS THE OFFICE OF ORIGIN) ... 16
第 2 欄: 出願人 (APPLICANT) ... 16
第 3 欄: 出願の資格 (ENTITLEMENT TO FILE) ... 18
第 4 欄: 代理人 (APPOINTMENT OF A REPRESENTATIVE) ... 18
第 5 欄: 基礎出願又は基礎登録 (BASIC APPLICATION OR BASIC REGISTRATION) 19 第 6 欄: 優先権の主張 (PRIORITY CLAIMED) ... 19
第 8 欄: 色彩に係る主張 (COLOR(S) CLAIMED) ... 21
第 9 欄: その他の表示 (MISCELLANEOUS INDICATIONS) ... 22
第 10 欄: 商品及び役務 (GOODS AND SERVICES) ... 24
第 11 欄: 指定国 (DESIGNATIONS) ... 27
第 12 欄: 出願人及び/又は代理人の押印又は署名 (SIGNATURE BY THE APPLICANT AND/OR HIS REPRESENTATIVE) ... 28
第 13 欄: 本国官庁による国際出願の認証及び署名 (CERTIFICATION AND SIGNATURE OF THE INTERNATIONAL APPLICATION BY THE OFFICE OF ORIGIN) ... 28
料金計算表 ... 29
事後指定書 (DESIGNATION SUBSEQUENT TO THE INTERNATIONAL REGISTRATION) ... 31
公式様式 MM4 – 注釈 ... 31
はじめに ... 31
様式 MM4 の記入方法 ... 32
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER) ... 32
第 2 欄: 国際登録の名義人 (HOLDER OF THE INTERNATIONAL REGISTRATION) . 32 第 3 欄: (新たな) 代理人の選任 (書面の様式 MM4 のみ) (APPOINTMENT OF A (NEW) REPRESENTATIVE) ... 32
第 4 欄: 指定国 (DESIGNATIONS) ... 33
第 5 欄: 事後指定に関する商品及び役務 (GOODS AND SERVICES CONCERNED BY THE SUBSEQUENT DESIGNATION) ... 35
第 6 欄: その他の表示 (MISCELLANEOUS INDICATIONS) ... 37
第 7 欄: 事後指定の効力日 (DATE OF EFFECT OF THE SUBSEQUENT DESIGNATION) ... 38
第 8 欄: 名義人及び/又は代理人の署名 (SIGNATURE BY THE HOLDER AND/OR HIS REPRESENTATIVE) ... 38
第 9 欄、第 10 欄: 事後指定書を提出する名義人の締約国の官庁による受理日及び宣言 (官庁を通じて事後指定が提出される場合) (DATE OF RECEIPT AND DECLARATION BY THE OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY OF THE HOLDER PRESENTING THE SUBSEQUENT DESIGNATION (WHERE THE SUBSEQUENT DESIGNATION IS PRESENTED THROUGH AN OFFICE) ... 39
料金計算表 ... 39
名義人の変更の記録の請求書 (REQUEST FOR THE RECORDING OF A CHANGE IN OWNERSHIP) ... 41
はじめに ... 41
様式 MM5 の記入方法 ... 42
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER(S)) ... 42
第 2 欄: 名義人の氏名 (譲渡人) (NAME OF THE HOLDER (TRANSFEROR)) ... 42
第 3 欄: 新名義人 (譲受人) (NEW OWNER (TRANSFEREE)) ... 42
第 4 欄: 国際登録の名義人となるための新名義人 (譲受人) の資格 (ENTITLEMENT OF THE NEW OWNER (TRANSFEREE) TO BE THE HOLDER OF THE INTERNATIONAL REGISTRATION) ... 43
第 5 欄: 新名義人 (譲受人) による代理人の選任 (APPOINTMENT OF A REPRESENTATIVE BY THE NEW OWNER (TRANSFEREE)) . 44 第 6 欄: 名義変更の範囲 (SCOPE OF THE CHANGE IN OWNERSHIP) ... 45
第 7 欄: その他の表示 (MISCELLANEOUS INDICATIONS) ... 46
第 8 欄: 名義人 (譲渡人) 及び/又はその代理人による押印又は署名 (SIGNATURE BY THE HOLDER (TRANSFEROR) AND/OR HIS REPRESENTATIVE) . 46 第 9 欄: 当該請求書を提出する、国際登録簿に記録された名義人 (譲渡人) 又は新名義人 (譲受人) の指定国官庁 (官庁を通じて請求書を提出する場合) (OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY (OF THE RECORDED HOLDER (TRANSFEROR) OR THAT OF THE NEW OWNER (TRANSFEREE)) PRESENTING THE REQUEST (where the request is presented through an Office)) ... 47
料金計算表 ... 47
商品及び役務のリストの限定の記録の請求書 (REQUEST FOR THE RECORDING OF A LIMITATION OF THE LIST OF GOODS AND SERVICES) ... 49
公式様式 MM6 – 注釈 ... 49
はじめに ... 49
様式MM6を用いるべきでないとき ... 49
様式 MM6 の記入方法 ... 50
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER(S)) ... 50
第 2 欄: 名義人の氏名 (名称) (国際登録簿に記載のとおり) (NAME OF THE HOLDER) ... 50
第 3 欄: (新たな) 代理人の選任 (該当する場合) (APPOINTMENT OF A (NEW) REPRESENTATIVE (if any)) ... 50
第 4 欄: 締約国 (CONTRACTING PARTIES) ... 51
第 5 欄: 商品及び役務 (GOODS AND SERVICES) ... 51
(SIGNATURE BY THE HOLDER AND/OR HIS REPRESENTATIVE) ... 54
第 7 欄: 当該請求書を提出する名義人の締約国の官庁 (OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY PRESENTING THE REQUEST (where this request is presented through an Office)) ... 54
料金計算表 ... 54
放棄の記録の請求書 (REQUEST FOR THE RECORDING OF A RENUNCIATION) ... 56
公式様式 MM7 – 注釈 ... 56
はじめに ... 56
様式 MM7 を用いるべきでないとき ... 56
様式 MM7 の記入方法 ... 57
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER) ... 57
第 2 欄: 名義人の氏名 (名称) (国際登録簿に記載のとおり) (NAME OF THE HOLDER) ... 57
第 3 欄: (新たな) 代理人の選任 (該当する場合) (APPOINTMENT OF A (NEW) REPRESENTATIVE (if any)) ... 57
第 4 欄: 締約国 (CONTRACTING PARTIES) ... 58
第 5 欄: 名義人及び/又は代理人の署名 (SIGNATURE BY THE HOLDER AND/OR HIS REPRESENTATIVE) ... 58
第 6 欄: 当該請求書を提出する名義人の締約国の官庁 (OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY OF THE HOLDER PRESENTING THE REQUEST (where this request is presented through an Office)) ... 59
国際登録の取消の記録の請求書 (REQUEST FOR THE RECORDING OF A CANCELLATION OF THE INTERNATIONAL REGISTRATION) ... 60
公式様式 MM8 – 注釈 ... 60
はじめに ... 60
様式 MM8 を用いるべきでないとき ... 60
様式 MM8 の記入方法 ... 61
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER) ... 61
第 2 欄: 名義人の氏名 (名称) (国際登録簿に記載のとおり) (NAME OF THE HOLDER) ... 61
第 3 欄: (新たな) 代理人の選任 (該当する場合) (APPOINTMENT OF A (NEW) REPRESENTATIVE (if any)) ... 61
第 4 欄: 商品及び役務 (GOODS AND SERVICES) ... 62
(SIGNATURE BY THE HOLDER AND/OR HIS REPRESENTATIVE) ... 63
第 6 欄: 当該請求書を提出する名義人の締約国の官庁 (OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY OF THE HOLDER PRESENTING THE REQUEST (where this request is presented through an Office)) ... 64
限定、放棄、取消... 64
