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伴う残留応力の再配分を求めた.さらに,き裂進展挙動を把握するため

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月). Ⅰ‑115. 面外曲げ下の疲労き裂進展挙動に関する一考察 名古屋大学. 正会員. ○舘石. 和雄. 名古屋大学. 学生会員. 土屋. 啓佑. 東京鉄骨橋梁. 正会員. 柳沼. 安俊. 1.目的: 面外曲げを受ける T 字溶接継手を対象として,き裂進展に. Loading. 伴う残留応力の再配分を求めた.さらに,き裂進展挙動を把握するため. Initial crack Initial. に疲労試験を実施し,破壊力学による考察を加えた.. 0.5. 2.き裂進展経路の解析:き裂進展解析は,市販のき裂進展解析ソフト である Zencrack により行った.解析モデルを図-1 に示す.リブ厚を 10mm,. 6-30. 溶接脚長を 6mm とし,片側の溶接止端部に 0.5mm の初期き裂を導入し 100-400. た.主板の両端を固定し,リブに繰り返し載荷を行った.板厚や主板長 さを変えて行った 3 つの解析結果の例を図-2 に示す.図は横軸に溶接止 端部からの水平方向の距離を,縦軸に板厚方向の距離をそれぞれ板厚で 無次元化したものをとっており,き裂進展経路を示している.解析ケー. 図-1 解析モデル(Unit:mm) x/t 1. 0.8. 0.6. 0.4. 0.2. 0. スによってき裂の進展経路に差が生じていることがわかる.. 0 0.2. 3.残留応力の再配分:本研究では,き裂の進展による残留応力の再配 0.4. の節点を二重に定義したモデルを作成する.初期(き裂がない状態)で は二重節点間を拘束しておき,この状態で熱弾塑性応力解析を実施し,. y/t. 分挙動を以下のようにして模擬した.き裂進展経路に沿って,き裂面上 : Case1 : Case2 : Case3. 0.6 0.8. 残留応力分布を求める.次に,所定のき裂長までき裂面上の拘束を解放 し,その際の応力分布を求める.その後き裂長を変化させながら上記の 作業を繰返し行い,残留応力の再配分を再現した.. 1. 図-2 き裂進展経路の例. 熱弾塑性解析においては,左右の溶接部に対し同時かつ瞬間的に溶接 に伴う熱量が投与されるものと仮定し,有効溶接入熱量を 1,200J/mm とした.室温および鋼材の初期温度はと もに 288K とし,弾性係数,降伏応力,熱膨張係数,熱伝導率,比熱の温度依存性は鉄鋼便覧 1)を参考に与え た.単位体積重量は 7,860kg/mm3,ポアソン比は 0.3,熱放射率は 0.8 ,室温での降伏応力は 280MPa とした. 熱弾塑性応力解析により得られた初期残留応力分布の一例を図-3 に示す.図は,溶接止端部が存在する断面 における応力分布を表している.図-4 は図-2 に示した 3 つの解析ケースにおいて,き裂先端近傍におけるき 0. Residual stress (MPa) 200. 400. 0.2. x 0.4. y. 0.6. : σx. 0.8. : τx y. : σy. –100 0. Normalized crack depth. Normalized distance from weld toe. –200 0. 1. 0. Residual stress (MPa) 100 200 300. 400. 0.2 0.4 0.6. : Case1 : Case2 : Case3. 0.8 1. 図-3 初期残留応力分布. 図-4 残留応力の再配分. キーワード. 疲労,溶接残留応力,面外曲げ,応力拡大係数. 連絡先. 〒464-8603. 名古屋市千種区不老町. 名古屋大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻. ‑229‑. TEL052-789-3741.

