神奈川大学 の教 員養成 におけ る 新 たな 目標 と計画策定 のための一考察
‑ 神 奈川 大学湘南 ひ らつ か キ ャ ンパ スの実践 に即 して ‑
鈴 木 そ よ子
はじめに
神奈川大学 の教職課程 は,横浜 キ ャ ンパ ス と 湘南 ひ らつか キ ャンパ スそれ ぞれに専任教 員が 所属 し,各 キ ャ ンパ スに責任 を持 って運 営 して い る。1990(平成2)年度 に,湘南 ひ らつか キ ャ ンパ ス教職課程 が開設 されて以来,両 キ ャ ン パ ス ともに,『資格 教育 課程 履 修 要 覧』 に示 され てい る共通 の条件 を提 示 し,「同一 団地」
として, 同一 カ リキ ュラムに基づいて教職課程 を運 営 して きた。
履修上 の共通条件 を踏 まえなが らも, キャ ン パ スご とに運営上 の詳細 を定 めて きた。 キ ャ ン パ スの規模 ・立地条件 ,登録学生数 の規模 ,教 職課程担 当教 員数等 が異 な る とい う実情 に もと づ き, ガ イダ ンス全般 に関す る体制,学生指導 の詳細 な どは, キ ャ ンパ スご との専任教 員 と事 務局, そ して教職課程指導室 員の責任 におい て 決定 し,実行 して きた。湘南 ひ らつか キャ ンパ スで は,理学部 と経営学部 の学生 の指導 を担 当 してい る。
それ ぞれの キ ャンパ スに フィッ トす る運営上 の詳 細 な内容 を組 み立 て,実施 して行 くこ と が,各 キ ャ ンパ スの学生 た ちの教育 に対 して責 任 を持つ こ とだ とい う認識 が ある。共通 の条件 とキ ャンパ スご との裁量 の組 み合 わせで運営す る とい う取 り組 み方 は,各 キ ャンパ スに教職課 程 の専任教 員が配 されてい るか らこそ可能 な こ
とで もあ る。
本稿 では, これ まで湘南 ひ らつか キャ ンパ ス で積 み重ねて きた具体 的施策 内容 とその基本 的 考 え方 を明示す る。 こ うす るこ とに よって,改 めて今後 の神奈川大学 の教職課程運営 のあ り方 を考 える礎 としたい。
1 .両キャンパス共通の条件
『神 奈川 大学 2008年度 資格 教育課程 履 修要覧』 に もとづ き,両 キ ャ ンパ スで共通 して 提示 してい る履修上 の条件 を挙 げ る。
以下 の条件 は,両 キ ャ ンパ スにおい て,厳密 に守 られて い る。
① 1年 次 で仮 登録 を し,2年次 で本 登録 をす る。
② 2年次配 当科 目 「教科教育法 Ⅰ」 は,「教育 原 論 IJ「教 育原 論ⅠIJ「教 育 心理 学」 の単位 をす べ て修 得 した者 が履 修 で きる。 また,
「教 科教育 法 Ⅰ」 の単位 を修得 した の ち,「教 科 教 育 法ⅠIJ「教 科 教 育 法 HIJ「教 科 教 育 法
ⅠⅤ」 を履修 で きる。
③ 3年次 に教育実習 内諾依頼 をす る条件 は, a 「教職 に関す る科 目」か ら8単位以上 を修
得 して い る こ と。(「教 育 原 論 IJ「教 育 原 論ⅠIJ「教育心理学」 の単位 を含 む。) b 「66条 科 目」か ら4単 位 以 上 を修 得 して
い るこ と。
c 数 育 実 習 に出 る教科 に よ って定 め られて い る各種検定試験 に合格 してい るこ と。
(む 教育実習 に出 るための条件 は,
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神奈川大学心理 ・教育研究論集 第28号 (2009年3月31日)
a 教育 実習校 か ら受入 れの内諾 を得 てい る こ と。
b l・2・3年次配 当 の 「教職 に関す る科 目」
の必修科 目すべて を修得 してい るこ と。 中 学校実習 の場合 は 「道徳教育論」 も含 む。
「教科 教育 法」 は免許 教科 に即 して4単位 を修得 してい るこ と。 ただ し, 中学校実習 の場合 は8単位 を修得 してい るこ とが望 ま
しい。
C3年 次配 当 の 「カ ウ ンセ リング概 論」 ま た は 「カ ウ ンセ リング演習」 の うち,いず れ か 1科 目 (2単 位) を修 得 して お くこ
