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世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ── 最適都市規模の観点から

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Academic year: 2021

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(1)研究ノート. 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から 下 山 朗 . 1.はじめに 2014年5月の日本創生会議・人口減少問題検討分科会において、「2040年 には896の市区町村において若年女性(20-39歳)人口が半分以下となり、こ れらの市区町村は消滅する可能性がある」という推計が公表され、様々な地 域において大きなインパクトを与えて久しい。2008年に始まった人口減少は 今後加速度的に進み、各地域で急激な人口減少・少子化、が進行し様々な課 題が生じることが予測されている。とくに、都市圏と地方部では状況が異な り、多くは東京圏を主とした都市圏への人口流入が加速し、地方圏での人口 流出が進むことが見込まれている。人口減少がまちや生活へ与える影響をみ ていくと、次のようなものが考えられる(図1)。 必要とされる人口規模は、サービスの種類によって異なるが、ある市町村 に一般病院が80%(50%)以上の確率で立地するためには、27,500人(5,500 人)以上の人口規模が必要であることを示している。これらを下回ってサー ビスを提供するためには、公的な支援をする等の措置が必要といえる。また、 地方の行財政サービスについても、人口減少することによって住民一人当た りのコストが上昇していくことが予想され、人口減少が地域に与えるインパ クトは非常に大きい。 地方の行財政サービスを考えるうえで、もう一つ大切な要素が世帯数で ある。地方自治体の主要な財源の一つである、地方交付税交付金の算定は、 個々の「標準的な行政サービス」に必要な金額は、「単位費用」に「測定単 位」と「補正係数」を乗じて求められる。これは、地方自治体に一般的に必 地域創造学研究. 1.

(2) 研究ノート. 図1 人口規模とサービス施設の立地(三大都市圏を除く) 0~2,000人. 2,000~4,000人 4,000~6,000人. 6,000~8,000人. 8,000~1万人. 500人 飲食料品小売業【216,158】 2,500人 1,500人. 小売. 9,500人. 書籍・文房具小売業【24,630】 500人 2,500人 飲食店【325,141】 500人 酒場、ビアホール【66,081】 500人 旅館、ホテル【35,268】 ,. 7,500人. 銀行(中央銀行を除く)【8 678】 銀行(中央銀行を除く)【8,678】. 500人. 介護老人福祉施設【3,689】. 医療・福祉 医療・福祉 存在確率 =. 外国語教授業【3,514】 博物館、美術館【1,213】 32,500人 17,500人 77,500人 125,000人 学術・開発研究機関【2,537】 27,500人 97,500人. 一般病院【4,554】 6,500人 9,500人 17,500人 37,500人 救急告示病院【2,214】 通所・短期入所介護事業【8,044】 8,500人 27,500人 訪問介護事業【6,406】. 一定人口規模で当該産業の事業所が存在する市町村数 一定人口規模の全市町村数. X 100(%). 9,500人. 対企業サービス. 左端:存在確率50%. 22,500人. 32,500人. 右端:存在確率:80%. 42,500人 22,500人. 存在確率50% の人口規模. 存在確率80% の人口規模. 225,000人 175,000人 人 人 275,000人 救命救急センター施設【142】 375,000人. 225,000人 62,500人. 先進医療を実施する病院【241】. ※存在確率の算出においては、各人口 規模別の市町村数を考慮して、1万人 以下の市町村は1,000人毎、1万~10 万は5 000人毎 10万人以上は5万人 万は5,000人毎、10万人以上は5万人 毎に区分して計算。. 有料老人ホーム【1,293】. 125,000人. 52,500人. 自動車賃貸業【3,304】 47,500人 17,500人 27,500人. 50%. 人口規模. 175,000人. 大学【440】 地域医療支援病院【274】. 介護老人保健施設【2,368】 介護療養型医療施設【1,227】. 一定の人口規模の市町村のうち、当該産業の事業所が1つでも存在する市町村の割合(存在確率) が50%(左端)と80%(右端)を上回るような人口規模で、最も小さいもの(値は区間平均。 例えば、0~1,000人の市町村で最初に50%を超えた場合は500人と表記)。 例えば、0 1,000人の市町村で最初に50%を超えた場合は500人と表記)。 存在確率 100% 80%. 映画館【315】 87,500人. 52,500人. 音楽教授業【11,590】. 4,500人. 175,000人. 42,500人 62,500人 フィットネスクラブ【1,392】. 5,500人. 歯科診療所【30 966】 歯科診療所【30,966】. 275,000人. スターバックスコーヒー【345】. 金融商品取引業【1 182】 金融商品取引業【1,182】 27,500人 32,500人 57,500人 87,500人. 4,500人. 一般診療所【48,083】 2,500人 500人. 50万人~. 17,500人 37,500人 興行場、興行団【802】 57,500人 82,500人 カラオケボックス業【3,488】 27,500人 47,500人 結婚式場業【880】 175,000人 87,500人 音楽・映像記録物賃貸業【1,907】. 6,500人 5,500人 学習塾【24,717】. 500人. 20~50万人. 175,000人. 52,500人. 72,500人. 9,500人. 6,500人. 郵便局【12 457】 郵便局【12,457】. 学術研究、 教育・学習支援. 10~20万人. ハンバーガー店【2,541】 17,500人 遊戯場【12,070】. 500人. 5~10万人. 32,500人. 5,500人. 生活関連サービス. 金融. 2~5万人. 32,500人 47,500人 175,000人 225,000人 ペット・ペット用品小売業【2,299】 外車ディーラー3大ブランド【287】 77,500人 92,500人 22,500人 275,000人 ショッピングセンター 男子服小売業【10,773】 (売場面積15,000㎡以上)【491】 百貨店【100】. 喫茶店【28,777】 4,500人. 宿泊・飲食サービス. 1~2万人. 87,500人. インターネット付随サービス業【1,883】. 税理士事務所【11,063】 37,500人. 87,500人 57,500人. 公認会計士事務所【827】 77,500人. 275,000人. 法律事務所【 , 法律事務所【3,259】 】 62,500人. 経営コンサルタント業【4,026】. ※【 】内は全国(三大都市圏を除く)の施設総数. 出所:国土交通省『国土交通白書 2015』 図表1-2-3 (http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h26/hakusho/h27/)より。. 要なコストを表しており、それぞれどのような要因が影響を与えるかを類推 することができる。人口や特定のサービスに対応する人数がその中心ではあ るが、世帯数もいくつかの指標において用いられている1。また、市町村の 基本的な行財政サービスの一つである、ごみ収集や上下水道などの事業は世 帯内の人口が減少し、総人口が減少しても世帯数が大幅に減少しない限りは 必要なサービス(範囲)の減少にはつながらないと考えられる。このような ことから、行財政サービスのコストを削減するためには、人口だけでなく世 帯数についても検討する必要がある。 地方の行財政サービスのコストについては、規模の経済性を考慮した効率 化の研究が多くなされてきている。特に最適都市規模に関しては、様々な研 究が1990年代より進められており、市町村合併に関連したものが蓄積されて きている。行政権限の違い,地域特有の要因,混雑関数を考慮した費用関数 の定式化など様々なモデルが定式化されているが,基本的に1人当たり歳出 を人口と人口の二乗に回帰した係数より,平均費用を最小にする人口として 最適都市規模が求められているものが多い(中井 (1988)、吉村(1999)、佐藤 2.

