聽覺に於ける骨傳導に關する研究
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(2) 1132. 中. 根. 喬. ス管 に 丁 度 入 り う る小 ガ ラ ス 管 を 挿 入 し て 両. が 分 る.低 音 部 で は純 音 に よ る理 論 的 な共 鳴. 開 き管(開 管)と し た も の を 外 聽 道 に 挿 入 し,. す る 気 柱 の 長 さ と一 致 し て い な い が,此 は 骨. ガ ラ ス棒 或 は 小 ガ ラ ス 管 を抜 き入 れ す る事 に. 導 子 の 不 完 全 或 は 骨 導 に よ り外 聽 道 内 空 気 に. よつ て 内 部 の 気 柱 の長 さを 種 々 に 変 え て 骨 導. 振 動 が 伝 え られ る時 に 倍 音 が 加 わ る為 の様 で. 聽 力 を 検 査 し た.. あ る.第1表. の ガ ラ ス管 の 長 さ に 外 聽 道 の長. さ約3.5cmを. 加 え た気 柱 の長 さ に つ い て 理. 2‑A型. オ ー デ ィオ メ ー ク ー の 骨 導 子 を 同 側. の 乳 様 突 起 に 当 て ゝ骨 導 音 を 充 分 よ く聽 き う. 論 的 に 検 べ て 見 る と,鼓 膜 に 定 常 波 の 腹 が 当. る 様 な 強 さ で,外. る様 に 気 柱 の長 さ が な つ た 時 音 が 大 き く感 じ. 聽 道 に挿 入 した ガ ラ ス 管 内. の 気 柱 の 長 さ を 種 々 に 変 え て,音. が 大 き く聞. られ,鼓. 膜 に 定 常 波 の 節 が 来 る様 な 気 柱 の長. え る 時 と小 さ く聞 え る時 の 気 柱 の長 さ を 検 べ. さ の時 音 が 小 さ く 聞 え て い る.例 え ばsC8. た.. (振 動 数1024)で B.. は 閉 管 を 用 い る と,管 長5cm. (全 気 柱5cm+3.5cm=8.5cm),. 実 験 成績及 び考 察. 閉 管 で も開 管 を 用 い た 時 で も,同 様 に 管 内. 25.5cm)の. 時 音 が 大 き く聞 え,12cm(全. 気. 時 小 さ く聞 え て い る.こ. の音. 気 柱 が 夫 々 一 定 の 長 さ だ け 変 化 す る毎 に 音 が. 柱15.5cm)の. 大 き く聞 え た り,小 さ く聞 え た り した.音. の 波 長 は約32cmで. の. 大 い さ の 変 化 に 何 れ の 音 で も大 差 は な い 様 で. は,定. あ っ た.第. 3 ≒24cmの /4λ. 一表 に 音 の大 い さ の変化 す るガ ラ. 所 に ,節 は1/2λ ≒16cmの. <は こ の 長 さ の 時 音. は 大 体 定 常 波 の 腹 が 鼓 膜 の所 に 出 来,音 が 小 さ くな る時 は 節 が 鼓 膜 の 位 置 に 出 来 る様 に な つ て い る.こ の 事 は,音. 外 聽 道 に可変 長 ガ ラス管 を挿 入 して.骨 伝 音 の大 き く聞 え る時 と小 さ く聞 え る時 の ガ ラ ス管 の 長 さ(cm)を 示 す. <. <は. この 長 さ の 時 音. が 少 さ く聞 え る事 を 示 す. 閉. 開. の 骨 導 の 際,外 聽 道. 壁 よ り振 動 が 外 聽 道 内 空 気 に 伝 え られ,之 が 気 導 の 時 の 様 に,鼓. 膜,聽. 小骨 を経 て内耳に. 伝 え ら れ て い る も の と 思 わ れ る.Schwabach5), Weber6)等. >は この 長 さの 時 音 が 大 き. く聞 え,>. 所に. 出 来 る筈 で あ る.故 に 音 が 大 き く聞 え る時 に. が 小 さ く聞 え た 事 を 示 す. 第1表. 