と。
d l・2年次配 当 の 「教科 に関す る科 目」 の 必修科 目をすべて修得 し,かつ 「教科 に関 す る科 目」 の修得 単位 数 が20単位 以 上 で あ るこ と。
e 66条科 目すべ て の単位 を修得 してい るこ
と 。
f 理 学 部 は卒 業研 究着 手 の条件 を満 た して い るこ と。
2. 湘南ひらつかキャンパスで設定 してい
る履修上の条件開設 以 来,19年 の問 に履 修 者 の規 模 も変化 し,学生層 も変化 して きた。問題 に直面 しなが ら工夫 を重ねて,現在 の履修上 の条件 に至 って い る。 それゆ え,以下 の内容 は今後 も変化 して い くだ ろ うし,横浜 キャ ンパ ス も本 キ ャ ンパ ス と足並 み をそ ろえてい る内容 もあ るが, ここで は,本 キ ャンパ スの現在 の履修上 の条件 として 示 す。
これ らは, ガイダ ンス,掲示,授業 での アナ ウ ンス等 で学生 に知 らせ,説明会 の会場 で その 条件 に も とづ き対応 す る。 また,各科 目の シラ バ ス上 で明記 して,授業 の一環 としてお こな っ てい る。
(∋ 説 明会 に出席 しなければ,次 の手続 きに進 めない。 それは,以下 の説明会 で あ る。
・教職課程本登録 の説明会 (2年次4月)
・「総合演習Ⅰ」抽選会 (2年次4月)
・介護等体験説 明会 (募集 ・2年次10月)
・教育実習計画説 明会 (2年次1月)
・教育実習 内諾依頼説明会 (3年次4月)
・介護等体験説明会 (振分 ・3年次4月)
・教育実習最終手続 き説 明会 (3年次1月)
これ らの 日程 ,場所,条件等 は全 て,掲示や
『神 大
S TYL E
』,学 生 に送 付 され るガ イ ダ ンス 資料 等 で わ か る。 また,掲 示 は,2・3ヶ月前 か ら掲示板 に出 してい る。 出席 す るこ とが必須 条件 で あるこ と, 出席 で きない場合 は理 由 も含 めて事前 に教務課 に申 し出 るこ とを掲示並 びに ガイダ ンスのた びに徹底 してい る。説 明会へ の出席確認 は,定期試験 と同様 に出 席表 へ の記入 と,‑ ン ドター ミナルでの学生証 確認 の2通 りで あ る。正 当 な理 由な く欠席 した 場合,説明会終 了後受 け付 け るこ とはない。
② 「教育原論Ⅰ・ⅠIJ「教育心理
」
「教科教育法 IJ
「教職論」 で は,定期試験 を行 う。「教育原 論Ⅰ・ⅠIJ「教育 心理
」
「教職論」 は, 専 任 教 員 が 担 当 して い る。「教 科 教 育 法Ⅰ」 は,社会 ・公民,数学,理科,情報 の教科 ご と に設定 されてお り,公民,理科 の 「教科教育法Ⅰ」 を専任 教 員が担 当 し,社 会,数 学,情 報 は 非常勤講 師が担 当 してい る。専任 が担 当 してい
る教科 と数学で実施 してい る。
教職 に関す る科 目の他 の科 目も, もち ろん定 期試験 を実施 してい るが,上記 の科 目は必ず実 施 してい る。
「教育原論IJ「教育心理」 は授業 に即 して, テキス トや資料 に もとづ く試験 を行い,学習成 果 として点数 が明確 に出 る試験 で あ る。 そのた め,両者 とも500/o程 度 の学 生 が及 第 点 とな っ てい る。
「教 育原 論ⅠⅠ」 は グル ー プ活動 や調 査 に も と づ く発表 や議論 を中心 に行い, これ らの成果 を
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問 う試験 内容 となる。
「教科教育 法Ⅰ」 お よび 「教職論」で は,定 期 試験 の出題範 囲 を授 業 の最初 に提示 して お き, その指定 した問題集 の中か ら定期試験問題 を作成す る。授業 は模擬授業や教科教育 の内容 を中心 に進 め られ るので,授業時間の中で直接 定期 試 験指 導 をす るわ けで はない。定 期 試験 で, シラバ スで明記 されてい る点数以上 の点数 を取 った ものが,授業内容 に もとづいて評価 さ れ る対象者 となる。
3.
