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運 転 者 の 視 認 性 改 善 と 衝 突 安 全 性 の 向 上

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Academic year: 2021

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(1)

運 転 者 の 視 認 性 改 善 と 衝 突 安 全 性 の 向 上 に よ る 大 型 自 動 車 の 総 合 的 な 安 全 性 の 研 究

2013 年 2 月

早 稲 田 大 学 大 学 院 創 造 理 工 学 研 究 科

山 中 旭

(2)

1 緒 言

1.1 研究の背景 1.2 研究の目的

1.3 本論文の構成と概要

2 大型自動車の直接視界の改善に関する研究 2.1 運転視界について

2.2 静止状態での視界試験 2.3 静止状態での視界測定結果 2.4 走行状態での視界試験 2.5 走行状態での視界試験の結果 2.6 走行に関するフィーリング評価

2.4 第2章のまとめ

3 車両周辺の間接視界の評価と向上に関する研究 3.1 本研究の目的

3.2 間接視界評価の経緯 3.3 試験方法

3.4 試験結果 3.5 考察

3.6 第 3 章のまとめ

目次

目 次

1 1 4 5

9 9 12 15 25 31 43 45 46 46 47 50 51 56 59

(3)

目次

4 濡れた路面におけるトラックスプレイの測定と低減に関する研究 4.1 トラックスプレイの計測

4.2 試験条件

4.3 車間距離とスプレイ 4.4 スプレイ量と視野妨害度 4.5 車速とスプレイ量

4.6 追越し時のスプレイ

4.7 ,水深とスプレイ量

4.8 車間距離とスプレイ量と視界妨害度の関係 4.9 第4章のまとめ

5 衝突エネルギー吸収システムの研究開発

5.1 衝突モデルと衝突エネルギー吸収システムの研究開発 5.2 衝突エネルギー吸収システムの研究開発

5.3 衝突エネルギー吸収システムの評価 5.3.1 有限要素法によるシミュレーション 5.3.2 静的負荷試験

5.3.3 動的負荷試験(落錘試験および台車衝突試験)

5.4 第5章のまとめ

6 衝突安全コンセプトトラック( SCT )の研究および開発 6.1 衝突安全コンセプトトラックの開発目的

6.2 衝突エネルギー吸収システムのSCTへの適用 6.3 固定バリア衝突試験

6.4 リヤバンパ・トラックターミナル衝突試験 6.5 第 6 章のまとめ

63 63 66 69 70 71 72 79 79 80

84 84 87 91 91 95 95 96 99 99 100 109 120 122 i

ii

(4)

目次

7 中型トラック・大型トラックに追突した乗用車乗員の保護に関する研究 7.1 中型トラック・大型トラックに追突した乗用車の事故実態

7.2 中型トラックの被追突時衝突安全対策 7.3 大型トラックの被追突時衝突安全対策 7.4 第7章のまとめ

8 高衝突エネルギー吸収システム装備トラック(NFST)に関する研究 8.1 研究の背景およびNFSTの設計目標

8.2 大型トラックの事故実態

8.3 NFSTの衝突安全システムの構成

8.4 固定バリア衝突試験 8.5 第8章のまとめ 8.6 補足

9 大型自動車の総合的な安全性の研究の成果 9.1 予防安全・衝突安全それぞれの成果 9.2 大型自動車の総合的な安全性について

10 結 言

10.1 本研究のまとめ

10.2 大型自動車の総合的な安全性に関する提言

謝 辞

参考文献

追補1 エネルギー吸収装置を使用した道路作業車両用追突緩衝装置 A1.1 背景

A1.2 エネルギー吸収システム式追突衝撃緩和装置の効果

追補2 大型自動車の安全性研究の系譜 A2.1 トラック・バスの安全性研究の経緯

128

128 142 149 155

156 156 160 168 173 179 182 183 183 185

189 189 190 192

195 209 209 214

217

(5)

目次 ⅳ

追補3 衝突エネルギー吸収システムから高衝突エネルギー吸収システム 搭載トラック(NFST)までの経緯

A3.1 衝突エネルギー吸収システムからNFSTまでの開発の経緯

追補4 新交通システム車両の衝突緩衝装置 A4.1 新交通システムへの衝突緩衝装置の適用

追補5 本研究の衝突安全対策車および緩衝装置の開発と納入実績 A5.1 衝突安全対策車および緩衝装置の開発と納入実績

追補6 衝突エネルギー吸収装置の開発に当たっての基礎データ A6.1 トラックの車両重量別の運動エネルギー

A6.2 大型トラックの衝突時の荷重変位特性 A6.3 各種自動車に要求される衝突安全の考え方 A6.4 トラックが係わる事故の構成

追補7 衝突安全コンセプトトラック(SCT)の開発に当たっての考え方のフローチャート A7.1 考え方の整理

追補8 大型自動車対乗用車衝突時における乗用車 潜り込み防止装置( FUPRUP )法規の概要

A8.1 FUP法規およびRUP法規の概要

記号と用語 (a)記号

① 交通事故統計分析に係る記号

② 衝突試験および計算モデルに係る記号 (b)用語

① 交通事故に関する用語の定義 ② 人身損傷程度の定義

③ 安全に関する法規関連の用語

219 219

221 221

223 223

226 226 226 226 226

232 232

234 234

ⅳ~ⅶ

(6)

(a) 記号

① 交通事故統計分析に係る記号

R:運転者の死亡重傷者率 N

f

:死亡者数と重傷者数の和

N

0

:軽傷者数と無傷者数の和

② 衝突試験および計算モデルに係る記号

V

B

:リジッドバリアへの衝突速度 V

R

:正突事故の危険認知相対速度

M

1

:質点相当部品(フレーム,キャブ,バンパ,ラジエータ)

M

2

:質点相当部品(荷箱)

M

3

:質点相当部品(危険物タンク)

M

4

:質点相当部品(危険物集合体(核燃料))

M

5

:質点相当部品(エンジン,トランスミッション,プロペラシャフト)

M

6

:質点相当部品(前輪懸架装置,前輪,前車軸)

M

7

:質点相当部品(後輪懸架装置,後輪,後車軸)

F

1

:非線形ばね相当部品(バンパ,フレーム前部,キャブ前部)

F

1-2

:非線形ばね相当部品(Uボルト,キャブ後部,後キャブマウント)

F

2-3

:非線形ばね相当部品(エネルギー吸収材,荷箱鳥居(図a))

F

3-4

:非線形ばね相当部品(集合体マウントゴム)

F

1-5

:非線形ばね相当部品(エンジンマウントゴム,スラストロッド)

F

1-6

:非線形ばね相当部品(フロントリーフスプリング前端部)

F

1-7

:非線形ばね相当部品(リヤリーフスプリング前端部)

μ

2-3

:非線形ばね相当部品(危険物タンクと荷箱の摩擦係数)

記号と用語

記号と用語

(7)

(b) 用語

① 交通事故に関する用語の定義

第1当事者:

事故において,過失が最も重い当事者.通常は「ぶつけた」側の当事者や 当事車両を指す.「1当」と略記されることも多い.

第2当事者:

事故において,過失が2番目に重い当事者.通常は「ぶつけられた」側の当事 者や当事車両を指す.「2当」と略記されることも多い.

危険認知速度:

運転者が事故の相手(車両や歩行者,家屋,電柱等)を認め,危険な状態を 認知た時の速度.

危険認知相対速度(正面衝突):

正面衝突事故を起こした 2 台の車両それぞれの危険認知速度の絶対値の和

(図b).例えば,車両1の危険認知速度がV

1

,車両2の危険認知速度がV

2

の場合,その危険認知相対速度ΔVは,式(b.1)のように表される.

ΔV=|V

1

|+|V

2

| (b.1.)

危険認知相対速度(追突):

追突事故を起こした 2 台の車両それぞれの危険認知速度の差(図 c ).

例えば,危険認知速度がV

1

の車両1に,車両2が危険認知速度V

2

で追突した 場合,その危険認知相対速度ΔVは式(1.2)のように表される.

ΔV= V

2

V

1

(b.2)

記号と用語 ⅵ

(8)

② 人身損傷程度の定義

死亡:事故発生後24時間以内の死亡 重傷:全治30日以上の治療を要する損傷

軽傷:全治 30 日未満の治療を要する損傷

無傷:治療を必要としない場合

③ 安全に関する法規関連の用語

FMVSS:米国連邦自動車安全基準(Federal Motor-Vehicle Safety Standard)

NHTSA:米国運輸省道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)

記号と用語 ⅶ

荷箱鳥居

図a トラックの荷箱鳥居

図b 正面衝突

(9)

第 1 章 . 緒 言 1

第 1 章

緒 言

1.1 研 究 の 背 景

一 度 に 大 量 の 人 や 荷 物 を 運 ぶ こ と の で き る ト ラ ッ ク や バ ス の よ う な 大 型 自 動 車 は , 現 在 の 交 通 ・ 物 流 に と っ て 必 要 不 可 欠 な も の で あ る が , そ の 一 方 で , そ の 車 体 が 大 き い が 故 に ,事 故 を 起 こ し た 際 の 被 害・加 害 共 に 大 き い .す な わ ち , 大 型 自 動 車 の 安 全 性 を 考 え て い く た め に は , 事 故 を 回 避 す る た め の 予 防 安 全 , お よ び 衝 突 時 の 被 害 軽 減 の た め の 衝 突 安 全 の 両 方 を 併 せ , 総 合 的 な 安 全 性 を 検 討 し て い く 必 要 が あ る .

