情報処理センターの新システム
−大津地区および附属学校園−
滋賀大学教育学部 磯西 和夫、廣田 博 1. はじめに 私たちの滋賀大学では、その地理的要因から、 経済学部(彦根地区)と教育学部(大津地区)そ れぞれが独立して機器の構成を考えています。 また、教育学部においては、大学の学部のある 石山地区と附属学校園のある膳所地区、際川地 区の3地区でネットワークを構成しています。 2003 年 10 月の機器更新は、前回の 1998 年 と比較して大きな変化がありました。主に、 コンピュータとその周辺機器、さらにはこの 間に行われた学内ネットワークの状況の変化 は著しいものがありました。機器の小型化、 高速化、CRT から液晶モニタへの変換、イン ターフェイスの変化などであり、その結果各 種周辺機器の接続が比較的容易になりました。 また、高速のネットワーク通信速度も当たり 前になってきました。現在稼働している新し いシステムは、これらの変化を反映し、より 使いやすいものになっています。 今回設置した機器の利用上の注意事項、規 則などは情報処理センター分室が作成した利 用の手引きなどを参照してください。滋賀大 学教育学部のホームページ上の情報処理セン ター分室のところにも各種案内とともに掲載 しています。 2. 機器更新の基本的な考え方 今回の機器更新に当たって、以下の 3 点を 重要視しました。 (1) セキュリティの向上 (2) パソコンのメンテナンスの容易さ (3) プリンタの管理 コンピュータネットワークの発達から、個 人のレベルにおいてもインターネットに接続 することが当たり前のようになってきました。 その結果、ネットワーク接続に伴う種々のト ラブル(違法行為も含めて)が増加の一途を たどっていることは周知の通りです。ウィル スに関する話題が聞かれない日が無いような 気がするほどです。その意味でも、大津地区 のセキュリティをネットワークレベルで確保 することが必要となってきます。そのために、 できる限りの対策を講じました。教育学部の セキュリティの詳細に関しては、2.1 のネッ トワークセキュリティについて、を参照して ください。 大学の情報関連機器の重要な役割は、学部 および大学院教育そして研究活動への貢献で す。石山地区の3つの情報演習室と情報研究 開発室には、学部に所属している皆さんの授 業、日々の勉学、研究活動のための機器が設 置されています。後ほど機器構成などについ て説明しますが、これらの役割を支障なく果 たすために、情報演習室に設置している多数 の機器のメンテナンスに対して大きな労力が 必要でした。プリンタの管理についても同様 です。そこで、今回は3つの情報演習室と情 報研究開発室に設置したコンピュータ、およ びプリンタのメンテナンスと管理を改善する 仕組みを導入しました。 以上のようなことを実現するために、今回 の新しい情報機器のシステムを計画しました。 教育学部では、図 1 に示したように、講義棟 の 3 階にすべての施設が集中して配置されて います。今回、情報演習室と情報研究開発室 の配置の変更を行いました。設置されている 機器の利用のためのアカウントは情報処理セ ンター分室で取得できます。 3. ネットワークシステム サーバ類とネットワーク機器から構成され ています。 サーバ類は情報処理センター分室内に図 2 に示すように設置されています。教育学部の サーバは表 1 に示すように、ネットワークを 効率よく運用するためのネットワークサーバ と情報演習室の管理とメンテナンスのための 情報演習室用サーバから構成されています。 表を見て頂くとわかるように、安定した運用 のため、同一メーカーの同一機種で機能分担 させています。 現 在 用 い て い る 学 部 の ネ ッ ト ワ ー ク は 2001 年 8 月に更新されました。その全体像に ついては、滋賀大学情報処理センターニュー ス[1]を参照してください。4. 情報演習室 教育学部には第 1、2、3 情報演習室に合計 100 台(うち 2 台は教師用)のコンピュータ が配置されています。利用可能な周辺機器と ソフトウェアともに、その構成を表 2 に示し ます。それぞれの情報演習室のプリンタとス キャナはネットワーク対応になっていますの で、どのコンピュータからでも使用可能です。 用紙と読み取りサイズは A4 となっています。 プリントアウトされた用紙の左下にはユーザ ー名と印刷日時が印字されますのでプリント アウトした利用者の識別が可能になっていま す。これはプリンタ管理システムの一つの機 能です。また、プリンタの適切かつ公平な使 用を促進させるために、1 ヶ月あたりの印刷 枚数の制限を設けています。現在は 50 枚です。 いろいろご意見はあろうかと思いますが、有 効な利用を心がけるよう、ご理解頂ければと 考えています。 第 1 と 2 情報演習室は主として、学部授業 において使用されています。第 1、2、3 情報 演習室のコンピュータ台数の合計は以前と同 じですが、第 1、2 情報演習室に集中して設置 することで、演習室を利用する受講者数に柔 軟に対応できるようになりました。もちろん、 両演習室とも公開講座などにも使用されてい ます。 第 3 情報演習室には 10 台のコンピュータを 設置しました。第 3 情報演習室の役割はなん でしょうか。いろいろな制限のある中で、い かにして皆さんの利便をはかるか、という課 題を解決する一つの考え方として、情報コン セントを備えた部屋を用意し、利用者が許可 を受けた自分のコンピュータを学内ネットワ ークに接続して使えるようにしました。