複合動詞後項の位置づけ
著者 南場 尚子
雑誌名 同志社国文学
号 34
ページ 72‑94
発行年 1991‑03
権利 同志社大学国文学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000005051
複合動詞後項の位置づけ七二
複合動詞後項の位置づけ
南 場 尚 子
はじめに
・小説を一週間で書き上げる
・最後まで走りぬく
﹁動詞十動詞﹂型の複合動詞の後項には︑右に示した﹁上げる﹂
﹁ぬく﹂の如く︑単独で用いる場合とは異なり︑意味の具象性が稀
薄になり形式的な意味を前項に添える働きをするものがある︵これ
らを以下︑﹁後項動詞﹂とする︶︒ ︵1︶ これらの﹁後項動詞﹂にっいては︑湯沢幸吉郎氏︵一九三四︶︑ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶阪倉篤義氏︵一九四九・一九八六︶︑福島邦道氏︵一九六四︶︑寺村 ︵5︶秀夫氏︵一九八四︶等により研究がなされてきたが︑その扱いにっ
いては︑動詞・接尾辞・補助動詞など諸氏により異なりがある︒ ︵6︶ また︑特に接尾辞と補助動詞は︑その定義に重複が見られるなど︑
これらの境界線も明確にされていない︒ そこで︑本稿では︑﹁後項動詞﹂を意味特徴や機能の点から下位分類するとともに︑その周辺領域にある接尾辞・助動詞・補助動詞との相互関係をいま少し整理することにより︑﹁後期動詞﹂の位置づけについて考えてみたい︒ まず︑﹁後項動詞﹂として扱い得るものの採集から始めなければならない︒そこで︑本稿では可能な限り客観的に﹁後項動詞﹂を選定すべく︑現代の数種の国語辞典の中からそれとして扱い得るものを採集することにした︒この調査を第一次調査と呼ぶことにする︒
二第一次調査の概要と結果
まず︑以下のものを抜き出すことにする︒
・﹃学研国語大辞典﹄︵以下﹃学研﹄と略す︶の品詞表示におい
て﹁接尾語﹂とされている動詞のうち︑動詞連用形に下接する
もの
︒﹃岩波国語辞典一第四版︶﹄︵以下﹃岩波﹄と略す一の意味記述
において︑﹁動詞の連用形にっき一接尾語的に一とされている
動詞
︒﹃例解新国語辞典﹄︵以下﹃例解新﹄と略す︶の品詞表示にお
いて︑﹁接尾語﹂や﹁造語成分﹂とされている動詞
︒﹃現代国語例解辞典﹄一以下﹃現代国語﹄と略す一の意味記述
において︑﹁補助動詞﹂一ただし︑﹃助詞﹁て﹂に下接する﹄と
あるものは除く一や﹁補助動詞的に用いる﹂・﹁動詞の連用形に
っいて⁝⁝﹂とされている動詞
これらのうち︑複数の辞書に共通して右の如き記述が見られるも
のを採用することにした︒ 一7一次に︑それらを﹃複合動詞資料集﹄︵以下﹃資料集﹄と略す︶と
照合し︑複数の辞書に取り上げられてはいないが︑単独では用いら
︵8︶
れない動詞や単独で用いる場合とは異なる意味で複合動詞後項に用 ︵9︺いられているものを補足した︒第一次調査で得られた動詞は︑異なり語数で六九語であった︒本
稿ではこれらを﹁後項動詞﹂として扱う︒
さて︑ここで注意すべきは︑﹃資料集﹄では意味を捨象している
という性格上︑単独で用いる場合と﹁後項動詞﹂として用いる場合
の区別がなく︑一括して扱われていることである︒たとえば﹁だ
複合動詞後項の位置づけ す﹂の項では︑﹁追い出す﹂﹁考え出す﹂﹁照らし出す﹂⁝一⁝と用例が挙げられている︒しかし︑﹁考え出す﹂を例に考えてみると次のようなことが言えるのではないか︒ ・皆で解決策を考え出した︒ ・皆がにわかに原発問題を考え出した︒ 前者の﹁出す﹂は︑﹁結論を出す﹂﹁答えを出すという場合に用いられる︑﹁ある結果をもたらす﹂︵﹃学研﹄一意・﹁考えたりくふうしたりしたうえで︑ある結果をしめす﹂︵﹃例解新﹄︶意であり︑この場合の﹁考え出す﹂は︑﹁考える﹂という行為の結果︑一解決策を一
