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消費者教育としての税教育について

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消費者教育としての税教育について

著者 渡辺 純子

雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学

巻 31

ページ 81‑86

発行年 1991

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00008831/

(2)

消費者教育としての税教育について

 渡 辺 純 子

(平成2年9月29日受理)

Education of Tax on the Consumer Education

  Sumiko WATANABE

(Received September 29,1990)

1.研究動機および目的

 一般的に,税を「納める」と言わずに,「とられる」

と表現する場合が多いようである.また,税を逃れるこ とが賢いと考えている人が少なくないようである.例え ば,主婦のパート収入を非課税限度額におさえるよう,

新聞やテレビ等のマスコミにおいて,納税者にならずに すむためのtt知恵 を授けている現状である.

 税から逃れようとする意識は税について,後ろ向き,

否定的な考えであり,本当の意味での関心とは言えない のではないだろうか.

 1989年4月の消費税導入によって,税に対する関心が 高まっているようではあるが,税とは嫌なものといった 範囲を越えておらず,税のあり方を考える姿勢とはほど 遠いように思われる.

 筆者の担当科目の「家庭経済学」のテストの際,税に 関する考えを求める出題を何度か試みたことがあるが,

学生達の税に対する理解が乏しいことを痛感していた.

 そこで,学生達の税に対する,素朴な意識を調べ,ま た,一般の人達の意識と合わせて,税教育の問題を探ろ

うと考えた.

高すぎる・間接税に反対   わからない・関心がない 使途を明確に・有効に活用して

     不 公 平      国民の義務

関心を持たねば・勉強したい

     そ の 他

50

回答者:東京家政大学家政学部3年,412名

図1.学生の税意識(1988年度調査)(自由回答)

  高すぎる・間接税に反対      消費税は面倒 使途を明確IC。有効に活用して

     説明不足      不 公 平      国民の義務   わからない・関心がない      そ の 他

50

回答者:東京家政大学家政学部3年,453名

2. 日本人の税意識

図2.学生の税意識(1989年度調査)(自由回答)

 1)学生の税意識

 図一1と2は1988年度と1989年度の4月の授業の始め に,学生に,自由記述式で,税について意見を求めたも のである.(学生達の素朴な意識を調べたいと考え,自 由記述式をとったため,記述の表現がまちまちであった が,共通していると考えられるものをまとめて集計し 家庭経営学研究室

た).両年度とも「高すぎる・間接税反対」という反発 的な意見が最も多い点は共通した傾向といえるが,1988 年度と1989年度とでは,消費税の導入前と導入後といっ た違いがあったため,回答内容が大分異なっている.即 ち,1989年度の場合,消費税に対する反発が多く,税一

(3)

渡辺 純子

般についての回答はほとんど見られなかった.1988年度 の「高すぎる」の回答の多くは「相続税が高すぎる」と いうもので,これは,相続税問題を扱ったテレビの特別 番組を見た学生の反応であることが記述内容により,わ かった.

 「わからない」とか「関心がない」といった回答は消 費税導入前と後とでは,かなりの差があり,消費税の導 入が,とにかく,税に対して関心をもたせる効果があっ たといえよう.「国民の義務」の回答内訳は,『税は必 要なもの』『しかたがない』『国民としての義務』等で あるが,この種の回答は1988年度の場合でも,1割に満 たなかったが,消費税導入後の1989年度は,一段と少な くなっている.また,1988年度の場合は,「関心をもた ねばならない」,「これから勉強したい」といった前向 きと思える記述があったが,1989年度の場合には,その ような内容のものは,全く存在しなかった.

 「その他」の内容は,1988年度の場合は,『マル優の 廃止に反対』,『税はない方がよい・必要がない』,『今 後,自分達の負担が重くなるのではないかと心配』,r間 接税を高く,所得税を低くしてほしい』などで,1989年 度の場合は,『消費税のために,関心がもてた』,『1円 玉の大切さがわかった』,『消費税に慣れた』などがあ

った.また,両年度とも,『金持ちから,とればよい』

というものが,若干あった.

 いずれにせよ,税に対して,マイナスイメージが強く 国民としての経済負担のあり方を前向きに考える姿勢に 欠けるといえよう.