この OpenLAN については後ほど紹介します。 表 2 にはインストールしているソフトウェ アも示しました。情報演習室のコンピュータ は起動時のメニューで、WindowsXP と Red Hat Linux の 2 つの OS を選択して使うことができ ます。具体名があげられているソフトウェア てのコンピュータの全てのソフトウェアを一 度の操作で常に最適の状態に保つことが可能 となりました。作成したファイルは全てユー ザーごとにファイルサーバに保存されていま す。 情報演習室において授業が行われていない ときはレポートの作成、勉学などに自由に使 用することができます。利用時間は朝 9 時か ら午後 7 時までになっています。 演習室の様子を図 3 に示します。今回導入 したコンピュータは薄型の縦置きで液晶モニ タを採用していることから、今までと比較し て大分省スペース型となり、机の上も広く使 用できるようになりました。しかし、補助記 憶装置としては旧来からのフロッピードライ ブと CD-RW ドライブのみとなり、各コンピュ ータへの MO ドライブの採用は見送りました。 残念なことではありますが、理解をして頂け ればと思います。どうしても MO ドライブが必 要なときには情報処理センター分室事務室で 貸し出しています。 また、同じフロアの第 35 講義室には、今回 更新した機器とは別に 51 台のノートパソコ ンが 2 台のネットワークプリンタとともに教 育学部によって整備されており、授業等に使 用されています。また、この講義室では、遠 隔講義をすることが可能であり、全学共通科 目の遠隔講義を利用した実施が増えることも 含めて、今後さらに利用が進むものと思いま す。 5. 情報研究開発室 以上に示した情報演習室は授業での使用を 第一に考えて整備しました。教育学部の特徴 として、中学校の科目に対応する多様な分野 の教育と研究が行われています。この学校教 育教員養成課程のほかに、情報教育課程と環 境教育課程があります。そこで、卒業研究、 また院生の研究の助けとなるような機器とソ フトウェア類を情報研究開発室に整備しまし た。したがって、この機器を利用できるのは
使用しているノートパソコンが利用できるよ うに OpenLAN のための情報コンセントも設置 しています。 研究用パソコン 8 台は、インストールして いるソフトウェアによってデータ解析用 PC とマルチメディア PC に区別されます。目的に よって使い分けて利用するようになっていま す。また、動画のメディア交換とコンピュー タに取り込んでの編集も可能ですので、種々 のマルチメディア教材の作成ができます。学 生・院生のユーザーのプリントアウトの枚数 制限は1ヶ月あたり 80 枚になっています 6. 出力室 出力室は情報処理センター分室事務室の隣 にあります。普段あまりなじみがない場所か もしれません。カラープリンタ、B0 版までの ポスター印刷が可能なインクジェット方式の プロッタプリンタが設置されています。Mac と Windows 機がこの出力のために設置されて います。どしどし利用して頂ければと考えて います。利用対象者は教職員です。入室には カードキーが必要です。 7. 新しいサービス 以上は主として設備に関係することを述べ てきましたが、ここでは、今回の新しいシス テムからあるいは、相前後して開始された新 しいサービスについて説明していきます。 7.1 OpenLAN 一つは、OpenLAN です。既にこの名前を使 って情報演習室の説明をしていますが、昨年 の秋学期からサービスが始まっています。学 生や院生の個人所有のノートパソコンを滋賀 大学教育学部のキャンパス情報ネットワーク に 接 続 す る こ と が で き る サ ー ビ ス で す 。 OpenLAN というシールが張ってある情報コン セントのみで使用可能です。利用希望者は情 報処理センター分室に相談してください。第 3情報演習室・情報研究開発室の他にも、大 学院生および学生控室の一部、図書館にもコ ンセントを設けています。 7.2 Web メール 次に、学生用メール環境ですが、今までの 情報演習室のコンピュータにはメールソフト ウェアがインストールされていましたが、現 在は、Web メールのみになっています。Web ブラウザー上でメールのやり取りを行います。 したがって、OS を問わず一般的なブラウザー であれば基本的に使用可能です。学外(自宅) からでも大学のアカウントでメールの授受が 可能になりました。もちろん海外でも(日本 語の理解できるコンピュータが必要ですが)。 教育学部のホームページの「Web メールサ ービス」からアクセスが可能です。 教育学部教官・附属学校教官においては、 従来の POP 方式の電子メールサービスに付加 する形で Web メールのサービスが利用できる ようになりました。 8. 附属学校園 教育学部には附属小学校、附属中学校、附 属養護学校、附属幼稚園があります。これら の 4 つの附属学校園は、膳所地区と際川地区 (養護学校のみ)に分かれて存在しています が、石山地区とネットワークを構成しており、 各地区に今回設置された高機能なイントラネ ットサーバーは WWW ページの公開や学校教育 の場で活用されています。 この教育学部の新しいコンピュータシステ ムの紹介の作成において、情報処理センター 分室の西川尋美さんに多方面にわたってご協 力頂きました。最後になりましたが、お礼を かねて付記したいと思います。 文献 [1] 廣田 博, 滋賀大学情報処理センターニ ュース, Vol.15, pp.19-23.
