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高機能フィルムの開発と応用 けの食品用フィルム トレイが使用され, 膨大な量が使用され, 日常生活する上で, プラスチック製品はなくてはならない存在になっている 日本の核家族化が進み, 高年齢化, 一人暮らし, 食事にかける時間の短縮化などの環境の変化で, 食生活の様式も大きく様変わりし, それに伴

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金井俊孝

1 はじめに

最近の機能性材料分野の開発は急速な進歩を遂げている1, 2)。光学フィルムの開発が積極的に 行なわれ,LCD ディスプレイ用フィルムでは高機能で低コスト化の技術が向上し,高分子材料 や精密加工技術の開発により光学製品もガラスからの代替も進み,食品・医薬品包装ではバリ アー性が向上し Long life 化が進んでいる。 メガネのレンズは,軽量化,加工のし易さ,安い,割れにくいなどの理由により,ほとんど が,高分子の機能性材料になった。携帯用のカメラレンズは非球面レンズが高分子材料を用いて 低コストで容易に成形が可能となり,その中でも脂肪族環状ポリオレフィンは低複屈折,耐熱 性,低吸水率,寸法精度等の理由で使用され,低コストで大量生産が可能になり,ほとんどの携 帯電話に,カメラ機能がつくようになっている(図 1)1) 高透明で高機能なフィルムや成形品は,モバイル機器やテレビなどに使用されている液晶ディ スプレイ用各種フィルム,高透明材料は CD,DVD などに代表される光ディスク基板,プラス チック光ファイバー,コンタクトレンズなど,幅広く使用されている。 さらに,包装用フィルムとして,レトルトパウチ,詰め替え用パウチ,電子レンジで温めるだ

* Toshitaka Kanai KT Polymer 代表

図 1 二軸延伸フィルムの世界の生産能力

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けの食品用フィルム・トレイが使用され,膨大な量が使用され,日常生活する上で,プラスチッ ク製品はなくてはならない存在になっている。日本の核家族化が進み,高年齢化,一人暮らし, 食事にかける時間の短縮化などの環境の変化で,食生活の様式も大きく様変わりし,それに伴 い,プラスチックの使用量も多くなっている。これにはプラスチック材料を使用し,高度できめ 細かな技術開発が長年に渡って,行われてきたためである。包装用フィルムは食品包装だけでな く,携帯電話から EV 車用電池パッケージ,医薬品包装に至るまで,広く使用されている。 将来的にも成長が期待される機能性フィルムである ① iPhone や iPad に代表されるスマート フォンやタブレット型端末などで今後の展開が注目されている有機 EL ディスプレイ用フィルム や逆波長分散型位相差フィルム,フレキシブルフィルムやタッチパネル用フィルム, ②モバイル 機器やハイブリッド車,EV 車に重要な Li イオン電池のセパレーターやソフトパッケージ, 高容 量薄膜キャパシタフィルム,③東日本大震災以降注目されている太陽電池などに使用される機能 性フィルム,④食品包装や医療包装のハイバリアフィルム,⑤印刷されたフィルムを利用した自 動車の内装材,バイク,家電,スマートフォン用の加飾フィルム3),⑥電子ペーパーや曲げて成 形してもセンサー機能を発現できる CNT 透明電極や高集積回路用高放熱フィルム,⑦エネル ギー効率を高める遮熱フィルム, ⑧化石燃料を使用しない PLA フィルム,⑨ナノメーターレベ ルで微細分散し高機能付与フィルムなどが注目されている。 そこで,本書では高機能フィルムを題材に,その開発戦略,先端材料・技術,ディスプレイ部 材,次世代電池,エレクトロニクス,加飾関連のフィルムなど工業用フィルムを中心に取り上 げ,各界でご活躍の方々に執筆していただいた。 なお,機能性包装フィルム・容器の開発と応用については 2015 年 3 月に発刊した同じ CMC 出版の本を参考にされたい。

2 最近のフィルム開発動向

プラスチックフィルムはプラスチック加工品全体の約 37%を占め,非常に大きな割合となっ ている。その中でも,二軸延伸 PP フィルムは包装フィルム用途を中心として,2013 年の実績 では,世界の BOPP の製造能力は 1,152 万トン,BOPET の製造能力は 660 万トン,全体では 1,945 万トンになり,2016 年現在では 2,000 万トンを越えている(図 1)4) 2014 年の日本の包装・容器の出荷統計実績を表 1 および図 2 に示した5)。表に示されたよう に,全体の出荷金額は 5 兆 6,453 億円,その内,プラスチック製品は 1 兆 6,260 億円,全体の 出荷数量は 1,838 万トン,その内,プラスチック製品の数量は 347 万トンとなっている。 コスト面で 2000 年代初期から日本の円高の問題もあって,世界の包装分野の生産は東南アジ アでの製造が増えている傾向にあるが,日本のフィルム・容器の研究開発力は依然として優位な 立場にある。 最近,アベノミクスによって一時期に比べると円安基調になっており,家電の製造が日本にシ

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フトする構想が実現化する計画が進んでおり,機能性フィルム分野でも,日本での高付加価値商 品の製造が期待される。日本で活発に研究・開発された機能性フィルム・シートテーマを表 2 に示した。

3 機能性フィルム用途

3.1 自動車・モバイル用フィルム 今後の需要の伸びが期待される Li イオン電池用フィルムとして,セパレーターや電池用ソフ トパッケージがある。 図 1 平成 24 年 包装・容器出荷金額 表 1 平成 24 年 包装・容器出荷数量 出荷金額 出荷数量 出荷金額 (億円) 構成比 (%) 出荷数量 (千トン) 構成比 (%) 紙・板紙製品 24,469 43.3 11,429 62.2 プラスチック製品 16,260 28.8 3,467 18.9 金属製品 9,355 16.6 1,600 8.7 ガラス製品 1,262 2.2 1,286 7.0 木製品 1,287 2.3 596 3.2 その他 3,820 6.8 注) 包装・容器 合計 56,453 100 18,378 100 注)数量単位が異なり,合計値に加算せず

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3.1.1 セパレーター セパレーター用 HDPE は Li イオン電池の 135℃以上の暴走反応を防止するため,安全面から 必須材料である6)。HDPE と PP の原料は,触媒金属残渣を低減した高分子量原料が使用され, 成形法としては湿式と乾式法があり,湿式法は HDPE/WAX 系の 2 成分系あるいは 3 成分系の スピノーダル分解の後期の相構造の制御をして延伸し,その後 WAX を洗い流す乾燥工程も必要 で,かなり複雑な製造工程で行われている7) 平均 0.04 lm の微細孔径を中心にした微細孔径分布は 0.02~10 lm の分布であるが,均一な 孔径ほど好まれ,厚みも 16 lm からさらに薄膜化の傾向にある8) HDPE フィルムの耐熱性も不足しているので,PP と HDPE の多層構造を用いている場合が 多い(図 3)。加熱暴走温度に達すると HDPE の融点(HDPE フィルムは安全対応)で溶けて しまうと電池が使用できなくなってしまう問題があり,耐熱性を向上させるために,PP(例: PP/HDPE/PP)やさらに耐熱性のあるフィルム層を設けているのが現状である。 三菱ケミカルのセパレーターは,PP/HDPE/PP の乾式方式で,結晶のラメラ構造の非晶部 を二軸延伸テンター法で,nm オーダーレベルの微細孔を多数有する 3 次元構造を形成させるセ パレーターを独自の技術で製造しており,イオンを膜全体に均一に移動させることができる9) 過熱防止のヒューズ効果を期待し,135℃を融点とする高分子量 HDPE と 160℃の PP の構成だ が,最近はさらなる高耐熱性を要求されている。 Li イオン電池製造は海外での追い上げが激しく,徐々に日本の立場が厳しくなっている。開 表 2 高機能フィルムテーマ フィルム種類 高機能フィルム 用 途 要求特性 生産上の課題 液晶用 偏光,離型 位相差視野拡大, 反射プリズム, 拡散プロテクト, 大型TV パソコン 携帯電話 PDA 高透明 寸法精度 低残留応力 低位相差 耐熱・透明薄膜 低異物 ハイバリア 厚み均一性 コーティング 転写性 配向均一性 良表面外観 低異物 低ボーイング 表面処理技術 表示用 有機 EL 用バリア 照明,TV,携帯 導電性フィルム タッチパネル 電子ペーパー 電子書籍 電池関係 バックシート 太陽電池 耐候性,耐熱,反射性,低吸水 封止材シート 耐光性,耐熱,低温封止,低吸水 セパレーター Li イオン電池 均一孔径,融点,自己修復 ソフトパッケージ 高強度,ヒートシール,深絞り 超薄膜フィルム 大容量コンデンサー 薄膜,BDV,凹凸 連続成形性 厚み均一性 加工安定性 環境対応 PLA,生分解性 ゴミ袋,農業資材 加工性,生分解 食品包装 ハイバリア 長期保存食品 ハイバリア レトルトフィルム レトルト食品 易裂性,衝撃性,ボイル特性 透明包装・トレイ 高透明フィルム 文具,化粧品パッケージ電子レンジ対応トレイ 高透明,剛性 急冷,結晶制御 加飾 加飾フィルム 自動車,家電,IT 高透明,印刷 賦型性,厚み均一性

