Title
先天性股関節脱臼整復前後の股関節内外の変化 MRIを用い
て( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
徳山, 剛
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1039号
Issue Date
1996-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15229
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 奄 委 員 徳 山 剛(愛媛県) 博 士(医学) 乙第 1039 号 平成 8 年 3 月 25 日 学位規則第4条第2項該当 先天性股関節脱臼整復前後の股関節内外の変化 MRほ用いて (‡二査)教授 松 永 隆 信 (副査)教授 近 藤 直 実 教授 星 博 昭 論 文 内 容 の 要 旨 先天性股関節脱Fl(以卜先入股脱)のX緑検動ま良い聞ただ っの補助的診断法であった。しかし乳児期では 人腿皆頭の肯化核が仁分に出現していないため診断は㈱難であり,全身麻酔卜▲で股関節を守則する侵襲的な関節 造影が行われてきた。近年,超抒波検査により侵襲なく検査が才子えるようになってはきたが,習熟に時間を要し 画像の質でも造影検査に及ばなかった。ところがMRIが登場し,鮮【リjな画像が任意のん向で子≡ 阜られ先夫股脱の 診断にも用いられるようになってきた。先入股脱橙復後の所兄として患肢の不動作や局所の陣脹は以前より指摘 されているが,関節周I珂筋の萎縮についての報Hは兄られない。また関節唇および倍化核の変化について経時的 変化の報告も見られない。申請者は乳児期の先大兄則削列を対象にMRI検査かどの捏度関節内構造を描出するか を知るため,先大股睨整復前後の股関節内外の紆組織の形態とその締時的変化の観察と倹討を行った。 対象と方法 整復前から整復後9カ月までの経過をMRIで観察しえた20例を対象とした。今例保存的治墟例で整復時月齢 は3から11カ月,男児2例,女兄18例,患側はイr6例71三13例lしi州Jl例であった。治療法はリューーメンビューゲル (RB)16例,徒手整復4例であった。 MRI検査の使用機器はGEネ土製SIGNAアドバンテpジ(1.5T)で5インチ表面コイルを憎い,TE15ms,TH62
ms,Flip angle350,Slice幅1.5mmで3-D Volume法にてaxial像を粘像し検討した。撮像時期は整復前,整復
後早期,整復後1,3,6,9カ月であった。トリクロリールリン酸ナトリウムにて人眠させ両股閲節関排約600 で撮像した。左右差の1[確な評価のために3-Dvolume法を川いaxial像でん1iのY軟′け部が等しくみえる面を基 準とした。検討した墳Hは関節周囲鼠 乍‖ヒ核の形.関節唇である。 (a)関節周囲筋は片側脱=例の人殿筋を検討した。健側とノ三捌Iljの筋腹の小火の比を求め91%以上二のものを0, 71から90%を1,51から70%を口,50%以卜をⅢの萎縮として分類した。 (b)母化核の形は坐骨を観察した。坐督の関節血側の′馴ヒ形態を凹軋 S型,ヤ担型,ハ型の4型に分けて評 価した。 (c)関節唇は前方の関節唇を観察した。前〟の関節唇は1仁乱 内反,外反,内反外反の混在,不明に分けるこ とができた。 (d)督頭の外側煽位の帰因を究明するため,1歳以後まで観察しえた17別につきさらに検討した。1歳時の甲 純X線前後面像での丹頭涙痕問距離(TI〕D)により17例を1耶(TDI〕9mm以卜)5例,2群(TDDlOから11 mm)6例,3群(rrDI)12mm以仁)6例に分粧し,人殿筋の筋薮縮,坐里里化核の形,関節唇の形態との関係 、・検討した。 ⊥・‥ 果 こり人殿筋の萎縮は整復前17股巾,0 8股,16股,Ⅲ2股,Ⅲ1股。