 2)一般の人々の税に対する関心

 総理府および読売新聞社の調査結果によると(図一3,

4),一般の人達の税に対する関心は強いといえるよう ではあるが,関心の中身がいかなるものであるかが問題 ではないかと思われる.即ち,税を とられる と表現 することが多いように,マスコミを通じての一般の人々 の意識は,「税はいやなもの」という捉え方が多く,そ のような内容のものを学生達が見たり,聞いたりするこ とによって,かなり影響されているようである.学生の 回答の中に,「皆が騒いでいるのだから,税は間違って いるのではないか」という内容のものがあったが,学生 に限らず,マスコミの取上げ方によって,一般の人々の 意識も影響されることは,十分考えられる.

 つまり,税についての関心が強いといっても,その内 容が前向きであるか否かが問題ではないだろうか.

50%

      税の問題 社会保障・社会福祉の充実       物価対策    教育・青少年対策       景気対策     生活環境の整備   雇用・労働政策    農林漁業対策   住宅・宅地政策    中小企業対策    交通安全対策   消費者保護政策 資源・エネルギー対策     外交問題  貿易摩擦の解消策

    その他

 ない・わからない

図3. 「政府に対する要望」 (1984年5月,総理府調査)

(4)

  税制問題   高齢化対策 物価・景気対策  行財政改革   政治改革   農業問題   土地対策   教育問題    環境問題 平和外交の推進    地方振興 貿易摩擦の解消  防衛力の整備

O  lO 20 30 40 50 60 70 80       (%)

図4.1989年8月読売新聞社調査

45

40

35

30

25

20 0

1977 78 79  80  81 82 83  84 85 囲 日本のみ年度(国税+地方税)

41.9

33.9

30.9

戸0﹇ひ﹇04

992

 3)国際比較調査に見る,日本人の税意識

 読売新聞社とギャラップ社共同の調査結果によると

(図一5),「税の負担感が重い」(非常に重い・やや重 い)という日本人の意識が他国に比較して,最も多い結 果となっている.国民所得に対する租税負担率の比較で は,日本は他国に比べて,決して高すぎるとはいえない ようではあるが(図一6),税に対する意識の違いが税 の負担感の違いとなっているのであろうか.

日  本

アメリカ

イギリス

西ドイツ

フランス

答えない

(数字は%)      0 29 …難……1………1…響デ蕪茎,繋 181 5

21 、…、…、,、…、難……難li蘂……羅灘 31 214

15 ………、iii難:糠iii 36 34≡13

13

,,…,…、…、…≡……羅iiili箋………嚢…≡……… 3・3・ぎ

17

       ■ E………・…・…・…・…・…・liiiil灘  17鎌.羅

@       納税していない

@       非常に軽い 非常に   やや重い 妥当な水準

dい      やや軽い

(1989年3月,読売新聞・ギャラップ調査)

 図6.国民所得に対する租税負担率の国際比較

(資料:日本経済新聞社「ゼミナール日本経済入門」)

 図一5の調査は,調査の対象者が,20才以上の男女有 権者となっているが,回答者の中には,家族に扶養され ている立場の場合もあるわけで,自分自身は納税(負担)

していないが,負担感が強いと回答している場合がある ことも考えられる.

 福祉を優先すべきか,減税を優先すべきかについての 意識は(図一7),税の負担率が高いイギリスの「福祉

日  本

アメリカ

イギリス

西ドイツ

フランス 福祉を 優先すべき

     答え 減税を  ない 優先すべき

      (数字は%)

(1989年3月,読売新聞・ギャラップ調査)

図5、税金の負担感

図7.福祉か減税か

(5)

渡辺 純子

を優先すべき」の回答が多く,「減税を優先すべき」の 回答が少ない結果となっていることは,注目すべきでは ないだろうか.高福祉のためには,高負担はやむをえな いという意識がイギリスにおいては,定着しているとい うことであろうか.

 高福祉を望むのであれば,国民の負担も高くなるわけ で,消費税3%で反対の声が高い日本において,福祉と 税負担のバランスをどのように考えるかが課題となるの

ではないだろうか.