管 の場 合 で. >は この. 表 わ し,<. 長 さ の 時 音 が 大 き く,>. あ る の で,閉. 常 波 の 腹 は 閉 鎮 論 よ り よ り λ/4≒8cm,. ス管 内 気 柱 の 長 さ を 測 定 し た 成 績 を示 す.数 字 は 気 柱 の長 さをcmで. 22cm(全 気 柱. の説 の 如 く,骨 導 に よ り 内 耳 に 伝. え られ た 振 動 の エ ネ ル ギ ーの 一 部 が 聽 小 骨, 鼓 膜 を 経 て 耳 外 に 逃 れ る もの で あ れ ば,鼓 膜 に 定 常 波 の 節 が 当 る様 な 時 に は エ ネル ギ ーの 耳 外 へ の逸 脱 が 少 くて 音 が 大 き く聞 え,鼓 膜. 管 C1. <2.5>10<16>20<25>. に 腹 が 当 る様 な 時 に は エ ネル ギ ー の 逸 脱 が 大. C2. <4.5>17<32>. き くな り音 が 小 さ く感 じ られ る筈 で あ る.. C3. <5>12<22>. C4. <1>5<9>13<17>21<25>. C5,C6の. C5 C6. <2.5>5<7>9.5<12.5>16<19> >2.5<3.5>4.5<5.5>6.5<7.5>8.5<. 気 の振 動 が 起 つ て い る事 を 示 して い る.従 つ. こ の実 験 で は,C4以. 管. てC5,G6の 同様,骨. C1. <45>49<53>56<. C3. <46>55<64>. C5. >45<47>49<51>53<55>. 高 音 で も骨 導 に 際 し,外 聽 道 内空. 高 音 を2000振 導 の 際,外. 動以 下 の低音 と. 聽 道 壁 よ り振 動 が外 聽 道. 内 空 気 に 伝 え ら れ,之. が 鼓 膜,聽. 小骨 を経 て. 内 耳 に 達 す る 伝 音 経 路 も あ る 事 を 示 し てい る.. こ の 成 績 か ら,外 聽 道 及 び ガ ラ ス 管 内 気 柱 の 長 さ が 一 定 に な っ た 時,気. 下 の 低 音 の み で な く,. 柱 が 共 鳴す る事.
(3) 聽覚に於け る骨伝導に関す る研究. 1133. 経 路 に よ る伝 導 は 少 い も の か と 思 わ れ るが,. Ⅱ. 骨導に際 し,外 聽 道内空 氣. Bが 之等高音に就 いてもAの 外聽道内空気 の. 振動 を直接聽取す る實驗 A.. 振 動 を 聽 取 し得 た 故,高. こ の経 路 に よ る音 の 伝 導 が あ る も の と考 え ら. 実 験方 法. 被 検 者Aの. 音 め 骨 導 に 際 し て も,. 乳 様 突 起 に2‑A型. メ ー ク ーの 骨 導 子 を 当 て,同. オ ー デ ィオ. れ る.. 側 の外 題 道 に オ Ⅳ. 考. トス コー プ の 一 端 を 挿 入 し,他 端 を被 検 者B の外 聽 道 に挿 入 し,Aの. 察. 外 聽 道 に 挿 入 し た ガ ラ ス管 の長 さ を,種. 骨 導 可 聽 閾 値 と,A. 々. の外 聽 道 内 空 気 の振 動 を オ トス コ ー プ に て 聞. に 変 化 さ し て骨 導 聽 力 を 検 査 し,一 定 の長 さ. くBの 可 聽 閾 値 とを 比 較 した.. だ け ガ ラ ス管 の長 さ が 変 化 す る 度 に 音 が 大 き. B. 実 験 成 績 及 び 考 察. く聞 こえ た り小 さ く聞 こ え た りす る事 が 分 つ. 第1図 に 示 す 如 く,骨 導 子 を 当 て たAの 外 聽 道 に オ トス コ ー プ を 挿 入 し て 聞 い たBの. 耳. た.こ. の 事 は 外 聽 道 内空 気 が 共 鳴 を 起 し て い. る事 を 示 し て い る.そ. し て 音 が 大 き く聞 こえ. に も音 を 聞 く事 が 出 来 た.