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キーワード:DNA修復、ヒストン修飾、クロマチン    〒606-8501 京都市左京区吉田近衛町

  TEL:075-753-7567 FAX:075-753-7564 e-mail:[email protected]

放射線生物研究 46(4),2011 P332 ~ 343

<総 説>

DNA二重鎖切断修復におけるヒストン修飾

-H2AX/H2Aの修飾とH2Bのモノユビキチン化-

京都大学 放射線生物研究センター ゲノム動態研究部門 中村恭介

はじめに

 DNA二重鎖切断(Double Strand Break: DSB)は放射線などの外的要因、複製のエラーなど の内的要因により誘発されるDNA損傷の一つであり、その修復機構の破綻は多くの遺伝情報の 欠失を伴う。真核生物の細胞内ではDSBはおもに非相同末端結合(Non homologous end joining:

NHEJ)と相同組換え修復(Homologous Recombination Repair : HRR)で修復されることが知 られている。生物のゲノムの情報の欠失、誤った修復は遺伝子の突然変異を誘発し、がん化の要 因となり生物にとって致命的であるため、生物はその損傷を正確に修復するシステムを進化発達 させてきた。このDNA修復システムは原核生物からヒトまで幅広く保存されており、一見その 機構は普遍的であるように見える。しかしながら、近年のクロマチン研究から、真核生物のヒス トン修飾とDNA修復について新たな知見が数多く報告されている。

 真核生物のDNAは、ヒストンH2A、H2B、H3、H4からなるコアヒストン8量体の周りを約2回 巻きついて、ヌクレオソームを形成し、特異的にヒストンが修飾されることにより、転写や、複 製を制御している。このヒストン修飾には修飾因子の他に、ヒストンシャペロン、クロマチンリ モデリング因子などが同定されている。複数の修飾の組み合わせがそれぞれ特異的な機能を引き 出すという仮説は、ヒストンコード仮説と呼ばれており、このコードの解明は様々なライフサイ エンス分野の研究の焦点のひとつとなっている(1)。これはDNA損傷応答においても当てはま る。DNAに損傷が生じると、修復因子、チェックポイント因子が損傷部位にリクルートされる ことが必要である。しかし、真核生物ではDNAがクロマチン構造にコンパクトに収納されてい るために、大腸菌などの原核生物の場合とは異なり、修復に際してクロマチンリモデリングによ りDNAが剥き出しの状態になることが必要であると考えられる。本稿ではDNA修復におけるヒ ストン修飾についてもっとも解析が進んでいるH2AXの修飾と、最近新たに報告されたH2Bのユ

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