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Academic year: 2021

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(1)

鉄鋼材料 鉄鋼材料 鉄鋼材料

鉄鋼材料の の の の渦電流探傷試験 渦電流探傷試験 渦電流探傷試験 渦電流探傷試験に に に関 に 関 関 関する する する研究 する 研究 研究 研究

日大生産工(院) ○田中 雄基

日大生産工 星川 洋、小山 潔

1 1 1

1. . .はじめに . はじめに はじめに はじめに

鉄鋼材料は、高品質の材料製造が求められ ており、その製造工程における検査には、数々 の非破壊試験法が採用される。その中の表面 検査においては非破壊試験法の1つである電 磁誘導を利用した渦電流探傷試験が適用され る。鉄鋼材料は、試験体の表面状態の変化が あったり圧延工程での試験体の振動したりす るので、試験体とコイルとの相対距離(リフ トオフ)が変化する。従来の渦電流探傷プロ ーブである上置コイルでは、きずによってだ けでなくリフトオフによっても出力が大きく 変化する。よってリフトオフ変化が雑音の大 きな原因となる。Θプローブ

1)

は、励磁コイ ルが試験体に誘導した渦電流それ自体の変化 を検出するのではなく、きずによって流れが 変わった渦電流の検出コイル方向成分を検出 するため原理的にリフトオフ雑音を生じない。

また、鉄鋼材料では電磁気特性のばらつきに よっても渦電流は変化するが、上置コイルは この変化をそのまま雑音として拾ってしまう のに対し、Θプローブは一方向の渦電流成分 のみを検出するため雑音が小さくなることが 期待される。

鉄鋼材料は高品質の材料製造が求められ ており、このためにはできるだけ小さいきず を検査によって見つけることが不可欠である。

雑音を小さくすることによって

SN

比を高く すれば小さいきずでも検出が可能になる。そ こで、雑音の影響を受けにくいΘプローブを 使用することによって

SN

比の向上を目指す。

ここでは従来の上置コイルと、雑音の小さな Θプローブの

2

種類を使い、鉄鋼材料に対す る渦電流探傷結果を比較しこれを報告する。

2 2 2

2. . . .渦電流探傷試験 渦電流探傷試験 渦電流探傷試験 渦電流探傷試験

従来の上置コイルは、円形のコイル1つか ら構成される。試験体表面にきずがないとき、

渦電流は図1(a)のように試験体表面に円形 に流れる。しかし、試験体表面にきずがある 場合は、渦電流はきずをよけて流れる性質が あるため図1(b)のように乱れて流れる。この 渦電流の乱れをコイル起電力の変化、すなわ ちインピーダンス変化として検出し、信号が 発生する。しかし、試験体の表面状態や圧延 工程での試験体の振動によりリフトオフが変 化した場合でも、従来の上置コイルではイン ピーダンスが変化して雑音が生じてしまう。

また、鉄鋼材料では電磁気特性が一様ではな い場合があるので渦電流に乱れが出ることが ある。これによってもインピーダンスが変化 し雑音を生じてしまう。

(a)

きずがないとき

(b)

きずがあるとき

図1 上置コイルの渦電流の流れ

Test Material Eddy Current

AC Coil

Magnetic Flux

Test Material Eddy Current

AC Coil

Magnetic Flux

Flaw

The Study on Eddy Current Testing of Steel Material Yuuki TANAKA , Kiyoshi KOYAMA and Hiroshi HOSHIKAWA

(2)

3 3 3

3. . .Θ . Θ Θプローブ Θ プローブ プローブの プローブ の の探傷原理 の 探傷原理 探傷原理 探傷原理

Θプローブは、従来の上置コイルと同様の 形状である円形励磁コイルと矩形縦置きの検 出コイルを組み合わせた図2のような構造で ある。Θプローブの励磁コイルは上置コイル と同じ形なので、試験体表面に誘導される渦 電流は上置コイルと同様となる。しかし、上 置コイルは1つのコイルで励磁、検出を行う のに対し、Θプローブはもう一つの検出コイ ルで検出を行う。試験体表面にきずがない場 合、渦電流の流れは図3(a)のようになる。検 出コイルはそれ自身と平行な渦電流成分を起 電力として検出する。よって、リフトオフが 変化しても渦電流の流れは図3

(b)のように

なり、図3(a)と(b)ともに信号が発生しない。

試験体表面にきずがある場合、渦電流の流れ は図4のようになる。右側のグラフは出力信 号で、横軸が実数成分、縦軸が虚数成分を表 している。検出コイルがきずの真上にあると き、きずをよけて流れる渦電流は両側で逆向 きなので相殺して零となる。きずが検出コイ ルに対して図の紙面の上方と下方に位置した 場合、検出コイル直下の渦電流は互いに逆向 きなので、検出コイルの起電力は逆極性に発 生する。Θプローブはその構造上、原理的に リフトオフ雑音を発生せず、また試験体の表 面状態や電磁気特性の変化による雑音も、1 方向の渦電流成分を検出するため比較的小さ い。