 4)税に対する権利意識と義務意識

 総理府の資料によると(図一8),「国のために何か をしたい」という意識より「国から何かしてもらいたい」

という意識の方が多く,その傾向は男性よりも女性の方 が強いようである.また,高年令層より,若年層(特に,

20代と30代の前半)にその傾向が強いようである.

1986年12月調査       留麓歪い

儲糊S。。 b..・S・・kい↓同・…io・・…a 緯  数 (7739人)    9

〔E〕男  (3.499人)   4ag    155   3S・0  75

19B7年12月調査

   盈盛老tt

認     救{7655人)

〔 性  〕

 男   (亀477人)

 女   (4178人)    、46・s

〔単  齢)

20〜2歳( 505八,    25〜29歳 ( 564A)       49翼 30〜34謹( 679人》 七 35〜39窟(1.e 21人》

40〜弓4寂( 840人)

45噂49震{ 815人)     t鮮 50〜s4歳( 781人)

55〜59歳( 7弓6人,

60〜64歳 〔 633人,

65〜69虞 ( 16S人)

70歳以上(589人)

ぞ鯉酪冑蹴歪。、,。.贈

ll.is  z!ユ14   96

   醸拳賓数

聡    数(7577人)

1988年12月調査

轡欝して職欝同・・ら・㌘

 4・.1  ・4.2 醸薫  ・。

〔控〕

男    性(375人)    466 34.2     72

女    性(4102人) U1 @114iミ1°5

女 (・2ω人) 轟・ :° nl 1 2 c羊8〕M−2M(4nA)   494   ss  11・1  1°5

2S.−2a(569^}  ・・  84 }°8 98 30〜繊(質6人)  ・91  8 コ9 91 3s−・9Rく・e・A} ツ  ゜   ・7 9

,。_ n(,s,A) ・「s I22 Y  1°1

、5−、臓(8・・人) ・2…  5 u°  8 sc.. y a(rs人) 樹  s・s 3璽

、._、ga(m入) ・・9 155 −n6 ss

⑤o〜臼歳(s39・1.}   5   142  1コ5  ss       390    且S5   112   1口65−69綾( 487人〕

70歳以上(557人》  ・96   15{  1?・4  1Z6

46.7   どlo7霧293  1・3.コ

〔年 齢,

20卿24歳( 510人) 459 1!o      諏XXitWS   12s tS.4   覧テ 多 78

       25脚29歳( 552人) 496 8・@瓢蕪ILS

  507   、・ 91−    3Sl

      30−34歳( 663人) 、4Z6   ・123 Z  370Z  e・2 474   ミミ s88

@ 341濾  9・7 4 s・・ s 即8 33ゴz e° 、s..39R(87。人)

  蔑162・.   劉9   93

Iz2  、濤5   94

    娘

       40− 4識( e51人)    40.e

、鴫    畢185r飯  z35・1   79

       45−4ga( 79噸人)    354

Is3  灘醸9.s

・5・§§濫・・ss SE・・

      50脚54R( 829人)

{.3亭    挙田7 ノ!二2τ9   97 176醸§§・5

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      き r−一一一一r−一一一一・。

0 10 20 10 10 SO OO 70 eo 90 100W

60脚64震( 659人) 2 ・5・6醸・契懸・s

65即69歳( 18]人》 433 ig。 s慧ミミ・・

70R以上( 5to人) 443 )s・1@訟・蕪…

図8. 「国からの受益と国への奉仕」に関する意識       (総理府調査)

O    且0   20   10   40   se   60   70   80   90  100(馬〕

 福祉の充実は,誰もが望むことであろうが,負担をど うするかということが重要な課題である.

 女性のある経済学者は,福祉の充実を訴えながらも,

「消費税廃止にもっていきたい」とテレビ等,マスコミ において述べておられたが,福祉の充実のための経済的 裏付けをどのように考えておられるのであろうか.

 高齢化に対する対策は,若年層の負担をあまり重くせ ず,社会的連帯感をいかに育てていくかということが重 要な課題と思われるが,そのためには,自分はどれだけ 負担が出来るかといった,前向きな姿勢をもたせる教育 が必要なのではないだろうか.