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発当初は日本のシェアーが大半を占めていたが,現在では LG や Samsung などの韓国勢やドイ ツ,中国の追い上げも有り,日本の生産量の比率は低下する傾向にある。Li イオン電池の伸び はモバイルの伸長に支えられてきたが,今後の大きな需要の伸びは電気自動車がどうなるかによ り決まる。 今後の Li イオン電池の課題は以下である。 ①大電流充放電,②急速充電,③絶対安全性,④低コスト化 現在のセパレーターの製造速度が非常に遅く,電気自動車が各社立ち上がった場合は十分な生産 速度が確保できなくなる可能性が高い。延伸しにくい高分子量 HDPE に加え,添加した成分の 溶剤による除去と乾燥工程の速度がネックであり,溶剤を使用しない乾式方式の高品質,低コス ト化が期待される。小型・軽量化,低コスト化のために,電気容量を上げるには正極と負極にも よるがセパレーターの薄膜化と多孔径と数制御が重要である。 3.1.2 ソフトパッケージ Li イオン電池の正極,セパレーター,電解液,負極の構成を包み込むソフトパッケージが使 用されている。現在,iPhone や iPad で代表されるように,携帯端末やタブレット型端末での 需要の伸びが大きく,将来的にはガソリン車から EV 車への比率が高くなるにつれて,大きく伸 びる期待できる分野であり,注目されている。 ラミネートフィルムとして,モバイル用は Nylon 25 lm/AL 40 lm/PP 50 lm のフィルム 構成であり,車載用は PET 12 lm/Nylon 15 lm/AL 40 lm/PP 80 lm のフィルム構成であ

る。PP のヒートシール層の構成やシール条件にノウハウがある10, 11)。PP は内部の圧力に強い

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が,長時間の圧力には弱い。PP のシール性は安全面からも非常に重要であり,またナイロン フィルムは,バリア層としての AL 層に対し,強度・熱成形性を付与し変形追随性を持たせるこ とであり,フィルムのすべての方向での伸び,強度の均一性が必要である。この分野でもさらな る薄膜化の要望は強い。 自動車以外には,携帯電話,PC パソコン,電気自転車,電気モーターバイク,ゲーム,ス マートフォンやタブレット型端末,モバイル製品,ロボット,ロケット,電動工具等は着実に成 長している。 3.1.3 コンデンサー用極薄フィルム コンデンサーの市場は 2015 年度で約 1.7 兆円だが,フィルムコンデンサーの市場は 1,600 億 円程度である。今後,ハイブリッド車,電気自動車が伸長し,高電圧が期待される分野が伸びれ ば,それに伴いフィルムコンデンサーの大きな伸びが期待できる。 フィルムコンデンサーとして,PP,PET,PPS が考えられるが,図 4 に示す PP フィルムコ ンデンサーのメリットは絶縁抵抗が高く,自己回復性に優れ,高圧キャパシタ用として優れてい る。耐久性にも優れる。電圧変動の安定化のためには大容量キャパシタが必須である。自己回復 性とはアルミニウム,亜鉛等の金属蒸着により電極を設け,局部的に絶縁破壊しても,放電部周 辺の蒸着膜が飛散することで,絶縁を回復し,キャパシタ全体の機能を維持するものである12) キャパシタの単位体積あたりの静電容量(C/V)は,誘電体(フィルム)の厚みの 2 乗に反 比例するため,フィルムの薄肉化は極めて重要である。BOPP はハイブリッド車のキャパシタ の形状から 3 lm が必須になってきているが,すでに開発品は 2.5 lm のレベルになっている。 製造は逐次二軸テンター法だが,傷つき防止やフィルム物性のバランスから同時二軸法も適用さ れている。インフレーション法は油の含浸性には優れるが,偏肉精度や薄膜化に問題があり,現 在は数 lm であり,薄物には使えない。 絶縁破壊電圧(BDV)のアップが重要である。製造法は逐次二軸延伸法であったが,最近で は表面欠点レス・物性の等方化を狙い,同時二軸延伸法も適用されるようになった。薄膜化に伴 い,加工工程のハンドリングの悪化による歩留まりの低下もあるが,BDV の低下が大きな問題 図 4 フィルムコンデンサー(HYBRIDCARandEVCAR)

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である。改善方法としては,フィルムの結晶化度アップ,ガラス転移温度のアップ,不純物の低 減が例示される。 フィルムの薄膜化に伴い,成形性,延伸性,搬送シワ,静電気制御,表面粗さ,寸法精度が重 要なポイントになる。 a)耐熱性向上 自動車分野に採用されるには耐熱性が重要な因子であり,PP としては高立体規則性のものが 用いられる。しかし,高立体規則性 PP は結晶化速度が速いため,延伸前の原反シート段階で結 晶化度が高くなりやすいため,延伸しにくくなる傾向にあり,さらに添加剤は無添加でかつ表面 凹凸が必要なため,延伸可能な温度幅も狭く,延伸機内の温度均一性が重要である。 立体規則性の向上により,高耐熱化をはかるが,耐熱温度 150℃以上が要求されることになれ ば,耐熱 PET,エンプラを利用した薄膜コンデンサーの開発が必要になる。 b)表面の粗面化 薄膜化において,BDV に対するフィルム表面粗さは無視できない。バルク耐電圧特性は同一 であっても,表面粗さが大きすぎると粗さの谷部分が電気的な弱点となり BDV が低下する。一 方で,フィルムキャパシタの製造工程ではフィルムを長く巻くが,フィルムに適度なすべりがな いと,素子形成が安定せず,電気特性に影響を与える恐れがあり,適正な表面粗さが求められ る。表面粗さの制御技術が極めて重要であり,b 晶制御13~16)やトランスクリスタル構造の結晶 を大きくする必要があり17~19),冷却ロール温度は高めに設定する必要がある。研究としては,b 晶をより多く生成したり,PP としては立体規則性制御のみならず,分子量分布や長鎖分岐導入 による結晶構造制御の検討も行なわれている。 c)小型薄膜化 エコカーとして,サイズを 1/2 にするためには,3.0 → 2.5 → 2.0 lm を開発する必要 があるが,すでに BOPP の薄膜化技術は実用化レベルまでできているが,ハンドリングの技術 が難しく,歩留まりが悪い。耐電圧は 600 V/lm → 700 V/lm を目標とされている。将来展 望として,小型化,耐熱,耐電圧化が望まれる。 また,蒸着電極膜の薄膜化や均一化も重要なテーマである。 3.2 太陽電池用フィルム・シート 3.2.1 封止材