図2 Θプローブの構造

図3 試験体にきずがないときの渦電流

4 4

4 4. . . .実験方法 実験方法 実験方法 実験方法

上置コイルのコイル寸法は外径

9mm、巻線

断面積

1×1mm2

、Θプローブのコイル寸法は、

励磁コイルは上置コイルと同じ、検出コイル

は長さ

7mm、高さ9mm、巻線断面積1×1mm2

である。試験周波数は

200kHz、リフトオフは 2mm

とした。試験体は厚さ

15mm

SM

鋼材 で、これに放電加工により長さ

15mm、幅 0.2mm、深さ1.5、1.0、0.5、0.25mm

のきずを つけた。走査方向は図5示したとおり、スリ ット状のきずに対して

90°にプローブを走

査した。Θプローブは検出コイルが走査方向

に対して

90°になるよう配置する。

5 5 5

5. . . .実験結果 実験結果 実験結果 実験結果

まず、従来の上置コイルとΘプローブのリ フトオフ雑音を測定した。図6はリフトオフ

0~2mm

と変化させたときの雑音と、リフ

トオフ一定できず深さを

0.25mm~1.5mm

と 変化させたときの信号である。図6(a)は上置 コイルを用いた場合で、リフトオフによる雑 音がきずによる信号を大きく上回っているの がわかる。それに対し、図6(b)に示したΘプ

In-phase component

Quadraturecomponent

Eddy current

Flaw

Detecting coil

Test material

Exciting coil

Detecting coil Flaw

Scan direction Pancake coil

Θprobe

Eddy current

Detecting coil

図4 試験体にきずがあるときの 渦電流と信号

図5 走査方向

(a)

リフトオフが (b) リフトオフが

小さいとき 大きいとき

(3)

ローブの場合はリフトオフが大きくなっても 雑音はほとんど変化せず、リフトオフ

2mm

になってもきず信号のほうが大きい。

(a)

上置コイル

(b)

Θプローブ

図6 リフトオフによる雑音ときず信号

図7に上置コイルの出力信号を示す。きず 深さの値が大きいときず信号の振幅も大きい が、きずが浅くなるにつれて徐々にきず信号 の振幅も小さくなる。言い換えるときず深さ が浅くなっても雑音の大きさは変わらないた め、相対的に雑音が大きくなる。また、きず 信号と雑音の振れ幅をそれぞれ

S、N

とし、

SN

比を計算した結果をそれぞれのグラフ右 上部に書き添えた。

図8にΘプローブの出力信号を示す。こち らもきずが浅くなるにつれて徐々にきず信号 の振幅も小さくなるのだが、先程の上置コイ ルに比べるときず信号がはっきりしていて、

SN

比を見てみると格段に高いことが確認で きる。この理由として、Θプローブが上置コ イルに比べて雑音が小さいことが挙げられる。

-0.04-0.02 0 0.02 0.04 -0.04

-0.02 0 0.02 0.04

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 -0.2

-0.1 0 0.1 0.2

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise

S/N= 0.7 S/N= 3.2

(d)

きず深さ

0.25mm

のとき 図7 上置コイルの出力信号

(a)

きず深さ

1.5mm

のとき

-0.2 -0.1 0 0.1 0.2 -0.2

-0.1 0 0.1 0.2

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise S/N= 2.6

(b)

きず深さ

1.0mm

のとき

-0.1 0 0.1

-0.1 0 0.1

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise S/N= 1.4

(c)

きず深さ

0.5mm

のとき

-0.5 0 0.5

-0.5 0 0.5 1

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal Lift-off noise

0.25mm 0.5mm

1.0mm 1.5mm

0mm 2.0mm Lift-off Flaw depth

0mm

-6 -4 -2 0 2

-2 0 2 4

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal Lift-off noise

0mm 1.5mm

0mm 2.0mm

0.5mm 1.0mm 1.5mm

Flaw depth Lift-off

(4)

-2 -1 0 1 2 -2

-1 0 1 2

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise

これらのデータをもとにしたきず深さごと の

SN

比を図9に示す。Θプローブの

SN

比 は、上置コイルのそれに比べて非常に高い。

この図で

SN

2

のところに破線が引いてあ るのは、きずと雑音を判別する際、SN 比

2

以上が有効である、と考えられるためである。

高い

2

以上の

SN

比を獲得できたのは、上置 コイルではきず深さ

1.0mm

以上、Θプローブ

では

0.25mm

以上という結果になった。

6 6 6

6. . . .まとめ まとめ まとめ まとめ

従来の上置コイルと、雑音の小さなΘプロ ーブを使い、鉄鋼材料に対する渦電流探傷実 験を行った。Θプローブを使ったことにより 雑音を軽減でき、高い

SN

比を獲得し、上置 コイルでは

1.0mm

以上の深さのきずしか検 出できなかったところを

0.25mm

の深さのき ずまで検出することができた。このことから 鉄鋼材料の渦電流探傷においてΘプローブは 従来の上置コイルに比べ有効であると言える。

参考文献 参考文献 参考文献 参考文献

1) 星川洋、小山潔、柄澤英之:「リフトオフ雑音が 発生しない渦流探傷用新型上置プローブに関す る研究」、非破壊検査、第5011号、pp.736-742 (2001)

-0.5 0 0.5

-0.5 0 0.5

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise

-2 -1 0 1 2

-2 -1 0 1 2

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise

-0.2 0 0.2

-0.2 0 0.2

Quadrature component [V]

In-phase component [V]

Flaw signal

Noise S/N= 2.2 S/N=13.7

(d)

きず深さ

0.25mm

のとき 図8 Θプローブ出力信号

S/N=11.5

S/N= 5.2

図9 きず深さごとの

SN

0 0.5 1 1.5

0 5 10 15

Flaw depth [mm]

Signal to Noise ratio

Pancake coil Θprobe (a)

きず深さ

1.5mm

のとき

(b)

きず深さ

1.0mm

のとき

(c)

きず深さ

0.5mm

のとき

参照

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