(3) 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から. (2002)、林(2002)など)。しかしながら、これらの研究において、世帯数に ついて十分に検証したものはあまりみられない。 そこで本稿では、世帯数に着目し自治体の歳出の変化にどのような影響を 与えたのかについて最適都市規模の観点から考察を加えていく。本稿の構成 は以下のとおりである。まず2節では人口と世帯数の変化について概観し、 人口の変化のみに着目し、課題についてみていく。3節では歳出の変化に人 口や世帯数が与える影響について要因分析していく。4節では最適都市規模 の研究を援用し、人口だけでなく世帯数を用いて、重回帰分析により各費目 ごとの最適都市規模を算出し、人口と世帯数の変化が与える影響についてモ デルケースをもとに検証する。5節では奈良県内の各市町村のデータを用い て、理論値上の変化と実際の変化について考察を加えていく。. 2.人口と世帯数の変化 本節では、人口と世帯数の経年変化について見ていく。特に財政との関係 を考えるため、2010年から2015年にかけて自治体の財政力指数や、歳入歳出 がどのように変化したか検討していく。そこで、まず人口と世帯についてそ れぞれの変化率について、図示したものが図2である2。 第1象限は、人口総数が増加し世帯数も増加している自治体を表しており、 人口流入が進んでいる地域と考えられる。第2象限は、人口は減少している ものの世帯数が増加している自治体を表しており、人口減少が生じ始めた初 期の地域と考えられる。第3象限は、人口総数も世帯数も減少している地域 であり、人口減少が特に進んでいる地域と考えられる。第4象限は、人口は 増加しているものの世帯数は減少している自治体を表しており、特殊な事例 を含んだ地域と考えられる。 人口と世帯数の関係を考えるうえで、近年の人口減少がどのように起こっ ているかを考える必要がある。人口減少初期段階では、比較的移動可能な若 者世代が移動することによって、人口は流出しても世帯数の変化はなく、逆 に地域外からの流入により世帯数が増加することが考えられる。また、親子 で同居していた世帯で、子どもが新たに住居を購入する等で世帯分離する場 地域創造学研究. 3.

(4) 研究ノート. 図2 人口の変化と世帯数の変化(2015年/2010年) ӺӸӿ. 世帯数 ӺӸӾ. 第2象限 ӿӾӼ自治体. 第ӻ象限 ӼԃӼ自治体. ӺӸӽ. ӺӸӼ. ӺӸӻ. Ӻ ӷӺӸӾ. ӷӺӸӽ. ӷӺӸӼ. ӷӺӸӻ. Ӻ. ӺӸӻ. ӺӸӼ. ӺӸӽ. ӺӸӾ. 人口. ӷӺӸӻ. ӷӺӸӼ. 第3象限 ԂԀӾ自治体. ӷӺӸӽ. 第4象限 ӽ自治体. ӷӺӸӾ. ӷӺӸӿ. 出所:総務省『国勢調査』より筆者作成。. 合、人口は減少しないものの世帯数が増加することが考えられる。このこと から、人口は減少しているものの世帯数は増加している地域が多数現れたと 考えられる。 次に、これらの象限ごとに、歳入歳出がどのように変化したかについて、 人口と世帯の動向を踏まえて検討をしていく。まず、全自治体を対象に各象 限ごとにどのように変化したかを表したものが表1である。 表1より、財政力指数については、人口も世帯も増加している第1象限が 平均的に最も悪化していることが分かる。一方、歳出項目でみると、どの象 限においても基本的には増加傾向であるが、第2、第3象限も第1象限とほ とんど変わらない比率で歳出が伸びているケースがほとんどであり、唯一減 少しているのが職員数である。このことは、人口減少に伴って経費の削減を 行うために、仕事を減らすのではなく、職員数を減らすことによって削減し てきたことが理由として挙げられるだろう。 4.