 現在,負担分(納税額)が決して多くないか,あるい

は負担者となっていない若年層や女性達が負担に対して 後ろ向きともいえる姿勢であることは経済教育に問題が あるというべきではないだろうか.一般に,「国は何と かすべき」といった言葉を耳にすることが少なくないが,

国と個人とは別個な存在であるような錯覚を抱いている のではないだろうか.つまり,国には, 打ち出の小槌 金の成る木 でもあるような発言の問題は,国民経 済に関する教育が不十分,不徹底であるためではないか

と思われる.

3.学校における税教育の問題

学校における教育については,教科書の実態について

(6)

調べ,検討することにした. 重視の傾向が強いと言えるのではないだろうか.

 1)家庭科の場合

 高校の「家庭一般」, 「家庭経営」共に,税を家計の 消費支出として触れてあるのみで,税のあり方を考えさ せる内容ではなく,図一9に加えることが出来なかった ことは残念である.ちなみに,「税の負担」と「可処分 所得」について,それぞれ一種類の教科書に取上げられ ていただけである.

 家庭科が家計を重要視するあまり,家計の枠から出る ことが出来ず,家計のやりくりに終始するような経済観

 2)社会科の場合

 社会科については,中学社会の「公民的分野」と高校 社会の「現代社会」「政治・経済」のr税に関する用語ま たは内容』について調べたのであるが,その結果は,図一 9のとおりである.当図には省略したが,「家計と税の 関係」については, 「国民経済の循環」として,簡単に ふれてあるものが多く,家計の側からわかりやすく説明 してあるものがわずかで,高校の教科書では「現代社会」

の中で一冊のみであった.

50

者識税 意納 の

肪2 000高校社会︵政治経済︶高校社会︵現代社会︶中学社会︵公民的分野︶

制革税 改3

     高校社会︵政治経済︶鵠    高校社会︵現代社会︶     中学社会︵公民的分野︶

分 得処可 所

0高校社会︵政治経済︶高校社会︵現代社会︶中学社会︵公民的分野︶

泉 収源 徴高校社会︵政治経済︶高校社会︵現代社会︶中学社会︵公民的分野︶

除 除腔 免税 ・

師2 高校社会︵政治経済︶高校社会︵現代社会︶中学社会︵公民的分野︶

得 捉所 補劔3    高校社会︵政治経済︶晒  高校社会︵現代社会︶    中学社会︵公民的分野︶

担 ︶負 率説 ︵3η舗    高校社会︵政治経済︶◎9 高校社会︵現代社会︶  0中学社会︵公民的分野︶

進 税逆 課蕊      高校社会︵政治経済︶

高校社会︵現代社会︶中学社会︵公民的分野︶

進 税累 課 4 餉 3 000000

間 率直 比高校社会︵政治経済︶高校社会︵現代社会︶中学社会︵公昆的分野︶

税 税接・接直間oo   1

債︶  債公個︒・   1鵬      高校社会︵政治経済︶       5       高校社会︵現代社会︶       中学社会︵公民的分野︶

・ 税税方国 地

M7 田  高校社会︵政治経済︶    高校社会︵現代社会︶    中学社会︵公民的分野︶

は かと税 何

M7 高校社会︵政治経済︶高校社会︵現代社会︶中学社会︵公民的分野︶

図9. 「税関係内容」の教科書別掲載状況

 国民(消費者)の立場から税を考えるためには,家計 の立場から考えることが必要であると思われるが,社会 科の教科書の殆どが財政の立場からのみ,税をとりあげ ている.また,税について, 考えさせる 内容のもの は,わずかで,ほとんどが,税について,通り一遍の知 識の羅列といった印象が強かった.

4. まとめ(税教育の課題)

 平成元年度(1989年度)の衆議院補欠選挙に当選した 女性が主婦としての賦台所感覚 を売り込み,それに対

して,日経連会長が「台所談義で政治をやられては困 る」と批判し,物議をかもしたようであるが,これはま さに,家庭科と社会科の問題に置き換えることが出来る のではないだろう か.

 社会科と家庭科の視点は,社会科が社会的立場から生 活を考えるのに対して,家庭科は家庭即ち,個人(消費 者)の立場から生活を考えるといった違いがあり,経済 の捉え方が異なることは当然のこととは思われるが,そ れぞれの立場のみを大切にするあまり,両教科共に,人 間生活全体を考える教育に欠けるのではないだろうか.