予 防 安 全 を 考 え る 上 で , 自 動 車 は 有 視 界 運 転 を 基 本 と す る 乗 り 物 で あ る こ と か ら , 自 動 車 を 安 全 に 運 転 す る 基 本 は 運 転 視 界 で あ る と 考 え , そ の 向 上 に 取 り 組 む 多 く の 研 究 が 従 来 な さ れ て き た( 1 ) - ( 1 8 )

大 型 自 動 車 は , そ の 車 体 が 大 き い こ と か ら 運 転 者 か ら 見 え な い 死 角 と な る 領

域(B lin d A rea)も 必 然 的 に 大 き く な る の で ,こ の 死 角 を「 い か に し て 少 な く す

る か 」が ,安 全 性 の 向 上 に と っ て 重 要 な ポ イ ン ト と な る .ま た ,大 型 自 動 車 は , 雤 天 時 等 で の 濡 れ た 路 面 を 走 行 す る 際 に 後 方 に 跳 ね 上 げ る 泥 水 の 量 も 多 く , こ れ が 後 続 車 両 の 視 界 を 妨 げ る と い う 問 題 も あ り , こ れ を 改 善 す る 必 要 も あ る . すなわち,大型自動車の運転視界に関する安全を考えていく上では,

( 1 ) 直 接 視 界 ( 静 止 状 態 で の 視 界 と 走 行 状 態 で の 視 界 )

( 2 ) 間 接 視 界 ( バ ッ ク ミ ラ ー や ア ン ダ ー ミ ラ ー 等 で 確 認 す る 視 界 )

(10)

第 1 章 . 緒 言 2

( 3 ) 濡 れ た 路 面 で の 走 行 時 に 跳 ね 上 げ る 泥 水 等 か ら の 後 続 車 の 視 界 確 保 の 3 つ の 課 題 に つ い て 検 討 し て い く こ と が 大 切 で あ る が , 従 来 の 研 究 で は 充 分 な 検 討 は な さ れ て い な か っ た .

な お , 運 転 視 界 の 向 上 以 外 の 予 防 安 全 に つ い て は , 車 両 の 加 速 性 能 , 操 縦 安 定 性 能 , 制 動 性 能 と い っ た 車 両 の 挙 動 に 係 わ る 性 能 の 向 上 , あ る い は 運 転 者 が エ ラ ー を す る プ ロ セ ス を 明 ら か に し こ れ を 補 う シ ス テ ム を 考 え て い く ヒ ュ ー マ ン ・ マ シ ン ・ イ ン タ ー フ ェ ー ス に 関 す る 技 術 , 更 に 近 年 で は 道 路 に 設 置 し た 通 信 機 器 と 車 両 で 通 信 し た り , 隊 列 走 行 す る 車 両 同 士 で 通 信 す る こ と に よ っ て 事 故 を 回 避 す る 技 術 (I n te ll igen t Tran spor t S yste m,IT S) 等 が 有 効 な 安 全 対 策 と 考 え ら れ , 以 前 よ り さ ま ざ ま な 研 究 が 行 わ れ て い る( 1 9 ) - ( 2 6 )

一 方 , 衝 突 安 全 に つ い て は , 衝 突 事 故 に お け る 車 両 の 損 壊 状 況 や 乗 員 傷 害 の 実 態 を 明 ら か に す る こ と に よ っ て , 衝 突 エ ネ ル ギ ー を 効 果 的 に 吸 収 し , 乗 員 が 被 る 衝 撃 を 緩 和 し た り , 衝 突 時 に 損 壊 す べ き 部 位 と 乗 員 の 生 存 空 間 や 救 出 性 を 保 つ た め に 潰 し て は な ら な い 部 位 そ れ ぞ れ に 適 切 な 構 造 を 考 え て い く こ と で , 乗 員 傷 害 を 低 減 し て い く た め の さ ま ざ ま な 研 究 が 行 わ れ て き た( 2 7 ) - ( 1 1 5 )

し か し な が ら ,衝 突 安 全 に 関 す る 研 究 の 多 く は ,乗 用 車 に 関 す る も の で あ り , 大 型 自 動 車 の 衝 突 安 全 に 関 し て は , 乗 用 車 の よ う な 法 規 制 や ( 独 ) 自 動 車 事 故 対 策 機 構 (N at ion a l A genc y for A uto mo t i ve S afet y & Vic ti ms ' A id,N A SVA) が 実 施 し て い る 衝 突 安 全 性 に つ い て の ア セ ス メ ン ト の 対 象 外 と な っ て い る こ と , 商 用 車 で あ る が 故 に 安 価 に 製 造 す る こ と が 要 求 さ れ る 等 と い っ た 理 由 か ら , 大 型 自 動 車 の 衝 突 安 全 性 を 向 上 す る た め の 研 究 は 決 し て 多 く は な い( 1 1 6 ) - ( 1 2 2 ).さ ら に , 大 型 自 動 車 の 衝 突 安 全 性 に つ い て は , 乗 用 車 と は 異 な る 対 策 が 要 求 さ れ る . 例 え ば , 衝 突 時 に お い て , 一 般 的 な 乗 用 車 で は 乗 員 保 護 の た め の 対 策 が 要 求 さ れ る が , 大 型 自 動 車 に つ い て は 自 車 の 乗 員 の 保 護 だ け で は な く , 積 荷 の 保 護 も 考 え な け れ ば な ら な い ケ ー ス も 存 在 す る . 原 子 力 発 電 所 で 使 用 す る 核 燃 料 の よ う な も の は , 衝 突 時 に 加 わ る 衝 撃 が 6 G を 超 え て し ま う と , 燃 料 と し て 使 い 物 に な ら な く な っ て し ま う た め , 衝 突 事 故 が 発 生 し た 場 合 に 積 載 物 へ 加 わ る 衝 撃 の 緩 和 を 考 え て お く こ と が 要 求 さ れ る . ま た , 大 型 自 動 車 は 自 車 よ り も 小 さ い 車 両 と の 衝 突 時 に お け る 相 手 車 両 へ の 加 害 性 の 低 減 , す な わ ち , 衝 突 時 に お け る

(11)

第 1 章 . 緒 言 3

相 互 安 全 性 (C ompa ti bil i t y) も 考 慮 し な け れ ば な ら な い . 例 え ば , 大 型 自 動 車 の 車 体 後 部 へ 乗 用 車 が 追 突 し た 場 合 , 大 型 自 動 車 の 車 体 骨 格 部 材 ( フ レ ー ム ) の 地 上 高 は , 乗 用 車 の 車 体 骨 格 部 材 ( サ イ ド メ ン バ ) の 地 上 高 と 大 き く 異 な る た め , 大 型 自 動 車 に 追 突 し た 乗 用 車 は , 衝 突 エ ネ ル ギ ー を 効 果 的 に 吸 収 す る こ と が 出 来 ず , 更 に は 大 型 自 動 車 の 荷 台 等 の 下 に 潜 り 込 ん で し ま う た め , 車 体 が 大 き く 損 壊 , 乗 員 の 被 害 が 甚 大 に な っ て し ま う .

以 上 の よ う に , 大 型 自 動 車 の 衝 突 安 全 性 を 考 え て い く た め に は , 次 の 3 つ の 課 題 を 解 決 し て い く こ と が 重 要 と 考 え ら れ る .

( 1 ) 自 車 乗 員 の 傷 害 の 低 減

( 2 ) 積 載 物 の 保 護

( 3 ) 自 車 よ り も 小 さ い 車 両 と の 衝 突 相 互 安 全 性

し か し な が ら , 大 型 自 動 車 に つ い て は , 乗 用 車 に 比 べ て 効 果 的 な 衝 突 安 全 対 策 が 取 り 難 い こ と や , 前 述 し た 通 り , 衝 突 安 全 に 関 す る 法 規 等 が 整 っ て い な い 等 と い っ た 理 由 か ら , 今 ま で 詳 細 な 検 討 は 行 わ れ て こ な か っ た .