﹁無﹂から﹁有﹂へと出現させることを意味している︒
一方︑後者の﹁出す﹂は﹁後項動詞﹂で︑﹁その動作を始める意﹂
一﹃現代国語﹄一を表しており︑この場合の﹁考え出す﹂は︑﹁考え
る﹂という行為の開始を意味している︒
このように︑一つの複合動詞であっても︑文中の環境により複数
の意に解し得る場合があるのである︒従って︑﹃資料集﹄の用例を
語レベルでは考えず︑常に可能な限りの文を設定し︑その中で考え︑
整理することにした︒
ではまず︑﹁後項動詞﹂を意味特徴別に分類してみよう︒これに 一10一ついては︑式部良明氏が筆者のいう﹁後項動詞﹂を﹁複合動詞にお
ける補助動詞的要素﹂として扱われ︑分類されている︒
七三
複合動詞後項の位置づけ
今︑式部氏の用いられた名称を一部借用して﹁後項動詞﹂を意味
特徴別に分類し︑用例数の多い順に挙げると以下のようになる︒
なお︑※印を付したものについては後述する︒
一︑強調
※きる・こむ・たてる・※はてる・つける・たつ・い
る・かえる・※っくす・まくる・※あがる・まわす・
ちらす・※あげる・とばす・※ぬく・はらう・こくる
・しきる・のめす・たくる・あさる二﹂ける・※はた
す・ちぎる
二︑動作・作用の方向を示すもの
◎相互 あう・かわす
◎交錯 かう
充満 わたる・わたす
@紡程 まわる・あるく
対向 こむ・かえす・かかる・かける
◎下向くだす
¢結合 あう
三︑動作・作用の起こり方を示すもの
○開始 だす・はじめる・かける・かかる・そめる
@継続 くらす・わたる 七四
中止 さす
@完遂 ※きる・おわる・※っくす・とおす・あげる・きれる
・※ぬく・おえる・さる・※あがる・※はてる・おお
せる・※はたす
習慣 っける・ならわす
失敗 そこなう・そこねる・そんじる・そびれる
¢難易 あぐむ・あぐねる・なやむ・わびる・わずらう・こな
す・すます
ゆ可能・不可能 える・かねる
@過度すぎる
@再行 なおす・かえす
四︑その他
◎好意 こがれる
◎嫌悪 あきる・くたびれる
放任すごす
その他 ふるす・やる・いる
次に︑これらを﹃資料集﹄の用例数順に配列すると︑表1のよう
になる︵表中の※印を付したものについては後述する︶︒
さて︑表−及び意味特徴別分類をもとに︑第一次調査の結果にっ
いて考えてみたい︒
上止f頁11数例用の
引二三口動項後
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1表 ︶ ︶11
︵ ︵遂調
完強
数○伊
0998654441O09988777755444444433333222222211111111111
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互合始向方向調調遂 始向方慣調方
遂調遂調向行方 調遂満続遂調
調遂調他の 相結開対両対強強完 開対両習強両完強完強対再両 強完充継完強
強完強そ
︷ ︷ ︷ ︷
︷ ︷ ︷ ︷︷ ︷ ︷
数﹄伊
o︶ 4 77 7 40 6 5 7 64 04 0 9 8 59 8081 0 0 o 37 7 だo 4 4214 4 0433239262522212
3 3 3○乙 9﹈ 1 1 11
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一⁝口動項 るするめう る む る るるる︑
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だえはあ か こ きすか カ つな※っお※あカ
たと※はわ ※ぬ