(5) 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から. 表1 人口動向と財政関連指標 全自治体. 歳入(2015/2010) 歳出(2015/2010) 財政力指 うち地方交 歳入総額 うち地方税 歳出総額 うち議会費 うち総務費 うち民生費 うち衛生費 うち職員数 数 付税 自治体数. 単位:ポイント. 単位:%. 単位:%. 単位:%. 単位:%. 単位:%. 単位:%. 単位:%. 単位:%. 第1象限 人口+世帯+. 292. -0.05. 14.4%. 6.0%. 20.6%. 14.1%. 17.9%. 19.3%. 27.7%. 12.2%. 1.4%. 第2象限 人口-世帯+. 542. -0.03. 12.9%. 1.3%. 17.5%. 12.6%. 16.5%. 8.6%. 26.9%. 9.9%. -1.2%. 第3象限 人口-世帯-. 864. -0.02. 10.1%. -0.3%. 45.7%. 9.4%. 16.5%. 13.7%. 15.1%. 10.8%. -1.8%. 第4象限 人口+世帯-. 3. -0.06. 10.8%. 10.1%. 2.4%. 13.2%. 13.3%. 2.6%. 18.5%. 12.2%. 22.5%. 単位:%. 出所:総務省『国勢調査』および総務省『市町村別決算状況調』より筆者作成。. 3.歳出の変化に対する人口および世帯数の影響 すでに述べたように、行政サービスを提供する際の歳出は、規模の経済性 が働くものも多く、そのような行政サービスの場合、人口の減少が歳出の削 減を担保するわけではない。そこで、これらの歳出がどのような要因によっ て影響を受けているかについて考察を加えていく。 いま、各地域の歳出総額をEi、人口総数をPi、世帯数をHiとするならば、 歳出総額は、 (1) 式のようにあらわされる。. E𝑖𝑖 =. 𝐸𝐸𝑖𝑖. 𝑃𝑃𝑖𝑖. ×. 𝑃𝑃𝑖𝑖. 𝐻𝐻𝑖𝑖. × 𝐻𝐻𝑖𝑖. (1) . 右辺の第1項は、人口一人当たりの歳出を、第2項は一世帯当たりの人数 を、第3項は世帯総数を意味する。これは、他が同じであっても、世帯総数 が増加すれば、左辺の歳出総額は増加し、同様に一世帯当たり人数が増加す れば、歳出総額は増加し、一人当たり歳出総額が増加すれば歳出総額は増加 することを意味する。また第1項は一人当たりの歳出総額が増えるサービス 水準要因を意味し、第2項は一世帯あたりの人数要因を意味し、同一世帯で の人数の増加の影響が与える効果を表す。第3項は世帯数変化要因であり、 行政サービスのうち世帯に対して必要なサービスの変化が与える要因につい て検証することができる。 そこで、各歳出項目をこれらの3要因に分解し、2010年と2015年の変化に ついて見たものが表2である。. 地域創造学研究. 5.

(6) 研究ノート. 表2 歳出項目に与える要因分析(全自治体) 一人当たり総額 (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) $%. $%. $%. $%. $%. $%. 千人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 職員数. 歳出総額. 議会費. 総務費. 民生費. 衛生費. . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . 年度 全体. . (単位:人) (単位:世帯) %&. &. 世帯構成員. 世帯数. 年度. . . . . . . . . . . 変化. 出所:表1と同じ。 表2より、右側2つのコラムは、各変数に共通の要因である世帯数と世帯 構成員であり、上述した第2項、第3項にあたる。右側の6つのコラムが第 1項であり、費目ごとに表している。まず共通項である世帯構成員について は、2010年と2015年を比較して-0.13ポイント減少しており、他の変数の値が 変化しないのであれば、歳出項目に対してマイナスの影響を与えていること が分かる。一方、世帯数は増加していることから、歳出項目に対してプラス の影響を与えているといえる。これらの2つの変数の変化が歳出に共通に影 響を与えている項目である3。次に、各歳出項目について見てみると、すべ ての項目について、2015年にかけて増加しており、他の変数の値が変化しな いのであれば、一人当たり歳出額の増加が、歳出総額の増加に寄与している ことが分かる。個別にその理由について解釈していく。千人当たり職員数は、 職員数削減が人口減少のペースを下回っていることから増加していると考え られる。一人当たり歳出総額は、人口減少のペースを上回るほど歳出削減が 進んでいないこと、あるいは、高齢化が進んでいることによる民生費の増加 が影響を与えていると考えられる。一人当たり議会費、総務費、衛生費につ いては、人口が減少をしたからといって単純に費用が減少せず、結果的に一 人当たり費用が増加していると考えられるだろう4。 次に、2010年ベースの人口をもとに、人口区分ごとにこの値がどのように 変化したかについて見たものが、表3である5。 表3より、全体のケースと比べて大きな違いがあるのは、千人当たり職員 数、一人当たり総務費、一人当たり衛生費が挙げられる。人口100万人以上 の都市は、人口流入に伴って世帯数の増加および人口の増加が生じている地 6.

(7) 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から. 表3 歳出項目に与える要因分析(人口区分別) (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) (単位:千円) $%. $%. $%. $%. $%. $%. 千人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 一人当たり_. 職員数. 歳出総額. 議会費. 総務費. 民生費. 衛生費. . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . 年度 100万人以上. 50万~100万未満. 30万~50万未満. 10万~30万未満. 3万~10万未満. 1万~3万未満. 1万未満. (単位:人) (単位:世帯) %&. &. 世帯構成員. 世帯数. 年度. . . . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 変化. . . . . . . . . 変化. 100万人以上. 50万~100万未満. 30万~50万未満. 10万~30万未満. 3万~10万未満. 1万~3万未満. 1万未満. 出所:表1と同じ。 域が多く、その結果規模の経済性が発揮され、それらの費目の第1項が減少 していることが分かる。一方で、高齢化に伴う影響から、民生費については 増加していることも一般的な解釈と一致する6。人口が30万~50万未満ある いはそれ以下の自治体については、千人当たり職員数を除き、すべての第1 項が増加しており、全体のケースで分析した場合と同様の現象が生じている ことが分かる7。このことから、人口が小さな自治体ほど、より大きな財政 縮減が求められているにもかかわらず、必ずしもそれを達成できていない状 況であることが分かる。. 4.実証分析-世帯を考慮した歳出費目の最適都市規模の検討 本節では、一般的に最適都市規模の観点から分析されることの多かった市 町村の歳出と人口の関係について、世帯数を加えた重回帰分析により検討を 行う。推計に用いる式は先行研究を援用した (2)式である。. 地域創造学研究. 7.

