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と定義する. はケーシングの先端抵抗力, は ケーシングに作用する周面摩擦抵抗力, はケーシ ングの貫入力である. ケーシングの先端抵抗力 は, ケーシング先端の 貫入抵抗 qˆ とケーシングの断面積 A より, A qˆ () と表される. ここで, ケーシング先端の貫入抵抗 qˆ とコーン貫入抵

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プラスチックボードドレーン打設時の油圧抵抗を用いた

多次元地質分布の推定手法

前田建設工業株式会社 正会員 ○ 平田 昌史 久保 大輔 清水 英樹 錦城護謨株式会社 正会員 白神 新一郎 中日本高速道路株式会社 正会員 川井田 実 山田 耕一 1.はじめに 軟弱地盤対策工法の1 つであるバーチカルドレー ン工法は,軟弱地盤内の鉛直方向に排水柱を多数設 置し,水平方向の排水距離を短縮することによって 圧密を促進させ,地盤の強度増加や残留沈下抑制を 期待する工法である.本研究で取り上げるプラスチ ックボードドレーン(PBD)工法は,バーチカルド レーン工法の鉛直排水柱に PBD を用いる工法であ る.鉛直排水柱に砂を用いるサンドドレーン工法に 比べて,材質が一定で供給が安定しており,施工能 率が良く経済的であるため,近年需要が伸びている 工法である. PBD 工法では,圧密対象となる軟弱層の層厚や分 布位置が改良効果に大きな影響を及ぼすため,事前 調査によって地質分布を把握し,適切な PBD 配置 や圧密放置期間を設定することが重要である.しか しながら,堆積環境が複雑な地盤では,わずか数箇 所の事前調査結果から地質分布を推定することには 限界があり,期待した改良効果が得られない場合や, 予期せぬ不等沈下・変形等が発生する場合もある. PBD 工法の施工管理では,設計した深度・範囲に PBD が確実に施工されているかの出来形のみを管 理するのが一般的であるが,このような問題を解決 するためには,PBD を施工した地盤の地質分布を詳 細に把握し,設定したPBD 配置や圧密放置期間等が 適切であるかを管理・判断することが必要である. 本研究では,PBD 工法とコーン貫入試験の相関性 に着目し,オシログラフに記録される油圧抵抗と静 的コーン貫入試験の貫入抵抗の相関性を利用して, 施工時に測定したPBD 打設機の油圧抵抗(オシログ ラフ)を用いた地盤強度推定式を提案し,複数の実 現場に対してその適用性について検討を行った1). また,この推定式から算出した地盤強度と打設位置 情報を用いて,PBD打設地盤内の地質分布図を作成 し,実現場における事前調査結果や動態観測結果と 比較することで,その適用性・有用性についての検 討を行った2). 2.油圧抵抗を用いた地盤強度分布の推定手法 (1)地盤強度推定式の誘導 PBD 工法の施工は,静的コーン貫入試験におけ るロッドの貫入や,小口径の杭を地盤に打設するこ とに酷似しているため,ケーシング貫入時の油圧抵 抗と静的コーン貫入試験の貫入抵抗の間には良い相 関性がみられる3),4).そこで,PBD 打設機の油圧抵 抗からコーン貫入抵抗を求める地盤強度推定式を誘 導する.ここでは,図-1 に示すようにケーシング貫 入時の力の釣合いを, S C K F F F   (1) キーワード 軟弱地盤,プラスチックボードドレーン,油圧抵抗,コーン貫入試験,地質分布 連絡先 〒179-8914 東京都練馬区旭町 1-39-16 前田建設工業株式会社 技術研究所 TEL 03-3977-2453 W F FKM ケーシング 駆動油圧モータ M P フリクション ローラ 油圧抵抗測定 M F ケーシング S C K F F F   C F S F K F 図-1 力の釣合い 写真-1 PBD 施工状況 図-2 ケーシングの貫入機構