名義人の氏名 (名称) 若しくは住所 (居住) の変更の記録、又は名義人が法人である場合における名 義人の法的性質に係る表示の追加若しくは変更の記録の請求書 (REQUEST FOR THE RECORDING OF A CHANGE IN NAME OR ADDRESS OF THE HOLDER OR, WHERE THE HOLDER IS A LEGAL ENTITY, FOR THE RECORDING TO INTRODUCE OR CHANGE INDICATIONS CONCERNING ITS LEGAL NATURE) ... 65
公式様式 MM9 – 注釈 ... 65
はじめに ... 65
様式 MM9 の記入方法 ... 66
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER(S)) ... 66
第 2 欄: 名義人の氏名 (名称) (国際登録簿に記載のとおり) (NAME OF THE HOLDER) ... 66
第 3 欄: 名義人の氏名及び/又は住所の変更 (CHANGE IN NAME AND/OR ADDRESS OF THE HOLDER) ... 66
第 4 欄: 名義人が法人である場合における名義人の法的性質に係る表示の追加若しくは変 更 (IF THE HOLDER IS A LEGAL ENTITY, RECORDING OF OR CHANGE IN THE INDICATIONS CONCERNING THE LEGAL NATURE OF THE HOLDER) ... 67
第 5 欄: 名義人の連絡先の変更 (任意) (CHANGE IN THE HOLDER’S CONTACT INFORMATION (optional)) ... 67
第 6 欄: (新たな) 代理人の選任 (該当する場合) (APPOINTMENT OF A (NEW) REPRESENTATIVE (IF ANY)) ... 69
第 7 欄: 名義人及び/又は代理人の署名 (SIGNATURE BY THE HOLDER AND/OR HIS REPRESENTATIVE) ... 70
第 8 欄: 当該請求書を提出する名義人の締約国の官庁 (OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY OF THE HOLDER PRESENTING THE REQUEST (where this request is presented by or through an Office)) ... 70
料金計算表 ... 70
代理人の氏名 (名称) 又は住所 (居所) の変更の記録の請求書 (REQUEST FOR THE RECORDING OF A CHANGE IN NAME AND/OR ADDRESS OF THE REPRESENTATIVE) ... 72
はじめに ... 72
様式 MM10 の記入方法 ... 72
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER(S)) ... 72
第 2 欄: 代理人氏名 (名称) (NAME OF THE REPRESENTATIVE) ... 72
第 3 欄: 代理人の氏名及び/又は住所の変更 (CHANGE IN NAME AND/OR ADDRESS OF THE REPRESENTATIVE) ... 72
第 4 欄: 名義人及び/又は代理人の署名 (SIGNATURE BY THE HOLDER AND/OR HIS REPRESENTATIVE) ... 73
第 5 欄: 当該請求書を提出する名義人の締約国の官庁 (OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY OF THE HOLDER PRESENTING THE REQUEST (where this request is presented through an Office)) ... 74
国際登録の更新の申請書 (RENEWAL OF THE INTERNATIONAL REGISTRATION)... 75
公式様式 MM11 – 注釈 ... 75
はじめに ... 75
様式 MM11 の記入方法 ... 77
第 1 欄: 国際登録番号 (INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER) ... 77
第 2 欄: 名義人の氏名 (名称) (NAME OF THE HOLDER) ... 77
第 3 欄: 更新を請求する締約国 (CONTRACTING PARTIES FOR WHICH RENEWAL IS REQUESTED) ... 77
第 4 欄: 共通規則第 18 規則の 3 に基づく一部保護認容声明が国際登録簿に記録された締 約国についての全ての商品・役務の更新 (RENEWAL FOR ALL GOODS AND SERVICES, NOTWITHSTANDING THE RECORDING OF A DECISION ON PARTIAL PROTECTION UNDER RULE 18TER) ... 77
第 5 欄: 署名 (SIGNATURE) ... 78
料金計算表 ... 78
代理人の選任の届出書 (APPOINTMENT OF A REPRESENTATIVE) ... 80
公式様式 MM12 – 注釈 ... 80
はじめに ... 80
様式 MM12 の記入方法 ... 81
第 1 欄: 出願人/名義人の氏名 (NAME OF THE APPLICANT AND/OR HOLDER) ... 81
第 2 欄: 国際出願を特定するための情報又は国際登録番号 (INTERNATIONAL APPLICATION(S)’ REFERENCE(S) AND/OR INTERNATIONAL REGISTRATION NUMBER(S)) ... 81
第 3 欄: 代理人 (REPRESENTATIVE) ... 81
(SIGNATURE BY THE APPLICANT AND/OR HOLDER) ... 82 第 5 欄: 当該請求書を提出する出願人/名義人の締約国の官庁
(OFFICE OF THE CONTRACTING PARTY OF THE APPLICANT AND/OR HOLDER PRESENTING THE REQUEST (where this request is presented through an office))82
はじめに
このハンドブックは、商標の国際的な登録制度であるマドリッド制度の利用者又は利用しようとす る方々に向けて、マドリッド制度を積極的に活用するための実務情報を提供するものです。
パート I では、マドリッド制度の概要と主な特徴、そして本制度を利用することの利点を紹介しま す。パート II では、マドリッド制度で最も頻繁に用いられる様式、すなわち国際登録願書、事後指 定書、変更の記録の請求書 (例: 名義人の変更、名義人又は代理人の氏名又は住所の変更、限定) 及 び国際登録の更新の申請書などを記入する際に役立つ実務情報を提供します。
マドリッド制度に関する知識をいっそう深め特定のトピックに関するより詳細な情報を確認するに は、マドリッド制度に基づく標章の国際登録に関するガイド (「ガイド」) や世界知的所有権機関 (WIPO) のウェブサイト (http://www.wipo.int/madrid/ja/index.html) をご覧ください。
マドリッド制度に関するお問い合わせ
マドリッド制度に関する一般的または個別の案件に対するご質問については、WIPO 本部にお問い 合わせください。(対応可能な言語は英語、フランス語及びスペイン語となります。)
オンライン フォーム:
http://www.wipo.int/madrid/en/contact/
電話番号:
+41 22 338 86 86 (マドリッド カスタマー サービス) 受付時間: 月~金 9:00-18:00 (ジュネーブ時間)
郵便物の宛先:
Madrid Operations Division Madrid Registry
Brands and Designs Sector
World Intellectual Property Organization (WIPO) 34, Chemin des Colombettes
1211 Geneva 20
Switzerland
なお、
WIPO
は日本のユーザのために、WIPO
日本事務所(WJO)
を2006
年に東京に設立した ことから、マドリッド制度に関する一般的なご質問について日本語での対応を行っております。対応を希望する場合は、WJO に電話 (03 5532 5025) でお問い合わせください。
パート I – マドリッド制度の概要 マドリッド制度とは
マドリッド制度は、アフリカ知的所有権機関 (OAPI) や欧州連合 (EU) を含む 110 ヶ国以上の締約 国1において、簡便で経済的な手続によって商標の保護を取得し維持し得る特殊な機会を個人や企業 に提供する制度です。マドリッド制度の下では、手続を単一の言語で行うことができ、また手数料 を単一の通貨で支払うことが可能です。
マドリッド制度に基づく保護の取得は、対象となる商品及び役務並びに領域 (「指定締約国」) を示 した単一出願 (「国際出願」) により一括で行うことができます。
指定締約国は、それぞれの国内法令に基づき、商標の保護の認容又は拒絶を決定し、保護範囲を定 めます。
また、商標が国際登録簿に記録された (「国際登録」) 後は、マドリッド制度の下で簡単に登録の管 理を行うことができます。例えば、国際登録の更新や変更の記録の請求 (名義人の変更や名義人の 氏名 (名称) 又は住所 (居住) の変更などを含む) を、全ての指定締約国を対象とした単一の手続に よって行うことが可能です。
さらに、マドリッド制度の大きな特長として、国際登録がなされた後でも、締約国2を追加で指定 (「事後指定」) することによって国際商標の地理的保護範囲を拡張することが可能であるという点 が挙げられます。この利点を活用することで、例えば、当初は 1 つの国際出願番号の下で 5 ヶ国 における商標の保護を取得し、その保護を後から最終的に 100 ヶ国以上の国に拡張するというよう なことが可能になります。
マドリッド制度はまた、一部の指定締約国や一部の商品及び役務のみに係る国際登録の譲渡など 様々な変更に柔軟に対応可能です。
1 マドリッド制度の加盟国 (「締約国」) の最新の一覧表は、次のリンク先でご確認いただけます。
http://www.wipo.int/export/sites/www/treaties/en/documents/pdf/madrid_marks.pdf.
