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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 獣 医 学 ) 宗 田 吉 広

    学位論文題名

    Studies on porclnelnterleukin−18 andinterleukin‐lbetaCOnVertingenZyme

(豚のインターロイキン18.とその変換酵素に関する研究)

学位論文内容の要旨

  インター口イキン18 (IL‑18)は、T細胞やNK細胞からのインターフ工口ンの 発現をIL‑12と相乗的に誘導し、Thl細胞の活性化とNK細胞活性を増強し、自然 免疫と獲得免疫の両者に関与するサイトカインとしてその免疫学的役割が注目さ れている。本研究では、豚における様々な疾病の病態形成におけるIL―18の役割 およびその予防・治療あるいはワクチンアジュバントヘの利用の可能性を検討す るため、まず、豚IL‑18のcDNAをク口ーニングし、組み換えタンパク質と特異 抗体の作出を試みた。次いで、IL―18を前駆体型から活性型へと変換するために必 須な酵素である豚IL‑lb変換酵素(ICE)遺伝子のクロ一二ングを行い、豚活性型 ILー18の効 率的 産生に 成功した。得られた成績は以下のように要約される。

1. 豚 IL‑18遺 伝 子 の ク 口 ー ニ ン グ と 組 み 換 え タ ン パ ク 質 の 発 現   リ ポポ リサ ッカラ イド(LPS)で 刺激し た豚 の肺 胞マク口ファージよりRNA を抽 出し 、cDNAを合 成し た。 豚IL‑18のs郁分 塩基 配列を基に、3RACE法によ り完全長の豚IL−18cDNAを得て、その塩基配列を決定した。豚IL−18のcDNAの オープンリーディングフレームは579塩基であり、192アミノ酸をコードしてい た。予想されるアミノ酸配列はヒト、マウス及びラットのIL―18のアミノ酸配列 とそれぞれ76.7%、64.7%および61.6%の相同性を示した。豚ILー18の前駆体型お よび活性型夕ンバク質をバキュ口ウィルスをべクターとして昆虫細胞Tn5中で発 現させた。

2.豚IL‑18に対する特異抗体の作製とその利用

  組み換えIL‑18に対するモノク口一ナル抗体を作出した。得られた抗体を用い、

ウェスタンブ口ット法で組み換え豚IL―18の検出、ならびにイムノアフイニティ ークロマトグラフイーにより生物活性を有する豚IL−18の精製が可能となった。

また、モノク口ーナル抗体を利用することにより、免疫組織化学染色や、サンド ウ ィッ チELISA法により、高感度に豚IL‑18を検出することが可能となった。

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3.豚IL‑lb変換酵素(ICE)のク口ーニング

  ヒト、マウス及びラットのICEのアミノ酸配列に基づいて設計したプライマ ー を 用い て 、RT‑PCR法 に よ り 、 豚ICEのcDNAを ク口ー ニン グし た。 得られ た豚ICEのcDNAの オープ ンリーディングフレームは1,215塩基であり、404ア ミノ酸をコードしていた。予想されるアミノ酸配列はヒト、マウス及びラット のICEのアミノ酸配列とそれぞれ72.5%、62.6%および64.1%の相同性を示した。

LPS刺 激豚 肺 胞 マク 口ファ ージ でのICE、IL‑lbおよ びIL‑18のmRNA発 現を調 べたところ、LPS刺激によりICEの発現は増強され、IL‑lbとIL−18は異なった 発現動態を示した。

4.豚活性型IL‑18の効率的生産

  通常、昆虫細胞は前駆体型IL‑18が活性型IL―18にプ口セッシングされるのに 必要と され るICEを 持た ない。そこで、豚ICEを発現する組み換えバキュ口ウ イルスを作製し、昆虫細胞内で発現させた。そして、昆虫細胞内でICEと豚前 駆体型IL‑18の共発現系により、豚活性型ILー18を培養上清中に効率よく分泌 させることに成功した。さらに、ICEの特異的阻害剤を用いたICE活性の阻害に より、昆虫細胞中での前駆体型IL‑18から活性型IL―18へのプ口セッシングも 阻害された。この方法により大量の組み換え豚活性型IL−18が得られるようにな り、豚における様々な疾病での病態形成におけるIL‑18の役割の研究、およびそ れら疾病の予防・治療あるしゝはワクチンアジュパントとしてのIL‑18の利用が可 能となった。

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学位論文審査の要旨 主査    教 授    小沼    操 副査    教 授    斉藤昌之 副査    教 授    喜田    宏 副査   助教授   大橋和彦

    学位論文題名

    Studies on porclnelnterleukin― 18 andinterleukin− lbetaCOnVertingenZyme

(豚のインターロイキン18とその変換酵素に関する研究)

  イ ン ター ロ イ キ ン18 (1118)は 、T細 胞やNK細胞から のインタ ーフウ ロンァの 発 現 をIL‑12と 相 乗 的 に 誘導 し 、Thl細 胞 の活 性 化 とNK細 胞活 性 を 増強 し 、 自然 免 疫 と獲得 免疫の両 者に関与 するサ イトカイ ントと してその 免疫学 的役割が 注目されてい る。 そ こ で、 豚IL‑18cDNAをク ロ ー ニン グ し 、組 み 換 えタ ン パ ク 質と特 異抗体の 作出を 試みた。 次いで、IL―18を前駆体型から活性型へと変換するために必須な酵素で ある豚IL‑1ロ変換酵 素(エCE)遺伝 子のク 口ーニン グを行い 、豚活 性型IL‑18の効率的 産生に つしゝて 検討した 。

  ま ずRACE法 に よ り 完 全 長 の豚IL‑18cDNAを 得て 、 そ の 塩基 配 列 を決 定 し た。 豚 IL18cDNAの オ ー プン リ ー ディ ン グ フレ ー ム は579塩基 で あ り 、192アミ ノ 酸を コード していた 。予想さ れるア ミノ酸配列はヒト、マウス及びラットのIL‑18のアミノ 酸配列 とそれぞ れ76.7%、64.7%および61.6%の相 同性を示した。組み換えエL‑18 対する モノク口 ーナル抗 体を作 出し、サンドイッチェライサ法により、高感度に豚IL‑

18を検出することを可能にした。

  次 に 、豚 エCEcDNAを ク 口 ーニ ン グ した 。 得 られ た 豚 エCEcDNAの オー ブ ンリ ーディ ングフレ ームは1215塩基であり、404アミノ酸をコードしていた。予想される アミ ノ 酸 配列 は ヒ ト 、マ ウ ス 及び ラ ッ トのICEの ア ミノ 酸配列 とそれぞ れ72.5%、

62.6%、64.1% の 相 同性 を示 した。通 常、昆 虫細胞は 前駆体 型IL‑18が 活性型IL‑18 にプロ セッシン グされる のに必 要とされ るICEを持たな い。そ こで、豚 エCEを発 現す る組み換えノヾキュロウイルスを作製し、昆虫細胞内で発現させた。そして、昆虫細胞内 ICEと豚 前 駆 体 型IL‑18の 共 発現 系 に より 、 豚 活性 型IL‑18を培 養上清中 に効率 よ く分泌させることに成功した。

本 研究は、 豚エL‑18の効率的な発現の成功により、豚の様々な疾病での病態形成にお

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け るIL‑18の役割の 研究、 およびそれら疾病の予防・治療あるいはワクチンアジュバン トとしてエL‑18の利用を可能とした。よって、審査員一同は宗田吉広氏が博士(獣医学)

の学位を受けるのに十分な資格を有するものと認めた。

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