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と定義する.FCはケーシングの先端抵抗力,FSは ケーシングに作用する周面摩擦抵抗力,FKはケーシ ングの貫入力である. ケーシングの先端抵抗力FCは,ケーシング先端の 貫入抵抗Cとケーシングの断面積AKより, C K C A q F  ˆ (2) と表される.ここで,ケーシング先端の貫入抵抗C とコーン貫入抵抗qCの関係を, C C q qˆ  (3) と定義する. は,ケーシングの貫入速度や先端形 状等の影響を考慮した補間係数である.式(3)を式(2) に代入することで,先端抵抗力FCは, C K C A q F   (4) と表される. ケーシングに作用する周面摩擦抵抗力FSは,ケー シ ン グ に 作用 す る 局 部周 面 摩 擦 Sの 累 積 で あ ると 仮定して, dz D f FS

0zˆSK (5) と表す.DKはケーシングの周長,zはケーシングの 打設深度である.また,局部周面摩擦 Sは,三成分 コ ー ン 貫 入試 験 等 で 計測 さ れ る 局部 周 面 摩 擦 fSを 用いて, S S f fˆ  (6) と定義する. は,ケーシングと地盤の摩擦係数や 周辺地盤のリモールドの影響等を考慮した補間係数 である.局部周面摩擦 fSは,Schmertmann5) による 周面摩擦係数FR ( fS qC)を用いてコーン貫入抵抗 C q に置き換えられ,さらに PBD が施工される地盤 は圧密促進を必要とする軟弱地盤であることから, 周面摩擦係数FRを粘性土の代表的な値 5),6),7)である 0.05 の一定値とする.これにより,式(5)に示した周 面摩擦抵抗力FSは, C KS S A q F 0.05  (7) と 表 さ れ る .qCは コ ー ン 貫 入 抵 抗qCの 平 均 値 , KS A (DKz)は貫入したケーシングの周面積である. なお,補正係数 は深度方向に一定と仮定している. PBD 打設機では,油圧モータが発揮するトルクが ギアを通してフリクションローラに伝達され,ケー シングを押込む機構となっている(図-2 参照).こ のため,ケーシングの貫入力FKは,油圧モータによ る押込み力FMとケーシングの自重W から, W F FKM  (8) で表される.油圧モータによる押込み力FMは,PBD 打設機のギア等の影響よって決まるため,油圧抵抗 M P とケーシング打設力FKの関係を校正係数 を用 いて, M M P F  (9) と定義すると,ケーシング打設力FKと油圧抵抗PM の関係は, W P FK  M  (10) と表される. 以上の式(4),式(7)および式(10)を,式(1)に示した 力の釣合式に代入すると,ケーシング貫入時の力の 釣合い式は, C KS C K M W A q A q P             0.05 (11) となり,油圧抵抗PMとコーン貫入抵抗qCの関係式 を 求 め る こ と が で き る . な お , こ の 式(11) は Meyerhoff8)による杭の極限支持力算定式に,補正係 数 および  を考慮し拡張した式となっている. (2)打設力検定試験による校正係数の検討 式(11)に示す校正係数 を求めるため,PBD 打設 機を用いて打設力検定試験を実施した.打設力検定 試験では,図-3 および写真-2 に示すように,敷鉄板 の上にロードセルを設置し,ケーシングを押込む際 の油圧抵抗PMと,ケーシングの貫入力FKをロード ロードセル ケーシング 打設力計測 写真-2 検定試験状況 K F ケーシング 駆動油圧モータ M P フリクション ローラ ロードセル 敷鉄板 W FM 図-3 打設力検定試験 表-1 実施した打設力検定試験一覧 試験番号 0.0157 0.0098 312号機 310号機 ケーシング 重量 W 〔MN〕 機体番号 PBD打設機 0.0098 0.0176 0.0176 D-01 D-02 D-03 D-04 D-05 D-06 PDC-200 PDC-300 202号機 302号機 314号機 型番 302号機 0.0078