(8) 研究ノート. (2) . ln⁡ 𝐸𝐸𝑖𝑖 = 𝛼𝛼 + 𝛽𝛽ln⁡(𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑖𝑖 ) + 𝛾𝛾(ln(𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑃𝑖𝑖 ))2 + 𝛿𝛿 ln(𝐻𝐻𝐻𝐻𝑖𝑖 ) + 𝜀𝜀𝑖𝑖. た だ し 、 i=1 ,‥ ‥ ,n. lnYiは、一人当たり歳出および職員数の対数、αは定数項、ln(POPi)と、 2 ln( POP i ) は、対数変換をした人口と人口の二乗を表す。ln( HH i )は、世. 帯 数 の 対 数 で あ り 、 β 、 γ 、 δ は パ ラ メ ー タ で あ り 、εi は 誤 差 項 を 表 す。すでに述べたように、先行研究では、住民一人当たり歳出と人口の 関係は規模の経済性が働き、U字型曲線で表されるとされ、人口と人口 の二乗項で説明されている。そのため、βは負、γは正であることが予 想 さ れ る 。 本 節 の分析では先行研究に加え、 世 帯 数 の 変 化 が 与 え る 効 果 に 着 目 し て い る。そのため、各歳出項目に お い て 世 帯 数 が 強 く 影 響 を与えている場合は、パラメータδの値が正であることが予想される。 表4 推計結果-職員数、決算総額、議会費、総務費、民生費、衛生費 推定費目 職員数 係数 切片 人口(対数). t値. 㻞㻚㻟㻞㻤. 㻔㻝㻝㻚㻝㻝㻕 㻖㻖㻖. 㻙㻜㻚㻡㻤㻞 㻔㻙㻝㻝㻚㻞㻣㻕 㻖㻖㻖. 決算総額 係数 㻝㻠㻚㻤㻝㻣. 議会費 係数. t値. 㻔㻢㻠㻚㻟㻞㻕 㻖㻖㻖. 㻥㻚㻠㻤㻣. 㻔㻢㻝㻚㻤㻠㻕 㻖㻖㻖. 㻙㻜㻚㻥㻣㻞 㻔㻙㻝㻣㻚㻝㻝㻕 㻖㻖㻖. 㻙㻜㻚㻟㻞㻜. 㻔㻙㻤㻚㻠㻡㻕 㻖㻖㻖. 人口(対数)^2. 㻜㻚㻜㻟㻣. 㻔㻝㻢㻚㻡㻥㻕 㻖㻖㻖. 㻜㻚㻜㻡㻝. 㻔㻞㻜㻚㻥㻞㻕 㻖㻖㻖. 㻜㻚㻜㻞㻥. 㻔㻝㻣㻚㻥㻡㻕 㻖㻖㻖. 世帯数(対数). 㻜㻚㻡㻠㻞. 㻔㻝㻜㻚㻡㻝㻕 㻖㻖㻖. 㻜㻚㻢㻢㻟. 㻔㻝㻝㻚㻣㻜㻕 㻖㻖㻖. 㻜㻚㻞㻢㻣. 㻔㻣㻚㻜㻤㻕 㻖㻖㻖. 自由度修正済 み決定係数. 㻜㻚㻥㻠㻡. 㻜㻚㻥㻟㻤. 㻜㻚㻥㻠㻥. サンプル数. 㻝㻘㻣㻜㻟. 㻝㻘㻣㻜㻟. 㻝㻘㻣㻜㻟. 総務費 係数. t値. 民生費 係数. 切片. 㻝㻠㻚㻣㻝㻢. 㻔㻠㻟㻚㻞㻣㻕 㻖㻖㻖. 㻤㻚㻝㻡㻤. 人口(対数). 㻙㻝㻚㻞㻟㻣 㻔㻙㻝㻠㻚㻣㻠㻕 㻖㻖㻖. 㻙㻜㻚㻜㻢㻞. 衛生費 t値. 係数. t値. 㻔㻠㻢㻚㻥㻥㻕 㻖㻖㻖. 㻝㻜㻚㻡㻠㻢. 㻔㻟㻞㻚㻝㻟㻕 㻖㻖㻖. 㻔㻙㻝㻚㻠㻡㻕. 㻙㻜㻚㻥㻠㻡 㻔㻙㻝㻝㻚㻢㻤㻕 㻖㻖㻖. 人口(対数)^2. 㻜㻚㻜㻡㻝. 㻔㻝㻟㻚㻥㻣㻕 㻖㻖㻖. 㻜㻚㻜㻞㻝. 㻔㻝㻝㻚㻝㻞㻕 㻖㻖㻖. 㻜㻚㻜㻟㻞. 㻔㻥㻚㻟㻝㻕 㻖㻖㻖. 世帯数(対数). 㻜㻚㻣㻣㻣. 㻔㻥㻚㻞㻥㻕 㻖㻖㻖. 㻜㻚㻡㻣㻥. 㻔㻝㻟㻚㻡㻣㻕 㻖㻖㻖. 㻝㻚㻜㻠㻞. 㻔㻝㻞㻚㻥㻝㻕 㻖㻖㻖. 自由度修正済 み決定係数. 㻜㻚㻤㻝㻝. 㻜㻚㻥㻣㻣. 㻜㻚㻤㻥㻜. サンプル数. 㻝㻘㻣㻜㻟. 㻝㻘㻣㻜㻟. 㻝㻘㻣㻜㻟. 出所:筆者作成。 8. t値.

(9) 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から. 使用するデータは、2015年の「市町村決算状況調」より各歳出項目の金額 を用い、人口と世帯数については、「国勢調査」より用いた。また、歳出項 目のうち推計に用いた項目は、職員数、決算総額、議会費、総務費、民生費、 8 衛生費の6種類である(表4) 。. 表4より多くの先行研究と同様に、人口およびその二乗項については、す べての項目において符号条件は満たされている。また民生費の人口の項を除 き、その他のケースではすべて1%の有意水準で有意となり、人口および人 口の二乗項が各費目に影響を与えている結果となった9。このことから、最 適都市規模を超えた自治体においては、人口が減少することによって費用は 減少するものの、それ未満の自治体では、人口減少の効果を二乗項の影響が 上回ることにより、費用は増加することとなる10。一方、世帯数については、 すべての費目について、プラスで有意となっており、世帯数が増えるほど各 費目にプラスの影響を与えることが分かる。このことから、人口が減少し世 帯数が増加している多くの自治体では、一人当たりの各費用は増加する恐れ 資料1 モデルケースの設定 A 基準ケース:人口20万人、世帯数80,972世帯(1世帯人員2.47人) の各費目の理論値11 A-2人口、1世帯人員一定ケース:人口19万人、世帯数76,923世帯 (1世帯人員2.47人)の各費目の理論値 A-3人口減、1世帯人員増ケース:人口19万人、世帯数80,169世帯 (1世帯人員2.37人)の各費目の理論値12 B 基準ケース:人口10万人、世帯数40,486世帯(1世帯人員2.47人) の各費目の理論値 B-2人口、1世帯人員一定ケース:人口9.5万人、世帯数38,462世帯 (1世帯人員2.47人)の各費目の理論値 B-3人口減、1世帯人員増ケース:人口9.5万人、世帯数40,084世帯 (1世帯人員2.37人)の各費目の理論値12. 地域創造学研究. 9.