「教 職 論」
「教 育 実 習 指 導」単 位 認 定 基準3年次後期配当の 「教職論」 と4年次前期配 当の 「教育実習指導」 の単位認定基準 は 「教職 論」 の初 回 で, プ リン トに即 しなが ら説 明す
る。以下 の基準 は厳守 されてい る。
2008年度 「教職論」単位認定基準 (『教育実習の手引 き』p.1参照)
(1)指定 された レポー トの提 出 (∋授業で指示 された レポー ト
(学習指導案作成等 を含む)
②教育実習への抱負
(2)受講状況 (下記①以外の遅刻 ・欠席 は 認 めない)
①病気 ・忌引 きの場合 は証明で きる もの の提 出 (事後,証明書持参)
(3)教 員採用試験 の模擬試験 を受験す るこ と (無料)
①教職教養 ・一般教養 は必修 (特段 に成 績 の悪い場合 は再試 とす る),専 門教 養 ・論作文 は選択 とす る
(4)定期試験 を行 う。教材 は以下 を使用す る (60点以上合格)
(∋『2009年 度 版 よ くわ か る教 職 教 養 100』時事通信社
②『2009年 度 版 よ くわ か る一 般 教 養 100』時事通信社
2009年 度 「教 育 実 習 指 導」単 位 認 定 基 準
(1)提 出物 (‑つで も欠 けた場合,単位 は 出ない)
(∋「教育実習へ の抱負」(5月最後 の授業 までに,完成 した もの を提 出)
②教 員採用試験受験願書 の コ ピー (受験 の有無 に関 わ らず,6月最後 の授業 で 提 出)
(参教育実習後 の レポ ー ト(6月最後 の授 業で記入,提 出)
(彰授業 で指示 された レポー ト
(9実習校 で作成 した研究授業 の学習指導 案2部 (1部 は教育実習記録へ添付 す
る。
1部 は6月最後 の授業 で ファイ リング す る。)
(む「教育実習記録」 (原則 として,教育実 習終 了後2週 間以 内に教務課へ提 出) (2)受講状況 (下記(∋〜(参以外 の遅刻 ・欠
席 は認 めない)
(∋病気 ・忌引 きの場合 は証明で きるもの の提 出 (事後,証明書持参)
②実習校 のオ リエ ンテ ーシ ョンと重な る 場合 は事前 の届 出
(釘就職活動 は最終面接 のみ認 める (事前 に証明で きる物 を持参)
(3)教 員採用試験 の模擬試験 を受験す るこ と (無料)
(D教 職 教 養 ・一 般教 養 は必修,専 門教 養 ・論作文 は選択 とす る
4.