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セルにて測定する.表-1 に,実施した打設力検定試 験の一覧を示す. 図-4 は,実施した打設力検定試験結果である.こ の図より,油圧抵抗PMと油圧モータの押込み力FM の間には式(9)に示した比例関係が成り立ち,大型機 (PCD-300)で校正係数  =0.005,中型機(PCD-200) で校正係数 =0.0032 と求めることができる. (3)ケーシング貫入試験による補間係数の検討 コーン貫入抵抗qCを求めるためには,式(11)に示 す補間係数 ,  の値が必要である.これらの補間 係数は,貫入速度や先端形状,摩擦係数や地盤のリ モールド等のさまざまな影響を考慮しているため, 理論的あるいは解析的に値を定めることは困難であ る.そこで,ケーシングの貫入(押込み・引抜き) 試験結果 5)を実施した.ケーシングの力の釣合いを 考えた場合,ケーシングの引抜き時には先端抵抗力 が作用しないため,ケーシングの周面摩擦抵抗力FS は,引抜き時の油圧抵抗PM|引を用いて, W P FS  M 引 (12) と表される.また,ケーシングの先端抵抗力FCは, ケーシン グ押込み時 の油圧抵抗PM|と 引抜き時の 油圧抵抗PM|引を用いて,

P P

W FC  M 押 M 引 2 (13) と表される.このように,ケーシングの貫入(押込 み・引抜き)試験を実施することで,補間係数 ,  を個別に評価することが可能である.表-2 は,実 施したケーシングの押込み・引抜き試験の一覧であ る.試験ヤード内の2 箇所で実施した静的コーン貫 入試験(CPT-01,CPT-02)の周囲 12 箇所で,ケー シングの貫入速度を変えた押込み・引抜き試験を実 施した.図-5 は,CPT-02 位置で実施した静的コー ン貫入試験結果である.試験ヤードの地盤では,比 較的硬い層(砂層)が地表から G.L.-5m 付近に分布 していることがわかる.図-6 は,実施した貫入試験 結果(油圧抵抗)の深度分布である.なお,式(11) は 軟 弱 層 を 対 象 と し た 式 で あ る た め , こ こ で は G.L.-5m 付近に分布する硬い層(砂層)の油圧抵抗PM は割愛している. 図-7 は,縦軸を油圧抵抗PMから算定したケーシン グの先端抵抗力FC,横軸をコーン貫入抵抗qCから 求めたケーシングの先端抵抗力(qCAK)として, 試験結果を整理した図である.バラツキはあるもの の,両者の間には比例関係が成り立ち,補間係数 は1.0 と求められる. 図-8 は,縦軸を油圧抵抗PMから式(13)を用いて算 定したケーシングの周面摩擦抵抗力FS,横軸をコー 25 20 15 10 5 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 CPT-02 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  (m ) 24 22 20 18 16 14 12 10 8 6 40 2 4 6 8 10 12 : T2-A-01 : T2-A-02 : T2-A-03 : T2-B-01 : T2-B-02 : T2-B-03 : T2-C-01 : T2-C-02 : T2-C-03 : T2-D-01 : T2-D-02 : T2-D-03 CPT-02 押込み時の油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度   (m ) 24 22 20 18 16 14 12 10 8 6 40 2 4 6 8 10 12 CPT-02 : T2-A-01 : T2-A-02 : T2-A-03 : T2-B-01 : T2-B-02 : T2-B-03 : T2-C-01 : T2-C-02 : T2-C-03 : T2-D-01 : T2-D-02 : T2-D-03 引抜き時の油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度   (m ) 図-6 押込み・引抜き試験 図-7 結果(CPT-02) 図-5 コーン貫入試験 図-6 結果(CPT-02) 表-2 実施した押込み・引抜き試験の一覧 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04  = 1.0 :CPT-01 :CPT-02 【PDC-200】  = 0.0032 〔1/m2 W = 0.0157 〔MN〕 AK = 0.0217 〔m2 ケ ー シング に 作用す る 先端 抵抗力  ,F C  ( M N ) qC×AK (MN) 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.00 0.01 0.02 0.03 :CPT-01 :CPT-02 【PDC-200】  = 0.0032 〔1/m2 W = 0.0157 〔MN〕 DK = 0.535 〔m〕 β=0.06 ケー シ ン グに 作用する周面摩擦力 ,F S ( M N ) 0.05×qC×AKS (MN) 図-7 補間係数 α の検討 図-8 補間係数 β の検討 0.6 0.8 0.8 0.8 0.9 0.9 0.6 0.6 1.0 1.0 1.0 0.9 0.6 0.8 0.8 0.8 0.9 0.9 0.6 0.6 1.0 1.0 1.0 0.9 CPT-02 T2-A-01 T2-A-02 T2-A-03 T2-B-01 T2-B-02 T2-B-03 T2-C-01 貫入速度 V〔m/s〕 押込み時 引抜き時 0.3 CPT-01 静的コーン 貫入試験 打設試験 No. T2-C-02 T2-C-03 T2-D-01 T2-D-02 T2-D-03 0.4 0.4 0.3 0.3 0.2 0.2 0.2 0.8 0.8 0.8 0.5 0.5 0.5 0.4 0.5 0.3 0.3 0.3 1.0 1.0 0.5 0.5 T1-C-03 T1-D-01 T1-D-02 T1-D-03 T1-B-02 T1-B-03 T1-C-01 T1-C-02 引抜き時 貫入速度 V〔m/s〕 T1-A-01 1.0 静的コーン 貫入試験 打設試験 No. 押込み時 T1-A-02 T1-A-03 T1-B-01 0 10 20 30 40 0.0 0.1 0.2 0.3 PDC-300 : D-02(302号機) : D-03(314号機) : D-04(302号機) : D-05(312号機) : D-06(310号機) =0.0050 油圧モータ ーによる押込み力 ,F M (M N) 油圧抵抗 ,PM (MPa) 0 5 10 15 20 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 PDC-200 : D-01(202号機) =0.0032 油圧モータ ーによる押込み力 ,F M (MN) 油圧抵抗 ,PM (MPa) 図-4 打設力検定試験結果