2 マドリッド協定議定書への加盟前に、議定書に基づき効力が発生した国際登録に関しては、事後指定を認め ない旨の議定書第 14 条 (5) に基づく宣言を行っている締約国を除きます。このような宣言を行っている締 約国については、http://www.wipo.int/madrid/en/madridgazette/remarks/declarations.htm の一覧 (f) を参照してください。
国際出願数の増加や利用者による評価の高さから裏づけられているように、マドリッド制度は、そ の簡略化・効率化された手続により、またコスト節減 (翻訳や認証費用負担の軽減、現地代理人の 選任が義務化されていないことによる現地代理人費用負担の軽減) を実現可能にした点で、利用者 にとって大いに魅力的な制度であるといえます。
最後に、法的背景としては、マドリッド制度は、標章の国際登録に関するマドリッド協定 (「マド リッド協定」) と標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書 (「マドリッド協定議定書」) の 2 つの条約から成り立っており、国際事務局としての役割を担う世界知的所有権機関 (WIPO) によ ってスイスのジュネーブで運営管理されています。現在マドリッド協定の加盟国は全てマドリッド 協定議定書の加盟国でもあり、議定書のみに加盟している締約国のみならず、議定書 9 条の 6(1)(a) により議定書、協定の双方の締約国についても議定書が適用されることから、実務的には、
マドリッド制度はマドリッド協定議定書のみに支配される単一条約体制で運営されています。
国際出願
国際登録の出願に関する要件
自然人又は法人は、次の「出願人適格」と「基礎商標」の 2 つの要件を満たすことを条件に、国際 登録を出願することができます。
1. 出願人適格
マドリッド制度を利用するには、国際登録の出願人が次のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 議定書の加盟国に現実かつ真正な工業上又は商業上の営業所を有している
- 議定書の加盟国に住所を有している
- 議定書の加盟国の国民である
また、欧州連合 (EU) 又はアフリカ知的所有権機関 (OAPI) の領域内に営業所若しくは住所を有し ているか、欧州連合 (EU) 又はアフリカ知的所有権機関 (OAPI) の加盟国の国民である出願人も、
国際登録を出願する適格性を有します。
出願人が関連性を有する締約国の官庁は、「本国官庁」と呼ばれます。
マドリッド制度の下で国際出願を行う出願人としての適格性を有すか否かを確認するには、WIPO の International Application Simulator サービスをご利用ください。また、このシミュレータで は、実際に国際出願を行う際に求められる情報 の種類や、WIPO の手数料計算ツール Fee Calculator により算出される概算手数料を確認することができます。
2. 基礎商標
出願人適格の要件に加えて、国際登録を出願する商標は、本国官庁において出願又は登録されてい ることが必要です。このような本国官庁における出願又は登録は、しばしば「基礎商標」と呼ばれ ます。
出願人は、出願しようとする商標が他人の権利に抵触することを避けるため、基礎商標を出願する 前に、WIPO が提供する検索サービス (無料) Madrid Monitor3 や Global Brand Database4 を利 用して、抵触する可能性がある先行商標を調査することが推奨されます。
出願人はまた、出願しようとする商標に、人を誤認させ若しくは欺く恐れのある語や要素、又は現 在及び将来の市場の言語や文化において否定的な意味合いやニュアンスを伴う恐れのある語や要素 が含まれていないかどうか、確認することが推奨されます。例えば、出願人が、欧州連合 (EU) 市 場において自動車又は自動二輪車を「BURRO」という商標で販売することを希望している場合、
「BURRO」とは、イタリア語ではバターを意味しスペイン語ではロバを意味する語であるというこ とを理解しておくべきでしょう。このことが指定締約国による保護の拒絶の原因とはならなくとも、
商品の販売促進に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
最後に、国際登録は 5 年間は基礎商標に従属する (基礎商標の商品の一部又は全部が消滅すると国 際登録も同じ範囲で取り消されます) ことを踏まえ、出願人は、基礎出願ではなく基礎登録に基づ いて国際登録を出願する選択肢についても検討することが望まれます。これは、商標がいったん登 録されて異議申立期間が終了すると、係属中の出願に比べて、基礎商標としてより安定したものに なるためです。
国際登録の出願方法
本国官庁が定まり、本国官庁に基礎商標が (i) 出願又は (ii) 登録されると、当該商標の国際登録出 願が可能になります。
国際登録の出願は、様式 MM25 を用いて行われます。様式 MM2 は、マドリッド制度の手続言語で ある英語、フランス語及びスペイン語の 3 言語で利用可能であり、WIPO のウェブサイト
(http://www.wipo.int/madrid/en/forms/) から入手いただけます。ただし、締約国によっては対 応言語を 1 つ又は 2 つに限定している場合もあるので、様式を使用する前に 各官庁で認められる 使用言語 を予め確認してください。
3 Madrid Monitor は、ROMARIN、Gazette (公報)、Madrid E-Alert 及び Madrid Real Time Status 上で提供さ れる機能や情報を集約したものです。
4 Global Brand Database では、多数の官庁の登録簿を含む 30 ヶ国以上の商標データを検索できます。
5 2015 年 10 月 31 日以降、マドリッド協定加盟国の全てはマドリッド議定書の加盟国でもあることから、様式 MM1 及び MM3 は使用されることがなくなり、国際出願には様式 MM2 のみが使用可能となっています。
本書パート II では、様式 MM2 を用いた国際出願を円滑に進めるために有用な情報を、簡潔かつわ かりやすく紹介しています。より詳細な情報については、様式 MM2 に関する注釈 (MM2.INF) を 参照してください。
国際登録の出願には、基本的に以下の情報が含まれなければなりません。
1. 商標の見本 (複製): 基礎出願又は基礎登録されている商標の見本と同一のもの。
2. 指定国: 保護を求める指定国を指定します。指定できる国の数に上限はありません。た だし、出願人の本国官庁が属する国又は領域を指定することはできません。
指定国のリストを作成する際には、関心のある市場や周辺領域及び潜在的な輸出市場を考慮に入れ て、慎重に選択しましょう。
過度に野心的な指定を行うと、指定した締約国において商標が使用されなかった場合には、不使用 による商標取消を請求される可能性があります。反対に、過度に制限的な指定を行うと、保護を取 得しなかった国で、競業者や模倣業者が商標登録してしまう可能性があります。
この点に関して、マドリッド制度の大きなメリットの 1 つとして、国際登録が行われた後でも、締 約国を追加で領域指定することによって地理的保護範囲を拡張することが可能であるという点が挙 げられます。この制度を利用することで、実際のビジネスニーズに応じた地理的保護範囲の拡張が 可能になるということです。
3. 保護を求める商品及び役務のリスト: 基礎登録又は基礎出願における商品及び役務の範 囲内で記載します。
国際事務局からの欠陥通報を避けるため、商品及び役務のリストは、商標登録のための商品及び役 務の国際分類 (「ニース国際分類」) に規定される最新の国際分類に従って分類してください。また、
指定締約国で認められるものであることを確認した方が良いでしょう。この目的のためには、