まあき ︑レた
位
頁11﹄○
@ @ ¢@@ @ @@ @@ @
@@@ゆ@ゆゆ@ゆゆ 複合動詞後項の位置づけ七五複合動詞後項の位置づけ
第一に︑﹁後項動詞﹂には用例数三〇〇以上のものから︑用例数
一っのものまで幅のあることがわかる︒ただし︑用例数三〇〇以上
というのはあくまでも﹃資料集﹄の上のことであって︑更に造語す
ることは可能かと思われ︑またそのことにより順位が変動する可能
性もあるであろう︒しかし︑用例数一っの﹁ちぎる﹂に関しては︑ ︵11︶﹃資料集﹄のみならず文学作品等においても﹁ほめちぎる﹂一例し
か見出せず︑これが最下位に位置するのは動かせないように思われ
る︒ 第二に︑上位に位置するものは︑﹁だす﹂﹁はじめる﹂﹁かける﹂
の如き﹁動作・作用の起こり方を示すもの﹂︑その中でもとりわけ
﹁開始﹂を表すものや︑﹁える﹂﹁かねる﹂の如き﹁可能・不可能﹂
を表すものが目立ち︑それに﹁こむ﹂﹁きる﹂の如き﹁強調﹂を表
すものが含まれていると言えよう︒
第三に︑一語で複数の意味特徴を有するものは︑ほとんどが二十
五位までに位置していることもわかる︒
第四に︑﹁強調﹂や﹁完遂﹂を表すものが多いこともわかる︒そ
の中でも︑﹁きる﹂﹁っくす﹂﹁ぬく﹂﹁あがる﹂﹁あげる﹂﹁はてる﹂
﹁はたす﹂は﹁強調﹂﹁完遂﹂の両者に共通する語である︒これらは︑
意味特徴別分類及び表1において※印を付したものである︒
さて︑これまで前項動詞にっいてはまったく触れずにきたが︑第 七六
一次調査の結果から︑﹁後項動詞﹂と前項動詞との結合条件にっい
ての考察が不可欠であると思われる︒前項動詞の語彙的条件︑つま
り自動詞か他動詞か︑意志動詞か無意志動詞か︑更にはいわゆる ︵12︶﹁継続動詞﹂か﹁瞬問動詞﹂かという点と意味特徴や評価にっいて
具体的に見ていかねばなるまい︒そのことにより︑更に深い考察が
可能となるのではないか︒これらについての調査を第二次調査とす
る︒
三 前項動詞との結合条件
第二次調査を行うにあたってまず考えるべきことは︑動詞の分類
についてである︒ ︵13︶ これについては︑金田一春彦氏︵一九五〇︶︑藤井正氏︵一九七
︵14︶ ︵15︶六︶︑吉川武時氏︵一九七六︶等によって詳細な分類がなされてき
た︒しかし︑いずれの場合もなお再考の余地があると思われる︒そ
こで︑筆者はこれら既存の分類を十分参考にしながら独自の分類を ︵16︶試みることにした︒動詞の分類自体が非常に大きなテーマであり︑
ともすれば主観的になりやすいため慎重に扱うべき問題であるが︑
本稿の企図する﹁後項動詞﹂の性格を解明する手続きとして︑ここ
に筆者の分類とその特徴を示し︑それを用いて結合条件を調査する
ことをお断りしておく︒
筆者の分類をまとめると次のようになる︒
一態一一︷
乙 司 蛎 漸次的変化−結果動詞 生 瞬間的作用動詞 財 糊 瞬間的作用−結果動詞 瞬聞的動作−結果動詞 詞 特殊型動詞 司 動 言
嚇∴鋪作動詞
洲 重
他 の そ
以下は各々の特徴とその例である︒
状態性動詞
状態動詞甲
﹁−ている﹂の形にならないもの︒
﹁ある﹂﹁いる﹂・可能動詞
状態動詞
﹁−ている﹂の形で︑有情物の内面的状態や物質の属性・状
態を表す︒
複合動詞後項の位置づけ ﹁怯える﹂﹁感謝する﹂﹁悲しむ﹂﹁困る﹂﹁悟る﹂﹁尖る﹂﹁も つれる﹂﹁よじれる﹂等︒状態動詞 動作性の継続動詞が習慣的に反復された場合や︑長時問かけ て行われる行為を表す動詞︒﹁−ている﹂の形で︑現在の習 慣的事実を表す︒ ﹁暮らす﹂﹁住む﹂﹁育てる﹂﹁勤める﹂﹁通う﹂﹁営む﹂﹁鍛え る﹂等︒漸次的変化−結果動詞 ﹁−ている﹂の形で︑主体の漸次的変化後の結果を表す︒白 然現象・肉体的変化を表す動詞が多い︒﹁だんだん−てきた﹂ と言える︒ ﹁くもる﹂﹁生える﹂﹁疲れる﹂﹁ふとる﹂﹁やせる﹂等︒瞬問的作用動詞 瞬問的に終る偶然的作用を表す動詞︒ ﹁−ている﹂の形で︑過去のある時点における主体の経験を 表す︒ ﹁遭遇する﹂﹁目撃する﹂﹁瞥見する﹂等︒瞬間的作用−結果動詞 ﹁−ている﹂の形で︑瞬間的に起こる主体の変化の結果存続
