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糖尿病患者は全て糖尿病性神経障害を有してい た

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Morphological Alterations of the Eccrine Sweat Apparatus in Amputated Feet from Diabetes Mellitus Patients

糖尿病下肢切断患者におけるエクリン汗器官の病理形態学的解析 掲載雑誌名

THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL OF MEDICAL

SCIENCES (Vol.27 No.2 2015 年6月 掲載予定)

内容要旨

背景:糖尿病患者における発汗低下は皮膚の乾燥を助長し、足では亀裂か ら重症細菌感染症や壊疽の引き金になることがある。糖尿病患者における 下肢遠位部や足の発汗低下は自律神経障害に起因すると考えられてきた が、病理形態学的研究は少ないのが現状である。

目的:糖尿病患者におけるエクリン汗器官の病理形態学的変化を解析し、

発汗低下の発症機序を明らかにすることである。

方法:17 例の下肢切断を施行した糖尿病性壊疽・潰瘍の患者がこの研究 に参加した。うち8例は糖尿病性腎症に起因する慢性腎不全のため透析中 であった。下肢を切断直後、6㎜のトレパンを用いて、潰瘍や壊疽から 30 ㎜離して皮膚標本を得た。対照には 12 例の足の色素性母斑や良性皮膚 腫瘍に隣接した正常皮膚を用いた。この研究は昭和大学医学部医の倫理審 査委員会で承認を受けた。糖尿病患者は全て糖尿病性神経障害を有してい た。平均年齢は 70.41±2.113 歳であった。対照患者の平均年齢は 36.92

±4.272 歳であった。方法:エクリン汗腺の管腔の数や形態異常は、光学 顕微鏡下で定量した。微細構造については、電子顕微鏡および IV 型コラ ーゲンの免疫電子顕微鏡検査を施行した。

結果:エクリン汗腺の管腔の内腔の消失・縮小、輪郭の不規則さの出現率 は、対照よりも糖尿病群において有意に高かった(P <0.001)。電子顕微 鏡検査では糖尿病群でエクリン汗腺と汗管の基底膜肥厚、管腔狭小化、基 底膜部に多数の cell debris が認められた。汗腺周囲には神経組織が欠如 していた。電顕所見では、汗腺分泌部ならびに汗管基底膜は均質に肥厚し、

その周囲は多層化した線維に取り囲まれていた。微小血管の基底膜も cell debris を含む多層化を伴い肥厚していた。IV 型コラーゲンの免疫電顕で は肥厚した基底膜領域全体に陽性反応が認められた。

考案:本研究の糖尿病群において観察されたエクリン汗器官の輪郭の収縮、

(2)

不規則な輪郭の形態および管腔内腔の消失は基底膜の著明な肥厚に起因 するものと考えられた。エクリン汗器官の基底膜肥厚は均一な高電子密度 物質で構成されていたのに対し、微小血管の基底膜肥厚は多層化によるも のであった。両者の形態学的相違の理由は明らかではないが、免疫電顕で はいずれにも肥厚した基底膜部に一致してⅣ型コラーゲンが陽性であっ た。糖尿病群では健常群に観察されるエクリン汗腺周囲の神経組織を欠如 していた。糖尿病群におけるエクリン汗器官の形態異常に血管障害と神経 障害の双方が関与しているものと推察された。

結論:以上の結果から糖尿病性患者におけるエクリン汗器官の形態学的異 常は基底膜の著明な肥厚が本態と考えられ、糖尿病性(一部尿毒症性を混 ずる)神経障害もしくは大血管障害・微小血管障害に起因するものと考え られた。

参照

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