太陽電池の封止材として 95%が EVA である。EVA はエチレンと酢酸ビニル(VA)の共重合 体で,VA 量で融点,柔軟性,バリア性等が変化する。太陽電池の封止材としては,VA25-33%,MFR4-30 の範囲で,有機過酸化物の架橋剤と Si カップリン材が添加されている。現在, 製品サイズは 1800 mm 幅,4.5 mm 厚が主流で,一般にはシート成形ラインで,製造されてい る20)

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電池セルの封止時に高温下 155℃で 100%架橋剤を消費させ,架橋反応を起こし,3 次元架橋構 造にして耐熱性を付与するとともに,Si カップリングさせて,ガラスとの密着性を付与する。 耐候性を付与するため,UV 吸収剤も添加し,成形時の酸防も添加されるのが一般的である。 透明性を維持し,長年使用しても黄変せずに透明性を維持することが重要で,水蒸気バリア 性,100℃以上の耐湿熱,耐熱性や冬の環境下での耐寒性,絶縁性も重要事項で,EVA は VA 含量によっても値段がことなるが,ポリオレフィンの約 2 倍の低コストということもあり,長 年広く使用されてきたが最近急成長を続けている。 太陽光のエネルギーをすべての波長で有効利用できないため発光効率が低下するが,波長変換 するため,封止材に蛍光剤を添加することにより,発電効率が 12.93%→ 13.17%に向上する結 果が得られ,そのデータの信頼性の確認と開発品の上市に向け検討されている20) EVA の代替材料の検討も行われており,架橋反応,反応による透明性の維持,耐寒性なども 考慮した検討も行われている。 3.2.2 太陽電池用バックシート LCD の反射フィルムの技術を太陽光の半導体パネルの下に設置し(図 5),反射効率を上げる フィルムが開発販売されている。原理的には微細多孔の PET 延伸フィルムである。封止樹脂と 一体接合されるので,耐候性,水蒸気・ガスバリア性,電気絶縁性,接着性等の特性が重要であ り,種々な機能を満足させるために多層フィルム構成になっている21)。本書の第 4 章にも記載さ れている。 図 5 太陽電池部材

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3.3 包装用,医療用,加飾フィルム・シート 3.3.1 PE,PP の包装用延伸フィルム 食品,タバコ,繊維包装などに多く使用されているポリオレフィン樹脂のフィルムの研究開発 が行われている。例えば,PP では高速化が進行し,最近のテンター法二軸延伸機は有効幅 8 m 幅,巻取速度 500 m/min 越える成形機が中心になっており,1 機で 3 万トン / 年の生産量に達 している(図 6,表 3)4) 今後は包装用途として,更なる高速化による高生産性やコンデンサフィルムに代表されるよう な薄膜・均一化・高次構造制御による表面凹凸制御技術,セパレーターなどの均一で微細な孔径 制御されたフィルムの開発などが注目されている。後者はトランスクリスタル構造や球晶など高 次構造制御をうまく工夫したフィルム開発が行われている。また,バリア性を有する樹脂を共押 出した BOPP フィルムの開発も行なわれている。 また,チューブラー延伸法(図 7)は PP だけでなく,直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE) の高強度なシュリンクフィルムの製造に利用されている。これは密度の異なる樹脂のブレンドで 組成分布を広げることにより,延伸可能な温度範囲が狭い LLDPE の延伸性を改良し,突刺強度 図 6 ニ軸延伸 PP フィルム製造装置の概略図 表 3 主な樹脂の二軸延伸フィルムの製造能力 ラインのタイプ PP PET PA コンデン サー 包装用 コンデン サー 包装用 工業用/光学用 包装用 中厚 厚物 最大ライン幅 m 5.8 10.4 5.7 8.7 5.8 5.8 6.6 厚み範囲 lm 3-12 4-60 3-12 8-125 20-250 50-400 12-30 最大生産速度 m/min 280 525 330 500 325 150 200 最大生産量 kg/h 600 7,600 1,100 4,250 3,600 3,600 1,350 出展:FILM PROCESSING ADVANCES(2014 年 Hanser 社出版)第7章 J.Breil

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や衝撃強度の高いシュリンクフィルムが開発されている22, 23)。また,同時延伸法であることの有

利性を生かし,PA6 や PVDC などのフィルム製造にも利用されている。

ポリオレフィン樹脂の延伸フィルムは,お菓子,麺類,タバコなどの一般包装やシュリンク フィルムを中心に,幅広く利用されているが,拡販するにはコストも重要な因子になっている。 さらに,生産性の高い逐次二軸延伸テンター法で,PP や PET だけでなく,結晶化速度や水 素結合を形成しやすい PA6 や LLDPE の延伸フィルムが生産されている。LLDPE の延伸フィ ルムは未延伸の溶融キャストフィルムと比較し,薄膜化 30%でも,衝撃強度が高く,引張特性 も高いため,PE フィルムとしてだけではなく,PE シーラントとして展開されている。 同時二軸テンター延伸フィルムは,逐次二軸延伸では水素結合が強く,結晶化速度が速く延伸 しにくい PA6 や EVOH などのフィルムが生産されている。 また,PET ボトル用シュリンクフィルムでも,低融点の共重合 PET などを利用し,逐次二軸 延伸の製造方法を工夫することにより,MD と TD の物性バランスを保ちながら,MD にシュリ ンクし易い PET フィルムが開発されている24) 3.3.2 バリアフィルム バリア性能を有するフィルムは,長年食品を長期保存できる包装を中心に要望されてきたフィ ルムである。また,医薬品を安全に保護できるフィルム,有機 EL や電池パッケージなどに代表 される電子・工業用途での高度なバリアフィルムはその代表例である(本書第 8 章,第 9 章, 第 15 章,第 19 章,第 23 章参照)。 バリアフィルムは酸素透過性を著しく抑制できる。このようなフィルムができたことにより, 削りかつお節などがあり,またマヨネーズボトルなどは賞味期限を 10 倍にも延ばすことが可能 になっている25) ハイバリア性樹脂と呼ばれる PVA・PVDC・PAN は,どれも融点と分解点が接近しているた 図 7 チューブラー延伸フィルム装置の概念図

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め,熱溶融加工に難点があった。この点をもっとも有利に克服して実用化されたのがエチレンと ビニルアルコールの共重合体 EVOH である。多層フィルムのバリア層として,最初の応用分野 である食品包装市場への導入から始まった用途は , 医薬品や非食品包装など中身の多様化や,対 象ガスの種類も酸素だけでなく二酸化炭素や匂い成分・有機蒸気などと種類も増し,さらには包 装以外の自動車(ガソリンタンク)・建材・地球環境関連などの分野にも広く応用範囲を拡大し ている。EVOH の二軸延伸フィルムはラミネート基材としても利用されている。 また,親水性の粘土と水溶性バインダーを混合し,プラスチックフィルム表面に薄いコーティ ングや印刷によるガスバリア層の塗工により,酸素バリア性を高めることが可能になっている。 さらに,水蒸気バリア性を持たせた技術としては,粘土の層間イオンをアンモニウムカチオン に交換し,アスペクト比の高い(約 3,200)粘土を用い,さらに余剰イオンを低減させた(8 ppm 以下)ペーストを PEN フィルムやボトルに 0.7 マイクロメートルの厚さで塗布し,180℃で 2 時間熱処理することにより,6×10-5 g/m2 day の水蒸気バリア性を実現した例が報告されてい る(図 8)26) 3.3.3 高透明 PP シート 従来,結晶性樹脂は高透明性を有する分野には不得意とされてきたが,結晶性樹脂でも,シー ト成形の両面急冷で,熱処理を行うことにより,球晶サイズを極力小さくし,かつ球晶とマト リックスの屈折率を等しくすることにより,高透明化が可能である27)。また,表面に低粘度の樹 脂を流すことにより,剪断応力を下げ,配向結晶化を抑制28)し,屈折率の等しい第三成分を添加 して球晶生成を抑えることにより,さらに透明性が向上し,図 9 に示すように PP でもガラスラ イクなシートが得られる29)。事務用品,化粧品やお菓子パッケージなどの用途の他に,高透明 感,高剛性,熱成形性や耐熱性を生かし,電子レンジ可能なお弁当の容器および PTP 包装や加 飾フィルムとして自動車やバイク,家電製品の装飾に展開されている。 最近では賞味期限を伸ばす為に,ヒートシール層を追加し,本体容器とヒートシールし,内部 にチッソガスを充填することで,食品の廃棄を減少させる用途が増えてきている。 図 8 炭酸飲料水用軽量化 PET ボトルの中間層の構造

