献
辞
経済学部会計情報学科教授の清水哲雄先生が平成7年3月末日をもって退官 されることになりました。 清水哲雄:先生は昭和5年2月福井県武生市に出生,同24年3月彦根経済専門 学校を卒業,さらに神戸経済大学経営学専門部専攻科で1年間学ばれたのち名 古屋大学に進み,同28年3月名古屋大学経済学部経営学科を卒業されました。 その後,家業従事と福井県立武生高等学校への勤務を経て,昭和43年4月には 滋賀大学経済短期大学部講師として母校に着任されました。そして,同46年4 月経済短期大学部助教授に昇任,同47年4月経済学部に配置替え,さらに同54 年11月経済学部教授に昇任され,以来今日まで併せて27年間にわたり本学の会 計学教育における中心的存在として学生の指導にあたってこられました。 清水哲雄先生の研究業績としては,情報会計の分野に関する3冊の著書があ ります。すなわち,昭和54年2月に滋賀大学経済学部研究叢書第4号として刊 行された『情報会計の基礎』,昭和56年5月に刊行された『コンピュータ会計』 (中央経済社),そして,昭和60年3月に刊行された『情報会計の理論』(中央 経済社)であります。この中で,『情報会計の理論』は清水哲雄先生の情報会計 研究の集大成ともいうべきものであり,これによって平成4年3月に名古屋大 学より博士(経済学)の学位を受けておられます。 会計学研究者としての清水哲雄先生のご功績は言うまでもないことでありま すが,あるいは,それ以上に本学にとりましては,行政職あるいは教育者とし ての先生のご貢献を忘れることはできないと思います。清水哲雄先生は,昭和 60年7月から同62年7月まで滋賀大学学生部長として,また,平成4年4月か ら同6年3月まで滋賀大学経済学部長として在職されました。この時期は,本 学にとって新学部設置計画の推進ならびに社会システム学科の新設など,全学 をあげての改組作業に追われた時期でもありました。そんな改革の時期にあっ て,清水哲雄先生は,誠心誠意,全学の衆知を結集することに努力されてこられました。ご在任中には必ずしもその充分な成果を見るに至っていませんが, その誠実なご努力は永く本学の歴史に記録されるものと確信しております。 教育者としての清水哲雄先生については特記されることが多くありますが, その中でも,永年にわたって学生たちの就職の指導をされたことは第1に挙げ られなければならないと思います。就職の面倒を見ることは,1人1人の学生 の将来が懸っていることからも実に大変なことです。それを,清水哲雄先生は 親身にまさる暖かさでもって指導されてこられました。本学を卒業していった 学生たちにとってその懇切なご指導振りは忘れがたいものとなっております。 清水哲雄先生は剣道教士7段の猛者でもあります。しかし,実に温厚な人柄 からは,そんな猛者ぶりは感じられません。それが学生たちに慕われる何より も大きな要因となっております。体育会を中心とする多くの学生たちにつねに 囲まれていた先生は,教育者としての満足感も大きかったのではないかと拝察 しております。 このように清水哲雄先生は,研究者として,行政職として,教育者として本 学に大きな足跡を残されました。そのご功績を記念して,滋賀大学経済学会は ここに退官記念論文集を謹呈したいと存じます。 ご退官後はくれぐれもご健康に留意され,本学のために今後も変わらぬご指 導を賜りますようにお願い申し上げます。 平成7年1月