七七
複合動詞後項の位置づけ
を表す︒
﹁−はじめる﹂の形では複数主体となる︒﹁死ぬ﹂﹁消える﹂
﹁生まれる﹂﹁起こる﹂等︒
瞬問的動作−結果動詞
動作自体は瞬問的に終るが︑その結果が存続しているため︑
﹁−ている﹂の形で︑主体が現在その状況下にあることを表
す︒
﹁しゃがむ﹂﹁背負う﹂﹁立っ﹂﹁座る﹂﹁起きる﹂等︒
特殊型動詞
﹁−ている﹂の形のまま用いられる動詞︵ただし連体用法は
除く︶︒
﹁すぐれる﹂﹁そびえる﹂﹁ばかげる﹂﹁ありふれる﹂等︒
動作性動詞
継続動詞
ある時問内続いて行われる動作・作用を表す動詞︒﹁−てい
る﹂の形で︑その動作・作用が現在進行中であることを表す︒
﹁−はじめる﹂﹁−おわる﹂と言える︒
﹁読む﹂﹁書く﹂﹁食べる﹂﹁泳ぐ﹂﹁見る﹂﹁する﹂﹁降る﹂等︒
瞬問的動作動詞
瞬問的に終る動作を表す︒ その他 七八﹁−ている﹂の形で︑その動作が反復されていることを表し︑継続動詞と同等になる︒
﹁打つ﹂﹁蹴る﹂﹁くぐる﹂﹁振る﹂﹁殴る﹂﹁叩く﹂﹁折る﹂等︒
単独では用いられない動詞︒﹁ている﹂を下接し得ない︒
﹁睡む﹂﹁かなぐる﹂﹁赤む﹂等︒
これらを基準に﹃資料集﹄の用例の前項動詞を分類し︑﹁後項動 ︵17︶詞﹂との結合状況を表1の順で示したのが表2である︒﹁後項動詞﹂
が複数の意味特徴を有する場合に用いた﹁ひどく−する﹂等の表現
は︑主に第一次調査で使用した辞書の記述に従ったが︑辞書に詳細
な記述のないものについては︑意味特徴別分類の表現を用いた︒
また︑表3は表2をもとに作成した﹁後項動詞﹂の総合順位であ
る︒ これらの表から︑以下のことが指摘されよう︒
ほとんどの種類の動詞と結合し得るのは︑﹁だす﹂︿1﹀︵︿﹀内
の数字は表3における総合順位を示す︒以下同様︶・﹁える﹂︿2﹀・
﹁はじめる﹂︿3﹀・﹁あう﹂︵﹁相互﹂︶︿4﹀・﹁かける﹂︵﹁開始﹂︶
︿u﹀・﹁とおす﹂︿19﹀で︑ほとんどが上位に位置するものである︒
逆に︑下位に位置するものは︑それらの前項動詞にある一定の傾向
のあることが認められる︒
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﹁邊沖か﹂︵彗・轟寺謙J ﹁茸O﹂︵議謙・覇轡謙︶
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﹁叫Oすか﹂
﹁蘇け﹂t叢﹇沖か︵
N︶&︑qか覇諒e串二〇〇 己ooり 虞−oo− 仁oo−8 昌 −べNoo
︵NOo︶︵畠仁︶︵﹁ト竜か﹂︶︵﹁ト青か﹂︶
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︵ミ︶複合動詞後項の位置︑づけ七九
複合動詞後項の位置づけ八○
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﹁懸叫か﹂複合動詞後項の位置づけ八一
複合動詞後項の位置づけ八二 針斗か〜﹁祷サか︵o.o︶N 0o仁○oo仁coN N▽轡寺庫
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複合動詞後項の位置づけ八三
複合動詞後項の位置づけ八四
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﹁淋﹂ペヘ斗×璃自︵糊d審︶べ魯