そ こ で , 大 型 自 動 車 の 衝 突 安 全 性 に 係 わ る 上 述 の 3 つ の 課 題 に つ い て 詳 細 な 検 討 を 行 う べ く , 効 果 的 に 衝 突 エ ネ ル ギ ー を 吸 収 す る 装 置 を 開 発 す る た め の 基 礎 研 究 や , そ の 研 究 成 果 と し て の 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム を , 中 型 ト ラ ッ ク の 衝 突 安 全 性 能 向 上 に 活 用 し た 衝 突 安 全 コ ン セ プ ト ト ラ ッ ク(S afe t y C o n cep t

Tru ck,S C T), あ る い は ト ラ ッ ク に 追 突 し た 乗 用 車 乗 員 の 被 害 を 低 減 す る 衝 撃

吸 収 装 置 に 活 用 し た エ ネ ル ギ ー 吸 収 バ ン パ , ま た 核 燃 料 の よ う な 衝 撃 に 弱 い 積 載 物 を 保 護 す る 積 載 物 エ ネ ル ギ ー 吸 収 装 置 に 活 用 し た 大 型 ト ラ ッ ク ベ ー ス の 高 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 ト ラ ッ ク (N ucle ar Fu el S afe t y Tran spo r te r,N FS T) の 開 発 な ど の 課 題 に 対 し て 研 究 を 行 う こ と が 重 要 で あ る .

ま た , 上 述 し た 通 り , 大 型 自 動 車 は 乗 用 車 に 比 べ る と 衝 突 安 全 に 関 す る 法 規 が 少 な い こ と か ら ,乗 用 車 の よ う な 試 験 法 や 評 価 法 等 は ほ と ん ど 整 っ て い な い . こ の た め , 中 型 ト ラ ッ ク や 大 型 ト ラ ッ ク が 関 与 し た 事 故 実 態 や 衝 突 時 に お け る 核 燃 料 の 保 護 に 要 求 さ れ る 仕 様 等 か ら , 乗 用 車 の 衝 突 試 験 法 も 参 考 に し て , 中 型 ト ラ ッ ク や 大 型 ト ラ ッ ク の 衝 突 安 全 の た め の 新 た な 試 験 法 や 評 価 法 を 検 討 お

(12)

第 1 章 . 緒 言 4

1.2 研 究 の 目 的

本 研 究 の 大 き な 目 的 は , 前 節 で 述 べ た 大 型 自 動 車 ( ト ラ ッ ク , バ ス ) の 運 転 視 界 に 関 す る 3 つ の 課 題 お よ び 衝 突 安 全 に 関 す る 3 つ の 課 題 を 解 決 し て い く た め の 詳 細 な 検 討 を 行 い , 総 合 的 な 安 全 性 を 確 立 す る こ と で あ る . 具 体 的 に は 以 下 の 課 題 を 検 討 す る .

ま ず , 運 転 視 界 に つ い て は , 次 の よ う に 取 り 組 む .

最 初 に 直 接 視 界 の 視 認 性 の 向 上 に つ い て , 静 止 状 態 , 走 行 状 態 両 方 の 側 面 か ら 検 討 を 行 う . す な わ ち , 大 型 自 動 車 の 静 止 状 態 で の 視 界 に つ い て は , 運 転 者 の 両 眼 を 模 し た 光 源 を ス ク リ ー ン に 投 影 さ せ て 視 界 を 評 価 す る 試 験 を 行 い , 静 止 状 態 で の 視 界 を 評 価 , 続 い て 大 型 自 動 車 の 走 行 状 態 で の 視 界 に つ い て は , 市 街 地 や 高 速 道 路 , 山 間 地 等 , 異 な る 環 境 で 走 行 試 験 を 実 施 し , そ れ ぞ れ の 条 件 下 で 運 転 者 に と っ て 運 転 し 易 い 視 界 の 検 討 を 行 う .

次 に , 大 型 ト ラ ッ ク の 間 接 視 界 に つ い て 検 討 す る . 死 角 領 域 を 少 な く す る た め に ミ ラ ー の 鏡 面 の 曲 率 を き つ く し す ぎ る と , 鏡 面 に 映 る 像 が 歪 ん で し ま い 安 全 確 認 が し づ ら く な る . そ こ で , ミ ラ ー で 確 認 で き る 領 域 と ミ ラ ー に 映 る 像 の 歪 み , お よ び 像 の 大 き さ の 3 つ の 要 素 か ら 評 価 す る 方 法 を 新 規 に 考 案 し , バ ッ ク ミ ラ ー と ア ン ダ ー ミ ラ ー の 2 枚 の ミ ラ ー を 装 着 し た ミ ラ ー シ ス テ ム (2 ミ ラ ー シ ス テ ム ),バ ッ ク ミ ラ ー ,ア ン ダ ー ミ ラ ー ,サ イ ド ア ン ダ ー ミ ラ ー の 3 枚 の ミ ラ ー を 装 着 し た ミ ラ ー シ ス テ ム (3 ミ ラ ー シ ス テ ム ), お よ び バ ッ ク ミ ラ ー と 対 物 鏡 , 接 眼 鏡 を 組 合 せ た ミ ラ ー シ ス テ ム ( ペ リ ス コ ー プ シ ス テ ム ) の 3 種 類 の 間 接 視 界 装 置 に つ い て , 評 価 を 行 う .

ま た , 濡 れ た 路 面 で の 後 続 車 両 の 視 界 確 保 に つ い て は , 濡 れ た 路 面 を 再 現 す る 専 用 の テ ス ト コ ー ス を 新 規 に 建 設 し た 上 で , こ の 路 面 を 走 行 す る ト ラ ッ ク の 後 方 に 乗 用 車 を 走 行 さ せ る 試 験 を 行 い , 車 間 距 離 や 走 行 速 度 を 変 化 さ せ て , そ れ ぞ れ 毎 で の 視 界 阻 害 の 度 合 い を 測 定 , ト ラ ッ ク の 後 方 を 走 行 す る 乗 用 車 運 転 者 に と っ て の 安 全 な 視 界 確 保 に つ い て 検 討 を 行 う .

次 に , 衝 突 安 全 に つ い て は , 次 の よ う に 取 り 組 む .

国 内 に お け る 代 表 的 な 大 型 貨 物 自 動 車 で あ る 中 型 ト ラ ッ ク ( 積 載 量 4 t, 車 両

(13)

第 1 章 . 緒 言 5

総 重 量 7 t ク ラ ス ) お よ び 大 型 ト ラ ッ ク の 衝 突 安 全 性 能 の 向 上 を 主 な 目 的 と し , 研 究 内 容 を 大 き く 2 段 階 に 分 け て , 取 り 組 む .

ま ず , 第 1 段 階 に つ い て 次 の 研 究 を 行 う .

効 果 的 に 衝 突 エ ネ ル ギ ー を 吸 収 す る 装 置 を 中 型 ト ラ ッ ク や 大 型 ト ラ ッ ク に 装 備 す る こ と に よ っ て , そ の 衝 突 安 全 性 能 の 向 上 を 図 る こ と と し , そ の た め の 装 置 , 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム の 形 状 や 大 き さ を 決 定 す る た め の 基 礎 研 究 を 行 う .

第 2 段 階 で は , 第 1 段 階 で 開 発 し た 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム を 中 型 ト ラ ッ ク や 大 型 ト ラ ッ ク の フ ロ ン ト 部 や 荷 箱 , 荷 台 リ ヤ 部 な ど に 装 着 し , そ れ ぞ れ の 衝 突 安 全 性 能 の 向 上 , す な わ ち 自 車 乗 員 の 保 護 と 核 燃 料 の よ う な 衝 撃 に 弱 い 特 殊 な 積 載 物 の 保 護 , お よ び 乗 用 車 か ら の 被 追 突 時 に お け る 乗 用 車 側 乗 員 の 保 護 へ の 活 用 を 図 る .

1.3 本 論 文 の 構 成 と 概 要

本 論 文 に お け る 以 下 の 各 章 の 構 成 と 概 要 は 次 の 通 り で あ る .

運 転 視 界 に 関 し て は , 直 接 視 界 ( 静 止 状 態 で の 視 界 と 走 行 状 態 で の 視 界 ) に 関 す る 研 究 を 第 2 章 で , 間 接 視 界 ( バ ッ ク ミ ラ ー で 確 認 す る 視 界 ) に 関 す る 研 究 を 第 3章 で ,濡 れ た 路 面 で の 後 続 車 両 の 視 界 に 関 す る 研 究 を 第 4章 で 論 ず る . 衝 突 安 全 に 関 し て は , 第 1 段 階 に 相 当 す る 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム の 研 究 開 発 を , 第 5 章 で 論 じ , 第 2 段 階 に 相 当 す る 中 型 ト ラ ッ ク を ベ ー ス と し た 衝 突 安 全 コ ン セ プ ト ト ラ ッ ク (S C T) の 研 究 開 発 を 第 6 章 で , 乗 用 車 か ら の 被 追 突 時 の 乗 用 車 乗 員 保 護 の た め の エ ネ ル ギ ー 吸 収 リ ヤ バ ン パ を 第 7 章 で , 大 型 ト ラ ッ ク を ベ ー ス と し た 核 燃 料 輸 送 用 高 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 ト ラ ッ ク(N FS T)を 第 8 章 に て 論 ず る . 第 9 章 で 大 型 自 動 車 の 総 合 的 な 安 全 性 の 成 果 を 述 べ , 最 後 の 第 1 0 章 で , 各 章 で 論 じ た 研 究 の 結 論 と 研 究 の 今 後 の 発 展 性 に つ い て 述 べ る .