教員採 用試験 受験 のためのサポ ー ト 体制教 員採用試験 は,4年次 の7月に1次試験, 8月〜9月に2次試験 が実施 され る。16年 間, 専任教 員が大学 の夏季休暇期 間 を通 して,4年 次生,卒業生 を含 めて指導 に当た って きたが, 2008年度 に理 学部 の予算措 置 を得 て,対策講 座が年間 を通 して実施 された。 これは,教職課
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程 に とって実 に力強いバ ックア ップとな った。
2009年度 に は,本 キ ャ ンパ ス,横 浜 キ ャ ンパ ス ともに全学予算で実施 され る見込みで ある。
2008年度 の実施 内容 を理学部 の ホ ームペ ー ジの 「教 員採用 試 験 サ ポ ー ト体制」 ペ ー ジか ら,表1「2008年度 湘南 ひ らつか キャンパ ス 教 員採 用 試験 の サ ポ ー ト体 制 スケ ジ ュー ル」 を挙げ る。表 1のすべての企画が,教職課 程 を履修 してい る 1年次生か ら大学院生 まで を 対象 としてい る。卒業生 も参加 で きる。
教 員採用試験模擬試験 について は,「教育実 習指導」 の受講者,「教職 論」 の受講者 は必修 で あ り,「一般教養」「教職教養」「専 門教養」
「論作文」すべ て の科 目を無料 で受験 で きる。
他 の在校 生,卒業 生 につい て は2000円で全科 目を受験 で きる。
対策講座 は,希望者 が受講で きる。在校生 は 4コマセ ッ トで2000円,卒業生 は4000円 を支 払 う。いずれ も大学で同額 の証書 を購入 し, 申 込書 に添付す る。
論作 文 ・面接 ・模擬 授 業 ・学 習指導 案指導 は,年間 を通 じて同一指導者 の もとで実施 して お り,在籍学生,卒業生 を問わず,無料 で指導 を受 け るこ とがで きる。金曜 日3・4限 目に授 業が入 ってい る場合や,仕事 のために参加 で き
ない場合 は, ファックス等での添削 も行 う。
表1 2008年度 湘南 払 らつか キ ャンパ ス 教 員採用試験 サポー ト体制 スケジュール
2008年度前期
2008年 4月 3日 教 員採用試験 ガイダ ンス
ll.18.25日 論作文 .面接 .模擬授業 .学習指導案指導 金 .3.4限
18.19日 教 員採用試験模擬試験
(「教育実習指導」受講者全 員 .無料) 26日 教 員採用試験対策特別講座 (2コマ)
2008年 5月 10日 教 員採用試験対策特別講座 (2コマ) 9.16.23日 論作文 .面接 .模擬授業 .学習指導案指導 2008年 6月 20.27日 論作文 .面接 .模擬授業 .学習指導案指導 2008年 7月 4.ll.18.31日 論作文 .面接 .模擬授業 .学習指導案指導 2008年 8月 4.6.8日 論作文 .面接 .模擬授業 .学習指導案指導 2008年 9月 18日 県別受験相談 .過去問分析演習 (2コマ)
2008年度後期
2008年 9月 26日 論作文 .面接 .学習指導案指導等,試験対策指導全般 金.3.4限
2008年10月 10.31日 論作文 .面接 .学習指導案指導等,試験対策指導全般 2008年11月 14.28日 論作文 .面接 .学習指導案指導等,試験対策指導全般
2008年12月 12日 論作文 .面接 .学習指導案指導等,試験対策指導全般 5.6日 教 員採用試験模擬試験
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2009年 1月 9日 論作文 .面接 .模擬授業 .学習指導案指導
2009年2月 6.9.13.16.2320日. 論作文 .面接 .模擬授業 .学習指導案指導 27日 教 員採用試験対策特別講座 (2コマ) 28日 教 員採用試験対策特別講座 (2コマ)
*神奈川大学理学部 ホ ームペ ージ 「教 員採用試験 サポ ー ト体制」 よ り転載。2009/2/15
5
.
