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英語学習方略が原因帰属,学習動機づけに与える影響

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Academic year: 2022

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人間科学研究 Vol. 26,Supplement(2013)

修士論文要旨

問 題 と 目 的

 近年,子どもの意欲低下が問題になったことを反映して,

学習に取り組む意欲を高めることが重視されている。

 これまでの研究では,「意欲があるから方略を使う」とい う,動機が高まってから行動に移るという研究が多かった が,行動しているうちに意欲が高まる,すなわち「試しに やってみるうちに楽しくなり,意欲が向上する」ことがあ り得るのではないかと考える。本研究は,「方略を学び,使 用することで意欲が高まる」という行動の後に動機が高ま ることを前提としている。

 「結果に関わらず,試しにやってみる」ことは,Bandura

(1979)の提唱した自己効力(self-efficacy)で説明できる。

自己効力とは,その人のもつ自己の能力への確信の程度,信 頼感のことを指す,人間の行動を予測する重要な要因は自 己効力のような認知的要因である。

 そこで,本研究では,英語学習方略尺度作成を試みた後 に,英語学習方略が原因帰属,学習動機づけに与える影響 を検討することと,中学生と大学生の違いを明らかにする ことを目的とする。

方 法

<予備調査> 調査対象:首都圏と東北地方の高校教師,塾 講師,家庭教師経験者10名

調査内容:自由記述による回答 得られた回答から40項目 からなる英語学習方略を作成した。

<本調査> 調査対象:首都圏の中学2年生168名(男子88 名,女子80名,平均年齢13.63,SD=.49),首都圏と東北地 方 の 大 学 生517名( 男 性250名, 女 性264名, 平 均 年 齢 19.79,SD=1.46)

調査内容:1.英語学習方略 予備調査時に作成した英語 学習方略尺度を,「よくした」~「全くしなかった」までの 4件法で回答を得た。

2.原因帰属 定期テストの結果を想定した場面を教示し,

成功時と失敗時それぞれの場面における5種類(努力,方 略,運,課題の困難度,能力)の原因帰属について,「非常 にあてはまる」~「全くあてはまらない」という4件法で 回答を得た。

3.学習動機づけ尺度(Motivated Strategies for Learning Questionnaire,Paul R. Pintrich and Elisabeth V. De Groot(1990))「非常にあてはまる」~「全くあてはまら ない」という4件法で回答を得た。

結 果 と 考 察

 英語学習方略尺度について,主因子法・Promax回転に よる因子分析の結果,「リハーサル方略」「認知的方略」「リ ソース方略」の3因子が抽出された。

 英語学習方略と原因帰属の関係を確認するために,相関 係数を算出した。中学生は,成功時失敗時共通して学習方 略を使用するほど努力と方略に帰属する傾向があるが,大 学生は,成功時は努力に帰属するが方略には帰属せず失敗

時は方略に帰属するが努力には帰属しない傾向がみられた。

 英語学習方略が学習動機づけに与える影響を明らかにす るために,重回帰分析を行った。学習方略と自己効力の因 果関係について,中学生と大学生それぞれのパス図を Figure1. 2に記す。

 中学生は,全ての方略を使用することで自己効力が高ま るが,大学生は,リソース方略を行うことで自己効力が高 まるが,リハーサル方略は自己効力が低下することが明ら かになった。

 本研究では,学習方略が原因帰属と学習動機づけに与え る影響について,中学生と大学生を比較検討した。

 中学生は,方略の内容に関わらず統制可能な原因に帰属 することや,学習動機づけの高まりがみられたが,大学生 は,必ずしも関係があるとは認められなかった。大学生は 勉強方法が確立しているため,失敗時に勉強方法を見直そ うとすることと,これまでの学習経験からリハーサル方略 を避けたいと考えていることが示唆された。

 学習方略は,教授された後に採用して使用するかは学習 者自身が決定する。今後は,学習方略の教授方法を工夫す ることで「方略を学び,使用することで意欲が高まる」こ とをさらに検討していきたい。

英語学習方略が原因帰属,学習動機づけに与える影響

―中学生・大学生の比較―

The effects of English learning strategies gives causal attribution and learning motivation

―On Comparing the junior high school students and university ones―

早坂 昌子(Masako Hayasaka)  指導:青柳 肇

Figure1 学校別のパス解析結果(誤差変数は省略してある)

Figure2 学校別のパス解析結果(誤差変数は省略してある)

参照

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