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低分子免疫調節物質, コナゲニンの生物学的活性に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

低分子免疫調節物質, コナゲニンの生物学的活性に関する研

究( 内容の要旨 )

Author(s)

河津, 昌司

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 乙第003号

Issue Date

1995-09-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2248

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学 位授 与 年 月 日 学 位授 与 の 要 件 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 河 津 呂 司 (兵庫県) 博士(農学) 農博乙第3号 平成7年9月14日 学位規則第4姦策2項該当 低分子免疫調節物質,コナゲニンの生物学的活性 に関する研究 主査 信 副査 信 副査 静 副査 岐 副査 岐 授 授授授授 教 教 教 教教 学 学 学 学学 大 大 大大大 州 州 岡 阜 阜 明 元 誠 治敬 克 道 義 田 谷 吉丸 太 大 森上金 論 文 の 内 容 の 要 旨 癌の薬物便法は化学標津と免疫標法に大別される.前者はその作用機作が基本的に細胞 増殖の同書にあるため睡痛細胞と正常細胞に対する蒔性に差がなく!骨髄での細胞増殖抑 制からくる造血機能,免疫機能の和書などの副作用が避けられない,また,白血病,怒性 リンパ帽などには朗著な油槽効果を示すものの,胃癌,肝癌など多くの固型ほ瘍に対して はその効果が定かでない・一方.免疫槽法はt 免疫調節物質の投与により坦癌宿主の免疫 機能を高めることによって陣痛抑胞のみを追‖尺的に順害することを目標に開発されつつあ り,固型膵癌油槽への効果ならびに化学療法剤との研用によるその毒性軽減効果にとくに 大きな期倖が寄せられる・便々のサイトカイン及びサイトカイン誘導物質が用いられてい るれ 適用柁囲とその効果,副作用などの而でまだ難点は多い.サイトカイン誘導物質と して現在臨味応用されているものはマクロファージ(トI¢),好巾球を非特異的に描性化 することによりその抗ほ腸効果を表す.これに対しtl'帥胞の刺激は.その産生するリン フォカインを通じてのT抑胞,n帥抱,M¢.好中将などの機能調節,I封憧瘍エフェクク ー細胞の分化,描性化吉秀導など.同細胞の担ういわば免疫系の中†酎拘な役割から,各種膵 癌に対する.より特異的な免曖効果・さらに骨髄細胞の咽軌 機能増強な.どの効果が期待 できる.さらにこの場合,則漑物質が低分子であれば抗膜として認識されることがなく. 非婚罪的な全身性炎症反応を孟秀光する危険も少ない. 本論文はこうした観点から・最近・放線菌蜘型捜の生産物から描

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-130---i

性化丁細胞に特異的に作用する低分子免疫調節物買として発見されたコナゲニン(CNG) について,その免疫調節作用,抗腫瘍作用,癌化学療法剤との併用時における毒性軽減作

用ならびにその作用秩序を主にマウスを用い検討したものであり,序論,総括を含め5章

から成る.

第2章ではまず,T細胞,B細胞及びMイの機能に対するCNGの作用について検討し.

これがin vitroでCOnCanaValin Aで描性化されたT細胞の増殖及びリンフォカイン産生を 元進すること,in vivoでもCNG腹腔内投与で同様効果がみられること,さらに油性化 丁細胞によI)反応が仲介される遅延型過敏反応,対移植片宿主反応のいずれも同投与で瓦 進すること,一方,非描性化rr細胞の増殖,リンフォカイン産生,B細胞の増埴,M¢の 油性酸素,モノカイン産生等には影響を与えす,CNGが既知低分子免疫調節物質とは異 なり描性化丁細胞のみに特異的に作用することを示した. 第3章ではCNGの抗腫瘍作用とその機作を検討するため,固型腫瘍IMC caricinomaを 移植したマウスにCNGを投与し,腫瘍増殖の抑制とともに,T細胞のリンフォカイン産 生憎軌,naturalkiller細胞,細胞障害性丁細胞など抗腫瘍エフェクター細胞の活性増加 を認めた.一方,T細胞,M¢等の欠損マウスでは抗腫瘍効果が消失,さらに培養腫瘍紳 胞へのCNGの直接的な細胞障害作用のないことを確認し,CNGが坦癌宿主の免疫機能 を増強することにより抗腫瘍効果を示すことを明らかにした.また,CNGは,癌増殖に 伴うM¢のモノカイン産生完進を抑制,Colon26adenocarcinotba移植マウスにおいては 癌悪液買による致死に対し延命効果を示した.同章ではまた.各種固型腫瘍や白血病等に 対しCNGと各種既存化学療法剤の併用効果を調べ,多種癌に対しCNGは化学療法剤の 抗腫瘍効果を増強するとともに,その毒性を軽減し,延命効果をもつことを確認した・ 第4章は上記延命効果の機構を追求したもので,化学療法剤による骨髄機能の阻害に対 しCNGが同阻害を阻止ないし軽減する機構を想定,事実,それら化学療法剤投与により 起こる赤血球,白血球,血小板の減少がCNG投与により改善され正常値が維持されるこ