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ン貫入抵抗qCの平均値から式(7)を用いて算定した 周面摩擦抵抗力(0.05qCAKS)として,試験結果 を整理した図である.若干バラツキはあるものの, 両者の間には比例関係が成り立つことがわかる.な お,補正係数 はケーシングと地盤の摩擦係数の影 響,周辺地盤のリモールドの影響等を考慮した値で あるため,対象地盤の地質の違いによる影響を受け るものと考えられるが,今回試験を実施した地盤で は,補間係数 は概ね 0.06 と求められる. (4)地盤強度推定式の適用性 式(11)に示す地盤強度推定式の適用性・汎用性を 検討するため,実際のPBD 施工現場(6 現場)の油 圧抵抗データを用いて,コーン貫入抵抗の算定を試 みた.図-9 は,PBD 打設機の油圧抵抗から算定した 貫入抵抗と,PBD 打設位置近傍で実施されているコ ー ン 貫 入 試 験 結 果 と の 比 較 で あ る . 周 面 摩 擦 係 数 FRに 0.05 を用いているため硬い層(砂層)では若 干小さめに評価される傾向にあるが,油圧抵抗から 算定した貫入抵抗は,コーン貫入試験結果とほぼ一 致しており,提案する地盤強度推定式の実現場に対 する適用性・有用性が確認できる. 3.実現場における地盤強度・地質分布の推定 (1)対象現場の概要 実現場の PBD 施工に対して,PBD 打設機の油圧 抵抗から地盤強度および地質分布を推定し,その有 効性を検討した.ここで対象とした現場は,舞鶴若 狭自動車道三方インターチェンジ工事 2)(福井県三 方上中郡若狭町)である.図-10 に現場位置図を示 す.なお,PBD 施工位置(向笠地区)は三方五湖に 近接しており,非常に軟弱な地盤が広く分布してい る地域である.図-11 は,事前調査結果から作成さ 北陸自動車道 舞鶴若狭自動車道 敦賀 JCT 舞鶴東 IC 小浜西 IC 若狭湾 福井県 滋賀県 京都府 敦賀湾 向笠地区 琵琶湖 三方湖 図-10 対象現場位置図 16 14 12 10 8 6 4 2 0 0 5 10 15 20 CPT-01 現場-04 油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度  ( m ) 16 14 12 10 8 6 4 2 00 5 10 15 20 25 CPT-01 現場-04 :コーン貫入試験 :推定値 【PDC-200】  = 0.0032 〔1/m2 W = 0.0075〔MN〕  = 1.0  = 0.03 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  ( m ) 12 10 8 6 4 2 00 5 10 15 20 25 CPT-02 現場-05 油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度   (m) 12 10 8 6 4 2 0 0 2 4 6 8 10 12 CPT-02 :コーン貫入試験 :推定値 【PDF-200】  = 0.0032 〔1/m2 〕 W = 0.0088〔MN〕  = 1.0  = 0.07 現場-05 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  ( m ) 25 20 15 10 5 00 2 4 6 8 10 CPT-01 現場-06 :コーン貫入試験 :推定値 【PDC-300】  = 0.0050 〔1/m2 〕 W = 0.0098〔MN〕  = 1.0  = 0.06 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  (m ) 25 20 15 10 5 0 0 5 10 15 20 25 CPT-01 現場-06 油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度  (m ) 35 30 25 20 15 10 5 00 5 10 15 20 CPT-02 現場-01 油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度  ( m ) 35 30 25 20 15 10 5 0 0 2 4 6 8 10 CPT-02 現場-01 :コーン貫入試験 :推定値 【PDC-300】  = 0.0050 〔1/m2 〕 W = 0.0157〔MN〕  = 1.0  = 0.06 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  (m ) 25 20 15 10 5 00 5 10 15 20 25 30 CPT-01 現場-02 油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度  (m) 25 20 15 10 5 00 5 10 15 20 CPT-01 現場-02 :コーン貫入試験 :推定値 【PDF-300】  = 0.0050 〔1/m2 〕 W = 0.0141〔MN〕  = 1.0  = 0.03 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  ( m ) 10 8 6 4 2 00 5 10 15 20 CPT-01 現場-03 油圧抵抗 ,PM (MPa) 深度  ( m ) 10 8 6 4 2 0 0 2 4 6 8 CPT-01 現場-03 :コーン貫入試験 :推定値 【PDC-300】  = 0.0050 〔1/m2 〕 W = 0.0063〔MN〕  = 1.0  = 0.06 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  ( m ) (a) 現場 01 (b) 現場 02 (c) 現場 図-9 油圧抵抗から推定した貫入抵抗とコーン貫入試験結果の比較 (d) 現場 04 (e) 現場 05 (f) 現場 06