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︿叫︵ o︒︶m coco岬−一﹁蒋く﹂︶一o 小nむか︵ ◎o︶仰 co−べ−一﹁諦芦か﹂︶仁○o
紡赫︷か︵ べ︶oo 仁べN岬 小卜﹁か︵ べ︶− oべ仁co︵﹁劃置﹂︶
口︵ べ︶− o−o−oooo︵﹁畢﹂︶︵﹁零﹂︶︵﹁畢﹂︶
シか叫︵ べ︶− oべ−−仰︵﹁甫け﹂一︵﹁甫サ﹂︶︵﹁華O﹂︶
針く三サ︵ 閉︶m岬卜−
似
叫︵ 岬︶岬仰岬 針く三許か︵ 仁︶杜仁仁複合動詞後項の位置づけ八五
複合動詞後項の位置づけ八六 寺︵料︶ ︵仁︶ト仁N N
︹︿か ︵仁︶ − oo︵﹁甥か﹂︶仁ト
﹁映か ︵ト︶仁仁卜▽皿湧漣紬鮒耕叫¢s
小9首か ︵ト︶N N仁−co
sサ叫 ︵ト︶仁トト▽湘d暑轡奇 令 か ︵ト︶H oo− oo
−︵﹁欣&か﹂︶
co︹竜さか ︵c︒︶○o − N︵﹁労﹂︶co
けくか ︵o︒︶oocoN −
吋令け ︵o︒︶N −N H
− −
Hざ汁叫 ︵o︒︶oooooo
サ9か ︵o︒︶N −− N
− −
H針欣か ︵N︶NNN▽﹁沌﹂﹁醐け﹂
︿︑叫 ︵N︶NNN▽﹁︸︿﹂﹁識け﹂
洲甲叩
洋嬬序轡塾轡寺醇
轡劃 小 皿含ヨ
清酔亘
洋洋洋覇覇覇
ヨ茸譲轟s
彗温轡盟s庫諜推 彗寺轡
覇累吉 祖い>い団寺謙群
謙健講轡︿汁9さか︵N︶− −−︸N▽﹁扉︿﹂︵滋>時s舘
吟︶﹁事O﹂
︹;か
︵N︶
NNN▽﹁罵か﹂﹁滞﹂
叫叫叫
︵N︶
− −N−−▽﹁叫か﹂﹁痔か﹂
沖ざ叫︵N︶NNN▽﹁帥ご﹁弔如﹂
す叫︵N︶NNN
▽﹁撚﹁か﹂﹁弟﹂
口汁叫﹁o寺o〜−−−▽﹁甫ご︵N︶
﹁べ﹁叫︵
一︶蘭癒叫d−−−
▽﹁鋼か﹂
〜叫か︵−︶
耐眺か
︵H︶ ▽﹁司5か﹂
複合動詞後項の位置づけ八七
複合動詞後項の位置づけ八八
立イ頁−創総
﹂
詞動項後﹁
3
表 例 444444444433
3333︵6222229^ 9^22222○乙 o乙111用数﹂
司
⁝一口動項後﹁∴−︑プ∴一∴ぺ為碕舳払う貫算る枇む鴛牝に3鴛服ユるわる♂轄鳥ユ賞算算員
ぬ ま
わ あかこしそのやここ たなわわああああい︑レ︑カ︑カきくくこすなわはは ち
順位ゆゆ@
○修6Eo5一Lo51
444433
21212111110099oソ8888877775555444111111111111用数﹂
司
一⁝口動項後﹁ 讐一一一一∴∴一∴一一一 悟叶噸−燗 條け−↑けけ什 喉−甘附る噌るる 嚥 ゆ燗倣峨鴛鮎る引担篶る材るむ鴛評む引む引算鮒篶蒋貯饒鴛批讐肘他る引すく忽むむそまかき
つ
︑カ︑カさま︑レこああここちすとあこは
あかくそつおそはふあい
さぬ︑カここ 順位@ゆ@@@ゆゆ@@ゆ◎○伊947oo4︵〇 一Lo97170o︶ ︻J84747444○乙 214︵OハOO︶O︶72一b一Lo4n5120o︶8717774381518655443322222221111 7161
用数oo oo 3 9︼
﹂
司
二=口動項後﹁ イニ ニ昧二仁二柵ト イイる一一ズ一ザ︸一一料一一鰍︶う榊五するめう︶るるむれるするるすする︶むるるる︶るるするるおるる一るるるるすくるっなくるする︶るむ︶ じるけぎ入ねおわかく一る入けるておげしわたでてすれけえすこるえええるかるだえはあかすこ
かなおかつ
きこっききたとあき
まわまきつかぬたそあおかかかこ 順位¢ @
◎¢ゆ @@@
@@@@@ゆゆゆゆゆ@ゆゆ@ゆゆ
ゆ醤言すれば︑総合順位において上位に位置するものは︑結合力が
強く︑広汎な動詞と結合し得る︒その点においては︑助動詞に近い
性格をもっていると言える︒一方︑下位のものは結合力に欠け︑特