各 章 の 概 要 を 以 下 に 示 す .

第 2 章 で は , 直 接 視 界 の 視 認 性 向 上 に つ い て , 静 止 状 態 で の 検 討 と 走 行 状 態 で の 検 討 の 両 方 か ら 論 ず る . す な わ ち , 静 止 状 態 で 検 討 に つ い て は , 運 転 者 の

(14)

第 1 章 . 緒 言 6

両 眼 を 模 し た 光 源 を ス ク リ ー ン に 投 影 さ せ て 視 界 を 測 定 す る ス ク リ ー ン 投 影 法 と い う 試 験 を 実 施 す る . ボ ン ネ ッ ト タ イ プ の 大 型 ト ラ ッ ク や キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の 大 型 ト ラ ッ ク の 静 止 状 態 で の 視 界 を 評 価 ,走 行 状 態 で の 検 討 に つ い て は , 前 方 視 界 の 高 さ を 調 節 で き る 大 型 バ ス の 試 験 車 を 製 作 , ボ ン ネ ッ ト タ イ プ の 大 型 ト ラ ッ ク や 乗 用 車 と 共 に ,走 行 速 度 や 走 行 環 境( 市 街 地 ,高 速 道 路 ,山 間 地 , 等 ) を 変 え て , そ れ ぞ れ の 条 件 下 で 運 転 者 に と っ て , 運 転 し 易 い 視 界 の 検 討 を 行 う .

第 3 章 で は , 間 接 視 界 の 視 認 性 向 上 に つ い て 論 ず る . 大 型 ト ラ ッ ク の ミ ラ ー で 確 認 で き る 領 域 と ミ ラ ー に 映 る 像 の 歪 み , お よ び 像 の 大 き さ の 3 つ の 要 素 か ら 評 価 す る 新 し い 手 法 を 考 案 し , ミ ラ ー の 評 価 を 行 い , 従 来 よ り も 視 認 性 が 優 れ た ペ リ ス コ ー プ ミ ラ ー シ ス テ ム を 開 発 す る .

第 4 章 で は ,濡 れ た 路 面 で の 後 続 車 両 の 視 界 確 保 に つ い て 論 ず る .す な わ ち , 濡 れ た 路 面 を 走 行 す る ト ラ ッ ク の 後 方 に 乗 用 車 を 走 行 さ せ る 試 験 を 実 施 , 車 間 距 離 や 走 行 速 度 を 変 化 さ せ る こ と に よ っ て , そ れ ぞ れ 毎 で の 視 界 阻 害 の 度 合 い を 測 定 , ト ラ ッ ク の 後 方 を 走 行 す る 乗 用 車 運 転 者 に と っ て の 安 全 な 視 界 確 保 に つ い て 検 討 を 行 う .

第 5 章 で は ,衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム に 関 す る 基 礎 研 究 に つ い て 論 ず る . 自 動 車 の 衝 突 現 象 の 初 期 段 階 に お い て は , 車 体 変 形 量 と 発 生 荷 重 の 関 係 は , 線 形 ば ね の よ う な 正 比 例 の 関 係 を 示 す こ と か ら , 車 体 を 複 数 の 「 一 次 元 衝 突 ・ 質 量 - 線 形 ば ね 」 系 モ デ ル か ら 構 成 さ れ る も の と 考 え , 乗 員 や 積 載 物 等 , 保 護 す る 対 象 そ れ ぞ れ に 応 じ た 衝 突 安 全 対 策 に 取 り 組 む こ と と す る . つ ま り , で き る だ け 簡 便 な 構 造 で 効 率 よ く 衝 突 エ ネ ル ギ ー を 吸 収 で き る 装 置 の 材 質 や 形 状 , 大 き さ 等 に つ い て 有 限 要 素 法 に よ る シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 計 算 や , 静 負 荷 試 験 や 動 負 荷 試 験 お よ び 台 車 を 用 い た 衝 突 試 験 を 行 い , こ れ ら の 結 果 か ら 有 効 な 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム を 開 発 す る .

第 6 章 で は , 第 5 章 で 開 発 し た 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム を 用 い て 開 発 し た 衝 突 安 全 コ ン セ プ ト ト ラ ッ ク (S C T) に つ い て つ い て 論 ず る .S C T は , 乗 用 車 と の 衝 突 時 に お け る 相 互 安 全 性 (C omp ati b i li t y) お よ び 衝 突 時 に お け る 積 載 物 保 護 , 自 車 乗 員 保 護 も 含 め た 衝 突 安 全 の 向 上 を 目 的 と し て 開 発 し た ト ラ ッ ク

(15)

第 1 章 . 緒 言 7

で あ る .対 象 と す る 車 両 は ,車 両 総 重 量 7 t ク ラ ス( 積 載 量 4 t ク ラ ス )の 標 準 的 な 大 き さ の 中 型 ト ラ ッ ク を ベ ー ス に , 第 5 章 の 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム か ら 製 作 し た 安 全 装 置 , す な わ ち 乗 員 保 護 お よ び 積 載 物 保 護 の た め の エ ネ ル ギ ー 吸 収 フ ロ ン ト バ ン パ や ト ラ ッ ク タ ー ミ ナ ル の プ ラ ッ ト ホ ー ム へ の 後 退 衝 突 時 の 車 体 保 護 の た め の エ ネ ル ギ ー 吸 収 リ ヤ バ ン パ 等 と い っ た 衝 突 安 全 対 策 装 置 を 取 り 付 け た 車 両 で あ り , そ の 衝 突 試 験 結 果 を 従 来 型 の 中 型 ト ラ ッ ク で の 試 験 結 果 と 比 較 す る こ と に よ り ,S C T の 各 部 に 装 備 さ れ た 衝 突 安 全 対 策 装 置 に よ っ て , 従 来 の 中 型 ト ラ ッ ク に 比 べ , 衝 突 安 全 性 能 が 大 幅 に 向 上 し た こ と を 確 認 す る .

第 7 章 で は , 中 型 ト ラ ッ ク ・ 大 型 ト ラ ッ ク に 追 突 し た 乗 用 車 乗 員 の 保 護 に つ い て 論 ず る . 本 章 で は , 事 故 デ ー タ か ら 中 型 ト ラ ッ ク お よ び 大 型 ト ラ ッ ク の 追 突 事 故 に お け る 乗 用 車 乗 員 の 被 害 実 態 を 明 ら か に し た 上 で , そ の 対 策 と し て 中 型 ト ラ ッ ク , 大 型 ト ラ ッ ク そ れ ぞ れ に エ ネ ル ギ ー 吸 収 リ ヤ バ ン パ を 装 着 , 乗 用 車 を 追 突 さ せ る 試 験 を 実 施 し , 従 来 型 の 中 型 ト ラ ッ ク , 大 型 ト ラ ッ ク と 比 較 を 行 い , そ の 効 果 を 確 認 す る .

第 8 章 で は , 大 型 ト ラ ッ ク を ベ ー ス に 開 発 し た 核 燃 料 輸 送 用 の 高 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム 搭 載 ト ラ ッ ク (N FS T) に つ い て 論 ず る .N FS T に つ い て も , 第 6 章 で 述 べ た S C T と 同 様 に ,第 5 章 で 述 べ た 衝 突 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム を 車 体 各 部 に 装 備 し , 自 車 乗 員 の 保 護 や 乗 用 車 と の 衝 突 時 に お け る 加 害 性 の 低 減

( 衝 突 相 互 安 全 性 ,C ompat ib il i t y) を 図 る . な お ,N FS T で は , 衝 撃 に 弱 い と い う 特 性 を 有 す る 核 燃 料 を 保 護 す る た め の 積 載 物 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム を 荷 箱 に 装 備 , 衝 突 試 験 を 実 施 し , 積 載 物 エ ネ ル ギ ー 吸 収 シ ス テ ム に よ っ て , 衝 突 時 に お け る 核 燃 料 に 加 わ る 衝 撃 が 抑 え ら れ , 核 燃 料 の 品 質 が 保 護 で き る こ と を 確 認 す る .

第 9 章 で は , 各 章 で 論 じ た 予 防 安 全 , 衝 突 安 全 そ れ ぞ れ の 成 果 か ら , 大 型 自 動 車 の 総 合 的 な 安 全 性 の 研 究 の 成 果 を 論 じ る .

第 1 0 章 で は , 本 研 究 の 結 論 と 今 後 の 展 望 を 示 し た .

図 1 . 1 に 上 記 内 容 を ま と め た 本 論 文 の 構 成 図 を 示 す .