Madrid Goods and Services Manager (MGS) (無料) を利用して、国際事務局及び一部の締約国 の官庁によって認められている商品及び役務を確認することが推奨されます。また MGS では、マ ドリッド制度の手続言語 3 言語を含む 15 の言語に対応した用語翻訳機能もご利用いただけます (Information Notice No. 16/2016 を参照)。
商品及び役務のリストについても、意欲的かつ現実的な視点を持って作成することが重要です。作 成時時点で提供されている商品や役務だけではなく、近いうちに提供されるであろう商品や役務も 考慮に入れて、バランスのとれたリストを作成しましょう。
締約国の中には、出願時に、商標を使用する意思の宣言書を提出 (出願様式上又は別途提出6) する よう求める国もあります。過度に広範囲なリストを使用すると、このような締約国において拒絶や 不使用による取消につながる可能性があることに留意してください。
なお、商品及び役務のリストについては、後から商品又は役務を追加して拡張することはできませ ん。これは、追加したい商品又は役務が基礎商標に含まれているものであっても同様です。
さ ら に 、 WIPO の Examination Guidelines Concerning the Classification of Goods and Services in International Applications (国際出願における商品・役務の分類に関する審査ガイド ライン) を参照することで、WIPO における分類審査の原則についての理解を深め、不備が指摘さ れたり欠陥の通報を受けたりするリスクを軽減することが可能です。このガイドラインには、国際 事務局により適用されるニース国際分類の原則に関する詳細情報や、実務上の検討事項などに関す る情報が含まれます。
4. 国際出願に係る手数料7
– 基本手数料 (商標の複製が白黒で提示される場合は 653 スイス フラン、カラー の場合は 903 スイス フラン)、
– 追加手数料 (保護を求める商品及び役務の区分数に基づき算出: 3 区分を超える 区分につき、1 区分ごとに 100 スイス フラン)、及び
– 付加手数料 (1 締約国ごとに 100 スイス フラン)、又は指定締約国が定める個別 手数料
国際連合の分類によって 後発開発途上国 (LDC) と認定された国を本国として国際出願する場合は、
基本手数料につき 90% の減免を受けることができます。
6 様式 MM2 及び MM18 の第 11 欄を参照してください。
7 詳細については、”Schedule of Fees” 及び “Individual Fees under the Madrid Protocol” に掲載されている手数 料関連情報や手数料計算ツール Fee Calculator を参照してください。
出願から登録まで
国際出願が本国官庁経由 (直接出願はできません) で国際事務局において受理されると、商品及び役 務の分類や手数料の納付確認など、方式面での審査が行われます。
方式審査で出願に欠陥 (例: 情報や手数料納付に関する不備や欠落) が認められた場合、国際事務局 は本国官庁及び出願人の双方に通知し、3 ヶ月の期限内に当該欠陥をどう是正すべきか示します。
方式審査で欠陥が認められなかった場合には、当該商標は、国際登録簿に記録されて国際登録とな ります。国際事務局は名義人に対して国際登録証を発行し、指定締約国に対しては通報を行います。
また、国際登録された商標は WIPO Gazette of International Marks8 (公報) (Madrid Monitor か らも閲覧可能) で公表されます。
国際登録証の発行は、国際出願が国際事務局による方式審査を通過して国際登録簿に記録されたこ とを示すものであって、各指定締約国において商標の保護を取得したことを意味するものではあり ません。各指定締約国の官庁は、国際事務局による商標の国際登録の通知を受けた後、各国内 (広 域) の適用法令に従った実体審査を行って当該商標を保護するか否かを決定することができます。
指定締約国の官庁が所定期間内 (通常 12 ヶ月又は 18 ヶ月) に拒絶を通報しない場合、当該商標に は、当該領域内において、当該官庁に直接出願されて登録を受けていた場合と同一の保護が与えら れたとみなされます。
官庁が所定の期間内に保護の拒絶を国際事務局に通報した場合には、国際事務局は名義人にこれを 転送します。拒絶通報を受けた名義人には、原則として、拒絶に対応する手続を行う機会が与えら れます。この手続の内容及び応答期限は各締約国の法令により異なるため、拒絶の再審査又は拒絶 に対する抗告、さらにその後の異議申立てに対する応答を含む一切の手続は、国際事務局を介せず 当事者が関連官庁に対して直接行う必要があります。
国際事務局では、出願人や名義人が、手続状況を電子メールによる通知やリアルタイムの情報取得 によって積極的に把握できるよう、オンライン サービス (無料) の Madrid Portfolio Manager9
8 Gazette は、マドリッド制度における公式公報です。国際登録、更新、事後指定及び既存の国際登録に影響する変更情報 が、国際事務局によって毎週公表されます。
9 Madrid Portfolio Manager (MPM) は、商標の国際登録手続に関する窓口として安全にご利用いただけます。このサービ スでは、各種変更を画面上で一括で行うことが可能なため、複数の国際登録を管理する利用者には特に有用です。
(MPM) とMadrid Monitor の「realtime search」(リアルタイム検索) 機能の活用を推奨していま す。
また、マドリッド制度の加盟国官庁の法令や運用についての情報を確認するには、オンライン サー ビス (無料) の Member Profiles Database10 をご利用いただけます。
国際登録の管理
国際登録の存続期間は国際登録日から 10 年であり、10 年ごとの更新が可能です。国際事務局は、
名義人に対し、国際登録の存続期間が満了する 6 ヶ月前に更新の可能性について非公式な通知を行 いますが、名義人がこの通知を受けなかった場合でも、更新手続を怠ることの免責事由にはなりま せん。したがって、更新日については名義人及びその代理人が十分に注意する必要があります。
MADRID E-RENEWAL SERVICE による更新手続
国際登録を最も簡単に更新する方法は、オンライン サービスの Madrid E-Renewal Service を利 用して手続を行い、所定の手数料を支払うことです。
更新料の支払は、クレジット カードへの課金11又は WIPO 予納口座 (WIPO Current Account) か らの引き落とし12によって行われます。決済が完了すると利用者に電子メール通知が送られます。
利用者は、Madrid Monitor の「realtime search」機能を使い、手続の処理状況 (名義人の変更や 登録の更新を含む) をリアルタイムで確認することができます。
Madrid E-Renewal Service にアクセスして国際登録番号を入力すると、登録の更新が可能な締約 国の一覧が表示されます。利用者は、表示された締約国の全て又は一部を選択して登録の更新を行 うことができます。
10 Member Profiles Database は、マドリッド制度の加盟国における運用や手続に関する情報 (暫定的拒絶通報への応答 期間など) へのアクセスを無料で提供するものです。現在ユーザガイドとして Quick-Start Guide (英語版) が提供されてい ます。