教職課程履修者状況 営学部 国際経営学科 が中学 の社会,高等学校 の 公民 と情報 の教 員養 成 課程 の認 可 を受 けてい 本 キ ャ ンパ スで は,理 学部情 報 科 学科 が 中 る。本 キャ ンパ スの履修者数 は,表2「湘南 ひ 学 ・高等学校 の数学 と高等学校 の情報,理学部 らつ か キ ャ ンパ ス 教 職 課 程 履 修 者 数 (2002 化学科 と生物学科 が中学 ・高等学校 の理科,経 〜2008年度)」 の通 りである。表2 湘南 ひ らつか キャンパ ス 教職課程履修者数 (2002‑2008年度)
2002年度 教職課程 登録者数 2002.4.24 4年次 3年次 2年次 1年次 科 目履 合計 経営学部 国際経営学科 21 23 44 41 129
理学部 情報科学科化学科 1158 1204 2229 3308 18402 (応用)生物科学科 20 ll 27 31 89
小計 53 45 78 99 275
2003年度 教職課程 登録者数 2003.12.13 4年次 3年次 2年次 1年次 科 目履 合計 経営学部 国際経営学科 23 46 64 59 1 193
理学部 情報科学科化学科 1024 3122 4132 3512
0
1 110539(応用)生物科学科 ll 27 35 36
0
109小計 45 80 108 119 1 353
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2004年度 教職課程 登録者数 2004.4.16 4年次 3年次 2年次 1年次 科 目履 合計 経営学部 国際経営学科 46 64 72 54
0
236理学部 情報科学科化学科 3122 3413 3538 5203 13 116287 (応用)生物科学科 27 35 40 36
0
138小計 80 109 126 109 4 428
2005年度 教職課程 登録者数 (1年次生 は仮登録) 2005.7.25 4年次 3年次 2年次 1年次 科 目履 合計 経営学部 国際経営学科 64 72 60 65
0
261理学部 情報科学科化学科 4133 3583 2504 4410 21 118385 (応用)生物科学科 35 40 39 34
0
148小計 109 131 113 115 3 471 合計 173 203 173 180 3 732
2006年度 教職課程 登録者数 (1年次生 は仮登録) 2006.4.18 4年次 3年次 2年次 1年次 科 目履 合計 経営学部 国際経営学科 73 60 31 51 2 217
理学部 情報科学科 38 24 24 20 2 108 化学科 53 50 25 30 1 159 生物科学科 40 40 17 36 2 135
総合理学 プログラム ‑ ‑ ‑ 41 ‑ 41
小計 131 114 66 127 5 443 合計 204 174 97 178 7 660
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2007年度 教職課程 登録者数 (1年次生 は仮登録) 2007.4.26 4年次 3年次 2年次 1年次 科 目履 合計 経営学部 国際経 営学科 60 31 20 32
0
143理学部 情報科 学科 24 24 14 25 2 89 化学科 50 25 14 24 1 114 生物科学科 40 17 20 27 1 105 総合理学 プログラム ‑ ‑ 24 29 ‑ 53 小計 114 66
7 2
105 4 361 合計 174 97 92 137 4 5042008年度 教職課程 登録者数 (1年次生 は仮 登録) 2008.4.14 4年次 3年次 2年次 1年次 科 目履 合計 経営学部 国際経 営学科 31 20 ll 37 2 101
理学部 情報科学科 26 14 12 24 1 77
化学科 26 14 12 26 1 79
生物科学科 19 20 18 23
0
80総合理学 プログラム ‑ 24 23 25
0 7 2
小計 71
7 2
65 98 2 308*年度ごとの仮登録票,本登録票等にもとづき,二宮アキ子作成O
6.