(2) 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月). Ⅰ‑115. 240. Case. L (mm). t (mm). W (mm). Y.S. (MPa). U.S. (MPa). 1. 180. 12. 40. 350. 531. 2. 270. 22. 140. 436. 575. 3. 360. 19. 40. 383. 546. Stress range (MPa) 70 81* 120* 80 105* 100. W. 9. t. 表-2 試験体形状および疲労試験条件. 10. L. Stress ratio 0.41 0.32* 0.24* 0.087 0.061* -1.2. *き裂が停留後,200 万回載荷した後に変更. 図-5 試験体形状 裂面に直角な方向の残留応力とき裂長の関係を示したものであ る.全ての解析ケースにおいて,き裂の進展に伴い残留応力は 残留応力がほぼ消失している. 4.疲労試験:T 字溶接試験体に面外曲げを与えることにより 疲労試験を行った.試験体寸法及び試験条件は図-5 および表-2 に示すとおりである.すべてのケースにおいて疲労き裂は主板. Normalised crack depth. 次第に解放されていき,き裂が板厚の 6 割程度まで進展すると. 0.5. 2. 0.7 Crack arrest depth : 8.5mm. 0.8 0.9 ⊿K eff,th. 1. 板厚方向に進展した.Case1 では応力範囲 70MPa で試験中,き 裂が板厚方向に 8.5mm 進展した時点でき裂が停留した.応力範. したところ,き裂は再び進展しはじめ,破断に至った.Case2 においては応力範囲 80MPa で試験中き裂長 16mm にて停留した. 0.5 Normalized crack depth. 裂の進展がみられなかった.その後応力範囲を 120MPa に変更. ため,応力範囲を 105MPa に上げたところ破断に至った.Case3. 10. 0.6. 側の溶接止端部から発生し,止端部に沿って進展するとともに,. 囲を 81MPa に変更して試験を再開したが,200 万回載荷後もき. ⊿K eff (MPa√m) 6 8. 4. 2. Case 4 14 4. Stress range. Stress ratio. 70 (MPa) 81 (MPa) 120 (MPa). 0.41 0.32 0.24. ⊿K eff (MPa√m) 6 8. 4. 10. 0.6 0.7 Crack arrest depth : 16mm. 0.8 0.9. ではき裂長 29mm にて停留した.. Case. Stress range. Stress ratio. 7 27. 80 (MPa) 102 (MPa). 0.087 0.061. ⊿K eff,th. 1. 5.有効応力拡大係数による考察:板厚方向にき裂が進展する 場合,板厚の 6 割程度で残留応力が消失することが明らかとな. 0.5. 2. ⊿K eff (MPa√m) 6 8. 4. 10. 動を考慮した有効応力拡大係数を用いる必要がある.ここでは 田中らにより提案された次式 2)を用いて開口比 U を算出し,そ れにより有効応力拡大係数範囲ΔKeff を求めた.. U = min{ 1 / (R0 − R ) − K 0 / ∆K , 1 }. 2). ただし R0=0.9,K0=4.0MPa√m とした .図-6 にき裂長とΔKeff の関係を示す.破線は試験で観察されたき裂の停留位置を示し ている.また図中には JSSC で示されている下限界応力拡大係. Normalized crack depth. ったことから,き裂進展挙動を考える際には,き裂の開閉口挙 0.6 0.7 Crack arrest depth : 29mm. 0.8 Case 11 3. 0.9. Stress range. Stress ratio. 100 (MPa). –1.2. ⊿K eff,th. 1. 図-6. き裂長と Keff の関係. 数範囲ΔKeff,th(=2.9MPa√m)も示してある.すべてのケースに おいて,き裂が進展するにつれてΔKeff は減少する.ΔKeff がΔKeff,th 程度まで減少するき裂長さと実際のき裂 停留位置とはよく一致していることがわかる.また Case1,Case2 にて応力範囲を変更した際にみられたき裂 試験結果と一致している. の再進展においても,応力範囲変更後にはΔKeff が 5MPa√m 程度まで増加しており, 6.まとめ: 板厚方向に進展する疲労き裂の場合,板厚の 6 割程度まで進展すると溶接残留応力はほぼ消失 する.そのため,き裂の進展に対してはき裂の開閉口の影響を考える必要があるが,有効応力拡大係数によっ て進展挙動を説明することが可能である. 参考文献. 1) 日本鉄鋼協会:鉄鋼便覧,CD-ROM,2002.. 2) 日本鋼構造協会:鋼構造物の疲労設計指針・同解説,1993.. ‑230‑.

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