11 クレジットカードによるお支払は、Madrid E-Renewal Service や Madrid E-Subsequent Designation Service で 手数料を支払う際にご利用いただけます。また、欠陥通報や個別手数料の第二の部分の通知に WIPO の照会番号 (reference number) が記載されている場合には、クレジットカードによるお支払が可能です。
12 WIPO 予納口座 (WIPO Current Account) は、WIPO が管理する特別金融口座です。この口座は、スイス フラン建て で管理されています。WIPO の各種サービスに関するお支払にこの口座をご利用いただけます。
Madrid E-Renewal Service 上で示される更新料は、締約国において共通規則 18 の 3 に基づいて 保護された声明 (最終決定) の記録に従って保護を受ける商品及び役務のみが考慮されて算出された ものです。最終決定の記録後に商標の保護が全面的に拒絶された場合は、全ての商品及び役務が考 慮された更新料が算出されます。
共通規則第 18 の 3(2) に基づき、最終決定の記録後に指定締約国で商標の保護が部分的に拒絶され た場合において、全ての商品及び役務に係る登録の更新を行うときには、Madrid E-Renewal Service 上で手続を行うことはできません (Information Notice No. 10/2015 を参照)。この場合 には、様式 MM11 の送付が必要になります。
指定締約国で商標の保護が全面的又は部分的に拒絶された場合でも、当該拒絶に対する応答手続が 係属中であることから、当該指定締約国に係る全ての商品及び役務について登録の更新を行う場合 があるからです。
また、国際事務局に特別な取扱 (一部取消、限定又はその他の変更の記録後に更新を記録すること 等) を依頼したい場合は、Madrid E-Renewal Service の利用は適しません。
手数料についての注意事項: Madrid E-Renewal Service 上で算出される手数料は概算手数料であ り、更新の審査後に変更する可能性があります。WIPO 予納口座 (WIPO Current Account) を使 用して手数料を支払う場合、審査後に確定した手数料の最終金額が、通知なしに口座から引き落と されます。クレジットカードを使用して支払う場合には、審査により徴収が決定した追加の手数料 について、国際事務局から連絡が送られます。
国際登録の管理
国際登録後、名義人は、保護の地理的範囲や各指定締約国における保護範囲の管理を行うことが可 能です。
これは、国際登録が複数の国内登録の束に相当することによるもので、ビジネスニーズの変化に応 じた国際登録管理を可能にするマドリッド制度独自の特徴です。
地理的範囲の管理
国際登録の名義人は、国際登録が行われた後でも、締約国を追加で事後指定することによって登録 の地理的保護範囲を拡張することができます。新たにマドリッド制度に加入した新規締約国も、い くつかの例外を除き、事後指定の対象になります。
事後指定が行われると、国際登録は、事後指定で追加された締約国においては事後指定日に効力を 生じ、当該国際登録の残存存続期間中効力が保たれます。事後指定後の更新では、追加された締約 国も対象になります。
事後指定を行うには、Madrid E-Subsequent Designation Service を利用するのが最も簡便な方 法です。このサービスにアクセスして国際登録番号を入力すると、事後指定が可能な締約国の一覧 が表示されます。利用者は、国際登録された商品及び役務のそれぞれについて、指定したい締約国 を選択することができます。このサービスで示される事後指定手数料の支払は、クレジット カード への課金又は WIPO 予納口座 (WIPO Current Account) からの引き落としによって行われます。
決済が完了すると利用者に電子メール通知が送られ、利用者は、Madrid Monitor の「realtime search」機能を使用して手続の処理状況をリアルタイムで確認することができるようになります。
国際登録の地理的保護範囲を減縮したい名義人は、減縮対象の指定締約国に係る登録を更新しない か、又は指定締約国における保護の放棄をいつでも行うことができます。ただし、少なくとも 1 つ の指定締約国については登録の更新を行う必要があります。また、全ての指定締約国における保護 の放棄は認められませんが、その代わりに、名義人は登録の全部取消 (後述) を請求することができ ます。
保護の放棄の記録の請求は、様式 MM7 を用いて無料で行うことができます。
保護範囲の管理
国際登録の名義人が特定の指定締約国における保護範囲を拡張したいときは、当該締約国について 保 護 さ れ て い な い 商 品 又 は 役 務 を 事 後 指 定 す る こ と が 可 能 で す 。 こ の 手 続 は 、 Madrid E-Subsequent Designation Service 上で行うか、様式 MM4 を用いて行います。
他方で、特定の指定締約国における保護範囲を減縮したいときには、当該締約国に係る商品及び役 務のリストを限定する記録を請求します。限定の記録が行われても、限定の対象となった商品及び
役務は国際登録簿上に残存するため、限定の記録に含まれない締約国の保護範囲には影響が及びま せん。限定の記録の請求は、様式 MM6 を用いて行います。
特定の商品及び役務を国際登録簿上から削除するには、一部取消の記録請求を行います。一部取消 の記録の効力は全ての指定締約国に及び、取消の対象となった商品及び役務は国際登録簿から永久 に抹消されるため、当該商品及び役務については、事後指定によって指定締約国を追加することが 不可能になります。さらに、国際登録自体を取り消したい場合には、全部取消の記録の請求を行い ます。一部又は全部取消の記録の請求は、様式 MM8 を用いて無料で行うことができます。
国際登録に係るその他の変更記録
マドリッド制度のメリットの 1 つとして、指定締約国の官庁が別段の宣言を発している場合を除き、
国際登録簿に係る変更を記録する単一手続を行うことで、全ての指定締約国でその効力を生じさせ ることができる点が挙げられます。指定締約国による別段の宣言は、名義人の変更、限定又はライ センスの記録に関するものである場合にのみ認められます。
国際登録簿の記録の変更の主な例
– 国際登録の名義人の変更 (MM5)– 全部又は一部の指定締約国における商品及び役務の リストの限定 (MM6)
– 一部の指定締約国における保護の放棄 (MM7)
– 全ての指定締約国に係る全部又は一部の商品及び役務の登録の取消 (MM8)
– 名義人の氏名 (名称) 若しくは住所 (居住) の変更、又は名義人が法人である場合におけ る名義人の法的性質の変更 (若しくは追加) (MM9)
– 代理人の氏名 (名称) 又は住所 (居住)の変更 (MM10)
この他にも、ライセンスに関する変更や名義人の処分権の制限などが、国際登録簿に係る変更に含 まれます。
手続の処理状況を確認するには、WIPO が提供するマドリッド手続専用サービス Madrid Monitor をご利用ください。Madrid Monitor (http://www.wipo.int/madrid/monitor/en/index.jsp) では、
関心のある商標についてのアップデートに関する通知を電子メールで受け取るように設定すること も可能です。
国内登録の国際登録による代替
マドリッド制度の締約国である又は締約国になった国 (領域) において国内 (広域) 登録されている 商標がある場合、「代替」という制度を利用して国際登録の下にその保護を集約することができま す。このためには、後から国際登録や事後指定によって、代替する国内 (広域) 登録の対象領域 を指定する必要があります。