就職状況教 員免許取得者 が卒業後,教職 に就い た人数 のデ ータを得 るこ とは,一つ の組織 で は手 に負 えない事柄 で あ るこ とを最初 に断 らなければな らない。各研 究室で卒業生 の足跡 をた どろ うと す る以上 に困難 を伴 う調査で ある。 また,教職 は,全 員が卒業後す ぐ就 くもので もない。企業 に勤 めた後,採用試験 を受 け る者 もいれば,臨 時任用 ・非常勤講師経験 を経 て, その まま正規 教 員にな らず,企業 に勤 め る場合 もあ る。
教職課程 で把握 で きるのは,卒業時点 の就職 状況 と, その後本人 が連絡 して くれ るか,教職 課程 か ら連絡 して動 向が わか った場合 に限 られ る。教職課程卒業生 の組織 を持 た ない本学 の場
令,悉 皆調査 を行 うこ ともない。 デ ータ として ファジーさを前提 としなければな らない状況 で あるに もかか わ らず,免許状取得者 の うち, ど の くらい の卒業生が教職 に就 い てい るのか とい う点 は,教職課程運営上,欠かす こ とので きな い視点で もあ る。
上記 の よ うな状況 のなかで の数値 で あ るこ と を前提 としなが ら,表3「湘南 ひ らつか キ ャ ン パ ス 教 員免許状取得者及 び就職者数 (1992‑
2007年度)」 を作成 した。 これ まで の説 明か ら 推察 され る よ うに,卒業生で あ って も,数値 は 毎 年変 更 され る こ とに な るので,2009年1月 13日時点 のデ ータ として見 てい ただ きたい。
‑ 59 ‑
神 奈川 大学心理 ・教育研究論 集 第28号 (2009年3月31日)
表3 湘南 ひ らつか キャ ンパ ス 教 員免許取得者及 び教職就職者数 (1992‑2007年度) 2009.1.13
午
皮 取得者数 就職者数 取得者数 就職者数 取得者数 就職者数 取得者数 就職者数 取得者数 就職者数国際経営学科経営学部 情報科学科 理学部化学科 生物科学科 (A) 合計(B) (A)%/㊤) 1992 8 2 2 1 70
0 0 17 3 18%1993 7 2 2 0 8 1 5 0 22 3 14% 1994 4 1 7 4 16 5 10 5 37 15 41% 1995 7 3 6 3 13 5 6 2 32 13 41% 1996 3 1 6 1 22 8 17 9 48 19 40% 1997 6 2 9 4 18 2 18 5 51 13 25% 1998 5 0 ll 4 18 5 12 5 46 14 30% 1999 7 3 8 4 16 10 ll 6 42 23 55% 2000 9 3 5 2 13 7 7 4 34 16 47% 2001 1 0 7 5 16 6 8 1 32 12 38% 2002 9 4 9 5 13 5 7 2 38 16 42% 2003 14 3 5 2 7 6 4 1 30 12 40% 2004 17 4 20 7 14 5 17 2 68 18 26% 2005 30 3 26 9 14 4 ‑ 18 6 88 22 25% 2006 27 2 17 4 22 3 21 5 87 14 16% 2007 18 0 9 3 15 4 20 6 62 13 21% 合計 172 33 149 58 232 76 181 59 734 226 31%
*年度 は卒業年度 を示す。
*就職者数 には,正規教 員,臨時的任用職 員,非常勤職 員 (講 師) を含 む。
*赴任先 の学校種 は,小学校, 中学校,高等学校 を含 む。
*就職者数 は,教職課程指導室 に本人 か ら連絡 の あ った人数 を示す。
*二宮 アキ子作成。
7. 湘南ひ らつかキャンパス教職課程連絡
会
両 キ ャ ンパ スの教職課程 は,共通 の会議 とキ ャ ンパ ス ご との会議 の両者 か ら成 り立 ってい る。本 キ ャ ンパ ス独 自の会議 が 「湘南 ひ らつか キ ャンパ ス教職課程連絡会」で あ る。構成 メ ン バ ーは,理学部3学科,経営学部 1学科 の代表 教 員1名ずつ と,教職課程 の専任教 員2名 ,教 職課程 の事務担 当者 か らな る会議 で,学科代表
の 1名 が会 の代表 を務 め る。
1992(平成4)年 に,当時 の 払 らつ か キ ャ ン パ ス事務局部長,木川紘治氏 の発案 で,教務課 教職課程担 当,加藤 明氏 の協力 の もと,両学部 長 に趣 旨 を説明 して了解 を得,発会 に至 った。
毎年4月 に開 か れ,必 要 が あれ ば11月 に開か れてい る。
設置 目的 は,第一 に,理学部 ・経営学部 の両 学 部 に教 職 課 程 の カ リキ ュ ラムや運 営上 の審 義,報告 を行 うこ と,第二 に,教科教育法 の担
‑ 60‑
当者人事 を教職課程連絡会か ら起 こ し,関係学 部 の人事 として承認 して もらうこ とである。
本 キャンパ スでは,教職課程教 員は2名 とも 経 営学部 に所属 してい る。経 営 学部 につい て は,専任教 員 として直接教授会で話 がで きる。
しか し,理学部 については, この連絡会 を設置 して,教職課程 に関す る実質的 な協力体制 を形 成 す る必要 が あ った。「教職 に関す る科 目」 の なかで も
,
「教科教育法」 は,教科専 門 に関す る人事で もあ り,理科 ・数学 に関 しては,理学 部 に人事権 が属す る。 だが, 中学校 ・高等学校 の教育実践への配慮 のない人事 にな って しまっ て は,科 目の設 置 目的 が果 たせ ない。 そのた め,適切 な教 員の推薦 をこの連絡会で行い, こ の委 員 を通 して理学部 の教授会 の審議事項 とし て きた。また,教職課程連絡会では,教職課程履修状 況や教育実習生一覧,新規企画事項,制度上 の 変更 な ど,毎年新 しい情報 を教職課程連絡会で 報告 し,懸案事項や教職課程運営 に関す る意見 を交換 して きた。両学部が ともに教職課程 に関 す る情報 を共有 し,協力体制 をつ くる要 とな っ てい る会で ある。
8.