(16)

第 1 章 . 緒 言 8

図 1 . 1 本 論 文 の 構 成

第 1 章 緒    言

・研究の背景・目的

第 2 章 大型自動車の直接視界の改善に関する研究

・静止状態での視界,走行状態での視界,走行に関するフィ ーリング評価

第 3 章

車両周辺の間接視界の評価と向上に関する研究

・間接視界(2ミラーシステム,3ミラーシステム,ペリス コープシステム) の評価

第 4 章

濡れた路面におけるトラックスプレイの測定と低減に関する研究

・トラックスプレイの計測,車間距離とス プレイ量と視界妨害度の関係

第 5 章 衝突エネルギー吸収システムの研究開発

・衝突エネルギー吸収システムの開発・評価(シミュレーション,台上試験)

第 6 章

衝突安全コンセプトトラック(SCT)の研究および開発

・開発目的,衝突エネルギー吸収システムのSCTへの適用, 衝突試験

第 7 章

中型トラック・大型トラックに追突した乗用車乗員の保護に関する研究

・中型トラック・大型トラックに追突した乗用車の事故実態,衝突安全対策

第 8 章

高衝突エネルギー吸収システム装備トラック(NFST)に関する研究

・設計目標,衝突安全システムの構成,衝突試験

第 9 章 大型自動車の総合的な安全性の研究の成果

・予防安全・衝突安全それぞれの成果,大型自動車の総合的な安全性について

運転視界に 関する研究

衝突安全性に 関する研究

第 10 章 結    言

・本研究のまとめ,大型自動車の総合的な安全性に関する提言

(17)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 9

第 2 章

大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究

2.1 運 転 視 界 に つ い て

自動車の安全は「人」と「車」と「環境」の 3 つの要素から成り立っているが,これらを結び 付けているのが,人間の視覚である.すなわち,運転動作のほとんどは,視覚情報によって決定 される.したがって,自動車の安全を考える上で,運転視界は最も重要なものである.

運 転 視 界 に は , 直 接 視 界 と 間 接 視 界 が あ る . 本 章 で は , ま ず , 直 接 視 界 に つ い て 述 べ る こ と と し ,間 接 視 界 に つ い て は 第 3 章 で 述 べ る こ と と す る .

物が見えるための条件として,明るさ,視角,(明るさや色彩への)対比,時間の4つが挙げら れ,視野(ある1点に眼を向けた時に見える範囲を視角で表したもの)は,図2.1(a) (3) (137)のよう に示される.また,視野は色彩によっても異なるものであり(図 2.1(b))(3) (138),両眼にて左右,

各々35°は明確に位置と色彩を確認することができる(図 2.2)(3).なお,眼鏡をかけない場合の 両眼で見える範囲は左右60°であるが,眼鏡をかけると左右50°まで狭まる.したがって,大型 自動車の直進時に必要度の高い前方視界は,上述の範囲に収めなければならない(図2.3)(8)

自 動 車 の 視 界 は , 前 方 , 横 , 後 方 の 3 つ に 分 け ら れ る が , 本 研 究 で は , そ の 中 で も 最 も 重 要 な 前 方 視 界 の 向 上 に つ い て , 試 験 法 も 含 め て ボ ン ネ ッ ト タ イ プ や キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の ト ラ ッ ク に つ い て 検 討 を 行 っ た .

(18)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 0

( a )片 眼 視 野 ( 右 側 の 例 ) 図 2 . 1

( b ) 色 視 野

図 2 . 1 人 間 の 片 眼 お よ び 色 に 関 す る 視 野

( ウ ェ ズ レ イ , イ ー ウ ド ソ ン 原 著 , 青 木 , 野 本 共 訳 , 人 間 工 学 , コ ロ ナ 社 (1 9 5 6) よ り 引 用 )

( 知 久 , 倉 田 編 , 人 間 工 学 ハ ン ド ブ ッ ク , 工 業 デ ザ イ ン 全 書 , 金 原 出 版 (1 9 5 6) よ り 引 用 )

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 1

図 2 . 2 両 眼 視 野

図 2 . 3 大 型 自 動 車 の 直 進 時 に 必 要 度 の 高 い 前 方 視 界

( ボ ン ネ ッ ト タ イ プ 車 両 と キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ 車 両 の 比 較 ) ボンネットタイプの車両の視界

キャブオーバータイプの車両の視界

(20)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 2

2.2 静 止 状 態 で の 視 界 試 験

静 止 状 態 で の 運 転 視 界 の 評 価 に は , 次 の 3 種 類 の 評 価 法 が 主 に 用 い ら れ て い る .

( 1 ) ス ク リ ー ン 投 影 法

運 転 者 の 目 の 位 置(Eye Point)に 光 源( 幻 燈 用 1 0 0 W 電 球 )を 21/2i n(6 3 . 5 m m) 間 隔 で 2 個 設 置 し , 半 径 1 2 f t(3 . 6 6 m) の ス ク リ ー ン に 投 影 す る 評 価 法 で ,

1 9 6 0 年 に 英 国 M I R A F o s b e r y が 発 表 し た( 3 ) ( 1 8 ). この評価法でのシートへの電球

の取付けの様子を図 2.4 に,シートと眼の位置関係を図 2.5 に示す.なお,両眼の中心 はベンチシートの場合は車の中心線に平行なステアリングホイール中心線にあるが,バ ケットタイプシートの場合はシート中心線上におく.運転者のシートの位置は,なるべ く有効脚長が 930mm(図 2.5のa+b)になるように調整する.眼の前後方向中心は,図 2.5 に示したシートバックの接線の前方 c の距離にとる.この距離 c はシートバック角 度に対する補正値であり,シートバック角度と補正値の関係を図 2.6に示す.本評価法 は,正確で実際の乗車時に近い評価を得ることができるが,評価に要する時間がかかり すぎる欠点がある.なお,現在では,自動車技術会の規格による運転者の目の位置,す なわち「JSAE Eye Point Range」を原点として CADによって上述のスクリーン投影を数 値計算によって算出し,視界領域を評価する改良版のスクリーン投影法が使われることが多い.

( 2 ) 魚 眼 レ ン ズ カ メ ラ 法

魚 眼 レ ン ズ を 使 用 し た カ メ ラ で 車 両 の 前 方 視 界 を 評 価 す る 方 法 . 簡 便 に 評 価 す る こ と が で き る が , 魚 眼 レ ン ズ で 撮 影 し た 写 真 は , 実 際 の 乗 車 時 に 運 転 者 の 目 に 映 る 視 界 と は , 大 き く 異 な る .

( 3 )X - Y レ コ ー ダ 法

運転者の目の位置で,縦方向の視界と横方向の視界をそれぞれ縦軸方向と横軸方向の電 気量に変換して X-Y メモレコーダに書かせる方法.短時間で評価することができるが, 後部座席のない車両では,計測しにくいといった問題点がある.

な お , 本 研 究 で は , 上 記 の 三 つ の 評 価 法 の 中 で 正 確 で 実 際 の 乗 車 時 に 近 い 評 価 を 得 る こ と が で き る ス ク リ ー ン 投 影 法 で 視 界 の 評 価 を 行 っ た( 3 )

(21)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 3

図 2 . 4 シ ー ト へ の 電 球 の 取 付 け の 様 子

( 単 位 m m)

図2.5 シートと運転者の眼の位置の関係

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 4

図2.6 運転者の眼の位置の補正

図 2 . 7 ス ク リ ー ン 投 影 法 に 用 い ら れ る ス ク リ ー ン

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 5

ス ク リ ー ン 投 影 法 で は , 前 方 の 視 界 は , 地 上 か ら 垂 直 方 向 に 立 て た 半 円 ス ク リ ー ン 上 に , 前 述 の 運 転 者 の 眼 を 模 し た 電 球 か ら 投 影 さ れ た 影 の 面 積 か ら 計 測 さ れ る . ス ク リ ー ン の 大 き さ は , 高 さ 3 m で 半 径 3 . 6 6 m の 円 周 の 半 円 部 分 の 長 さ が あ る ( 図 2 . 7). な お , 運 転 視 界 を 評 価 す る 車 両 は , 運 転 者 の 眼 の 位 置 が 半 円 ス ク リ ー ン か ら 等 距 離 に な る 場 所 に 置 く ( 図 2 . 8). ま た ,ワ イ パ ー の 効 果 を 評 価 す る た め ,フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ に 磨 き 粉 を 塗 り , 払 拭 さ れ た 部 分 の 投 影 面 積 を 測 定 す る ( 図 2 . 9).

本 研 究 で は , 次 の 4 車 種 に つ い て 静 止 状 態 の 視 界 評 価 試 験 を 実 施 し た . 試験車①:三菱ふそう8t積・ボンネットタイプトラックT33形[生産時期:1955-1960年]

試験車②:三菱ふそう8t積・ボンネットタイプトラックT330形(視界改良型)[生産時期:1961-1968年] 試験車③:三菱ふそう8t積・キャブオーバータイプトラックT380形

試験車④:三菱ふそう8t積・ワンサイドキャブオーバータイプトラックT385形 な お , 各 試 験 車 を 図 2 . 1 0 に 示 す .

