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減災の正四面体モデルにおける社会的なリアリティ -信と知の乖離を超克するために-Basic Consideration of Co-constructing the Social Reality in Tetrahedron Model of Disaster Reduction

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Academic year: 2021

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減災の正四面体モデルにおける社会的なリアリティ

~「知」と「信」の乖離を超克するために~

Basic Consideration of Co-constructing the Social Reality in Tetrahedron Model of Disaster Reduction

〇近藤誠司・矢守克也

〇Seiji KONDO, Katsuya YAMORI

After 3.11, it has been pointed out that a crucial disconnect between “knowing” and “believing” cause a barrier to appropriate tsunami evacuation behavior.For the purpose of analysis on the typical case, we conducted interviews with people in Hirogawa-town, which was struck by North Wakayama Earthquake on July 5th in 2011. In consequence, we found people had constructed

various and fluctuating reality over tsunami risk and the gap between “knowing” and “believing” was extremely dependent upon the situation. On the basis of past achievements, we consider how we can construct sound reality of risks with the tetrahedron model of disaster reduction.

1.「知」と「信」の乖離をめぐる問題 津波避難を例に考えてみるに、たとえ行動を指 示する情報や知識―すなわち「知」―があったと しても、それが即刻リアリティをもってわがこと に受け止められる―すなわち「信」―とは限らな い点、3.11 をめぐる多くの事例が示すところであ る。“警報あれど避難せず”という状況は、まさに 「知」と「信」の乖離現象を象徴している。 ところで、「知」の補強は、防災教育や情報伝達 の拡充等によって、3.11 後も精力的におこなわれ ている。しかしそこには、原理的な限界がある。 ひとつは、科学に代表される知の体系が「真理の 候補(仮説)の集合」でしかない点、そしてもう ひとつは、渦中にあっては、情報は事後的にしか 確定されえないという点である。一方で、「信」の 補強は、多くの場合、「知」の補強で代替されよう としてきた。しかし、「知」をベースにした「信」 の補強のドライブが、かえって「行政依存」や「専 門家任せ」などの逆作用を生む危険があることは、 3.11 以前から、すでに明らかとなっている。した がって、あらためて「知」と「信」をめぐる問題 状況を整理した上で、従来とは異なるアプローチ から、この閉塞を超克する道筋を探る必要がある。 2.方法と対象 情報は、生生流転するリアリティが物象化した モノにすぎない。事態の解明には、情報の有無や 正誤を事後に検証するだけでは十分とはいえず、 人々がどのように感じ、どのように行動したのか、 総体的なリアリティのダイナミズムをできるかぎ り当事者の地平から捕捉する必要がある。そこで 本研究では、2011 年 7 月 5 日和歌山県北部地震 (M5.4)を対象として、最大震度5強を記録した 和歌山県広川町の住民に対して、詳細な聞き取り 調査を実施することにした(継続中)。 3.これまでの成果 本震災の重要な特徴として、①3.11 から 4 か月 に満たない警戒期に起きたこと、②地震発生直後、 町では音声避難誘導システムが稼働し、警報音が 響き渡っていたこと、③しかしテレビではいち早 く「津波の心配はありません」というテロップを 表示していた点があげられる。相矛盾する情報を 入手した住民の多くは、多様で流動的なリアリテ ィを抱いていたことがあきらかになってきている。 住民A 自宅で地震発生、TVで津波の心配がない旨、 確認したが、向かいの家族が避難するのを目撃し、近くの 神社に避難することを決意。息子を誘うも断られる。携帯 電話を握りしめて出発、避難誘導システムの作動自体は印 象弱し。神社入口に到着後、何ら情報更新せず、さらに境 内にも入らずに自己判断で帰宅(=浸水到達予想時刻)。 住民B 自宅で地震発生、経験したことがない揺れに驚 く、TVで津波の心配なしのテロップを見るも、避難所に 向かうことに。途中、避難誘導システムの音で危機感を抱 く。避難場所で他の住民と合流、安堵、何ら情報更新せず 待機、防災無線の「心配なし」の呼びかけを受けて帰宅。 同じ事態が起きたら、もう避難しないと総括している。 なお発表に際しては、上述した調査の結果をふ まえて、「正四面体モデル」(岡田・宇井,1997) を援用して、様々なアクターが「溶け合う」イン タラクションの意義に関して考察する。

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