軽復後18股巾,0 3股,Ⅰ9股, 巳3股,Ⅲ3股。1カfj後10股【f】,0 1股,Ⅰ6股,Ⅲ3股。3カ月後18股中,0 8股,Ⅰ7股,Ⅲ2股, Ⅲ1股。6カバ後14股「f 1,0 5股,17股,□2股。9カバ後9股巾,0 7股,11股,Ⅲ1股であった。 (b)患側坐骨の乍‖ヒ核は整復前19股と整復後20股とも仝例l∫!】型であった。1カノ=麦12殿中S型2股,平坦型1 股,【rl型9股。3カ月後20股小S彗■19股,、巨輿ノ門10股,ハ型1股。6カJj後16股【いS里8股,中頃彗■48股。9カ H後11股巾S型4股,平上明■47股であった。 159
健側は整復前17股中凹型1股,S型1股,平坦型15股であり整復後18股中凹型1股,S型5股,平坦型12股で あった。1カ月後10股中凹型2股,S型4股,平坦型4股。3カ月後18股中凹型3股,S型12股,平坦型3股。 6カ月後14股中凹型6股,S型7股,平坦型1股。9カ月後9股中凹型2股,S型6股,平坦型1股であった。 (c)前方関節唇の形態は整復前19股中混在2股,内反16股,不明1股であり整復後20股中混在12股,内反7股, 不明1股であった。1カ月後12股q」正常3股,外反5股,混在1股,内反2股,不明1股。3カ月後20股中正∴i 15股,外反2股,不明3股。6カ月後16股中正常14股,不明2股。9カ月後11股中正常9股,不明2股であっ∵ (d)大殿筋の筋萎縮および関節唇の形態と骨頑の外側偏位とは特に関係を認めなかった。 患側坐骨の骨化核の型と骨頑の外側偏位については整復後3カ月で1群では5股中4股でS型で1股のみ斗現 型であったが,2群3群では12股中4股がS型であり,8股が凸型と平坦型であった。さらに整復後9カノ jでは 3群の4股はすべて平坦型であった。 考 察 先天股脱の整復前後の過程において申請者が行ったMRI検査で新たに得られた知見の第・は大殿筋の萎縮で ある。整復前後に萎縮が半数以上に見られ1カ月後くらいまではさらに進行するものも見られたがt 9カ月後に は多くの例で改善が見られた。 第二は坐骨の骨化核の形態の変化である。坐骨の肯化核は脱臼側においては全例凸型であったが,健側では凸 型を呈するものはなかった。坐骨の骨化核が凸型であることは脱[]股関節に随伴することが示唆された。患側坐 骨の骨化核は整復後3カ月の経過で多くは凸型を呈するものはなくなり胃頭が整復位にあれば,冒頭からの適度 の機械的刺激を受け骨化が進むことを示していた。 第三は関節唇の形態の変化である。前方関節唇については整復前には19例[1」16例で内反し2例が混在型で正常 のものはなかった。関節唇は整復後早期にも正常のものはなく,混在したものが多かった。整復後1カナ-jでは外 反のものも増え様々な状態を呈し,さらに整復後3カ月でほぼ正常となっていた。これらのことより関節唇は先 大股脱整復後徐々に内反泣から内反と外反の混在した扶態を経て外反位となりやがて止常の形へと変化すると推 察される。 骨頑の外側偏位については筋萎縮の程度,関節唇の形態には関係かなく,坐骨の′馴ヒ形態と関連が深いといえ る。つまり脱臼整復後3カ月で坐骨の骨化核が凸型または平輿型のものは1歳以後に骨頭の外側偏位を残す可能 性が高いといえる。 以上MRIは乳児先天股脱例の関節周辺の筋,坐骨の骨化過程や形態異常,関節唇の内外反が皆頭整復後にか なり正常な形態に近づくことを観察し得る。とくに整復困難例では水平面での観察は有用な補助検査法であると いえる。 論文審査の結果の要旨 申請者 徳山剛は乳兄先大性股関節脱F=列のMRI画像を観察し,従来の補助検査に比べ軽視前後の形態変化 をより明確に描声_1=ノ得ることを明らかにした。この匁i比は小県股関節外科′1デ:の進鋤こ寄㌧する所人であると認め る。 [主論文公表誌] 「先天性股関節脱臼整復前後の股関節内外の変化 MRIを川いて」 平成8年1月発行 岐阜大医紀 44(1)ニ59∼69 160