(10) 研究ノート. があることが分かる。そこで次に、これらの影響をより明示的に検討するた めに、これらの推計値をもとに、人口20万人および人口10万人の自治体をモ デルケースにした場合の各費目の変化についてみていく。用いた設計は以下 のとおりである(資料1) 。 Aのケースは、人口20万人を基準とし、そこから1世帯人員が5年間で 5%減少したケースを想定している。A-2は1世帯人員が変化しないケース. ースで考え. であり、A-3は1世帯人員が2010年から2015年にかけて0.10人減少したこと をもとに、2.37人に減少した場合の世帯数を対象にしたケースである。Bの ケースは、人口10万人を基準とし同様の比率で設定したものである。両ケー スともA-3,B-3において、人口は減少しているものの、世帯数はほとん 表5 Aケース 人口20万人の場合の変化 歳出_①_ 歳出_②_決 歳出_③_ 歳出_④_ 歳出_⑥_ 歳出_⑤_民 職員数 算総額(千 議会費 総務費(千 衛生費(千 生費(千円) (人) 円) (千円) 円) 円) 基準ケース(A). 㻥㻟㻣㻚㻠. 㻣㻜㻘㻣㻡㻤㻘㻥㻥㻜. 㻠㻞㻤㻘㻡㻤㻣. 㻤㻘㻞㻡㻜㻘㻤㻝㻟 㻞㻠㻘㻟㻥㻥㻘㻤㻣㻠. 㻢㻘㻝㻟㻞㻘㻣㻤㻣. 1世帯人員-変化なし (A-2). 㻤㻥㻣㻚㻜. 㻢㻣㻘㻠㻟㻞㻘㻞㻟㻠. 㻠㻝㻠㻘㻟㻜㻝. 㻣㻘㻥㻟㻝㻘㻜㻡㻢 㻞㻟㻘㻝㻡㻤㻘㻤㻞㻝. 㻡㻘㻤㻡㻥㻘㻡㻟㻢. (基準との変化率). 㻔㻙㻠㻚㻟㻑㻕. 㻔㻙㻠㻚㻣㻑㻕. 㻔㻙㻟㻚㻟㻑㻕. 1世帯人員-減少 㻔㻭㻙㻟㻕. 㻥㻝㻣㻚㻟. 㻢㻥㻘㻟㻜㻠㻘㻥㻣㻠. 㻠㻝㻤㻘㻥㻜㻝. (基準との変化率). 㻔㻙㻞㻚㻝㻑㻕. 㻔㻙㻞㻚㻝㻑㻕. 㻔㻙㻞㻚㻟㻑㻕. 㻔㻙㻟㻚㻥㻑㻕. 㻔㻙㻡㻚㻝㻑㻕. 㻤㻘㻝㻤㻥㻘㻤㻢㻡 㻞㻟㻘㻣㻞㻜㻘㻝㻜㻝 㻔㻙㻜㻚㻣㻑㻕. 㻔㻙㻞㻚㻤㻑㻕. 㻔㻙㻠㻚㻡㻑㻕. 㻢㻘㻝㻝㻣㻘㻠㻥㻠 㻔㻙㻜㻚㻞㻑㻕. 出所:筆者作成。 表6 Bケース 人口10万人の場合の変化 歳出_①_ 歳出_②_決 歳出_③_ 歳出_④_ 歳出_⑥_ 歳出_⑤_民 職員数 算総額(千 議会費 総務費(千 衛生費(千 生費(千円) (人) 円) (千円) 円) 円) 基準ケース(B). 㻡㻞㻡㻚㻠. 㻟㻣㻘㻣㻢㻞㻘㻢㻡㻟. 㻞㻣㻠㻘㻢㻞㻢. 㻠㻘㻥㻠㻢㻘㻟㻤㻟 㻝㻞㻘㻝㻢㻝㻘㻡㻤㻥. 㻟㻘㻟㻢㻜㻘㻤㻜㻝. 1世帯人員-変化なし (B-2). 㻡㻜㻠㻚㻜. 㻟㻢㻘㻝㻝㻤㻘㻢㻜㻞. 㻞㻢㻢㻘㻜㻞㻡. 㻠㻘㻣㻣㻝㻘㻣㻥㻠 㻝㻝㻘㻡㻡㻥㻘㻤㻣㻤. 㻟㻘㻞㻝㻤㻘㻠㻤㻢. (基準との変化率). 㻔㻙㻠㻚㻝㻑㻕. 㻔㻙㻠㻚㻠㻑㻕. 㻔㻙㻟㻚㻝㻑㻕. 1世帯人員-減少 㻔㻮㻙㻟㻕. 㻡㻝㻡㻚㻠. 㻟㻣㻘㻝㻞㻝㻘㻢㻥㻠. 㻞㻢㻤㻘㻥㻣㻥. (基準との変化率). 㻔㻙㻝㻚㻥㻑㻕. 㻔㻙㻝㻚㻣㻑㻕. 㻔㻙㻞㻚㻝㻑㻕. 出所:筆者作成。 10. 㻔㻙㻟㻚㻡㻑㻕. 㻔㻙㻠㻚㻥㻑㻕. 㻠㻘㻥㻞㻣㻘㻡㻜㻥 㻝㻝㻘㻤㻠㻜㻘㻜㻠㻠 㻔㻙㻜㻚㻠㻑㻕. 㻔㻙㻞㻚㻢㻑㻕. 㻔㻙㻠㻚㻞㻑㻕. 㻟㻘㻟㻢㻜㻘㻝㻣㻡 㻔㻙㻜㻚㻜㻑㻕. ースで考え.