必要な要件が満たされると、国際登録が国内 (広域) 登録に代替することになります。国際登録は先 行する国内 (広域) 登録に自動的に代替したものとみなされますが、第三者への情報提供のため、代 替の記録を国際登録簿に記録するよう国際事務局に通知するように、国内 (広域) 官庁に依頼するこ とが推奨されます。代替に関する詳細情報については、ガイド13 を参照してください。
13 パラグラフ B.II.100.01 から 07 までを参照してください。
パート II – 様式の注釈
パート II では、最も頻繁に用いられる以下の様式について、記入方法と注意事項を説明します。
MM2 国際登録願書 MM4 事後指定書
MM5 名義人の変更の記録の請求書
MM6 商品及び役務のリストの限定の記録の請求書 MM7 放棄の記録の請求書
MM8 国際登録の取消の記録の請求書
MM9 名義人の氏名 (名称) 又は住所 (居所) の変更の記録、又は名義人が法人であ る場合における名義人の法的性質の変更 (若しくは追加)の請求書
MM10 (任意) 代理人の氏名 (名称) 又は住所 (居所) の変更の記録の請求書 MM11 (任意) 国際登録の更新の申請書
MM12 (任意) 代理人の選任の届出書
様式は次のリンク先から入手いただけます。http://www.wipo.int/madrid/en/forms/
様式を記入する際の注意事項
– 様式は、片面刷りで A4 の大きさのものを使用します。
– 様式の記入は、タイプ印書など機器を用いて行う必要があります。手書きによる記入は 認められません。
– 記載欄が不足した場合は、連続用紙を用います。連続用紙には様式の書式に従って情報 を記載し、どの事項に続く内容であるか明記します。また、様式の最上部に、用いた連 続用紙の枚数を記入します。
様式は全て、マドリッド制度の手続言語である英語、フランス語及びスペイン語の 3 言語で入手可 能です。ただし、官庁を通じた提出が求められる様式については、各官庁で認められる使用言語 を 確認してください。
マドリッド協定議定書のみによって支配される商標の国際登録の出願
(APPLICATION FOR INTERNATIONAL REGISTRATION GOVERNED EXCLUSIVELY BY THE MADRID PROTOCOL)
公式様式 MM2 – 注釈 はじめに
国際登録を出願するには、願書 (MM2) を本国官庁経由で提出します。国際事務局に対して直接出 願を行うことはできません。願書の提出方法 (書面、電子メールその他電子的提出方法) については、
本国官庁に問い合わせてください。
様式 MM2 の記入方法
第 1 欄: 当該官庁が本国官庁となる締約国
(CONTRACTING PARTY WHOSE OFFICE IS THE OFFICE OF ORIGIN)
本国官庁となる締約国名を記載します。本国官庁となる締約国とは、国籍、住所又は現実かつ真正 な工業上若しくは商業上の営業所を有することによって出願人が出願人適格要件を満たす締約国で あり、出願人の基礎商標が出願又は登録されている官庁を有す締約国です。
第 2 欄: 出願人 (APPLICANT)
(a) 氏名 (名称): 出願人が自然人の場合は、慣習上用いられる順序で姓及び名を記載し、
法人の場合は正式名称を全部記載します。
ラテン文字以外の文字による表記である場合は、国際出願言語の表音法に従った音訳をラテン文字 で記載します。法人の場合は、国際出願言語による翻訳を音訳の代わりに記載してください。
複数の出願人がいる場合は、筆頭出願人の氏名のみこの欄に記載し、他の出願人の氏名は連続用紙 に記載します。
(b) 住所 (居住): 郵便物を速やかに受け取るために適した表示方法で住所を記載します。
複数の出願人がいる場合は、筆頭出願人の住所のみこの欄に記載し、他の出願人の氏名及び住所は 連続用紙に記載します。
複数の出願人が異なる住所を有していて代理人又は通信のための宛先が示されていないときは、通 信は全て筆頭出願人の住所に送付されます。
(c) 通信のための宛先: 本欄 (b) に記載された住所以外の住所を通信の宛先とする場合、
この欄に記載します。例えば、複数の出願人が異なる住所を有する場合や、社内弁護士によって出 願が提出されるが弁護士の住所が会社の住所と異なる場合に、通信のための宛先を示します。不要 であれば、この欄は空白のままにします。
注: 代理人の選任には、この欄ではなく第 4 欄を用います。
(d) 電話番号又はファクシミリ番号及び電子メール アドレス: 国際事務局からの連絡を受け 取る出願人の電話番号又はファクシミリ番号及び電子メール アドレスを記入することができます。
電話番号又はファクシミリ番号には国コードと市外局番を含め (例: スイスならば「+41 22 338 8686」)、電子メール アドレスは省略せずに全部記載してください
(例: [email protected])。
この欄で電子メール アドレスを示すと、この国際出願 (出願の結果としての国際登録を含む) に関 するその後の国際事務局からの通信は電子的に送信され、書面による通信は送付されません。また、
同じ電子メール アドレスを他の国際出願や国際登録についても用いている場合には、当該出願や登 録に関する通信も同様に電子的に送信されるのみになります。電子通信のために登録できる電子メ ール アドレスは各国際登録につき 1 つのみです。
(e) 通信用選択言語: 国際出願言語による国際事務局からの通信を希望する場合は、この欄 に記入する必要はありません。国際出願言語以外の言語による通信を希望する場合は、英語、フラ ンス語又はスペイン語の中から選択してください。
通信のために好ましい言語を変更するには、様式を用いる必要はありません。様式の代わり
に オンライン フォーム を使用して、無料で変更を申請することができます。この際には、名義人
又は代理人の署名を裏付け資料としてアップロードしてください。
(f) その他の表示: 特定の締約国によって求められる表示です。関連締約国官庁が特定の表 示を求める場合において当該表示が欠落していると、当該締約国官庁によって保護が拒絶される可
能性があります。したがって、この欄は必須ではありませんが、念のため記入しておくことが推奨 されます。
(i) 出願人が自然人である場合には、出願人の国籍を表示します。
(ii) 出 願 人 が 法 人 で あ る 場 合 に は、 そ の 法 的 性 質 ( 例 : 「 Limited Liability Company」)、並びにその法律に基づいて法人が設立された国及び該当するときには当該国におけ る地域を表示します。
複数の出願人がいる場合は、筆頭出願人以外の出願人についてのその他の表示は、氏名及び住所と ともに連続用紙に記載します。
第 3 欄: 出願の資格 (ENTITLEMENT TO FILE)
(a) 出願人の資格 (出願人適格) に該当するボックスにチェックを記入します。出願人が、
第 1 欄に記入した本国官庁の締約国との間に複数の関連性 (国籍、住所又は工業上若しくは商業上 の営業所) を有する場合は、複数のボックスにチェックを記入することもできます。本欄 (a)(ii) を 選択する場合は、当該国の名称を記載してください。
(b) 第 2 欄 (b) で示された出願人の住所が第 1 欄で示された締約国と異なる場合で、さら に本欄 (a)(iii) 又は (iv) が選択されたときは、その締約国の領域内における出願人の住所、又は営 業所の住所を記載してください。
複数の出願人がいる場合は、各出願人について、適格性、氏名及び住所を連続用紙に記載し ます。
マドリッド制度を利用する出願人適格は、国際出願時に本国官庁によって決定及び認証され ます。
第 4 欄: 代理人
(APPOINTMENT OF A REPRESENTATIVE)
国際事務局に対する代理人として自然人又は法人を選任するには、この欄に必要な情報を記入します。
国際事務局に対する手続に関しては、代理人の住所についての条件が設けられていないため、マドリ ッド制度の加盟国以外に居住している代理人でもかまいません。