定の前項動詞とのみ結合する︒その点においては︑接尾辞に近い性 一18一格をもっていると言える︒
表2を語列に︑或は動詞の種類別に見れば︑各々の結合条件がう
かがえようが︑ここではそれらの諸点については割愛する︒
四 ﹁後項動詞﹂の包摂力について
﹁後項動詞﹂の包摂力を考えるにあたって︑まず︑助動詞と接尾
辞も含め︑その包摂関係について見ておきたい︒
一19一
時枝誠記氏は﹁詞﹂と﹁辞﹂の関係についていわゆる﹁入子型構造﹂で︑たとえば︑
の如く︑﹁辞﹂が﹁詞﹂を外側から包摂すると説いておられる︒そ
して︑それは﹁語十接尾辞﹂の﹁春めく﹂が︑
と︑全体で一つの概念を構成する場合とは構造を異にするとされて
いる︒
ここで︑﹁後項動詞﹂を﹁入子型構造﹂の考え方で分析してみよ複合動詞後項の位置づけ う︒ たとえば︑総合順位一位の﹁だす﹂を後項にもっ﹁降りだす﹂な
らば︑
ではなく︑﹁春めく﹂と同様︑となって一つの客体的概念を表す︒ 総合順位最下位の﹁ちぎる﹂も同様で︑となる︒ これは︑すべての﹁後項動詞﹂に普遍的な事実である︒結局︑﹁後項動詞﹂は接尾辞と同様︑前項と結合することにより︑一つの
﹁詞﹂を構成する1一つの客体的概念を表す1ものであり︑その点
において︑助動詞とは一線を画すものであると一言える︒
さて︑﹁後項動詞﹂の包摂力は︑結合力と同様︑語によって差が
あるのであろうか︒
一20一
阪倉篤義氏は︑﹁切り倒す﹂﹁切り損なふ﹂等を例に以下の如く説いておられる︒
前者は︑後項の意味内容が具象的であり︑
八九
複合動詞後項の位置づけ
という構造ゆえに︑﹁倒す﹂と意味的に結合しない修飾語は加えら
れないが︑後者は︑﹁切る﹂と意味的に結合し得るものであれば︑
﹁木を﹂﹁首を﹂﹁紙を﹂等︑どんな修飾語を加えることもできる︒
それは︑﹁損なふ﹂の意味内容が抽象的・形式的であるため︑
圃山損なふ
と︑修飾語を伴った前項を包摂する力をもっているからである︒
﹁後項動詞﹂にっいて氏の考えを適用するならば︑たとえば︑﹁読
みだす﹂の場合は︑﹁本を﹂﹁新聞を﹂﹁手紙を﹂⁝⁝と自由に修飾
語が加えられる︒従って︑
と表せるであろう︒
しかし︑﹁急いで読みだす﹂
全体を修飾して︑ の場合は︑﹁急いで﹂が﹁読みだす﹂
急という関係にあると見るべきではないか︒
その他の﹁後項動詞﹂も︑たとえば﹁にらみかえす﹂﹁ほめちぎ
る﹂ならば︑前者は﹁相手を﹂﹁記者を﹂﹁審判を﹂:⁝と︑後者は
﹁部下を﹂﹁作者を﹂﹁○○氏を﹂⁝⁝と自由に修飾語が加えられる︒ しかし︑この点をもって︑これらも 九〇
?□倒固かえす?
と表し得るであろうか︒
これらはむしろ︑﹁相手を﹂は﹁にらみかえす﹂
を﹂は﹁ほめちぎる﹂全体の修飾語となっており︑
す﹂と同様の 全体の︑﹁部下
﹁急いで読みだ
相部下を
同凹ちぎる
という関係にあると見るべきではないだろうか︒
︑ ︑ ︑ ︑ ︑ ︑ ところで︑﹃資料集﹄には﹁いばりちらしだす﹂﹁追いまわしだ
︑ ︑ ︑ ︑ ︑ ︑す﹂﹁論じあいだす﹂﹁売りっけはじめる﹂﹁書きたてすぎる﹂等の
用例が報告されている︒﹁だす﹂﹁はじめる﹂﹁すぎる﹂は﹁動作・
作用の起こり方を示すもの﹂であり︑それが傍点を施した﹁強調﹂
や﹁動作・作用の方向を示すもの﹂を包摂しているのである︒
また︑受身・使役の助動詞をも包摂し得るものがある︒
自分は︑そこでは尊敬されかけていたのです︒︵太宰治﹃人間
失格﹄新潮文庫 一七︶
鈍感なお坊ちゃんじみた生活のしかたが葉子の鋭い神経をいら
いらさせだした︒︵有島武郎﹃或る女﹄新潮文庫 二二頁︶
のようなものがそれである︒
この点についても﹁入子型構造﹂で考えてみたい︒
・皆で解決策を考え出した︒