教職課程指導室の特徴的業務本 キ ャンパ スの教職課程指導室 の業務 は,3 種類 に分 け られ る。第一 にスムーズな教職課程 運営 のためのデ ータ作成,第二 に教 員採用試験 情報 の収集 と資料整理 と学生の相談へ の対応, 第三が4年次生,卒業生への教 員採用情報 の提 供 である。
第‑点で ある教職課程運営のためのデ ータ作 成 は,仮登録 ・本登録 の申 し込み用紙 をもとに した写真台帳づ くり,次年度 の開講 コマ数 を決 定す るための履修状況 の一覧表作 り
,
「教職論」「教 育 実 習 指 導」 の 資 料 準 備,模 擬 授 業 の DVD作 成,購 入 図書 の整 理,調 達 依 頼 書 作 成,横 浜 キ ャ ンパ ス教 職 課程指導 室 との連絡 等。
第二点である教 員採用試験情報 の収集 と整理
は,教 員採用試験情報誌 か ら県 ご との情報 を ピ ックア ップ し,県 ご との箱 に年度別 に入 れ る。
募集要項
も
,就職課で 1部ずつ余分 に取 り寄せ て もらい, その 1部 を譲 り受 けて, この箱 に フ ァイ リング して入 れ る。募 集 要 項 を も とに し て,公立 ・私立 それぞれの全 国の 日程表 を作成 す る。 そ して,学生が教職 に関す るこ とで,質 問や相談 に来た際には,県 ご との情報 に もとづきなが ら,応 じる。
第三点である卒業生へ の教 員採用情報 の提供 は,就職課ではカバ ー しきれない範囲の業務 で ある。卒業生 の希望 は,教職課程指導室 に来室 す るか,電話 が あるか, メール等 の方法で寄せ られ る。就職課か らの情報,教育委 員会か らの 依頼,学校 か らの直接 の依頼等 がある度 に,教 員 と相談 し,希望者 に情報 を届 ける。
教職課程指導室 は,学生が使用で きるテーブ ル といす もあ り,学習空間 としての機能 も持 ち 合 わせてお り,教職課程指導室 員の職務 は,教 職 課程 運 営 が 円滑 に進 むた めの要 とな ってい
る。
9.
