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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Pharmacist-led intervention in the multidisciplinary team approach optimizes heart failure medication

(心不全多職種チームにおける薬剤師主導による薬物治療適正化)

医薬情報解析学 鈴木正論

心不全患者は、本邦において急速に増加しているが、心不全治療におい て重要とされる薬物治療として米国、欧州、日本のガイドラインで導入が 強く推奨されるアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)、アンジオテン シン受容体拮抗薬(ARB)、ベータ遮断薬(BB)の処方状況は本邦では低い ままである。また、薬剤師が心不全治療に介入した報告は外来での介入が ほとんどである。さらに、ガイドラインで不適切とされる薬剤についての 報告はない。そこで、我々は心不全患者に対して入院後から退院までに薬 剤師が主導的に薬物治療への介入を行うことで薬物治療の遵守率に影響 を与えるかについて検討することとした。

調査期間は、2012 年 4 月から 2014 年 3 月とした。対象は、亀田総合病 院循環器内科に心不全増悪にて入院した患者とし、2012 年 4 月から 2013 年 3 月を介入前群、心不全チームによる介入開始月である 2013 年 4 月か ら 2014 年 3 月を介入後群とした。主要評価項目は、未処方の患者に対す る ACE-I/ARB と BB の処方率とした。副次的評価項目は、ガイドラインに おいて使用が有用ではない不適切な薬剤と在院日数とした。

その結果、入院後に薬剤師が薬に関連した患者情報を収集し、薬物治療 の提案を実施することで、主要評価項目である未処方の患者に対する新規 ACE-I/ARB の処方率は改善傾向を示し(53.3 vs 63.3%, P = 0.601)、新規 BB の処方率は有意に改善を示した(73.3 vs 96.3%, P = 0.027)。また、

副次的評価項目であるガイドラインにおいて使用が有用ではない不適切 な薬剤の処方率は、介入前群が入院時から退院時で変化が認められなかっ たのに対して(21.2 vs. 20.2%, P = 0.855)、介入後群が有意な改善を示 した(22.9 vs. 12.9%, P = 0.005)。さらに、在院日数においては、介入 前群と介入後群で差は認められなかった(13 日 vs 14 日, P = 0.508)。

心不全多職種チームの中で薬剤師がガイドラインに準拠した医薬品情 報を使用し、入院後早期から積極的に処方提案を行うことで、在院日数や ACE-I/ARB の処方率は改善できなかったが、ベータ遮断薬の処方率を改善

(2)

させることができた。心不全患者の在院日数の短縮は、医療経済的な問題 からも重要であるが、これらの薬剤の導入率があがったにもかかわらず、

在院日数が変動していないことは安全に薬剤が導入でき、不適切な薬剤の 処方を改善させることができたと考えられる。薬物治療は、心不全治療の 中で非常に効果的な治療の一つであり、薬剤師は非常に重要な役割を担っ ている。本研究の結果から、入院中から薬剤師が薬物治療に関して主導的 に介入することは非常に有意義であることが示唆された。

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