(11) 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から. ど減少していないケースであり、現実の状況をある程度表しているものとも 考えられる。そこで、Aのケースについて見たものが表5であり、Bのケー スについて見たものが表6である。 表5、6より、推計値をもとにした変化では、それぞれ1世帯人員が変化 しないケース(A-2 or B-2)では、各費目ともすべて減少しているものの、 1世帯人員が減少し、世帯数の減少がそれほど見込まれないケースにおいて は、減少幅が小さくなっていることが見て取れる。特に、総務費や衛生費に ついてはほぼ変化がみられていない。このことから、3節でみてきたように、 人口が減少しても世帯数が増加するケースにおいては、これらの値はプラス になったと考えられる。そのため、自治体の歳出の変化を考える際に必ずし も人口減少だけに着目するのではなく、世帯数の変化にも着目したほうが望 ましいといえるだろう。. 5.奈良県内自治体を対象とした検討 次に奈良県の各市町村について、2010年から2018年にかけて人口および世 帯数がどのように変化したかについて見ていき、各歳出項目の変化について 検討をしていく。まず人口と世帯数の変化について見たものが表7である。 表7より、奈良県内の各市町村の2010年と2018年の人口変化、世帯数変化 を見ると、人口は多くの自治体で減少しており、増加しているのは、生駒市、 香芝市、葛城市、三郷町、王寺町、広陵町とその多くは大阪府に面している 地域のみとなっている。一方世帯数については、半数以上の自治体で増加し ており、前節までで述べてきた、人口減少かつ世帯数増加の地域に区分され る自治体が多数存在する。 そこで、2010年から2018年の人口変化、世帯数の変化が各市町村の費目の 理論値にどの程度影響を与えうる可能性があるのかを検討するため、3節で 求めた推計式を用いて、各市町村の費目ごとの理論値を推計し、その変化率 についてみていく(表8) 。 表8より、人口変化率は10%以上減少した地域が最も多く、18自治体と なっている。一方世帯数は、増加している自治体と減少している自治体がほ 地域創造学研究. 11.

(12) 研究ノート. 表7 奈良県内各市町村の人口変化および世帯数の変化 (2018/2010) (2018/2010) 㻖㻝㻜㻜 㻖㻝㻜㻜 人口_2010 人口_2018 世帯_2010 世帯_2018 人口変化率 世帯数変化率 

(13) 

(14) 奈良市 㻟㻢㻡㻘㻝㻞㻜 㻟㻡㻡㻘㻟㻡㻜 㻝㻡㻠㻘㻟㻞㻟 㻝㻢㻞㻘㻜㻟㻣 

(15) 

(16) 大和高田市 㻢㻤㻘㻟㻜㻠 㻢㻞㻘㻠㻤㻥 㻞㻥㻘㻞㻜㻞 㻞㻥㻘㻤㻡㻠 

(17) 

(18) 大和郡山市 㻤㻤㻘㻣㻝㻡 㻤㻡㻘㻠㻜㻡 㻟㻢㻘㻡㻞㻟 㻟㻣㻘㻥㻣㻣 

(19) 

(20) 天理市 㻢㻥㻘㻥㻟㻠 㻢㻡㻘㻥㻠㻞 㻞㻥㻘㻢㻥㻡 㻞㻥㻘㻥㻟㻤 

(21) 

(22) 橿原市 㻝㻞㻠㻘㻠㻥㻠 㻝㻞㻞㻘㻠㻞㻞 㻠㻥㻘㻥㻡㻟 㻡㻟㻘㻝㻡㻢 

(23) 

(24) 桜井市 㻡㻥㻘㻣㻤㻞 㻡㻡㻘㻡㻣㻞 㻞㻟㻘㻢㻢㻤 㻞㻠㻘㻢㻣㻝 

(25) 

(26) 五條市 㻟㻠㻘㻠㻠㻥 㻞㻥㻘㻝㻢㻝 㻝㻟㻘㻤㻢㻝 㻝㻟㻘㻢㻞㻡 

(27) 

(28) 御所市 㻞㻥㻘㻥㻜㻥 㻞㻡㻘㻠㻡㻣 㻝㻞㻘㻢㻝㻞 㻝㻞㻘㻜㻤㻠 

(29) 

(30) 生駒市 㻝㻝㻣㻘㻟㻟㻥 㻝㻝㻣㻘㻠㻝㻝 㻠㻢㻘㻠㻣㻤 㻡㻜㻘㻜㻢㻝 

(31) 

(32) 香芝市 㻣㻡㻘㻝㻟㻠 㻣㻤㻘㻡㻠㻞 㻞㻣㻘㻢㻟㻣 㻟㻝㻘㻝㻟㻥 

(33) 

(34) 葛城市 㻟㻡㻘㻢㻢㻟 㻟㻣㻘㻜㻞㻤 㻝㻟㻘㻜㻥㻢 㻝㻠㻘㻢㻡㻝 

(35) 

(36) 宇陀市 㻟㻠㻘㻜㻤㻢 㻞㻥㻘㻞㻟㻢 㻝㻟㻘㻞㻟㻡 㻝㻞㻘㻥㻣㻝 

(37) 

(38) 山添村 㻠㻘㻝㻞㻜 㻟㻘㻟㻤㻥 㻝㻘㻟㻠㻞 㻝㻘㻟㻠㻝 

(39) 

(40) 平群町 㻝㻥㻘㻣㻣㻢 㻝㻤㻘㻟㻢㻞 㻣㻘㻣㻢㻝 㻣㻘㻥㻢㻟 

(41) 

(42) 三郷町 㻞㻞㻘㻥㻡㻤 㻞㻟㻘㻟㻤㻝 㻥㻘㻣㻟㻡 㻝㻜㻘㻠㻠㻜 

(43) 