代理人について、氏名 (名称)、住所 (居住)、その他国際事務局が連絡を取るために十分な情報を記 入します。電話番号、ファクシミリ番号及び電子メール アドレスを示す場合 (推奨) は、第 2 欄 (a)、(b)、(d) の記入方法に従ってください。
この欄で電子メール アドレスを示すと、この国際出願 (出願の結果としての国際登録を含む) に関 するその後の国際事務局からの通信は電子的に送信され、書面による通信は送付されません。また、
同じ電子メール アドレスを他の国際出願や国際登録についても用いている場合には、当該出願や登 録に関する通信も同様に電子的に送信されるのみになります。電子通信のために登録できる電子メ ール アドレスは各国際登録につき 1 つのみです。
第 5 欄: 基礎出願又は基礎登録
(BASIC APPLICATION OR BASIC REGISTRATION)
本国官庁において出願中の商標を基礎商標とするときは、基礎出願番号と出願日を記入します。
本国官庁において登録されている商標を基礎商標とするときは、基礎登録番号と登録日を記入しま す。
第 6 欄: 優先権の主張 (PRIORITY CLAIMED)
先の出願 (登録) に基づく優先権を主張するには、最初のボックスにチェックを記入し、先の出願の 官庁、出願日 (6 ヶ月以内) 及び出願番号 (可能な場合) を記入します。
国際出願で指定される商品及び役務の全てが先の出願に含まれていないときは (一部優先)、先の出願 に含まれている商品及び役務を特定して記載します。
例えば、 第 10 欄に 25 類の商品を記載したとして、当該商品の全てが先の出願に含まれている場合 には、本欄には「class number 25」と簡潔に記載できます。ただし、例えば「class 25: Hats」と 記載すると、第 10 欄で示す 25 類の他の商品は、優先権の主張に含まれません。
先の出願に第 10 欄で示す (国際出願の) 商品及び役務の全てが含まれている場合は、本欄に改めて 記入する必要はありません。
優先権を複数の先の出願に基づいて主張する場合は、2 つ目のボックスにチェックを記入し、必要 な詳細情報を全て連続用紙に記載します。
第 7 欄: 商標 (THE MARK)
(a) 基礎出願 (登録) に表されている商標の見本 (複製) と同一のものを、四角の枠内に示し ます。
基礎出願 (登録) の商標が白黒である場合は、本欄の見本も白黒でなければなりません。同様に、基 礎商標に色彩が付されている場合は、本欄の見本も色彩が付されたものでなければなりません。
商標が非伝統的商標である場合 (例: 音や立体で表される商標) は、本欄では、基礎出願 (登録) に おける商標の見本と同一のものを示す必要があります。したがって、例えば基礎出願 (登録) におけ る商標の見本が、立体商標の斜視図、楽譜又は音の商標の文字説明などで表されている場合は、同 一のものを本欄 (a) に記載します。必要に応じて、第 9 欄 (e) には補足説明を記載します。
注: 音の商標の録音など視覚的に表現できない見本は、国際出願に添付することができません。
商標の見本は、国際登録簿への記録、公報掲載及び締約国への通報のために十分な程度鮮明でなけれ ばなりません。見本が十分鮮明でないときは、国際事務局はそれを欠陥として扱い、出願人及び本国 官庁に連絡します。このため、基礎商標を複製して見本を作成する際に複数の図が使用されたときは、
見本が十分鮮明になる程度の数の図を含めるようにしましょう。
商標の見本は、商標が国際事務局で登録された後で変更することはできません。
商標の見本は平面の図又は写真で、8 cm x 8 cm の枠に納まるサイズのものとします。
また、商標の見本は、タイプ印書、印刷、貼り付け、又はその他の方法によって作成可能ですが、最 終的に、申請された形式そのままの形で公報に掲載されることに留意してください。
(b) 基礎商標の特徴として色彩が主張されているにもかかわらず (この場合、国際出願でも主 張されなければなりません)、本国官庁が色彩付きで公報に掲載していないため本欄 (a) では商標が
白黒であるときは、本欄 (b) で、色彩の付された商標の見本を添付します。公報には、白黒の見本と 色彩のついた見本の両方が含まれることになります。
(c) 商標が標準文字による商標である場合は、本欄 (c) のボックスにチェックを記入します。
標準文字による商標とは、一般的に単語、文字、数字又はこれらの組合せにより成る商標を指し、
様式化又は図案化された商標や、特殊なスタイル、フォント若しくは色彩で描かれる商標は含まれ ません。商標が標準文字であることの主張は、国際事務局で商標が登録された後に追加することは できません。
文字商標であっても、様式化された書体を使用したものは、標準文字による商標とは通常認められ ません。また、特殊文字や様式化された要素を含む商標については、標準文字による商標であると 主張することはできません。
商標が標準文字による商標でなく、ラテン文字以外の文字又はアラビア数字以外の数字を含む場合 には、国際事務局は、標章の図形要素の国際分類 (ウィーン分類) に従って分類を付与します。
(d) 多くの管轄領域においては、色彩そのもの又は色彩の組合せを商標として登録すること が認められています。色彩のみ又は色彩のみの組合せにより構成される商標とは、色彩そのもの (例: 特定の色合いの赤色) 又は色彩の組合せが商標として登録される場合を指します。これは、商 標の図形的要素又は様式化された文字にたまたま色彩が付されている色つき商標とは区別されます。
色彩のみ又は色彩のみの組合せによって構成される商標の保護を求める場合は、当該色彩の言葉に よる記述を第 8 欄 (a) に記載します。
また、色彩の言葉による記述を第 9 欄 (e) に記入します。
第 8 欄: 色彩に係る主張 (COLOR(S) CLAIMED)
(a) 色彩が商標の本質的な特徴であり、色彩を商標の識別性のある特徴として主張する場合 には、本欄 (a) のボックスにチェックを記入して、主張された色彩を言葉で記述します。RGB 値や Pantone 値など、色彩分類に関する国際的な規格に基づいた説明を含めることが推奨されます。
注: 色彩に係る主張は、国際出願の国際手続において必須なものではありません。ただし、特定の 指定締約国では当該主張が求められる場合がありますので、これに基づく拒絶のリスクを回避する ために、本欄 (a) のボックスにチェックを記入し、必要な情報を記載することが推奨されます。
(b) 本欄 (b) には、色彩の商標の主要部分を記載します。
例えば商標が、車、花及び猫など複数の要素から成る場合には、車が緑色、花が赤色、猫が茶 色である、というように色彩を特定してください。
第 9 欄: その他の表示
(MISCELLANEOUS INDICATIONS)
(a) 商標音訳: 商標がラテン文字以外の文字又はアラビア数字若しくはローマ数字以外の数 字を含む場合には、ラテン文字及び/又はアラビア数字若しくはローマ数字以外の数字による音訳を 記載する必要があります。ここでいう音訳とは、商標の表音を国際出願言語でラテン文字を用いて 再現するということで、翻訳とは別のものです。
(b) 翻訳: 商標が翻訳可能な単語を含む場合には、本欄 (b) に、3 言語 (英語、フランス語 及びスペイン語) 全てによる翻訳を記載することが推奨されます。この翻訳は、国際出願の国際手 続において必須なものではありませんが、特定の指定締約国で求められる場合があります。国際事 務局では、本欄に記載された翻訳が正確であるかどうかの確認を行うことはなく、また翻訳が記載 されていない場合でも、それを問題にしたり職権で翻訳したりすることはありません。
(c) 商標の文字が意味を持つものではなく、そのため翻訳が可能でない場合には、本欄 (c) のボックスにチェックを記入します。