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れた地質想定縦断面図である.PBD 工法は,この地 質想定縦断面図のほぼ中間位置(延長約 160m,幅 約60m)で施工している.この図に示すように,施 工位置は軟弱な粘性土・腐植土が深度30m~40m 付 近まで複雑に堆積している超軟弱地盤帯である.な お,同じ向笠地区で施工された試験盛土では,この 複雑な地質分布の影響により,大規模な沈下や周辺 地盤の変形が盛土片側に集中する特殊な傾向が観測 されている 9), 10).このため,今回の PBD 施工にお いても,想定以上の大規模な不等沈下や変形の集中 が発生することが懸念された.図-12 は,図-11 に示 した地質想定縦断面図から PBD 施工範囲を抜粋し たものである.PBD の配置は,この地質想定縦断面 図を基に,深度25m 付近までの軟弱層を対象として 1.2m×1.2m の正方配置で設計・施工されている.し かしながら,図-13 中に示したように PBD 打設範囲 では静的コーン貫入試験がわずか2 箇所しか実施さ れておらず,この地質想定図が実際の地盤を忠実に 再現したものであるとは言い難く,設計したPBD の 配置や圧密放置期間が適切であるかの判断は,事前 の調査結果のみでは困難である. (2)油圧抵抗を用いた地盤強度の推定 図-13 は,油圧抵抗から推定した貫入抵抗と,事 前調査で実施された2 箇所の静的コーン貫入試験結 果(図-12 参照)を比較したグラフである.PBD を 打設する際には,表層に敷砂が施工されているため, 敷砂の層厚分だけ深度を補正し比較している.油圧 抵抗から推定した貫入抵抗は,砂層部分で実際より 小さめに推定されているものの,静的コーン貫入試 45 40 35 30 25 20 15 10 5 00 5 10 15 20 qc (MPa) 深度  (m ) 30 25 20 15 10 5 00 5 10 15 20 qc (MPa) 深度  (m ) :粘性土・腐植土層(軟弱層) :砂層 CPT-01 CPT-02 PBD打設範囲 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 0 10 20 30 40 50 (m) 至 舞鶴 至 敦賀 試験盛土 Sh Apt1 Apt2 Ac1 Ac1 Apt1 Apt6 Apt5 Apt4 Apt3 Apt2 Apt6 Apt5 Apt3 Apt5 As6 As5 As3 Dpt Ac2 As1 Apt7 Ac1 Ac3 Ac4 Ac2 As5 As3 As3 As1 As2 As2 As4 Ac3 As3 Ac2 As6 As2 As5 Dpt Ac4 Ac3 As1 Apt2 496 +00 500 +00 499 +00 498 +00 497 +00 501 +00 508 +00 510 +00 509 +00 502 +00 506 +00 505 +00 504 +00 503 +00 507 +00 向笠① 向笠② Ac2u Apt3 Ac2 Ac1 As5 As3 As4 As2 As2 As5 As6 Ac3 Ac4 As5 As5 0 10 20 30 40 50 N 値 0 10 20 30 40 50 N 値 0 10 20 30 40 50 N 値 0 10 20 30 40 50 N 値 0 10 20 30 40 50 N 値 至 舞鶴 至 敦賀 測  点 :砂層・礫層(As,Ds) :粘性土層(Ac,Dc) :腐植土層(Apt,Dpt) 鳥浜地区 向笠地区 向笠③ 鳥浜① 鳥浜② PBD施工範囲 0.0 10.0 -30.0 -10.0 -40.0 -20.0 -50.0 D.L.(m) 高 瀬 川 図-11 向笠地区の地質想定縦断面図 図-12 PBD 施工範囲の地質想定縦断面図と事前調査位置 図-13 推定した貫入抵抗とコーン貫入試験の比較 25 20 15 10 5 0 0 5 10 15 :コーン貫入試験 :推定値 【PDF-300】  = 0.0050 〔1/m2 W = 0.0148〔MN〕  = 1.0  = 0.06 CPT-02 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  (m ) 25 20 15 10 5 0 0 5 10 :コーン貫入試験 :推定値 【PDF-300】  = 0.0050 〔1/m2 W = 0.0148〔MN〕  = 1.0  = 0.06 CPT-01 貫入抵抗 ,qc (MPa) 深度  (m)