表 1 サーバ類一覧
サーバ種別 ハードウエア機種 台数
ネットワーク監視装置 NETSCREEN NetScreen-204 1台
ネットワーク監視装置 CiscoSystems 4235 Sensor 1台
ネットワークサーバ SunMicrosystems Sun Fire V120 5台
ネットワークサーバ FUJITSU PRIMEPOWER 200 2台
ネットワークサーバ NetApp NetCache C1100 2台
管理サーバ SunMicrosystems Sun Fire V120 1台
管理PC端末 IBM ThinkPad G40 1台
管理PC端末 Toshiba DynaBook Satellite 4600 1台
サーバ種別 ハードウエア機種 台数
システム管理サーバ SunMicrosystems Sun Fire V120 3台
システム管理サーバ FUJITSU PRIMERGY P250 4台
システム管理サーバ FUJITSU PRIMERGY ES320 3台
ビデオサーバ FUJITSU PRIMERGY ES320 2台
ファイルサーバ NetApp NetApp F87 1台
メンテナンスPC FUJITSU FMV-C601 2台
メンテナンスPC FUJITSU FMV-655NU8C/L 2台
ネットワークサーバ
表 2 情報演習室の機器とソフトウェア構成 室名 場所 台数 OS 利用できるメディア ソフトウェア(全情報演習室共通分) 第1情報演習室 50台(生徒用) WindowsXP/ フロッピーディスク InternetExplorer 1台(教師用) Linux切替 CD-R Netscape CD-RW MicrosoftOfficeXP Professional スキャナ:1台 ※MOディスクは利用できません Word, Excel, PowerPoint, Access プリンタ:2台 Microsoft Visual Studio .NET <スクリーン・プロジェクタ・教材提示装置設置済み> BASIC, C++, C#
第2情報演習室 Microsoft Visual J# .NET 38台(生徒用) WindowsXP/ フロッピーディスク Java2 SDK
1台(教師用) Linux切替 CD-R Paint Shop Pro 7 CD-RW ホームページビルダー スキャナ:1台 ※MOディスクは利用できません タッチタイピングソフト プリンタ:2台 一太郎(第2,第3情報演習室のみ) <スクリーン・プロジェクタ・教材提示装置設置済み> 第3情報演習室 10台(生徒用) WindowsXP/ フロッピーディスク ハードウェア機種(全情報演習室共通) 教師用PCなし Linux切替 CD-R コンピュータ:富士通C601 スキャナ:1台 CD-RW スキャナ :EPSON ES2200 プリンタ:1台 ※MOディスクは利用できません プリンタ:IPSIO NX750(両面印刷可) <スクリーン・プロジェクタ・教材提示装置なし、白板のみ> ★OpenLAN用情報コンセント設置 表 3 情報研究開発室の機器とソフトウェア構成 室名 場所/種類 台数 OS 利用できるメディアなど ソフトウェア 情報研究開発室 高速演算サーバ 1台 Linux 日本語環境,X WindowsSystem, (Hewlett-Packard ProLiant ML350) プログラム言語(C,C++,Java,Fortran),
TeX,電子メール,ブラウザ データ解析用PC 5台 WindowsXP/ フロッピーディスク InternetExplorer マルチメディアPC 3台 Linux切替 DVD-R Netscape
(富士通W601) CD-R MicrosoftOfficeXP Professional CD-RW Word, Excel, PowerPoint, Access MOディスク(∼640MB) Microsoft Visual Studio .NET
BASIC, C++, C# Microsoft Visual J# .NET スキャナ 1台 35mm、ブローニ、4×5 一太郎
(EPSON ES2200) フィルムの読み取りも可能 Adobe Acrobat Java2 SDK カラープリンタ 1台 B5∼A3サイズ Paint Shop Pro (リコー IPSIO CX8200) 両面印刷可能 ホームページビルダー
データ解析用PCのみ Adobe Photoshop Elements モノクロプリンタ 1台 B5∼A3サイズ SPSS,SAS
(リコー IPSIO NX750) 両面印刷可能 マルチメディアPCのみ Adobe Digital Video Collection After Effects ★OpenLAN用情報コンセント設置 Premiere
Photoshop Illustrator
図 3 第 2 情報演習室