(d) 商標が基礎出願 (登録) において立体商標、音商標、又は団体商標、証明商標若しくは保 証商標である場合には、本欄 (d) の該当するボックスにチェックを記入します。
注: 団体商標、証明商標又は保証商標に関する規則は、国際事務局には提出 (送付) しないでくださ い。ただし、多くの指定締約国ではそのような規則の提出が求められますので、これに基づく拒絶の リスクを回避するために、各指定締約国に規則を直接送付しておくことが推奨されます。
(e) 商標の記述: 基礎商標に商標の説明文が含まれる場合には、国際出願に同じ説明文を含 め又は省略することができます。ただし、基礎商標と同じ説明文を国際出願に含めるよう本国官庁 から求められる場合もあります。
商標が本欄 (d) の項目の種類に該当しない場合は、本欄 (e) に、商標の性質 (例: ホログラム、動き 商標) ついての説明を記載することができます。ただし、この場合の説明文も、基礎商標にあるもの と同一でなければなりません。
基礎商標に含まれる説明文が国際出願言語以外の言語で記載されている場合、本欄には当該説明文を 国際出願言語でも記載します。
国際事務局では、説明文又はその翻訳の正確性について、確認を行ったり問題にしたりすることはあ りません。
(f) 商標の言語要素: この欄は必須ではありません。国際事務局は、商標の重要な言語要素 と考えられる要素を (第 7 欄の見本から) 抽出し、(主に通知や通信の) 管理事務のために利用します。
しかし、商標が特殊文字若しくは手書きを使用していたり、又は文字事項を含む場合には、単語又は 文字が誤解されたり、抽出すべき要素が明確でなくなる恐れがあります。このため、商標が特殊文字 若しくは手書きを使用し、又は文字要素を含む場合には、出願人が重要な言語要素と考える部分を表 示することができます。ただし、本欄に記載された情報は参考情報として扱われるのみであり、それ が法的効力を有することはありません。
注: 第 7 欄 (c) の標準文字による商標に関するボックスにチェックが記入されている場合は、本欄 には記入しないでください。
(g) 商標の特定の要素について権利不要求するには、本欄 (g) に当該要素を記載します。
この欄は、指定締約国からこのような権利不要求 (例: 「30 ml」や「Made in」など識別性のない 要素に関する権利不要求) を求められる可能性に備えるためのものです。国際出願に権利不要求を 含める場合、当該権利不要求は国際登録全体に係る権利不要求でなければならず、一部の指定締約 国のみに対する権利不要求を行うことはできません。また、権利不要求は、国際事務局で商標が登 録された後に行うことはできません。
第 10 欄: 商品及び役務 (GOODS AND SERVICES)
(a) 商標の保護を求める対象の商品及び役務を記載します。
商品及び役務は、商標登録のための商品及び役務の国際分類 (「ニース国際分類」) に従って分類し、
各区分の類番号を前に付して国際分類の番号順に記載してください。
基礎出願又は登録で商品及び役務にどの版のニース国際分類が用いられたかにかかわらず、国際事務 局は、全ての出願に対して、最新版のニース国際分類を適用します。14
商品及び役務の表示は正確性を要すため、可能であれば、ニース国際分類のアルファベット順一覧 表 (アルファベティカル・リスト)15 にある用語を用いて記載することが推奨されます。記載欄が不 足した場合は、記載欄不足のボックスにチェックを記入し、連続用紙を用いてください。
連続用紙に記入する際は、12 ポイント サイズ以上の Courier New 又は Times New Roman 書体 の文字を使用し、商品及び役務の表示の区切りには一貫してセミコロン「;」を用いてください (例:「30 Coffee; tea.」)。
「All goods in class 9」のような表示は認められません。個別の類見出し (クラス・ヘディング)16 の表示は、国際事務局によって、国際登録を求める商品及び役務の表示として認められます。ただ し、指定締約国によっては類見出し (クラス・ヘディング) の表示が認められない可能性があります ので、これによる拒絶のリスクを回避するために、保護を求める商品及び役務を特定して記載する ことが推奨されます。
また、Madrid Goods and Services Manager (MGS) の利用もご検討ください。このオンライン サービスは、国際出願における商品及び役務のリストを作成する際に有用なツールです。MGS では、
商品及び役務を、様々な言語で、国際事務局及び特定の参加官庁によって予め認められた用語によ って表示することができます。このツールを利用することで、国際事務局からの欠陥通報、締約国 からの暫定的拒絶通報を受けることによる時間と費用の損失リスクを軽減できる可能性があります。
14 Information Notice No. 29/2016 を参照してください。
15 類見出し (クラス・ヘディング) は、商品又は役務が原則的に属するとされる分野に関する概括的な表示です。
16 アルファベット順一覧表 (アルファベティカル・リスト) は、商品及び役務をアルファベット順に記載し、該当する区分の番号を表 示したものです。
さ ら に 、 WIPO の Examination Guidelines Concerning the Classification of Goods and Services in International Applications (国際出願における商品・役務の分類に関する審査ガイド ライン) を参照することで、WIPO における分類審査の原則についての理解を深め、不備が指摘さ れるリスクを軽減することが可能です。このガイドラインには、国際事務局により適用されるニー ス国際分類の原則に関する詳細情報や、実務上の検討事項などに関する情報が含まれます。
(b) 1 つ又は複数の指定締約国に関して商品及び役務を限定するには、本欄 (b) のボックス にチェックを記入します。限定の対象となる指定締約国それぞれにつき、商品及び役務を限定した リストを記載してください。商品及び役務は、特定の区分全体に限定することも可能であり (下記 例 1 参照)、あるいは特定の区分の中の特定の商品や役務に限定することも可能です (下記例 2 参 照)。さらに、これらの組み合わせ (下記例 3 参照) を用いることも可能です。
本欄では、指定締約国における保護の対象となる商品及び役務の全てが記載されなければなりませ ん。したがって、国際出願の商品及び役務のリストにある区分のうち 1 つ又はいくつかのみの区分 に対して限定を行う場合には、限定後に保護の対象となる商品及び役務全て (限定の対象にならな い区分の商品及び役務も含む) のリストを提供する必要があります。このリストに記載されない区 分については、保護の対象になりません。
ただし、限定が変更として記録される場合には、限定の影響を受けない区分を記載する必要はあり ません。変更は、限定の対象として表示された区分についてのみ記録されます。
例 1
国際出願における商品及び役務のリストには、区分 1、3、5、7、9、16、25 が記載され、10 ヶ 国の締約国が指定されているとします。10 ヶ国の指定締約国全てにおいて全ての商品及び役務の 保護を求めるときの費用負担を避けたい場合、以下のように、求める保護範囲を減縮することがで きます。
締約国 当該締約国で保護を求める商品・役務の区分
Australia
Classes 1, 5 and 25Japan
Classes 1 and 25上記の場合、オーストラリアと日本に関しては、第 10 欄 (b) に記載された区分 (それぞれ区分 1、
5 及び 25 と、1 及び 25) についてのみ保護を求めることになり、それに応じた費用のみが発生し