(44) 斑鳩町 㻞㻣㻘㻣㻞㻟 㻞㻣㻘㻟㻥㻠 㻝㻝㻘㻜㻟㻤 㻝㻝㻘㻣㻠㻞 

(45) 

(46) 安堵町 㻣㻘㻤㻢㻠 㻣㻘㻟㻡㻤 㻟㻘㻟㻤㻞 㻟㻘㻠㻥㻜 

(47) 

(48) 川西町 㻤㻘㻣㻡㻡 㻤㻘㻠㻞㻠 㻟㻘㻟㻣㻣 㻟㻘㻢㻞㻣 

(49) 

(50) 三宅町 㻣㻘㻠㻤㻜 㻢㻘㻣㻞㻢 㻞㻘㻤㻤㻥 㻟㻘㻜㻞㻞 

(51) 

(52) 田原本町 㻟㻞㻘㻠㻝㻟 㻟㻝㻘㻝㻠㻞 㻝㻝㻘㻥㻞㻜 㻝㻞㻘㻣㻤㻣 

(53) 

(54) 曽爾村 㻝㻘㻥㻜㻞 㻝㻘㻠㻟㻝 㻣㻟㻜 㻢㻥㻡 

(55) 

(56) 御杖村 㻞㻘㻜㻣㻥 㻝㻘㻡㻣㻤 㻤㻥㻥 㻤㻞㻡 

(57) 

(58) 高取町 㻣㻘㻡㻥㻢 㻢㻘㻤㻤㻞 㻞㻘㻤㻥㻝 㻞㻘㻤㻣㻡 

(59) 

(60) 明日香村 㻡㻘㻤㻡㻠 㻡㻘㻟㻟㻥 㻞㻘㻝㻠㻞 㻞㻘㻝㻢㻞 

(61) 

(62) 上牧町 㻞㻟㻘㻣㻤㻡 㻞㻝㻘㻠㻤㻠 㻥㻘㻢㻣㻡 㻥㻘㻥㻠㻞 

(63) 

(64) 王寺町 㻞㻞㻘㻞㻠㻢 㻞㻟㻘㻣㻟㻟 㻥㻘㻝㻥㻤 㻝㻜㻘㻟㻢㻡 

(65) 

(66) 広陵町 㻟㻟㻘㻡㻟㻥 㻟㻟㻘㻢㻜㻢 㻝㻝㻘㻠㻞㻝 㻝㻟㻘㻜㻟㻢 

(67) 

(68) 河合町 㻝㻤㻘㻢㻣㻜 㻝㻣㻘㻟㻢㻥 㻣㻘㻢㻠㻡 㻣㻘㻣㻥㻜 

(69) 

(70) 吉野町 㻤㻘㻢㻞㻥 㻢㻘㻢㻣㻠 㻟㻘㻢㻞㻟 㻟㻘㻟㻝㻣 

(71) 

(72) 大淀町 㻝㻥㻘㻝㻥㻜 㻝㻣㻘㻝㻣㻥 㻣㻘㻢㻞㻝 㻣㻘㻠㻜㻤 

(73) 

(74) 下市町 㻢㻘㻤㻝㻜 㻡㻘㻝㻡㻡 㻞㻘㻢㻤㻠 㻞㻘㻠㻣㻜 

(75) 

(76) 黒滝村 㻤㻢㻣 㻢㻜㻡 㻠㻜㻞 㻟㻢㻠 

(77) 

(78) 天川村 㻝㻘㻡㻟㻞 㻝㻘㻞㻠㻜 㻣㻡㻤 㻢㻣㻠 

(79) 

(80) 野迫川村 㻢㻠㻥 㻟㻤㻣 㻞㻣㻜 㻞㻟㻜 

(81) 

(82) 十津川村 㻟㻘㻥㻟㻠 㻟㻘㻞㻞㻠 㻞㻘㻜㻝㻡 㻝㻘㻣㻤㻥 

(83) 

(84) 下北山村 㻝㻘㻜㻣㻤 㻣㻥㻥 㻢㻡㻞 㻡㻣㻣 

(85) 

(86) 上北山村 㻢㻤㻞 㻠㻠㻡 㻟㻡㻥 㻟㻜㻡 

(87) 

(88) 川上村 㻝㻘㻢㻜㻣 㻝㻘㻝㻤㻢 㻥㻟㻝 㻤㻜㻥 東吉野村 

(89) 

(90) 㻞㻘㻝㻝㻝 㻝㻘㻡㻢㻟 㻝㻘㻜㻣㻤 㻥㻟㻣 

(91) 

(92) 小計 㻝㻘㻟㻥㻢㻘㻣㻣㻤 㻝㻘㻟㻠㻜㻘㻜㻣㻜 㻡㻢㻢㻘㻣㻞㻝 㻡㻥㻟㻘㻝㻠㻢. 出所:奈良県各市町村「住民基本台帳」より作成。 ぼ拮抗している。理論値上の各費目の変化を見ると、職員数、議会費、民生 費については単純平均で減少が見込まれるものの、歳出総額、総務費、衛生 12.