そ. し て オ トス コ ー. る時 は,定. プに 綿 栓 を 固 く施 せ ば,Bの. 聽 覚 は 悪 くな つ. 長 さが な つ た 時 で あ り,定 常 波 の 節 が 鼓 膜 に. たの で,外 聽 道 内 空 気 の 振 動 をBは る もの と思 わ れ る.A,B両. 聽 い てい. 者 互 に交 替 して. 常 波 の 腹 が 鼓 膜 に 当 る様 に 気 柱 の. 当 る様 な 気 柱 の長 さ の時 に は 音 が 小 さ くな つ て い る.こ. の事 はSchwabach5)及. びWeber6). 等 の 説 の 如 く,内 耳 に 骨 導 に よつ て 伝 え られ た 振 動 の エ ネル ギ ー の 一 部 が 聽 小 骨,鼓. 膜を. 経 て 外 聽 道 内 空 気 に伝 え られ た もの で は な い 事 を 示 し て い る.Bekesy7)等. の 説 の如 く,骨. 導 に 際 し,外 聽 道 壁 よ り振 動 が 外 聽 道 内空 気 に 伝 え ら れ て,之 が 鼓 膜,小 聽 骨 に 経 て 内 耳 に 達 す る 事 を 意 味 し て い る も の と思 わ れ る. そ し て 外 聽 道 口を 塞 ぐ時 は,外 第1図.. Aの 骨 導 可 聽 閾 値 と,Aの. 外 聽道 内空. 気 の振 動 を オ トス コ ー プ に て 閾 い たBの 可 聽 閾 値 を示 す. ○ ― ○ Aの 骨 導 可 聽 閾値. × …… × B の 可聽 閾 値.C3以 下 の低 言 で は両 者 の差 が 殆 ん ど ない が,C4以. 上 の高音 で は 後 者 の 閾. 値 が 高 い.. 見 た が,ほ. 振 動 が 強 くな り骨 導 聽 力 が 増 加 す る も の で あ ろ う.2000振. 動 以 上 の高 音 で は,外 聽 道 口 を. 塞 ぐ事 に よつ て骨 導 可 聽 閾 値 の 下 降 は 認 め 難 い が,之. は 第 一 編 に述 べ た 如 く,鼓 膜 張 筋 の. 影 響 の 為 で あ ろ うと 思 わ れ る.又 高 音 で は 波 長 の 関 係 等 で外 聽 道 口を 塞 ぐ事 に よ り外 聽 道. ゞ同 様 の 成 績 が 得 られ た.C3以. 下 の 低 音 で はA,B両 しか っ た が,C4以. 聽道 内空 気 の. 者 の可 聽 閾値 は 略 々等 上 の 高 音 で は オ トス コ ー. プで 聞 い たBの 可 聽 閾 値 はAの. 骨 導 可聽 閾値. に 比 し,著 明 な 上 昇 を 示 し て い る.. 内 空 気 の振 動 が,低. 音 に 於 け る程 強 ま らな い. の で あ る か も知 れ な い. しか し,兎 に 角,高 音 と低 音 で 骨 導 の 際, そ の低 音経 路 に本 質 的 な差 異 が あ るの では な く,高 音 も低 音 も共 に 外 聽 道 壁 よ り外 聽 道 内. G3以 下の低音では両者 の閾値 が 大 体 等 し いので骨導に外聽道内空気 の振動が鼓膜,聽. 空 気 に 振 動 が 伝 え られ,之. 小骨を経 て内耳に達す る経路 が大きな役割を. 骨 導 を 行 う者 の 外 聽 道 内 空 気 の 振 動 を オ トス. 果た しているものではあるまいか と思おれ る. C4以 上 の 高 音 で はC3以. 下 の低 音 に比 しては. 外聽 道 の空 気 の振 動 は 弱 く,鼓 膜,聽 小 骨 の. が 鼓 膜,聽. 小骨を. 経 て 内 耳 に 達 して い る も の と 思 わ れ る. コ ー プ で 聞 き,両 者 の 可 聽 閾 値 を 比 較 す る と, C3以 下 の 低 音 で は,両 し く,C4以. 者 の 閾 値 が 殆 ん ど等.. 上 の高 音 で は,骨. 導 を 行 つ た者.