の﹁考え出す﹂は如何なる手続きをとっても
×解決策が一を︶考えられ︵させ︶出した︒
とは言えないが︑
・皆がにわかに原発問題を考え出した︒
の﹁考え出す﹂は︑
にわかに原発問題が︵を︶考えられ︵させ︶出した︒
生言える︒これは︑前者が︑
という構造であるのに対し︑後者は
という構造であり︑更に︑
原発問題が︵を︶考えられ︵させ︶出す
と図示し得るほどの包摂力を︑﹁後項動詞﹂の﹁だす﹂が保持して
いるためであると考えられる︒
﹃資料集﹄から同様の用例をもっものを例とともに挙げると次の
ようになる︒
複合動詞後項の位置づけ ﹁だす﹂︿1﹀﹁苦しめられ−﹂ ﹁える﹂︿2v﹁満足させ−﹂ ﹁はじめる﹂︿3﹀﹁行われー﹂ ﹁あう﹂︿4v﹁闘わせ1﹂ ﹁かける﹂︵﹁開始﹂︶︿5﹀﹁殺され1﹂その他︑上位のものがほとんどなのである︒特に︑上位三位までの﹁後項動詞﹂にっいては︑受身・使役の両方を包摂する例が報告さ ︵21︶れている︒しかし︑他の助動詞を包摂する例は報告されていない︒ 更に︑少々会話的になるが︑ こんな話をしているうちに︑女中が膳を運んで来始めた︒︵森 鴎外﹃青年﹄新潮文庫 二二五頁︶ 私はその友人の言葉を聞き終えるか終えないうちに︑本通りの 方の曲がり角から一かたまりの人影がこっちへ曲がって来だした のを認めた︒︵堀辰雄﹃美しい村﹄新潮文庫 七三頁︶のようにく動詞十﹁てくる﹂Vをも包摂し得るものがあることもつけ加えておきたい︒ すべての﹁後項動詞﹂にっいての考察が必要であるが︑以上のことから現段階では︑﹁動作・作用の起こり方を示すもの﹂は﹁強調﹂や﹁動作・作用の方向を示すもの﹂より包摂力が強く︑それらは︑﹁笹言十格助詞﹂の修飾語を伴った前項をも包摂し得ると考えられ
九一
複合動詞後項の位置づけ
る︒ この包摂力の強弱はまた︑総合順位と比例していると言えよう︒
っまり︑上位には﹁動作・作用の起こり方を示すもの﹂が多く︑上
位にいくほど結合力・包摂力ともに強くなると考えられるのである︒
五 まとめ
以上の考察をまとめると以下のようになる︒
¢ ﹁後項動詞﹂の中には︑結合力の強いものから弱いものまで
幅がある︒その点においては︑前者は助動詞に近い性格をもっ
ており︑後者は接尾辞に近い性格をもっていると言える︒更に
前者には︑意味特徴的に﹁動作・作用の起こり方を示すもの﹂
が多い︒
包摂関係の点から見れば︑﹁後項動詞﹂及び接尾辞は︑あく
までも客体的概念を構成する側に属す︒この点をもって︑助動
詞との境界線が引ける︒
結合力の強いもののうち︑﹁動作・作用の起こり方を示すも
の﹂の多くは︑﹁俸言十格助詞﹂の修飾語を伴う前項を包摂し
得るほどの包摂力をもっている︒またそれらの中には︑受身・
使役の助動詞をも包摂し得るものも多く︑特に﹁だす﹂﹁はじ
める﹂はく動詞十﹁てくる﹂Vの補助動詞をも包摂し得ること 九二
を示す例がある︒
@ の事実から︑助動詞の中でも受身・使役の助動詞は︑他の
助動詞と区別して扱うべきである︒
今︑これらの事実に基づいて︑﹁後項動詞﹂の位置づけを図で表
してみたい︒
す 助 接 の
下 外に 以
﹂詞役て動使﹁助・詞補身詞助る受動︶
﹂くた除﹁はしりだレ なた﹁︵
詞動助の
役使●身受 位上 ﹂詞動項後﹁位
下 の
等﹂る
ぶ﹁﹂←詐く舌め尾﹁接力合強
結力摂強
包 弓冒弓身
六 おわりに
以上︑形式的な意味を前項に添える複合動詞後項について︑その
結合力・包摂力の考察を通して︑その位置づけを試みた︒
しかし︑小論はあくまでも複合動詞後項を中心に考えたものであ
り︑接尾辞・助動詞・補助動詞にっいてもあわせて考察する必要が
ある︒そのような全面的な考察をしない限り︑真の意味での位置づ