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験結果とほぼ一致しており,推定した地盤強度の精 度は十分であると考えられる. (3)地盤強度分布・地質分布の推定 PBD 工法では,通常 0.5~1.5m 程度の間隔で多数 のPBD が打設される.このため,地盤強度推定式を 用いて算定した地盤強度(貫入抵抗)を,PBD の打 設位置情報を基に繋ぎ合せることで,地盤内の強度 分布図を連続的かつ多次元的に描くことが可能であ る.図-14 は,油圧抵抗から推定した貫入抵抗(PBD 施工7107 本分)と PBD の打設位置情報(1.2m×1.2m の正方配置)を用いて,PBD 改良範囲の地盤強度分 布を図化処理したものである.PBD の打設間隔が非 常に密であるため,地盤の強度分布を連続的かつ多 次元的に把握できることがわかる.図-15 は,図-14 に示した任意の断面に対して,地盤強度分布を切り 出した図である.これらの断面図から,地盤強度の 高い層が軟弱地盤内に傾斜して堆積している様子が わかる.なお,貫入抵抗が大きい表層部分は,PBD 打設前の敷砂施工による影響である. 今回対象とした現場では,圧密対象層(粘性土・ 腐植土層)と排水層(砂層)の貫入抵抗には大きな 差があるため,地盤強度から圧密対象層と排水層の 区別が可能であると考えられる.そこで,軟らかい 層(粘性土・腐植土層)と硬い層(砂層)の境界を, 図-13 からqC=1.5MPa と設定し,図-15 に示した各断 面の貫入抵抗分布を塗り分けることで,地質分布図 を作成した. 図-16(a)に示す A-A’断面は,図-12 に示した地質想 定縦断面図と同じ位置における地質縦断面図である. 図-12 と比較すると,事前調査が実施された付近で は,砂層(硬い層)の分布位置に大きな違いは見ら れない.しかしながら,図-16(a)に示す A-A’断面か らは,断面左側(舞鶴側)では深度10m 付近にも砂 層が分布していること,断面右側(敦賀側)では深 度 5~15m 付近の砂層が想定図よりも厚く堆積して いることがわかる.このため,圧密速度や沈下量が 事前の設計値と異なることが予想され,不等沈下の 発生も懸念される. 図-14 推定した貫入抵抗の分布(3 次元) 0.5 3.5 4.5 2.5 1.5 (MPa) A A’ B’ C’ C B 敦賀側 舞鶴側 向笠側 田名側 0.5 3.5 4.5 2.5 1.5 (MPa) 0 50 100 150 (m) 0 10 (m) 20 30 0.5 3.5 4.5 2.5 1.5 (MPa) 0 10 (m) 20 30 0 50 (m) 0.5 3.5 4.5 2.5 1.5 (MPa) 0 10 (m) 20 30 0 50 (m) 向笠側 田名側 向笠側 田名側 舞鶴側 敦賀側 図-15 推定した貫入抵抗の分布(2 次元) (a) A-A’断面 (b) B-B’断面 (c) C-C’断面