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3.3.4 加飾フィルム  自動車,家電,IT・スマホ,住設 加飾フィルムは自動車部品,家電製品,住宅設備,スマートフォン/タブレット端末など,幅 広い用途に展開され,現在 1,112 億円規模の市場になっている30)(第 20 章,第 21 章,第 22 章 参照)。 成形方法としては射出成形によるインモールド成形が主であるが(図 10),成形品に後から貼 合,転写させるオーバーレイ法が開発され31),形状適応性がさらに広がっている。インモールド 成形はさらにインモールドラミネーションとインモールド転写に分類される。印刷,塗装,真空 蒸着,着色などで加飾したフィルムあるいはシートを用いて,フィルムを成形品表面に貼合せ る,あるいは印刷,塗装,真空蒸着などの加飾面を転写させる加飾技術はモバイル機器,通信機 器,ソフト感を必要としない自動車内装品などに適用しやすい。図 11 は,本物の木の外観を出 すために,3M がインテリアトリムフィルムを開発し,真空圧空成形により基材に貼り付ける方 式をとり,すべての曲線にフィルムが追従できるようになっており,印刷パターンはあらかじめ 図 9 高透明 PP シート 図 10 日本写真印刷の NisshaIMD工程概念図31)

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伸ばされた状態で木に見えるように設計されている32)。加飾技術の利用により,各種のパター ン,色などを施すことができ,活発な動きのある技術である。 今後,環境問題や省力化,付加価値向上,軽量化の観点からますます自動車産業における塗装 代替加飾フィルムの要求が大きくなり,塗装ラインやメッキラインがいらなくなる自動車製造も 近い将来実現可能になる可能性が高い。 3.3.5 易裂性ナイロンフィルム33) 易裂性ナイロンフィルムは環境問題対応の一環で,脱塩素化としての利用,便利さや製品安全 (PL 法)対応として開封性の観点で易裂性 ・ 直線カット性の向上,口元カール性の向上による 自動充填機械適性の改良,耐熱性の向上化などが主な採用動機となっている。包装材料に易裂性 図 11 3MTMインテリアトリムフィルムの実施例 図 12 易裂性 PA6 延伸フィルムの透過型電子顕微鏡観察(TEM)

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を付与するためには図 12 に示すように,従来はラミ構成の中間層に一軸延伸ポリオレフィン フィルムを配置し,強度を保持するために最外層に 2 軸延伸ナイロンフィルムを配置した 3 層 構成品が必要であったが,易裂性ナイロンフィルムを使用することにより易裂性と高強度を単層 のフィルムで満足できるために,2 層構成のラミ・製袋品で目的を達成することが可能となって いる。これにより,ラミネート層数を減らすことができコストメリットもあり,かつバリア性も 付与することができている。 ①  特に医療・医薬分野では,衛生性,安全性の面から,ハサミなどを使用することができな いために,包装材料に易裂性機能が強く求められる傾向にある。 ②  レトルト食品では湯煎し,温かい状態で開封し,中身をスムーズに出すために包材の易裂 性能が求められる。レトルト食品においても,近年の電子レンジの普及により,調理の簡便 化が図られている。開封時に包材が切れ難いと内容物がこぼれる危険性などが増して,火傷 などの事故につながる危険性が増すため,包材としては易裂性,直線カット性を有する易裂 性ナイロンフィルムをラミ構成の一層として使用することが必要となる。 <構成例> PET/易裂性ナイロンフィルム/AL/CPP (アルミ構成品)      透明蒸着 PET/易裂性ナイロンフィルム/CPP(透明構成品) 等,高強度と易裂性の必要な分野で使用されている。カレー,中華具材,おかゆ,パスタソー ス,調理食品などでの採用が増加している。業務用袋などでは易裂性の付与により,作業性が大 幅に改善される。 3.3.6 医療用フィルム34) 医薬品包装にはオキシガードフィルムやアルミラミネートフィルムが使用されている。医薬品 の点滴剤には,アミノ酸製剤,高カロリー栄養剤,あるいは酸素の影響で変質してしまう薬剤な どがある。食品のプラスチック容器の場合,パッシブガスバリア材やアクティブバリア材と複合 化する方法が一般に適用されている。しかし,医薬品包装の場合,薬事法の関係で,使用できる 材料に制約がある。このため,ポリエチレン製輸液ボトルを両面アルミ箔構成の外装パウチに入 れ,脱酸素剤を封入する方法やアクティブバリア機能をもつ外装パウチを適用する方法が採用さ れている。このアクティブバリア外装パウチの構成は,一方が PET/アルミ箔/オキシガード フィルム/シール層であり,他方は PET/パッシブバリア層/シール層で,透明多層フィルム が用いられている。片面が透明であるため,輸液ボトルの表示ラベルを見ることができ,パウチ にラベルを貼る必要が無い利点もある。狭心症の治療用点滴剤の製品は,レトルト殺菌が必要で あり,輸液ボトルを「オキシガード」パウチに充填後,レトルト殺菌されている。今後,錠剤の PTP 包装はバリア性でさらに厳しい要求が求められており,図 13 で示された PTP 包装やアル ミラミネートのシートなどが検討されている。 3.3.7 コート,蒸着  PVDC コート(K-コート),PVA コート,防曇性(冷凍食品) PVDC コートは K-コートと呼ばれ,二軸延伸 PP,二軸延伸ナイロンフィルムなどの種々な フィルムの表面コートに広く使用されている。環境問題で,脱塩素化が進んでいるため,他の方

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法でのバリア化も進んでいる。 アルミ蒸着フィルムはガスバリア性に優れており,バリア性を要求される分野に広く用いられ ている。ただし,透明性が要求される分野にはシリカ(SiOx)やアルミナ(Al2O3)をコートし たフィルムが幅広く使用されている。また,PVA コートした BOPP も販売されている。ただ し,高湿度下ではガスバリア性は低下する。 防曇性の付与は野菜や果物などの包装には重要である。フィルム表面に水滴がつくと,商品の 外観が悪くなり,腐敗にも繋がるため,脂肪酸エステルなどの表面活性剤が使用されている。樹 脂の結晶化度や添加剤の量により防曇性能が変化し,また単層よりも多層構成の方が防曇性能に 優れているという結果が報告されている35) 3.3.8 チャック袋  易開封性,再利用 易開封性があり,再利用が可能なチャック袋も,多く利用されるようになった。パッケージ開 封後も簡単に再密封でき,必要量に応じ内容物を無駄なく使う事が可能である。用途に合わせ て,PE 系や PP 系フィルムに利用可能で,異形押出,共押出の押出技術を利用し,汎用ジッ パーから,特殊・多層ジッパーまで幅広く供給されている36, 37) 3.4 環境対応フィルム 3.4.1 PLA フィルム・シート PLA の結晶化速度や耐熱性は D 体の濃度で大きく左右されるため,この値を 4%以下に制御 した PLA を溶融押出ししてシート化し,さらに延伸することでフィルムを作製することができ 図 13 AL ラミネート酸素吸収 PTP 包装