(93) 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から. 表8 各費目ごとの理論値の変化と実績値の変化 人口変化 世帯数変 率 化率. 㻜 㻝 㻡 㻢 㻥 㻝㻤. +10%~ +5~+10% 0~+5% -5%~0% -5~-10% -10%~ 単純平均値. 㻠 㻢 㻝㻝 㻣 㻠 㻣. 㻙㻝㻞㻚㻜㻑 㻙㻜㻚㻠㻑 総務費 理論 実績. 職員数 理論 実績. 決算総額 理論 実績. 議会費 理論 実績. 㻜 㻠 㻝㻞 㻝㻣 㻢 㻜. 㻥 㻞 㻥 㻡 㻢 㻤. 㻜 㻣 㻞㻜 㻝㻝 㻝 㻜. 㻝㻞 㻡 㻤 㻡 㻟 㻢. 㻜 㻝 㻝㻜 㻝㻢 㻝㻞 㻜. 㻝㻡 㻥 㻣 㻢 㻞 㻜. 㻙㻜㻚㻠㻑. 㻜㻚㻢㻑. 㻝㻚㻣㻑. 㻠㻚㻣㻑. 㻙㻞㻚㻝㻑. 㻥㻚㻜㻑. 民生費 理論 実績. 衛生費 理論 実績. +10%~ +5~+10% 0~+5% -5%~0% -5~-10% -10%~. 㻡 㻝㻟 㻝㻥 㻞 㻜 㻜. 㻝㻟 㻟 㻟 㻞 㻟 㻝㻡. 㻜 㻠 㻤 㻝㻜 㻢 㻝㻝. 㻟㻟 㻟 㻝 㻜 㻝 㻝. 㻡 㻝㻢 㻝㻠 㻠 㻜 㻜. 㻝㻣 㻟 㻟 㻡 㻠 㻣. 単純平均値. 㻡㻚㻢㻑. 㻤㻚㻥㻑. 㻙㻟㻚㻣㻑. 㻞㻜㻚㻡㻑. 㻡㻚㻟㻑. 㻝㻞㻚㻢㻑. 出所:「市町村別決算状況調」より筆者作成。. 費については増加すると見込まれる。次に理論値と実績値の違いについて見 ていく13。職員数については、理論値では減少している自治体が多いものの、 実績値ではむしろ増加している割合が高い。決算総額、議会費、民生費につ いても同様の傾向がみられる。一方、総務費については、大幅に増加してい る自治体と大幅に減少している自治体に分かれており、理論値の結果との乖 離が判別することが困難である14。一方、衛生費については、増加している 自治体も多いものの、理論値では見られなかった大幅に減少している自治体 も見られる。 このことから、多くの基本的な研究でなされていた人口およびその二乗項 による分析では、人口減少と世帯数増加という状況を十分検討できない可能 性があり、本稿のように世帯数を用いることによってより精緻な検討ができ ると考えられる。. 地域創造学研究. 13.

(94) 研究ノート. 6.おわりに 本稿では、世帯数に着目し自治体の歳出の変化にどのような影響を与えた のかについて最適都市規模の観点から考察を加えてきた。得られた結論は以 下のとおりである。第1に先行研究と同じように、人口および人口の二乗項 については、それぞれ有意な影響を与えており、最適都市規模までは人口の 減少は一人当たりの費用を削減するが、それ以降は上昇させることが明らか となった。また、同時にこのことは、最適都市規模未満の自治体では、人口 減少はコスト増につながることも意味する。第2に世帯数については、費用 に対してプラスの影響を与えており、世帯数の増加が費用の増加に寄与する ことが分かった。先ほどと同様に、最適都市規模未満であれば、人口減少に よる増加だけでなく、世帯数が増加している場合はさらに、費用の増加が見 込まれることが分かった。 今後の研究課題として、世帯数が各費用に対してどのようなメカニズムで 影響を与えるのかについての研究を進めていくことが挙げられる。特にどの ような項目で削減できるのか、あるいは、削減できないのかについてヒアリ ング等を通じた研究も進めていく必要がある。. 【注】 1 総務省『「基準財政需要額」算定項目と測定単位(平成27年度)』より参照。 他の項目については同資料を参照のこと。 2 なお、東日本大震災の影響を取り除くため、2015年段階で避難対象地域に含 まれている自治体は除外している。 3 2節で述べたように、1世帯人員の減少が人口減少と同時に起こった結果、 世帯数自体は増加しており、人口減少の過渡期にあるといえる。 4 世帯数が直接的に総務や衛生のサービスに影響を与えていることが考えられ る。 5 人口規模の違いによって、これらの歳出個々の変化がある可能性があるため、 区分ごとのその変化について見ていく。 6 その結果、一人当たり歳出総額も増加していると考えられる。 7 人口が、3万~ 10万未満、10万~ 30万未満の自治体において、職員数が減少. 14.

(95) 世帯数変化が自治体歳出に与える影響 ― 最適都市規模の観点から しているのは、人口の減少幅が比較的緩やかな中で、財政縮減が行われてい ると推測される。 8 吉村(1999)などでは、都市規模ごとに歳出すべての項目について推計を行っ ているが、必ずしもすべてのケースについて有意な結果が得られているわけ ではない。そこで本稿では、世帯数と関係が考えられるデータでありかつ主 要な費目であるものについて推定を行った。 9 民生費の人口の項が有意でなかった理由として、高齢化等の影響を説明変数 に含めていないことなどが挙げられる。 10 これは、規模の経済性が働くことにより、最適都市規模までは人口が増加す るにしたがって減少するが、人口減少は規模の経済性が逆に働くことから増 加することを意味する。 11 世帯数については、2015年の平均世帯人員数である2.47を用いて算出した。 12 国勢調査によると、2010年から2015年の間に1世帯人員は0.10人減少しており、 それらを参考に、ここでは1世帯人員を2.37人とした。この結果世帯数は、20 万人のモデルケースと比べて大きく減少していないことを意味する。 13 決算値は2017年度までしか公表されていないため、理論値は2010年と2018年 の変化を、実績値は2010年と2017年の変化を見ている。 14 外部への委託等の推進により大幅に削減できた自治体と、そうでない自治体 の影響が表れていると考えられる。. 【主要参考文献】 中井英雄(1998)『現代財政負担の数量分析』有斐閣。 林正義(2002)「地方自治体の最小効率規模:地方公共サービスの恒久における規 模の経済と混雑効果」『フィナンシャル・レビュー』第61号。 林宜嗣(2003)「応益税としての固定資産税の公平性」『資産評価情報』,136号, (財)資産評価システム研究センター. 三木潤一(2012)「地方公共サービスの広域化、大規模化による行財政効率化の検 討」国際沖縄研究所ワークショップ『グローバリゼーションと地域主導の観 点からみる現代沖縄の展望』報告資料。 三木潤一・下山朗(2005)「広域行政による行財政効率化の実証分析-市町村合併 を中心に-」日本財政学会第62回大会報告資料。 吉村弘(1999)『最適都市規模と市町村合併』東洋経済新報社。. 地域創造学研究. 15.

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参照

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