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図-16(b),(c)に示す B-B’断面および C-C’断面は, 横断方向の地質分布である.事前調査では,縦断方 向2 箇所の調査しか実施されていないため,横断方 向の地質分布はわかっていない.図-16(b),(c)を見 ると,砂層の分布状況が左右で明らかに異なってい る.特にC-C’断面では,断面左側(田名側)に砂層 が厚く堆積していると推定されることから,断面右 側(向笠側)に沈下や変形が集中すると考えられる. 図-17 は,現場で計測した C-C’断面位置における地 表面沈下の動態観測結果である.図-16(c)に示した地 質断面図から予想されたように,断面右側(向笠側) に沈下が集中している様子がわかる. 以上のように,PBD 打設機の油圧抵抗と打設位置 情報から推定した強度分布や地質分布結果は,実際 の地盤を精度良く表現できているものと考えられる. 4.おわりに 本研究では,PBD 打設時に計測した油圧抵抗(オ シログラフ)から,静的コーン貫入試験における貫 入抵抗を算定する簡易な推定式を提案した.この地 盤強度推定式を用いて求めた貫入抵抗と,実際の現 場で実施したコーン貫入試験を比較した結果,精度 良く地盤強度を推定可能であることが確認できた. PBD 打設機の油圧抵抗は,従来から施工管理として 測定されるものであるため,PBD 打設機の改良等 (新たな計測装置の追加,仕様変更)は必要ない. このため,PBD 施工を阻害することもなく,非常に 簡易かつ安価に地盤強度を得ることが可能である. また,舞鶴若狭自動車道三方インターチェンジ工事 のPBD 施工に対して,推定式から算出した地盤強度 と PBD 打設位置情報を用いて,多次元的な強度分 布・地質分布図を作成し,事前調査結果や動態観測 結果と比較を行った.この結果,油圧抵抗から推定 した強度分布・地質分布は,実際の地盤を精度良く 表現できていることが確認できた.この地質分布結 果を沈下計算や安定計算,FEM 変形解析 11) 等へ利 用することで,不等沈下や残留沈下の予測,載荷盛 土の施工管理等の検討が精度良く実施可能となり, 工期短縮や工程管理,PBD 工法の性能評価等に有用 であると思われる. 0 50 100 150 (m) 0 10 (m) 20 30 0 10 (m) 20 30 0 50 (m) 0 10 (m) 20 30 0 50 (m) 向笠側 田名側 向笠側 田名側 舞鶴側 敦賀側 : Sand : Clay : Sand : Clay : Sand : Clay 図-16 貫入抵抗分布から推定した地質断面図 (a) A-A’断面 (b) B-B’断面 (c) C-C’断面 -40 -20 0 20 40 300 250 200 150 100 50 0 2011/1/11 2010/9/11 2010/11/11 2011/3/11 2011/5/11 地表 面沈 下量   (cm) 盛土センターライン位置からの距離 (m) 21.8 m 11.7 m 13.8 m 21.3 m CL 地表面沈下板 向笠側 田名側 地表面沈下板 盛土 PBD施工範囲 8. 7 m 63.5 m 図-17 C-C’断面における動態観測結果(地表面沈下量)