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る38)。PLA は,比較的結晶サイズを小さく制御することができるため,透明で配向した延伸フィ ルムを作製することができるのである。通常,70~80℃程度の耐熱性を有する。 ポリ乳酸を使用して医療用プラスチックや生分解プラスチックの研究が推進されており,ポリ 乳酸(Tm160-170℃)は PET(Tm260℃)と比較し,耐熱性が低い欠点があった。それを解決 するために,ポリ-L-乳酸とポリ-D-乳酸のステレオコンプレックスが新たな構造を形成するこ とによる耐熱性向上(200-230℃)が見出され,製品開発されている。マツダのカーシート,バ スタオル,電子機器の筐体,TV 外枠に使用開始されている39) PLA ではないが同じ植物由来材料であり,セルロース分子鎖が規則的に配列した結晶性のミ クロフィブリルで直径 3~4 nm のセルロースナノファイバーも木質バイオマスの応用例として, 最近注目を集めている(第 10 章,第 11 章参照)。 3.4.2 遮熱フィルム40) 当初,アルミ蒸着を行ったミラーフィルムに,耐腐食性改善としてポリエステルフィルムをラ ミネートした遮熱性能の高いフィルムが開発された。その後,透過率向上策として,アルミから 貴金属(Ag,Au,Cu など)を使用した単体または合金の金属膜と金属酸化物とを多層積層し て,可視光線透過率が高く近赤外線透過率が低い,光選択性をもった窓フィルムが開発された。 コスト対策から,金属酸化物膜をウェット塗工で行う技術開発が行われてきた。また,金属膜を 使用しない方法として,金属酸化物の微粒子を活用した日射吸収タイプが開発された。 一方,近赤外線吸収性能がある材料として有機系吸収材の微粒子タイプが市場での地位を確保 した。最近になって品質がかなり改善され,価格の点での優位性もあり今後伸びる材料とみられ る。 光干渉を利用したナノレベルの各層の膜厚で多層膜にしたフィルムが開発され,近赤外線域の 特定波長範囲で高い反射性能のあるフィルムが市場投入された。金属微粒子等を HC 層に使用 して,吸収による熱遮蔽を組み合わせて遮蔽係数の改善を行っている。 2012 年には銀微粒子を使用した製品も上市されている。これは扁平状の銀微粒子を粒径サイ ズとアスペクト比(平均粒子径/平均粒子厚み)を適宜選定し,平面部分がフィルム面と同じ面 方向にして積層する事により,近赤外線部分の反射率を高め日射遮蔽性能をだしている。 最近の新規材料として金属や金属酸化物,吸収材等を全く使用しない,ナノ中空シリカ粒子 (中空バルーン)を使用した断熱化技術が開発され市場に展開されている。中空バルーン内に閉 じ込めた空気は対流がなく,空気の熱伝導率の低さを利用した低熱伝導率化ができる。バイン ダー樹脂内での高分散化,高安定化により高密度充填が可能となり,空気に近い熱伝導性を実現 して,ガラスの熱伝導性を下げる効果に今後期待出来る。粒径を適宜変更し金属酸化物微粒子と 同様に可視光線域でのヘーズを減少し,透過率は高く約 90%程度を保っている。遮熱性能を付 与するためにはこれまでの技術との組合せとなる。 また,今後の新しい材料としてナノワイヤを使用した材料も提案されている。コストや機能の 複合化など課題は多いが,複合化する多種の材料が検討されていて,今後の窓フィイルムへの応

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用による展開が期待出来る(第 6 章参照)。 3.5 IT・ディスプレイ用フィルム 液晶ディスプレイ(LCD)が開発され,携帯電話,ノートパソコンなどのモバイル機器に幅 広く応用され,TV ではさらに高視野角フィルムの開発41)により,どの方向からでも良く見える ようになり,ブラウン管からプラスチック製の光学フィルム部材からなる液晶ディスプレイに切 り替わり,さらに薄型になったことにより大型の画面で大量生産により低コストで,入手できる ようになった。LCD は使用しているプラスチックの光学部材により,光の導光,反射,拡散, プリズム効果,偏光,視野拡大,反射抑制技術などを巧みに制御している(図 14)。 3.5.1 位相差フィルム:斜め延伸フィルム 日本ゼオンは自社の COP を使用し,光学フィルムを初めて溶融押出成形で光学基板を製造 し,また 45°斜め延伸位相差フィルムを溶融法で斜め延伸の連続製造することができる技術を 確立している(図 15)42)(第 2 章参照)。 さらに負の屈折率の PS を多層構造の一層に用いて 3 軸の屈折率 Nx,Ny,Nzの大きさを自由 に制御できるフィルムの開発が行なわれている43)。該社は従来の常識を打ち破り,Only One 製 品を市場にいち早く出すことが重要であると強調している。 図 14 LCD フィルムの構成

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3.5.2 WV フィルム 視野拡大フィルム(WV)はディスコタクティックな液晶を TAC フィルムに積層する(図 16)41)。最近では偏光板の一体化や視野拡大などの改良,LCD コーナー部の光の漏れ現象の額縁 問題の解消のためのフィルム厚みの削減などで,低コスト,高性能化を達成している。 更なる改良として,TAC フィルムの複屈折の制御を目的に,屈折率異方性を有する無機物な どの添加剤を添加し,屈折率を自由に制御する研究を行っている。偏光保護フィルム,WV, AR フィルムとしての TAC フィルムは溶液流延法で成形されているが,コストおよび環境問題 の観点から,製造設備の改造も必要とされている。 LCD 用位相差フィルムのイノベーションとして,溶融押出法により原反を製造し,その後テ ンターの二軸延伸法により屈折率楕円体を制御している。2 m 20 cm 程度の幅に対して,光学均 一性を得るため,両側 30 cm づつ以上はカットされる。 図 15 斜め延伸テンターの概念図 図 16 WV の構造

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TAC/PVA/COP の系で,TAC フィルムの層を 1 枚削減でき,かつ位相差機能と高視野角 WV の機能を付与できる。ただし,TAC/PVA/COP の親水性の違いによるソリの問題の解決 は表面処理技術により対応している。 光学均一性の観点から,ボーイング現象の低減は歩留まり向上に重要である。 TV 用途などに WV 機能を持たせた VA,IPS 液晶用の位相差フィルムが紹介されている。 COP の置換基に COOCH3を有する樹脂を利用し,高視野角高速対応可能な TV,PC 用位相差 フィルムを 3 次元的な屈折率制御により達成されている。 今後材料として希望する材料は低光弾性率を有し,かつ高配向材料が益々重要になってきてお り,材料メーカーとの共同開発も重要になってきている。位相差フィルムの屈折率楕円体として は,nxnznyx:MD,y:TD,z:ND)になるように制御されている44)。延伸とシュリン ク性の両方を活用することにより達成できる可能性がある。 3.5.3 タッチパネル用部材45) タッチパネル用途は一昔前では,小型モバイル機器の PDA,タッチパネル,電子ペーパーが 主体であったが,現在では,スマートフォンなどに利用され携帯電話でタッチパネル機能やズー ムイン,ズームアウト機能を持たせものが,一般的になり,需要が急増し,タッチパネル市場は 2014 年度約 2 兆円と推定されている(第 12 章参照)。基板のフィルム(180 lm 前後)で,製 膜は位相差を 10 nm 以下に抑える関係から PET,PES は溶融法,PC,APO,PAR は溶液キャ スト法が主流であったが,成形加工法の改良により溶融法への移行が進んでいる。透明電極は In の枯渇や原料高騰で,In に変わる ITO 代替材が検討されている。 3.5.4 有機無機ハイブリッド超バリアフィルム 有機 EL のディスプレイ・照明用途への最新技術動向も見逃せない。低消費電力,高輝度,部 材の削減可能,超薄型軽量化可能などの特徴を生かした将来ディスプレイや面光源の特性を生か した照明分野に,広く活用できる非常に高いポテンシャルを持っている。 Sony から有機 EL の 11 インチ TV が上市され,有機 EL パネルが厚さ 0.3 mm に薄肉化した TV も開発された46)が,有機 EL の TV の大型化を断念した。 一方で,韓国の Samsung や LG は有機 EL 用の量産工場を建設し,高精細,薄い,軽い,割 れないことを特徴とし,携帯電話分野で採用している。LG は 2015 年に日本で 65 インチの画 面中央部がくぼんだ曲面型デザインの有機 EL テレビを発売した。大型化しても視野角に問題が なく,自由に形状を変えられる有機 EL の特性を活かして曲面ディスプレイを採用している。視 聴位置から目に届く映像情報が均等となり,映像に包み込まれるような臨場感あふれる映像を満 喫できる(図 17)47)。有機 EL 分野は,スマートフォン,タブレット PC,4KTV に,軽量化, フレキシブルや透明性を特徴とした用途に重点を置いた戦略で展開されている。