けを果たしたことにはならないであろう︒
い︒
注︵1︶
︵2︶︵3︶
︵4︶︵5︶
︵6︶
︵7︶
︵8︶
︵9︶
︵10︶︵u︶
一12︶
︵13︶︵14︶
一15︶ 参考文献@参考文献@参考文献@参考文献@参考文献@
﹃国語学大辞典﹄・﹃日本語教育事典﹄ それを今後の課題とした
の﹁接尾辞﹂
﹁補助動詞﹂の定義には両項問に重複が見られる︒
一九八七年︑国立国語研究所発行︒文学・論説文・雑誌から抽出さ
れた複合動詞約七〇〇〇語と︑数種の現代語の国語辞典から抽出され
た複合動詞約二八○○語をもとに︑コンピューターにより整理された
資料集︒﹁五十音順複合動詞表﹂等︑六表からなる︒
﹁か︵交一う﹂﹁たくる﹂
﹁はらう﹂
参考文献@
その他︑論説文・雑誌においても﹁ほめる﹂以外に前項動詞は見つ
けられなかった︒
ここでいう評価とは︑その語義が良い意味か悪い意味か︑ニュート
ラルかということを意味する︒
参考文献0
参考文献@
参考文献@
複合動詞後項の位置づけ 一比一一17︶一18一︵︶一20︶一21︶ 筆者も金田一氏の方法に即し︑﹁ている﹂を下接した場合のその動詞の表す意味により分類し︑この場合も文を設定して考えるようにした︒ 表中の﹁両瞬結﹂とは︑瞬間的作用i結果動詞と瞬問的動作−結果動詞のどちらとも解釈し得るもの一﹁入る﹂﹁離れる﹂等一を意味する︒ 接尾辞の中にも﹁ぐむ﹂﹁ばる﹂﹁さびる﹂等のように︑特定の語としか結合し得ないものが多いと思われる︒ 参考文献@ 参考文献@ これは︑山田孝雄氏が︑文語の助動詞︵﹁複語尾﹂︶﹁る﹂﹁らる﹂
﹁す﹂﹁さす﹂﹁しむ﹂を﹁属性のあらはし方に関するもの﹂として他
の助動詞とは区別されていること一﹃日本文法学概論﹄︶や︑渡辺実氏
が︑﹁せる﹂﹁れる﹂等︑使役・受身の助動詞の意義内容は︑用言の素
材概念を補足するものであるとされていること一﹃国語構文論﹄一など
を想起させるものである︒
参考文献¢ 橋本進吉︵一九三四一﹃国語法要説﹄一﹃国語科学講座w
収一明治書院
湯沢幸吉郎一一九三四︶﹃口語法精説﹄一﹃国語科学講座w
所収︶明治書院
@
@
¢ 国語法﹄所
国語法﹄
山田孝雄一一九三六一﹃日本文法学概論﹄宝文館
時枝誠記︵一九四一一﹃国語学原論﹄岩波書店
時枝誠記︵一九五〇︶﹃日本文法口語篇﹄岩波書店
渡辺実二九七一一﹃国語構文論﹄塙書房
国立国語研究所一一九七二一﹃動詞の意味・用法の記述的研究﹄
九三 秀英
複合動詞後項の位置づけ 九四
出版@ 寺村秀夫︵一九八四︶﹃日本語のシンタクスと意味n﹄くろしお出版
阪倉篤義︵一九八六︶﹃改稿日本文法の話 第二版﹄教育出版
@ 阪倉篤義︵一九四九︶﹁接尾語の位置﹂︵﹃国語国文﹄第三五巻五号
京都大学︶
◎金田一春彦︵一九五〇︶﹁国語動詞の一分類﹂︵;呈胴研究﹄第一五号
日杢言語学会︶
@ 武部良明︵一九五三︶﹁複合動詞における補助動詞的要素について﹂
︵﹃金田一博士古稀記金言語民族論叢﹄所収︶三省堂
@ 福島邦道︵一九六四︶﹁補助動詞﹂︵﹃講座現代語6 口語文法の問題
点﹄所収︶明治書院
@ 田中章夫︵一九六七︶﹁助動詞と接尾語﹂︵﹃講座日本語の文法3﹄所
収︶明治書院
@ 藤井正︵一九七六︶﹁﹁動詞十ている﹂の意味﹂︵﹃日本語動詞のアスペ
クト﹄所収︶むぎ書房
@ 吉川武時︵一九七六︶﹁現代日本語動詞のアスペクトの研究﹂︵﹃日本
語動詞のアスペクト﹄所収︶むぎ書房
@ 長嶋善郎︵一九七六︶﹁複合動詞の構造﹂︵﹃日本語講座 第四巻日本
語の語彙と表現﹄所収︶大修館書店
@ 斎藤倫明︵一九八五︶﹁複合動詞後項の接辞化−﹁返す﹂の場合を対
象としてー﹂︵﹃国語学﹄一四〇集︶
@ 阪倉篤義︵一九八六︶﹁接辞とは﹂︵﹃日本語学﹄一九八六年三月号︶