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参考文献 1) 平田昌史, 清水英樹, 福田淳, 白神新一郎, 川鍋 修, 野村忠明 : プラスチックボードドレーン打 設機の油圧抵抗を利用した地質推定手法の開発, 土 木 学 会 論 文 集 C, Vol.67, No.3, pp.358-371, 2011. 2) 久保大輔, 平田昌史, 並川武, 長澤正明, 矢野一 郎, 白神新一郎, 山田耕一, 川井田実 : PBD 打 設機の油圧抵抗を用いた軟弱地盤の多次元地質 分布の推定, 第 23 回中部地盤工学シンポジウム 論文集, pp.91-98, 2011. 3) 渡部要一, 鈴木和実, 新舎博, 宮本健児 : PBD 打 設 時 の マ ン ド レ ル 貫 入 抵 抗 に よ る 土 質 判 定, 土 木 学 会 第 64 回年 次学術 講演会講演 概要集 , III-181, pp.361-362, 2009. 4) 久保大輔, 平田昌史, 中山泰起, 福田淳, 山田耕 一,川井田実 : オシログラフを利用した軟弱地 盤における砂層位置の推定, 土木学会第 65 回年 次 学 術 講 演 会 講 演 概 要 集, III-393, pp.785-786, 2010.

5) Schmertmann, J.H. : Dutch friction-cone penetrometer exploration of research area atfield 5, Eglin Air Force Base, Florida, U.S. Army Eng.

Waterways Exp. Stat., Vicksburg, Miss., Contact

Rep., S-69-4, 1969.

6) Begemann, H.K.S.Ph. : The Friction Jacet Cone as an Aid in Determining the Soil Profile, Proc.of the

6th ICSMFE, Vol.I, p.17-20, 1965.

7) Robertson, P.K. : Soil classification using the cone penetration test, Canadian Geotechnical Journal, Vol.27, No.1, pp.151-158, 1990.

8) Meyerhof G.G. : Penetration Test and Bearing Capacity of Cohesionless Soils, Proc. of the ASCE,

Journal of the Soil Mech. and Found. Div., Vol.82,

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図 -16(b),(c)に示す B-B’断面および C-C’断面は, 横断方向の地質分布である.事前調査では,縦断方 向 2 箇所の調査しか実施されていないため,横断方 向の地質分布はわかっていない.図 -16(b),(c)を見 ると,砂層の分布状況が左右で明らかに異なってい る.特に C-C’断面では,断面左側(田名側)に砂層 が厚く堆積していると推定されることから,断面右 側(向笠側)に沈下や変形が集中すると考えられる. 図 -17 は,現場で計測した C-C’断面位置における地 表面沈下の動態観測結果

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