また,Samsung Mobile Display もフレキシブルのディスプレイとして,水蒸気バリア性

10-5 g/m2/day を達成し,長期間 Dark Spot ができない無機多層バイリアー構造のプラスチック

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10-6 g/m2/day レベルの超ハイバリアフィルムが実用化されれば,フレキシブル分野も有機 EL の特徴を生かした分野になる。 富士フィルムでは多層塗布技術で,有機・無機のハイブリッド構造によるハイバリアフレキシ ブルフィルムを開発し,優れた屈曲性(u10 mm×100 万回の曲げ回数の繰り返し屈曲試験での 水蒸気透過性に変化無)と高バリア 10-6 g/m2/day で有機 EL 用にも適用可能なレベルのバリア フィルムを開発している48) 東レもバリア材の開発を行っており,シンプルな単層のバリア層で 10-4 g/m2/day のバリア性 を達成している。500 回の繰り返しの折り曲げにも品質の保持が可能で,基材の上に塗布による コーティング層を設けるタイプである。また,電子ペーパー用 CNT 透明導電性フィルムは 2 層 構造により,CNT 同士の凝集を防止し,CNT の分散性を飛躍的に向上させ,ナノオーダーの CNT を独立に分散できる構造にすることで,透明性 90%を達成し,0.00044 Ω・cm の導電性 を達成し,高透明導電性フィルムへの用途展開を行っている。CNT の電顕の分散状態の写真か ら,CNT の外径は 1.5~2.0 nm でかつ分散性が良好である。 具体的な用途として,例えば面照明,携帯電話,自動車用ディスプレイ,デジカメ,TV など の適用例を挙げられる。有機 EL の材料は低分子材料が主流になってきており,また蛍光から燐 光へと移ってきている。 ソニーから小さく巻ける有機 TFT 駆動有機 EL ディスプレイで極めて柔軟性が高く,厚さ 80 lm,精細度 121 ppi の 4.1 型フルカラーディスプレイの開発に成功したとの発表が新聞や同 社の HP のホームページで発表されている(図 18)49) フレキシディスプレイに関連では,本書の第 14 章,第 15 章,第 19 章にも記載されている。 図 17 LG 社が発表した有機 EL の大型 TV

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3.5.5 有機 EL ディスプレイ 現在,有機 EL のスマートフォンは Samsung 電子,有機 EL の TV は LG が出光興産の有機 EL 材料を使用して 65 インチの高精細 4K のテレビ生産しており,共に韓国メーカーである。 米アップル社はスマートフォンの 2018 年発売予定の iPhone 8 の新モデルに有機 EL パネル を採用すると発表しており,スマートフォンの技術を牽引するアップルが有機 EL を採用するこ とで,パネル産業の世界市場の勢力図が変化する可能性が高い。 現状,有機 EL の寿命は LCD に比較して短い欠点はあるが,スマホの使用期間は TV に比較 して短く,長所として色鮮やかで,素早い動きもくっきり映し出す鮮明な画像とバックライトが 不要なため薄く,軽く,そして光源を常時,光らせておく必要がなく,消費電力も抑えられ,曲 げやすい特徴がある。従来からスマートフォンに要望されてきた超高精細で,薄くて,軽く,そ して電池の消費量の抑制が可能になる。 今後,薄さ,軽さ,そしてフレキシビリティをもつ有機 EL ディスプレイにするには,実用に 供する防湿性の非常に高いバリア膜の開発も重要である。(第 14,15,19 章参照) さらに,大量生産で低コスト化が進めば,デザイン性にメリットがある有機 EL の面照明分野 への応用も本格化する可能性が現実味を帯びてくる。 3.6 ウェアラブルデバイス用フィルム コンピューターの小型化,軽量化に伴い,スマートフォンの普及によるモバイルネットの環境 整備が整い,身につけて利用するウェアラブルデバイスが注目を集めている。例えば,Apple Watch などに代表される腕時計デバイス,メガネ型デバイス,衣服に埋め込み型デバイスなど が開発されている。 薄くて良く伸びる特徴を生かして,肌着の裏地に貼って心拍数などを測れるフィルム状の素材 を開発し,体の状態がわかるスポーツウェアや医療分野での利用などが想定されている。肌に接 する部分で筋肉の微弱な電気信号をとらえ,スマートフォンなどにデータを送って表示する。心 拍数のほか,呼吸数や汗のかき具合など,メンタルトレーニングや居眠り運転の防止などへの応 図 18 フレキシブル有機 EL ディスプレイ 曲率半径 4 mm で巻き取りながら写真を表示(動画表示も可能)

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用展開が期待される(第 26 章参照)。

4 高機能化技術(光学設計,表面制御)

4.1 光学評価・設計 光学材料の分子構造から透明性,屈折率,アッベ数など光学的な物性値が予測でき,また高透 明化の分子設計ができるシステムが報告されている。この予測技術は COC や COP の置換基の 違いによる光学特性の変化,PC や PMMA などの置換基や共重合などの変化した場合の光学特 性値を予測できる50, 51) ポリマーを高透明化するには,化学構造および高次構造の両面からの制御が必要である。化学 構造からのアプローチとしては,光散乱損失および光吸収損失の小さい原子団から構成される分 子を設計することであり,高次構造からのアプローチとしては,不均一構造の大きさと屈折率差 を小さくするような非晶構造の制御である。 今後は,光学物性値から逆に化学構造を推算するシステムの構築も要望されている。 4.2 微細表面凹凸制御 文献 1)は薄型ディスプレイやバイオチップに応用可能な超微細転写の新成形技術としての超 精密表面転写技術は液晶ディスプレイなどの表示材料,光学・電子部品やバイオチップの成形に 必須の技術であり,近年サイズの超微細化や三次元形状の転写精度が益々重要になってきてい る。そのため,熱可塑性樹脂を,高透明,低残留応力でかつ商業ベースの生産速度で成形可能な 超微細転写技術をいくつか紹介しているが,今回はモスアイ構造,高精細表面技術および多層光 学フィルム,クレーター構造制御について簡単に触れてみたい。 4.2.1 モスアイ構造52) 蛾や蝶の眼の表面には数 100 nm サイズの凹凸構造を有しており,外部からの反射を防止する ことで外敵に存在を目立たなくしたり,外光を有効に取り込んだりできる。表面にナノオーダー の微細な凹凸構造を形成することで(図 19),空気との接面から基材との界面まで屈折率を連続 的に変化させることにより,新たな界面を形成することが無いために界面反射も防げることで極 めて低い反射率,並びに可視光の波長域全域の反射を防止できるという特徴を有している。 モスアイフィルムの作製プロセスとして,まずアルミナナノホールアレイ金型に光硬化性樹脂 を充填し,PET 等の透明な基材フィルムをかぶせる。基材フィルムは酸素による重合阻害を防 止するという役割も持っている。次に,基材フィルム側から UV 光を照射し,光硬化性樹脂を 硬化させる。最後に基材フィルムと一体化した形状を付与した樹脂を金型から剥離することによ り,モスアイフィルムが作製される。直径約 100 nm のテーパー状の細孔がきれいに配列した形 状となっている53)。モスアイフィルムは可視光域全域において,反射率が 0.5%以下の値となっ ていて,さらに実用時の映り込みの劇的な改善効果が確認されている(第 13 章参照)。