2.3 静 止 状 態 で の 視 界 測 定 結 果

1 ) ボ ン ネ ッ ト タ イ プ ト ラ ッ ク

試験車①および試験車②の視界測定結果(スクリーン投影線図)を図2.11に示す.試験車①の 視界は,1950年代の標準的なボンネットタイプトラック(1955-1960年生産)の典型的な視界であ り,死角領域も多い.そこで,視界を改良したボンネットタイプトラックの試験車②(1961-1968 年生産)が開発された.試験車②は,生産性の向上も兼ねたノーズダウンのデザイン(試験車① に比べてフード先端を低くしたデザイン)とすることで,フードが視界の邪魔にならず,キャブ オーバータイプトラックと同様にフロントウィンドウ下辺が視界の下限となっている(図 2.12). 試験車①と試験車②のスクリーン投影線図の比較を図2.13に示す.試験車①ではセンターピラー が太く,またフード先端が高いことから,試験車②に比べ死角領域が多いことがわかる.

試験車①と試験車②の路面視界の比較を図2.14に示す.試験車②の路面視界は,試験車①に比べ てはるかに良好である.なお,試験車①の視界については,文献「日本の自動車技術20年史」(1)で も,「非常に優れた視界を有するボンネットタイプトラックである」と高く評価されている.

(24)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 6

図2.8 スクリーン投影法での試験車の設置位置 図2.9 スクリーン投影法による視界測定の様子

図 2 . 1 0 本研究での試験車

( a ) 試 験 車 ①

( b )試 験 車 ②

図 2 . 11 ス ク リ ー ン 投 影 線 図

スクリーン

電球の中心位置

半径 3660 θ

試験車② 試験車① 試験車③ 試験車① 試験車④

試験車② 試験車③

試験車④

(25)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 7

(a) 試 験 車 ① お よ び 試 験 車 ② の キ ャ ブ 形 状 の 比 較 図

(b) 試 験 車 ① の キ ャ ブ 外 観 (c) 試 験 車 ② の キ ャ ブ 外 観

図 2 . 1 2 試 験 車 ① お よ び 試 験 車 ② の キ ャ ブ 周 辺 形 状 の 比 較

( 試 験 車 ① : 生 産 時 期 1 9 5 5 - 1 9 6 0 年 , 試 験 車 ② : 生 産 時 期 :1 9 6 1 - 1 9 6 8 年 )

試験車②

試験車①

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 8

図 2 . 1 3 試 験 車 ① と 試 験 車 ② の ス ク リ ー ン 投 影 線 図 の 比 較

(( 注 )フ ォ ス ベ リ ー 提 案 値( 3 ) ( 1 8 )

: 視 界 に 対 す る 最 低 要 求 条 件 と し て 提 案 さ れ た 値 )

図 2 . 1 4 試 験 車 ① と 試 験 車 ② の 路 面 視 界 線 図 の 比 較

試験車② 試験車① 試験車② 試験車①

試験車② 試験車①

フォスベリー提案値(注) 試験車②

試験車①

フォスベリー提案値(注)

Fosbery

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 1 9

2 ) キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ ト ラ ッ ク

試 験 車 ③ お よ び 試 験 車 ④ の ス ク リ ー ン 投 影 線 図 を 図 2 . 1 5,図 2 . 1 6に 示 す . 試 験 車 ③ は ,1 9 6 0 年 代 に 日 本 で 最 も 多 く 生 産 さ れ た , 積 載 量 8 t ク ラ ス の キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ ト ラ ッ ク で あ る が , キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の 宿 命 で 視 線 の 高 さ よ り 上 方 の 視 界 を 良 く す る こ と が 困 難 で あ り , フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ の 右 柱 ( 右 A ピ ラ ー ) が ス ク リ ー ン 投 影 線 図 上 の 2 0° の 位 置 に あ る . な お , 上 方 視 界 は , 左 右 両 端 を 曲 面 ガ ラ ス に し た フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ ( パ ノ ラ ミ ッ ク ウ ィ ン ド ウ ) に す る こ と で 改 善 で き る の で , 近 年 の ト ラ ッ ク で は パ ノ ラ ミ ッ ク ウ ィ ン ド ウ を 採 用 し て い る も の も 少 な く な い .

試 験 車 ④ は , 乗 員 の ス ペ ー ス が 運 転 席 部 分 の み と な っ て い る 特 殊 な 車 両

( 大 型 ク レ ー ン 車 等 の ベ ー ス と な る 車 両 ) で あ る が , こ の 車 両 の 視 界 は , 試 験 車 ③ の 視 界 を 改 善 す る よ う に 設 計 し た も の で あ る . 試 験 車 ③ と 試 験 車

④ の ス ク リ ー ン 投 影 線 図 の 比 較 を 図 2 . 1 7 に 示 す .試 験 車 ④ で は ,視 線 の 高 さ よ り 上 方 の 視 界 が 大 き く な り , 更 に 左 前 お よ び 左 横 の 視 界 も 大 き く な っ た こ と で , 市 街 地 走 行 に お け る 安 全 性 は 非 常 に 良 く な っ た . な お , 試 験 車

④ の 問 題 点 は ,ス ク リ ー ン 投 影 線 図 の 左 右 2 0° 付 近 に フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ の 柱 ( 左 右 の A ピ ラ ー ),3 0° か ら 4 0° の 辺 り に ド ア ピ ラ ー が あ る た め , こ れ ら が 直 線 走 行 時 に 心 理 的 影 響 を 与 え る こ と で あ る .

試 験 車 ③ と 試 験 車 ④ の 路 面 視 界 の 比 較 を 図 2 . 1 8 に 示 す .試 験 車 ④ の 路 面 視 界 は ,視 界 に 対 す る 最 低 要 求 条 件 と し て 提 案 さ れ た フ ォ ス ベ リ ー 提 案 値( 3 ) の 領 域 内 に 入 る の で , 市 内 の 混 雑 し た 場 所 や 狭 い 工 事 現 場 等 で の 運 転 が 容 易 で あ り , 安 全 性 が 高 く 機 動 性 の 富 ん で い る と 評 価 で き る .

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 0

図 2 . 1 5 試 験 車 ③ の ス ク リ ー ン 投 影 線 図

図 2 . 1 6 試 験 車 ④ の ス ク リ ー ン 投 影 線 図

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 1

図 2 . 1 7 試 験 車 ③ と 試 験 車 ④ の ス ク リ ー ン 投 影 線 図 の 比 較

(( 注 ) フ ォ ス ベ リ ー 提 案 値( 3 ): 視 界 に 対 す る 最 低 要 求 条 件 と し て 提 案 さ れ た 値 )

図 2 . 1 8 試 験 車 ③ と 試 験 車 ④ の 路 面 視 界 線 図 の 比 較

試験車④ 試験車③

フォスベリー提案値(注) 試験車④

試験車③

フォスベリー提案値(注) 試験車④ 試験車③ 試験車④ 試験車③

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第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 2

3 ) ボ ン ネ ッ ト タ イ プ と キ ャ ブ オ ー バ タ イ プ の 比 較

試 験 車 ② ( ボ ン ネ ッ ト タ イ プ ) と 試 験 車 ③ ( キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ ) の ス ク リ ー ン 投 影 線 図 の 比 較 を 図 2 . 1 9 に 示 す .視 線 の 高 さ よ り 上 方 は ,試 験 車 ② の 方 が 明 ら か に 良 く , 上 方 の 信 号 を 見 易 い . 特 に , フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ の 右 柱 ( 右 A ピ ラ ー ) が 3 5° よ り 外 側 に あ る た め , フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ に 平 面 ガ ラ ス を 使 用 し て も , 乗 員 に は 非 常 に ワ イ ド な 感 じ を 与 え , 視 界 を 害 す る こ と が 少 な く , 直 線 , カ ー ブ , 走 行 , い ず れ に お い て も 試 験 車 ② の 方 が 運 転 し 易 い . 一 方 , 前 面 下 方 視 界 は , 試 験 車 ③ の 方 が 良 い が , 車 両 の 先 端 の 位 置 に 対 し て 視 覚 は 反 応 し , 運 転 動 作 を 決 定 し な け れ ば な ら な い の で , 路 面 視 界 の 評 価 結 果 も 考 慮 す る 必 要 が あ る .

試 験 車 ② と 試 験 車 ③ の 路 面 視 界 の 比 較 を 図 2 . 2 0 に 示 す .試 験 車 ② と 試 験 車 ③ の 車 両 先 端 に 対 す る 路 面 視 界 は ほ と ん ど 変 わ ら ず , 運 転 者 の 位 置 か ら の 視 界 は 試 験 車 ③ の 方 が 広 い が , 実 際 必 要 と す る 車 両 の 先 端 を 基 準 と し た 場 合 の 視 界 は 両 車 共 変 わ ら ず , む し ろ 車 両 の 直 前 を 横 断 す る 歩 行 者 等 は , ボ ン ネ ッ ト タ イ プ で あ る 試 験 車 ② の 方 が 発 見 し 易 い ( 図 2 . 2 1).