(7)

渡辺 純子

つまり,社会科教育がt 台所感覚(生活意識) を無視 したものであったり,家庭科教育が 台所感覚 にしが みついているのでは,視野の狭い生活観となり,望まし い人間生活のあり方を考え難くし,それは,男女の役割 分担の問題とも共通しているものと思われる.即ち,男 性は台所感覚(生活意識)に欠け,結果的には生活無視 の傾向があり,女性は目先や足元に目を奪われやすいと いった傾向があり,それが,人間生活を総合的,現実的 に捉えられない原因となっているのではないだろうか.

 男女がお互いの欠点を補い合い,お互いの特徴を生か せるようにするには,男女があらゆる場面で協力するこ とが望ましいわけである.

 税制改革において,配偶者特別控除が設けられたこと を,女性の内助の功が認められたと喜ぶ声があったよう であるが,これは,時代に逆行した政策と思われ,喜ぶ べきことではないと考える.配偶者の特別控除は,サラ リーマンが事業所得者に対して抱いている不公平感を緩 和させることを意図したもののようではあるが,女性の 能力を社会的に活用せねばならない時代であるにもかか わらず,女性は家庭において,家事を担当していれば良 いといった時代遅れの生活観を若者たちに抱かせてしま う懸念がある.

 税の不公平問題については,常に,サラリーマンは割 りが悪い典型といわれている.たしかに,サラリーマン の所得はガラス張りであるため,税から逃れられないと いった不満を抱くことになりやすいわけであるが,サラ

リーマンの夫に扶養されている妻は,国民年金(基礎年 金)の保険料を免除されるといった,年金面で優遇され ていることを考えると,公平,不公平の解釈は難しいよ うに思われる.

 税や社会保障費の経済的負担は応分の負担が原則であ り,それが守られる限りは,所得の再分配(垂直的公平)

が期待できるわけであるが,ある種の優遇措置や不正直 な人達が存在する場合には,不公平が生じ,それが税な

どに対する不信感,嫌悪感となってしまうものと思われ       し

る.

 すべての人が満足するかたちは不可能であるとするな らば,より公平なかたちを考えるべきであろう.その方 策の一つは,不正直な人達からの税の徴収として,間接 税の存在は重要であると考える.間接税については,逆 進税であるといった問題があるが,低所得層は所得税の 面において,もともと優遇されていることを考えれば,

間接税の逆進性のみを問題にすることは,必ずしも適当 なこととは言えないのではないだろうか.

 税に対する不信感の一つは,税がどのように使われて いるかの問題であり,学生の意識の中にも,「税が有効 に使われているかが疑問」というものが若干,存在して いたが,税を負担することによって,税に対する権利意 識とでもいうべきか,税の使途(有益な使い方がなされ ているかといったこと)に,関心をもつ姿勢が出来るの ではないだろうか.

 これからの社会は男女の役割分担といった 甘い 態はむしろ,不可能になると思われるが,肝心の教育の 面が時代の変化に鈍感であってはならないと考える.

 女性は所得が低いために(低く抑えて),納税しなく てすむことを喜び,扶養家族に甘んじることをよしとす

るかぎり,女性の労働力が一人前に評価されないといっ た現実の問題を深刻に考えてみなければならない.従来,

女性の職業とされている,保母,看護婦などの労働条件 の改善が遅れているが,労働力不足が一層深刻になるこ とを食い止めるためにも,女性は補助的労働力でよいと いった考え方を改め,一人前の労働力とすべく,労働条 件の改善を検討すべきである.そして,税などの社会保 障費に対して,男女が生活者(消費者)として,どのよ うに対応すべきかを考えることの出来る教育が必要であ ると考える.

(この論文は,1989年10月28日,日本消費者教育学会に おいてロ答発表したものである.)

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問い合わせ 東京都福祉保健局保健政策部 疾病対策課 ☎ (5320) 4473 窓 口 地域福祉課 地域福祉係 ☎ (3908)

部位名 経年劣化事象 健全性評価結果 現状保全