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4.2.2 高精細表面技術および多層光学フィルム54) 3M では,高精細表面技術および多層光学フィルム技術を有しており,液晶用輝度上昇光学 フィルムは,液晶ディスプレイの高輝度化・省電力化の面で重要な役割を果たしている。BEF は高精細表面技術により,透明性にすぐれたポリエステル基材の表面に,アクリル樹脂のプリズ ムパターンを均一に精密成形した光学フィルムである。バックライト前面に組み込むことによ り,光源から照射された光のうち,視野角外の利用されない光を,光学条件(屈折率差と入射角 条件)を用いた反射屈折によってリサイクルし,最適な角度で使用者の方向に集光することに よって,正面での輝度を約 2 倍に向上させることが可能となる(直交 2 枚使いの場合)。 多層光学フィルム技術により,屈折率差のある界面で起きる光の反射を光学多層膜で位相をそ ろえて最大化し,樹脂でありながら鏡面状態を作ることが可能である。 4.2.3 クレーター構造 工業用に使用される PP 薄膜延伸フィルムにおいては機能性を保持するため,添加剤を入れる ことができない場合が多く,添加剤を使用することなくフィルム同士のブロッキングを防止させ る技術開発は重要である。添加剤無添加で,ナノオーダーの高次構造制御で微細表面凹凸の機能 を発揮するクレーターの生成機構,さらにクレーターの制御方法について,製膜条件と樹脂特性 の観点から検討が行なわれている17~19) PP 延伸フィルムの表面凹凸の形成機構(図 20)に関して,原反モルフォロジー及び形成過程 の観点から検討を行った結果,延伸フィルムのクレーター形状は原反の反チルロール側表層に生 成した結晶粒の形状と良い相関関係があることを見出されている。低延伸倍率での表面の変形挙 動を観察することにより,クレーターは延伸初期に生じた窪みを起点とし,延伸倍率の増加と共 にクレーターに変化することが判っている。また,延伸力曲線において降伏力を過ぎてネッキン 図 19 モスアイ反射防止フィルム

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グが終了し,ネッキングが伝播し始めた延伸倍率 2 倍から表面粗さが減少し始め,原反内部の 球晶が崩壊し始めたことから,クレーターは原反内部の球晶の崩壊挙動とも関連性があると報告 されている。 PP 延伸フィルムの表面凹凸の構造制御に関して,製膜条件の観点から検討を行った結果,原 反成形段階で長い結晶化時間(1.5 秒以上)を有する場合にチルロール側でも結晶粒が生成し, 結晶粒が生成した面で延伸フィルムのクレーターが生成しており,クレーター形成には表層結晶 粒が必要である18)(第 28 章参照)。 4.3 機能性材料 4.3.1 透明高分子材料 透明高分子材料は,軽量で,複雑な形状でも成形がしやすく,柔軟性があり壊れにくく,印刷 が容易などの特徴があり,ガラスではできない分野にも広く応用展開されている。非晶性 PET はクリア感があり,お菓子,IT 部品や化粧品のケースに利用されている。PMMA は高分子の中 で最も透明性に優れた樹脂であり,各種レンズ,水族館の水槽,液晶ディスプレイなどさまざま な用途に利用され,今後も高透明材料として期待されている。ただし,耐熱性は比較的低く,電 子レンジ用には使用できない。

PC は高強度,耐熱性,COP や COC などは賦型性,耐熱性,バリア性,低複屈折,PET は 低コストかつ二軸延伸性に優れている。PS は,耐熱性はないが低コストで二次加工性に優れ, PP は結晶化制御技術により高透明で,かつ電子レンジ耐熱があるなど,それぞれの特徴を活か し,今後の成長が期待される。

蒸着やコーティング技術により,透明性を維持しながら高バリア化,表面傷つき防止などの技

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術も高度化してきており,燃費向上の自動車の窓ガラス,家電,車やバイクなどに高級感を付与 する綺麗な印刷を施した成形品の加飾フィルム(第 21 章,22 章参照),光のどの方向からの入 射でも成形品内の屈折をなくすゼロ・ゼロ複屈折材料55, 56)(第 7 章参照),有機 EL などに適用で きるフレキシブルなバリアフィルム48)(第 19 章参照),医療用の透明容器,金属缶代替として易 開封で電子レンジにも利用可能で廃棄が簡単な高バリア食品容器,各種酒類のボトル化な ど57, 58),高透明高分子材料59)の用途は今後益々拡大すると期待される。 4.3.2 メタロセン触媒を使用した材料 メタロセン触媒を使用し,PP に長鎖分岐を導入することにより,熱成形性を改良した深絞り 容器,ブロー成形性の改良,連泡を抑制して均一・高発泡性など,成形性を高めた高溶融張力 PP(図 21)も開発されている60, 61)。図 21 には一般タイプの PP と超高分子量成分が微量入っ ている PP(FB3312)と,新たに開発された長鎖分岐を導入した PP(WAYMAX)に比較を示 しているが,一般タイプに比較し,同じ MFR で約 5 倍の高い溶融張力を示している。 4.3.3 ナノアロイ材料 ポリマーの分散を数十 nm レベルまで微細化したアロイ材料が開発されている。複数のポリ マーをナノメーターオーダーで微分散させることで,従来材料と比較して,飛躍的に物性向上を 発現できる62) 2 種類のポリマーに,両ポリマーの化学構造と特性に適合する親和性改質剤を加えて,剪断力 を効果的に加える手法を取り入れた押出に投入すると,両ポリマーが数十 nm のオーダーで入り 混じり,それぞれが連結した構造をとる共連続型ナノアロイⓇが出現する(図 22)。 図 23 は PBT/PC が 50/50% のナノアロイⓇ についての特性評価結果例である。靱性(粘り強 図 21 高溶融張力 PP(WAYMAX)と一般 PP の MFR-MT の比較

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さ)は PC を 100 として各サンプルの値を示している。耐薬品性評価では,元の PBT の曲げ強 度を 100 として,クロロホルムに 1 時間浸した後の各サンプルの強度を現わしている。ナノア ロイⓇでは混合したにもかかわらず,靱性の劣化が起こらず,さらに,耐薬品性も良好なまま, 保たれている。ナノアロイⓇ により,従来技術では出来なかった PC が持つ靱性と PBT が持つ 耐薬品性を併せ持つことが示されている。また,PET フィルムの高耐熱化にも応用されてい る63) ナノ材料としてのカーボンナノチューブも,微分散技術を活用して電子ペーパーや曲げて成形 してもセンサー機能を発現できる CNT 透明電極や高熱伝導性の性質を利用した高集積回路用の 高放熱フィルムへの応用展開が期待される(本書第 5 章,第 16 章参照)。 図 22 共連続構造型の PBT/PCナノアロイⓇの構造 図 23 共連続構造型の PBT/PCナノアロイⓇの特性上の特長

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5 おわりに

東日本大震災が発生し,原子力発電の是非が問われている中,今後,代替エネルギーの開発や 省エネルギー技術が重要となっている。機能性フィルムとして,原子力の代替エネルギーとして の太陽光発電用の封止材やバックシート,省エネルギーとしてのバックライトの必要のない有機 EL ディスプレイ・照明用超バリアフィルム,LED や PC 用放熱フィルム・シート,輝度向上 フィルムや遮熱フィルム,タッチパネル用高透明導電性フィルム,電気自動車やプラグインハイ ブリッド車用 Li イオン電池用セパレーター,ソフトパッケージやコンデンサーなど,日本が先 行している技術に磨きをかけ,競争力のある更なる技術の発展が期待される。 機能性フィルム・成形品の差別化技術として,製品設計,素材の触媒・重合技術,基盤評価技 術,超精密加工技術と CAE 解析技術を磨き上げていく努力が必要と感じている。今まで,日本 が先導役として発展させてきた液晶,記録メディアや LED に代表される IT 分野,家電関連や 食品・医療分野での高機能透明フィルム・シート分野で,日本の今後の貢献を期待したい。 文    献 1) フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術 第一巻,監修 金井俊孝 ㈱ Andtech 2010.8 2) フィルムの機能性向上と成形加工・評価技術 第二巻,監修 金井俊孝 ㈱ Andtech 2013.3 3) 加飾フィルム・材料・加工技術の最新開発と自動車用途と展開,㈱ Andtech 2015.3 4) J.Breil, フィルム成形のプロセス技術,監修金井俊孝,㈱ Andtech 2016.1 5) 日本包装技術協会ホームページ,平成 24 年日本の包装産業出荷統計 6) 吉野彰,次世代リチウム二次電池と高分子,成形加工.22(6),274-278(2010) 7) 辻岡則夫,高分子学会フィルム研究会第 108 回講演会(2009) 8) 伊藤達也,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術 第 4 章第 2 項,株式会社 Andtech 出版 2013.3 9) 中島孝之,プラスチック成形加工学会企画講演会 Li イオン電池講演会 2011 年 7 月 10) 奥下正隆,プラスチック成形加工学会第 112 回講演会-将来のエネルギーの技術を担う太 陽電池・二次電池の開発の最前線(2009) 11) 奥下正隆,リチウム二次電池のラミネート外装材,22(6),279-286,成形加工(2010) 12) 伊藤達也,プラスチック成形加工学会第 99 回企画講演会“最先端の二次電池・キャパシ タの開発動向”(2007)