(4) 1134. 中. の 骨 導 可 聽 閾 値 よ り,オ. 根. 喬. トス コ ー プ で 聞 い た. くな っ た り小 さ くな っ た り した.鼓 膜 に 定 常. 者 の 可 聽 閾 値 の方 が,可 成 りの 高 い 値 を 示 し. 波 の 腹 が 当 る様 に 気 柱 の 長 さ が な り た 時 音 が. た.こ. れ か ら,C3以. 大 き く聞 え,鼓 膜 に 定 常 波 の節 が 当 る様 な 時. 際,外. 聽 道 の 空 気,鼓. 下 の低 音 で は,骨. 導の. 膜,聽 小 骨 を経 て 内 耳. に 伝 え られ る経 路 が 主 な 低 音 経 路 で,C4以. に 音 が 小 さ く聞 え て い る. 2). 上. 骨 導 を 行 っ た 被 検 者Aの. 外聽 道 内空気. の 高 音 で は,低 音 に 比 し,こ の 経 路 に よ る 低. の振 動 を オ トス コ ー プ に よ りBが 直 接 聽 取 す. 音 が 幾 分 少 く,骨 導 に よ り直 接 内 耳 に 達 す る. る事 が 出 来 た.Aの. 骨 導 可 聽 閾 値 と,オ. も の が 多 くな る 事 を 意 味 し て い る もの で は な. コ ー プ で 聞 い たBの. 可 聽 閾 値 を比 較 す れ ば,. い か と 思 わ れ る.. C3以 下 の低 音 で は 両 者 殆 ん ど 差 が な か っ た. 要 す るに,低. 音 と高 音 とで 骨 導 の 際,そ. の. 音 の伝 導 経 路 に 本 質 的 な 差 異 が あ るの で は な. が,C4以. 膜,聽. あ り,た. 小 骨 を 経 て 内 耳 に 達 す る経 路 が. ゞ高 音 と低 音 で は,波 長 の 長 短 等 の. 上 の 高 音 で は 後 者 の方 が 高 い 値 を. 示 した. 3). く,何 れ も振 動 は 外 聽 道 壁 よ り外 聽 道 内 空 気,鼓. トス. 以 上 の 実 験 成 績 よ り,骨 導 に は 低 音 で. も高 音 で も外 聽 道 内 空 気 か ら鼓 膜,聽. 小骨を. 経 て 内 耳 に 達 す る 伝 音 経 路 が あ り,C3以. 下. 為 に そ の伝 音 経 路 に 幾 分 量 的 な 差 異 が あ る も. の 低 音 で は こ の経 路 に よ る も の が 主 で,C4以. の と考 え られ る.. 上 の高 音 で は こ の経 路 に よ る伝 音 が 多 少 少 い も の と 思 わ れ る.低 音 と高 音 の 伝 音 経 路 の差. Ⅴ. 總 1). 括. は 質 的 な もの で は な く,量 的 な 差 で あ る と思. 長 さ を 変 え 得 る様 に した ガ ラ ス管 を 外. 聽 道 に挿 入 し て骨 導 聽 力 を 検 査 した.ガ. ラス. 管 の 外 側 端 が 開 い た もの で も閉 じた も の で も, 同 様 に,長. さ が 一 定 変 化 す る度 に,音. わ れ る. 御 指導 を賜 つ た林香苗 教授並 に西 田助教授 に深 く 感謝 致 します.. が大 き. 文 1). 2). Pohlmaz, Otol.,. (1925). Aubry,. M.. (1939) 3). A.. 1;. 橋 本 正 治;日. G. 35; et. J.. and. F.. W.. Krany;. Ann.. Kato,. 5). 113. Oh.. Giraud;. Presse. med.,. 6). 653. 耳 鼻.. Schwabach, 14;. (1949). 52;. 59.. 65,. 68,. 105,. 7). T.;. Pfluger's. Areh.. (1913). 150;. 569.. E.. Zeitechr.. H.;. Gesichte. (Politzer,. Bekesy,. 111.. D.;. f. Ohreoheilk.. (1885). d.. (1907). 61.. Weber, 1;. 108. 4). 献. G.. A.)よ K.;. Ann.. Ohrenheilk.. り. d.. Physik.,. (1932);. 13. ;.
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