な お , 試 験 車 ③ の よ う な キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の 車 両 直 前 の 下 方 に 対 す る 死 角 領 域 ( 図 2 . 2 1) を 少 な く す る た め , 下 方 限 界 を 大 き く と っ た 場 合 , 運 転 者 に と っ て 対 地 速 度 が 大 き く 感 じ ら れ る よ う に な る た め , 運 転 者 が 疲 れ 易 い 車 両 と な っ て し ま う 危 険 が あ る .

大 型 自 動 車 の 視 界 に つ い て は ,1 9 6 0 年 代 当 時 の 西 ド イ ツ に お け る ,S t Z O

(d e r S t r a s s e n v e r k e h r s Z u l a s s u n g s O r d n u n g)交 通 認 可 規 定 の 第 2 節 構 造 要 求 条 件 に ,「 総 重 量 2 . 5 t 以 上 の ト ラ ッ ク は 運 転 席 の シ ー ト 中 央 か ら 7 0 0 m m の 高 さ よ り 見 て ,半 径 6 m 上 の 立 て た 高 さ 1 m の 棒 が 見 え な け れ ば な ら な い .」

と い う 視 界 に 関 す る 規 定 を 設 け て い る が ( 図 2 . 2 2), 今 回 の 静 止 状 態 で の 視 界 評 価 試 験 に 用 い た 試 験 車 に つ い て は 試 験 車 ① か ら 試 験 車 ④ の 4 台 す べ て が , こ の 規 定 を 満 足 し て い る .

(31)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 3

図 2 . 1 9 試 験 車 ② と 試 験 車 ③ の ス ク リ ー ン 投 影 線 図 の 比 較

図 2 . 2 0 試 験 車 ② と 試 験 車 ③ の 路 面 視 界 線 図 の 比 較

試験車③ 試験車② 試験車③ 試験車②

試験車② 試験車③ 試験車② 試験車③

(32)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 4

図 2 . 2 1 ボ ン ネ ッ ト タ イ プ と キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の 車 両 直 前 視 界 の 比 較

図 2 . 2 2 西 ド イ ツ S t V Z O で 規 定 さ れ た 総 重 量 2 . 5 t 以 上 ト ラ ッ ク の 視 界

(33)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 5

2.4 走 行 状 態 で の 視 界 試 験

1 ) 試 験 の 概 要

今 ま で 述 べ て き た 静 止 状 態 で の 視 界 の 評 価 は ,「 発 進 時 や 低 速 走 行 時 に お け る 安 全 確 保 の た め の 視 界 」 を 評 価 す る も の で あ る が , 通 常 の 走 行 時 や 高 速 走 行 時 の 視 界 に 関 す る 安 全 性 を 必 ず し も 評 価 し て い る わ け で は な い .

本 研 究 で は ,「 市 街 地 」,「 高 速 道 路 」,「 山 間 地 」,「 狭 路 通 過 性 と バ ス 停 へ の 接 近 し 易 さ 」 の 各 条 件 に つ い て , 走 行 状 態 で の 視 界 試 験 を 実 施 , キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の 大 型 バ ス , ボ ン ネ ッ ト タ イ プ の 大 型 ト ラ ッ ク お よ び 乗 用 車 そ れ ぞ れ の 視 界 の 評 価 を 実 施 し た( 5 ) - ( 1 0 )

2 ) 試 験 車 お よ び 視 界 条 件

本 研 究 で は , 次 の 3 台 の 試 験 車 を 使 用 し た .

試 験 車 ①:三 菱 ふ そ う 高 速 バ ス M A R 8 2 0 形 の 視 界 試 験 用 改 造 車( 図 2 . 2 3).

キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の 大 型 バ ス の 車 両 前 面 部 を 屋 根 部 か ら 床 面 部 に 亘 っ て 大 き く ガ ラ ス 張 り に し た 試 験 車 . フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ 内 部 に カ ー テ ン を 取 り 付 け , カ ー テ ン で フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ を 覆 う 面 積 を 変 化 さ せ る こ と で , 運 転 視 界 の 条 件 ( 表 2 . 1) を 変 化 さ せ る よ う に し た 試 験 車 で あ る .

試 験 車 ② : 三 菱 ふ そ う T 3 3 0 形 ( 視 界 改 良 型 ) ト ラ ッ ク ( 図 2 . 2 4).

ボ ン ネ ッ ト タ イ プ の 大 型 ト ラ ッ ク . 試 験 車 ① の よ う な 大 規 模 な 改 造 は し て い な い が , カ ー テ ン で フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ を 覆 う 面 積 を 変 化 さ せ る こ と で , 運 転 視 界 の 条 件 ( 表 2 . 2) を 変 化 さ せ る よ う に し て あ る .

試 験 車 ③ : 三 菱 コ ル ト 1 0 0 0(A 2 0 形 ) 乗 用 車 ( 図 2 . 2 5)

一 般 的 な セ ダ ン タ イ プ の 乗 用 車 . フ ロ ン ト ウ ィ ン ド ウ に テ ー プ を 貼 り 付 け る こ と で , 運 転 視 界 の 条 件 ( 表 2 . 3) を 変 化 さ せ る よ う に し た .

(34)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 6

図 2 . 2 3 試 験 車 ① ( 三 菱 ふ そ う 高 速 バ ス M A R 8 2 0 形 改 造 車 )

表 2 . 1 試 験 車 ① の 運 転 視 界 条 件

視界条件

(1)可視範囲(2)下方視界限界(注)

   (mm)

視界条件

(1)可視範囲(2)下方視界限界(注)

   (mm)

A

(1)1440×1880

(2)2450    (mm)

(1)455×1880

(2)5600    (mm)

(全開状態)

D

B

(1)595×1880

(2)5600    (mm)

(1)360×1880

(2)8150    (mm)

E

C

(1)500×1880

(2)8150    (mm)

(注)下方視界限界は,目の位置から路面が    見えた位置までの寸法を示す.

※.表中の「斜線」部分は,カーテンでフロント    ウィンドウを覆った領域を示す.

(標準的なバスの  フロントウィンドウ)

(35)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 7

図 2 . 2 4 試 験 車 ② ( 三 菱 ふ そ う T 3 3 0 S 形 ト ラ ッ ク )

表 2 . 2 試 験 車 ② の 運 転 視 界 条 件

視界条件

(1)可視範囲

(2)下方視界限界(注)

   (mm)

A

(1)460×1880

(2)7300    (mm)

(全開状態)

B

(1)345×1640

(2)8850    (mm)

C

(1)270×1640

(2)8850    (mm)

(注)下方視界限界は,目の位置から路面が    見えた位置までの寸法を示す.

※.表中の「斜線」部分は,カーテンでフロント    ウィンドウを覆った領域を示す.

(36)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 8

図 2 . 2 5 試 験 車 ③ ( 三 菱 コ ル ト 1 0 0 0(A 2 0 形 ) 乗 用 車 )

表 2 . 3 試 験 車 ③ の 運 転 視 界 条 件

視界条件

(1)可視範囲

(2)下方視界限界(注)

   (mm 視界条件

(1)可視範囲

(2)下方視界限界(注)

   (mm

A

(1)495×1250

(2)5080    (mm

(1)495×1225

(2)5600    (mm

(全開状態)

C

B

(1)470×1250

(2)5080    (mm

(1)475×1225

(2)8150    (mm

D

(注)下方視界限界は,目の位置から路面が見えた位置までの寸法を示す.

※.表中の「斜線」部分は,カーテンでフロントウィンドウを覆った領域を示す.

(37)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 2 9

3 ) 計 測 装 置 お よ び 被 験 者

本 研 究 で は , 次 の 計 測 装 置 を 使 用 し た . 3 - 1) オ シ ロ グ ラ フ ( 図 2 . 2 6)

時 間 , 車 速 , 前 後 方 向 加 速 度 , 左 右 方 向 加 速 度 , 制 動 , 同 乗 者 に よ る 危 険 感 等 , 運 転 動 作 に 係 わ る 値 の 測 定 に 使 用 し た .

3 - 2) 皮 膚 電 気 反 射 (P s y c h o G a l v a n i c R e s p o n s e,P. G. R .)

見 か け 上 の 皮 膚 の 電 気 抵 抗 は 神 経 中 枢 の 興 奮 性 に よ っ て 変 化 す る . こ の 現 象 を 利 用 し て 「 ウ ソ 発 見 器 」 が 作 ら れ て い る が , 本 研 究 で は こ れ と 同 じ 仕 組 み , す な わ ち , 皮 膚 電 気 抵 抗 が 変 化 す る 出 現 頻 度

(P. G. R .出 現 率 ) を 興 奮 性 や 心 身 の 負 担 度 を 測 る 指 標 と し て 用 い た .

3 - 3) 呼 吸 数 の 測 定

人 体 に 精 神 的 , 肉 体 的 な 興 奮 , ス ト レ ス を 与 え る と , 一 般 に 呼 吸 数 が 高 ま る こ と を 利 用 し て ,1 分 間 当 た り の 呼 吸 数 を 連 続 的 に 計 測 し , 興 奮 の 度 合 い の 測 定 を 行 っ た .