13) Fujiyama M., Kawamura Y., Wakino T., Okamoto T., J. Appl. Polym. Sci. 36, 985 (1988) 14) Fujiyama M., Kawamura Y., Wakino T., Okamoto T., J. Appl. Polym. Sci. 36, 995 (1988)

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15) Fujiyama M., Kawamura Y., Wakino T., Okamoto T., J. Appl. Polym. Sci. 36, 1011 (1988) 16) Fujiyama M., Kawamura Y., Wakino T., Okamoto T., J. Appl. Polym. Sci. 36, 1025 (1988) 17) S.Tamura, K.Ohta, T.Kanai, J. Appl. Polym. Sci., 124, 2725(2011)

18) S.Tamura, K.Takino, T.Yamada, T.Kanai, J. Appl. Polym. Sci., 126, 501(2012) 19) S.Tamura, T.Kanai, J. Appl. Polym. Sci., 136(5), 3555(2013)

20) 瀬川正志,高分子学会フィルム研究会第 45 回講座(2009) 21) 小山松 敦,高分子学会第 46 回フィルム研究会講座(2010)

22) H.Uehara,K.Sakauchi, T.Kanai, T.Yamada, Stretchability and Properties of Linear Low Density Polyethylene Blends for Biaxially Oriented Film; Int.Polym.Process, 19 (2), 163-171 (2004)

23) H.Uehara, K.Sakauchi, T.Kanai, T.Yamada, Processability of Oriented Film for Liner Low Density Polyethylenes; Int.Polym.Process, 19(2), 172-179 (2004)

24) 春田雅幸,向山幸伸,多保田規,伊藤勝也,野々村千里,成形加工,Vol. 22.(3)160-167(2010)

25) 猪狩恭一郎,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術 第 6 章第 1 節,株式会 社 Andtech 出版 2013.3

26) 特開 2011-213111,層状無機化合物のナノシートを含有するガスバリアシート,旭化成 27) A. Funaki, T. Kanai, Y. Saito, T. Yamada, “Analysis of Contributing Factors to

Production of Highly Transparent Isotactic Polypropylene Extrusion Sheets Part 1”,

Polym. Eng. Sci., 50, 2356(2010)

28) 船木章,蔵谷祥太,山田敏郎,金井俊孝,ポリプロピレンシートの透明性に対する多層押 出しの効果,成形加工,Vol. 23.(5)229-235(2011)

29) A. Funaki, K. Kondo, T. Kanai, “Analysis of Contributing Factors to Production of Highly Transparent Isotactic Polypropylene Extrusion Sheets Part 2”, Polym. Eng.

Sci., P2356-2365(2010) 30) 富士経済 2013 年 加飾フィルム関連市場の展望とメーカー戦略 31) 桝井捷平,加飾技術概論,コンバーテック,43(9)46-52 (2015):日本写真印刷ホーム ページ,http://www.nissha.co.jp/industrial m/index.hmtl 32) 加飾フィルム・材料・加工技術の最新開発と自動車用途展開 第 2 章第 3 項 佐々木信  株式会社 Andtech 出版,2015.3

33) M.Takashige, T.Kanai; Easy Tear Multilayer Film of Biaxially Oriented PA6/MXD6 by Double Bubble Tubular Film Process, Int. Polym. Process, 20(1), 100-105(2005) 34) 葛良忠彦,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術 第 6 章第 2 節 株式会社 Andtech 出版,2013.3 35) 井坂勤,包装技術,32(9), 52(1994) 36) 出光ユニテック㈱ホームページ ジッパーテープ 37) 南波芳男,機能性フィルム・容器の開発と応用,第 10 章 106-114,シーエムシー出版, 監修金井俊孝,2015.3 38) 角川仁人,上田一恵,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術,第 10 章第 2 節,株式会社 Andtech 出版,2013.3

(29)

39) 遠藤浩平,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術,第 10 章第 4 節,218-223,株式会社 Andtech 出版,2010.8 40) 新宮公,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術,第 10 章第 1 節,株式会社 Andtech 出版,2013.3 41) 西浦陽介,LCD 用視野角大フィルム  プラスチック成形加工学会第 82 回講演会(2005) 42) 荒川公平,山崎正弘,川田敬一,宮城孝,浅田毅;斜め延伸による位相差フィルム製造技 術開発;成形加工 21(9)540-542(2009) 43) 荒川公平,川田敬一,豊嶋哲也,滝澤忠,黒崎勝尋;多層押出・同時二軸延伸を用いた厚 み方向に高屈折率を有する位相差フィルムの開発;成形加工 24(9)531-533(2012) 44) 吉見裕之,液晶ディスプレイ用光学フィルム,プラスチック成形加工学会第 101 回講演会 (2007) 45) 板倉義雄,タッチパネルおよびその部材の市場動向,技術動向,高分子学会プラスチック フィルム夏期交流会 2008(2008) 46) 帯川崇,有機 EL ディスプレイの TV への応用展開,プラスチック成形加工学会第 101 回 講演会(2007) 47) LG 社有機 EL テレビのホームページ(2015) 48) 鈴木信也,成形加工,27(2),61(2015) 49) Sony ホームページ技術開発情報,ペンほどの太さに巻き取れる有機 TFT 駆動有機 EL ディ スプレイを開発,2010 年 5 月 26 日 50) 谷尾宣久,光学ポリマー 高透明化のための分子設計・高次構造制御,プラスチック成形 加工学会第 101 回講演会(2007) 51) 谷尾宣久,ガラスに挑む透明ポリマー,高分子 64(7)420(2015) 52) 魚津吉弘,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術 第 7 章第 1 項,株式会社 Andtech 出版,2013.3 53) 魚津吉弘 , 超微細フィルム表面加工技術,成形加工 27(6)213-216(2015) 54) 榛澤文久,フィルムの機能性向上と成形加工・分析・評価技術 第 7 章第 2 項,株式会社 Andtech 出版,2013.3 55) 多加谷明広,小池康博,成形加工,20(3),144(2008) 56) 旭化成ホームページ プレスリリース 2014 年 6 月 19 日 57) 凸版印刷㈱ 2011 年 7 月 1 日付ニュースリリース 58) 白鶴酒造㈱ホームページ 2011 年 07 月 08 日付ニュースリリース 59) 金井俊孝,高分子材料の高透明化技術,高分子 64(7)421-423(2015) 60) 北浦慎一,田谷野孝夫,堀田幸生,飛鳥一雄,梅森昌樹,高橋邦宣,成形加工 2015 要旨 集,26, p131(2015) 61) 梅森昌樹,堀田幸生,飛鳥一雄,高橋邦宣,北浦慎一,成形加工 2015 要旨集,26, p267(2015)

62) 小林定之,10-9 Innovation の最先端,NanotechJapan Bulletin, 7(2)1-9 (2014)

63) 恒川哲也,高機能フィルムの研究・技術開発―東レの戦略と挑戦―,第 6 回高機能フィル ム展(2015)

図 1 二軸延伸フィルムの世界の生産能力
図 3 Li-ionBattery(セパレーター,ソフトパッケージ)

参照

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