湘南ひ らつかキ ャンパ ス教職課程のコンセプ ト
本気で教 員にな りたい と考 えてい る学生 の力 を高 め,実際 に教 員になれ る レベル まで育て上 げ る。 これが現在 の本 キャンパ スの教職課程運 営 の コンセ プ トとな ってい る。
これは,毎年実習校 を訪問 し,学生の教育実 習の姿 を見,実習校 の生徒 たちに 「来て もらっ て よか った」 と思 って もらえる実習生 を育てた い と考 えた こ とか ら発 してい る。実習校 の生徒 たちは実習生 を選ぶ こ とも,拒否す るこ ともで きない。 なおかつ,彼 らが実習生か ら受 けた授 業 は,取 り返 しがつかない。
実習校 の生徒 たちに対す る責任 は,実習生 を 送 り出す大学 の教職課程担 当者 にある。 さらに 言 うな らば, その学生が教 員にな って,指導す る生徒 たちへの責任 を受 け止 めて,大学 の教職 課程担当者 として,教 員養成 を遂行す るべ きだ
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神奈川大学心理 ・教育研究論集 第28号 (2009年3月31日)
と自覚す るに至 った。
この学生 な ら生徒 た ちの前 に立 って も大丈夫 と判 断す る学生 を教育実習 に出 し,教 員免許状 を授与す る。 この シ ンプル な命題 を,客観化 で きるよ うな システム として作 り上 げたのが,現 在 の教職課程運営形 態で あ る。
「本気 で教 員 にな りたい と考 えてい る学 生 の 力 を高 め」 る とい うこ とは,彼 らが学ぶ教職課 程 の学習環境 を整 えるこ とで ある。入学時点で は, どの学生が 「本気で教 員にな りたい と考 え てい る学生」か はわか らない。 それ を探す こ と は考 えてい ない。 む しろ,1年次 の 「教育原論
Ⅰ・Ⅱ」
「教 育心理」 の授 業 で,本 気 で取 り組 む学生 でなければ続 け られ ない とい うこ とを, 1年 間 の授 業 を通 じて学生 が 自覚す る よ うに組 み立 て る。そ うす る と,2年次 の本登録 の意味合 い が し っか りした ものにな る。 これは,例 えば 「教育 原 論Ⅰ
・Ⅱ
」「教育 心理」 の単位 を修 得 してい れば,2年 次か ら始 め られ る 「教 科教育 法Ⅰ・Ⅱ
」 の授 業 で の模 擬 授 業 に直接 影 響 す る。 ま ず,人数的 な問題 として, 自覚的 な少人数 の場 令,模擬授業や検討会 に しっか り時間 をか け るこ とがで きる。 回数 も多 く経験 で きる。模擬授 業 の レベル も高 くな る。無 自覚 な大人数 の学生 が 「教科教育法Ⅰ
・
Ⅱ」 を履修 す る場合,全 く 逆 の こ とが起 こる。負 の連鎖 とい って もよい現 象が起 こる。きちん とした対応 をす るこ とと,学生 が教 員 にな るために求 め られ る力 をつ け るた めにサポ ー トす るこ とが,学生 の本気 を作 り出 し,学ぶ 力 を高 めてい るこ とを実感 してい る。学生時代 にすべ ての条件 が揃 うわけではない ので,教職 課程担 当者 は,必ず しも現役合格 をかんが えで い るわけで はない。非常勤講師や臨時任用 を経 て,教職 に就 く, あ るい は,企業 に就職 したの ち,教職 に転職す るこ とも念頭 に置 きなが ら, または,教職課程 の宿命 で ある,全 く教 員にな らない卒業 生 もあ るが,長い スパ ンで見 て,教 職課程 の学生 を育 ててい る。
10.新たな試み‑ 小学校ボランテ ィア
活動への参加2008年11月か ら平塚 市立 みず ほ小 学校 で の 教 育 支援 活 動 に学 生 が参 加 してい る。11月 ・ 12月 は12名 の学 生 が3‑4人 ず つ,昼 休 み の 活動 と清掃活動 を児童 とともに した。 この うち
2名 が クラスで の指導 に定期 的 に参加 し,2009
年1月 もこの活 動 は続 い た.2月・3月 は,27 名 の学生 が卒業式当 日まで,学校活動全般 にわ た る補助作業 に参加 してい る。本 キ ャ ンパ ス開 設以来,在学 中に学校現場 での教育活動補助経 験 がで きない だ ろ うか と思いつつ も, これ まで 実現す るこ とはで きなか った。
大学 のカ リキ ュラムの一環 として行 われた学 校 イ ンター ンシップが きっか け とな り, みずほ 小学校 の学校長 と教職課程担 当教 員の合意 の も とで,学生 の参加 を募 り実現 した,新 たな試み で ある。
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