3 - 4) フ リ ッ カ ー 値

大 脳 の 興 奮 性 , 疲 労 性 の 低 下 状 態 を 測 定 す る た め , セ ク タ を 通 し て の 光 の ち ら つ き 度 を 測 定 し た 値 . 本 研 究 で は , 作 業 負 荷 に よ る 身 体 の 変 化 を 測 定 し た .

3 - 5) メ モ モ ー シ ョ ン カ メ ラ

1 6 m m 撮 影 機 を 毎 秒 1 コ マ の 間 隔 で 作 動 さ せ , 前 方 交 通 環 境 の 変 化 を 撮 影 し た . こ れ に よ り , 他 車 の 影 響 , 追 越 し 動 作 等 の 観 察 を 行 っ た ( 図 2 . 2 7).

3 - 6) 被 験 者

本 研 究 で の 被 験 者 ( 試 験 車 の 運 転 者 ) を 表 2 . 4 に 示 す . 表 2 . 4 中 に 示 し た 被 験 者 の う ち ,S a,Ta,M a の 3 名 は , プ ロ の 運 転 手 ( 観 光 バ ス の 運 転 手 ) で あ る .

(38)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 3 0

図 2 . 2 6 オ シ ロ グ ラ フ 図 2 . 2 7 メ モ モ ー シ ョ ン カ メ ラ

表 2 . 4 走 行 状 態 で の 視 界 試 験 で の 被 験 者 一 覧

試験車① 試験車② 試験車③

(39)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 3 1

2.5 走 行 状 態 で の 視 界 試 験 の 結 果

1 ) 市 街 地 走 行 試 験

東 京 都 内 の 駒 沢 通 り お よ び 青 山 通 り を 駒 沢-青 山 一 丁 目 間 に お い て 走 行 ,

表 2 . 1 か ら 表 2 . 3 に 示 し た 視 界 条 件 で 各 試 験 車 の 運 転 者 の 身 体 的 負 担 の 計

測 を 行 っ た . な お , 今 回 の 試 験 で 走 行 し た 区 間 の う ち , 同 一 視 界 条 件 は , 駒 沢-中 目 黒 , 中 目 黒-青 山 一 丁 目 の 往 復 の 各 1 区 間 と し , 全 区 間 の 往 復 に よ っ て 4 種 類 の 視 界 条 件 に つ い て 試 験 を 実 施 す る よ う に し た . ま た , 被 験 者 に は 「 自 分 が 最 も 安 全 か つ 適 切 と 思 わ れ る 走 行 」 で 運 転 す る よ う に 指 示 し た .

※ . 市 街 地 走 行 試 験 は , す べ て の 試 験 車 に つ い て 実 施 し た が , 試 験 車 ② に つ い て は , 計 測 機 器 の 故 障 の た め , デ ー タ に 不 十 分 な 点 が あ る た め , 今 回 の 報 告 か ら は 除 い た .

1 - 1) 試 験 車 ①

視 界 条 件 と 速 度 の 関 係 を 図 2 . 2 8 に ,視 界 の メ モ モ ー シ ョ ン カ メ ラ の 撮 影 結 果 の 一 部 を 図 2 . 2 9 に 示 す .青 山 一 丁 目 か ら 中 目 黒 に 向 か う 走 行 ル ー ト に お い て ,被 験 者 Ta は 視 界 条 件 D で 平 均 速 度 ,最 高 速 度 共 に 高 く な っ た が , 被 験 者 M a は 視 界 条 件 B の と き に 最 高 速 度 が 高 く な っ た . ま た , 被 験 者 Ta は 視 界 が 狭 く な る 程 , 速 度 が 高 く な る 傾 向 を 示 し た .

皮 膚 電 気 反 応 や 呼 吸 数 に つ い て は ,被 験 者 Ta は 速 度 の 上 昇 と 共 に 皮 膚 電 気 反 応 の P. G. R .出 現 率 や 呼 吸 数 が 増 加 し た が , 被 験 者 M a で は 速 度 の 上 昇

と P. G. R .出 現 率 や 呼 吸 数 と い っ た 生 理 反 応 は 逆 に 低 く な っ た .

1 - 2) 試 験 車 ③

視 界 条 件 と 速 度 の 関 係 を 図 2 . 3 0 に 示 す .ど の 視 界 条 件 に つ い て も 走 行 速 度 に あ ま り 大 き な 差 は み ら れ な か っ た . ま た , 生 理 反 応 に 関 し て は , 視 界 条 件 C の 場 合 に 反 応 が 著 し く 変 化 し た .

(40)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 3 2

図 2 . 2 8 試 験 車 ① の 市 街 地 走 行 で の 視 界 条 件 と 速 度 , 心 身 反 応

視界条件

走行速度 P . G . R 出 現 率   回 /km 呼 吸 数   回 /

(41)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 3 3

図 2 . 2 9 試 験 車 ① の 市 街 地 走 行 で の メ モ モ ー シ ョ ン カ メ ラ で の 撮 影 写 真

図 2 . 3 0 試 験 車 ③ の 市 街 地 走 行 で の 視 界 条 件 と 速 度 , 心 身 反 応

( a )視界条件 A ( b )視界条件 E

視界条件 フリッカー変化率

(試験前を100とする)

呼吸変化率

(試験前を100とする)

走行速度

(42)

第 2 章 . 大 型 自 動 車 の 直 接 視 界 の 改 善 に 関 す る 研 究 3 4

2 ) 高 速 道 路 走 行 試 験

名 神 高 速 の 京 都 南-茨 木 間 を 走 行 ,上 述 市 街 地 走 行 試 験 と 同 じ 視 界 で 運 転 者 の 身 体 的 負 担 の 計 測 を 行 っ た . な お , 被 験 者 に は 「 自 分 が 最 も 安 全 か つ 適 切 と 思 わ れ る 走 行 」 で 運 転 す る よ う に 指 示 し た .

2 - 1) 試 験 車 ①

走 行 速 度 と 視 界 条 件 に つ い て は , 市 街 地 走 行 の 場 合 と 同 様 に , 被 験 者 に よ る 差 が 激 し い .被 験 者 Ta の 場 合 ,視 界 条 件 E で 走 行 速 度 は 最 高 で あ り , 被 験 者 S a で は 視 界 条 件 B が 最 高 で あ る が , 視 界 条 件 A に 比 べ 視 界 条 件 B お よ び E で 高 い 速 度 で 走 行 し て い る . 被 験 者 O w の 場 合 に は , 視 界 条 件 と 車 速 の 関 係 は 明 瞭 で は な い ( 図 2 . 3 1). こ れ は , 被 験 者 O w は 視 界 条 件 A で の 運 転 に 慣 れ て し ま っ て い る た め と 考 察 す る .

生 理 的 反 応 と 視 界 と の 関 係 に つ い て は ,図 2 . 3 1 に 示 し た よ う に ,被 験 者 Ta で は 速 度 の 上 昇 と 共 に 心 身 反 応 は 大 き く な っ て い る . ま た , 被 験 者 S a で も 同 様 の 傾 向 と な っ た . な お , 被 験 者 O w に つ い て は , 車 速 の 場 合 と 同 様 に , 視 界 条 件 と 生 理 反 応 の 関 係 も 明 瞭 で は な い .

な お , 視 界 の メ モ モ ー シ ョ ン カ メ ラ の 撮 影 結 果 の 一 部 を 図 2 . 3 2 に 示 す . 2 - 2) 試 験 車 ②

走 行 速 度 と 視 界 条 件 の 関 係 に つ い て は , 被 験 者 O w は 試 験 車 ① の 場 合 と 同 様 , 明 瞭 な 結 果 は 得 ら れ な か っ た が , 被 験 者 S a は 視 界 条 件 A に 比 べ 視 界 条 件 B お よ び C で は 速 度 が 約 1 0 k m / h 上 昇 し た ( 図 2 . 3 3).

生 理 反 応 と 視 界 条 件 の 関 係 に つ い て は ,被 験 者 S a は 視 界 が 悪 く な る に 従 い ,P. G. R .出 現 率 が 高 く な っ て お り ,被 験 者 O w も 視 界 条 件 が 悪 く な る と 呼 吸 数 が 上 昇 し た .

2 - 3) 試 験 車 ③

視 界 条 件 が 悪 く な っ た 場 合 に 速 度 が 上 昇 す る こ と が 確 認 で き た( 図 2 . 3 4).

生 理 反 応 に つ い て も , 視 界 条 件 が 悪 く な る と P. G. R .の 出 現 率 や 呼 吸 数 の 変 化 が 確 認 で き た .

図 2 . 4   シ ー ト へ の 電 球 の 取 付 け の 様 子
図 2.6  運転者の眼の位置の補正
図 2 . 1 5   試 験 車 ③ の ス ク リ ー ン 投 影 線 図
図 2 . 2 1   ボ ン ネ ッ ト タ イ プ と キ ャ ブ オ ー バ ー タ イ プ の 車 両 直 前 視 界 の 比 較
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参照

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