と,CNGはin vivoあるいはin vitroでもT細胞共存であれば骨髄による顆粒阻単球 さらに巨核球の産生を増強すること,これらの場合,CNGは化学療法剤投与により滅弱 した各種サイトカインの産生を改善ないし瓦進することなどを実証的に示した・ 第5章では,CNGの上記各効果を既知サイトカイン誘導物質に関する知見と比較し, CNGが描性化丁細胞に特異的に作用しそのリンフォカイン産生を増強することによI)免 疫系の種々の機能を賦痛,抗腫瘍効果を現す新しい免疫調節物質であると総括し,さらに CNGが癌化学療法剤との併牒=二よI)それらの抗腫瘍作用を増弓虫するとともに,その投与 により起こる骨髄機能の抑制を改善し副イ乍用を軽減することからも,今後,癌免疫療法の 一手段として臨床的な有用性が期待できると結んでいる.

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審 査 結 果 の 要 旨

本論文は,癌免疫療法への応用を目標に,最近,痛性化丁細胞に特異的に作用する

低分子免疫調節物質として,放線菌 Streptomyces roseosporus の生産物から発見さ

れたコナゲニンくCNG)について,その免疫調節作用,抗腫瘍作用,癌イヒ学療法剤

との併用時におけるその毒性軽減作用とその機作を検討したものである.序章以下,

2∼4章および総括の計5章より成り,2∼4章はそれぞれin vivo,in vitro を併

せ各10種内外の実験を含む.培養腫瘍細胞の一部を除き,実験はすべてマウスない しマウス由来の細胞,材料を使用する.

第2章では,in vitro培養,Concanavalin A存在,非存在下での脾丁細胞の増殖及 びリンフォカイン産生,同じく培養下での脾B細胞の増殖及びマクロファージによる 捕性酸素,モノカイン産生に対するCNG添加の影響,in vivo実験としてCNG投 与のT細胞増殖,リンフォカイン描性,マクロファージによるモノカイン産生,なら びに遅延型過敏反応及び対移植片宿主反応への影響を調べ,CNGが痛性化丁細胞 のみに特異的に作用しそのリンフォカイン産生を元進させることを明らかにした. 第3章では,マウスに同型癌6種,白血病3種の腫瘍細胞を移植,CNGを単独ま たは化学療法剤3種と組み合わせ,種々の用量,間隔で投与し,腫瘍の増殖,坦癌宿 主のサイトカイン産生,抗腫瘍エフェクター描性等への影響を調べ,少なくとも固型 癌1種に対してはCNGが明らかなその増殖抑制効果を示すこと,さらに免疫不全マ ウスで同種実験を行い効果がないこと,培養腫瘍細胞への直接投与ではCNGに細胞 障害作用がないことを観察し,CNGの抗腫瘍効果が宿主免疫細胞を介してのもので あることを明らかにした.他種腫瘍に対してはCNGの明らかな腫瘍増殖抑制効果を 認めなかったものの単独投与あるいは化学療法剤との併用時に明確な延命効果がみら れた場合が少なくなかった.また,化学療法剤の抗腫瘍作用の増強も認めた. 第4章はこの延命効果,CNGによる化学療法剤の毒性軽減効果の機作を調べたも ので,化学療法剤は5種を使用,CNGを単独ないしこれら薬剤と併合投与し,生存 日数,末梢血液細胞数,造血機能の指標としての脾臓及び骨髄細胞によるサイトカイ ン産生,骨髄における顆粒球,単球及び巨核球産生能を調べ,さらに巨核球産生増加 に対するT細胞の関与を知るため,同細胞の存在,非存在条件で骨髄細胞のin vitro 培養を行った.その結果,CNGは化学療法剤により起こるサイトカイン産生の低下 を阻止し,かつ骨髄における造血機能を元進することにより,化学療法剤の毒性を中 和ないし軽減したと結論した.

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-132-以上の論文内容を審査員一同詳細に吟味し,学力確認結果要旨に記したほか,活性 化B細胞への影響観察のないこと,本文に記載されていず図表内容に含まれているも のがあるなどなお若干の不足はあるものの,全体として実験展開の論理,使用した実 験方法,結果の処理,考察いすれにも遺漏がなく,かつ得られた結果はいずれも新奇 であり,新物質コナゲニンの今後の癌免疫療法への応用に途を拓くものと評価した. 論文全体が臨床応用を目標とした抗癌剤の開発に関連するものだけに,医学ないし薬 学領域での学位取得がよりふさわしいとの意見もあったが,結局,現代農学の一績域 との見解のもとに本論文を博士学位論文として十分価値あるものと認め,審査員全員 一致で「合格」と判定した.

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