小学校「総合的な学習の時間
J
の英語活動における
教師の意識の変化について
教科・領域教育専攻
言語系(英語)コース
小 林 秀 樹
1.序章
総合的な学習の時間創設の趣旨や国際理
解教育の理念に沿って小学校英語活動を推
進していくことが必要とされ,文部科学省
は,平成
8-
-1
0
年度を中心に全閣の小学
校で国際理解教育・英語活動に関する研究
開発学校を指定し,英語活動に関して先行
研究がなされた。
研究開発学校の研究紀要から教師の意識
の変化について分類すると学習者について
のとらえ方,指導目的,他教科との関連な
ど9つのカテゴリーに分かれることが分か
った。
2.研究内容
研究開発学校では以上のような教師の意
識の変化が見られたが,一般の公立小学校
とは環境が違う。そこで,本研究では一般
の公立小学校で総合的な学習の時間の中で
国際理解教育や英語活動のねらいに沿った
授業を展開することで教師はどのような意
識の変化が現れるのかを検証するのが目的
である。
研究対象は 2000年度より英誇活動を
週 1回全クラスで導入した G小学校の 4つ
のクラスと
2
人の
HRT
,
1
人の
]TE
で
ある。
研究方法は佐野 (2000)や横溝 (20
指 導 教 官 太 岡 垣 正 義
o
0), リチヤード・ロックハート (200
0)を参考にしながらアクション・リサー
チ的な方法で授業を反省的に見ながらすす
目ることにした。
3.結果と分析
3-1 英語劇「スイミーjの実践
2年生の児童の実態,
HRT
の英語活動
に対する思いなどから,
G
小学校校内学習
発表会で英語劇をすることになり,その準
備の授業を5回観察した。最後に
i
直接体験
(英語劇の校内発表)を設定することで児
童のモチベーションを高めるねらいを持っ
ていたが,最初はうまく機能しなかった。
初めての取り組みであり,
HRT
も児童も
とまどいがあった。ゲーム,紙芝居,小道
具,動作の工夫などで、児童は興味を持って
活動し始め,最終的にはほぼ全員が全ての
セリフを覚えるほどになった。
]TE
が中心になって授業を組んだ。し
かしI-fRTとの連携も十分にあり,お互い
が児童に関する情報や英語教育に関する意
識の交換をしながら進めていた。
HRT
の授業中の発言回数を見ると最初
はごくわずかである時期からその回数が増
えている。これは
HRT
自身が持つ英語の
スキルに対する不安が大きく影響している
と考えられる。授業の後の検討会で話し合
-280-ううちに自信をつけ,発言が多くなってい
ったと考えられる口発言の中身についても
検討した結果,
J
TE
のサポート的なもの
から
HRT
が中心になって指示的な内容の
ものへと変化していることが分かつた。
3-2 国際理解教育の趣旨を基本にした
授業
後藤・富田
(2001)
を基準にして英語
劇の取り組みを分析した結果,今後コミュ
ニケーションの意識を高めさせるような活
動や異文化理解につながるような知識の習
得,あるいは教育方法として批判的思考に
重点をおいた活動の展開を計画していくべ
きだという結論に達した。
そ こ で 低 位 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 意
欲Jが問題になっていた6年生において外
国人をゲストにした国際交流パーティーを
計画することにした。調理実習で外国人と
お好み焼きを作りながら自分のことや相手
のことについて話し合う中で、意欲を持って
英語を話そうとする態度の育成に寄与する
ことができた。
児童の異文化理解が促進されるような取
り組みになったかどうかについては明らか
にできなかった。
3-3 外国人をG Tとして行った授業
5
年生でI-
iRT
が中心になって英語活動
をするという研修目標を持って取り組ん
だ。また,外国人をG Tとして何回か交流
することで児童の異文化理解を促進するこ
ともねらった。
その結果,スキット学習に頼らず,児童
の自由意志による発話のチャンスを多くす
ることで児童のコミュニケーションに対す
る積極性が増すことや,外国人との交流を
重ねることで児童の異文化理解が進むとい
う仮説はほぼ達成された。
HRT
は授業中の役割を大きくしていく
ことでの意識の変化は,授業を広範聞から
見るようになったことと,
HRT
が中心に
なって授業をすることへの不安で、あった。
3-4 考察
以上の分析から,指導目的,指導内容等
で研究開発学校の教師の意識の変化との類
似点が見られた。
稲垣・久富 (1994)の中から佐藤の「教
師像の規範型とその文化jを参考に3人の
教師の意識の変化を図示した。
4. 結論
3-4で 3人の教師の意識の変化を図示
した結果,全員数ヶ月のうちに英語活動に
対する意識や態度に変化が見られ,専門的
な方向に進んでいることが分かつた。その
理由として考えられるのは今まで経験した
ことのない英語教育に関心を持ち,意欲が
高かったこと,授業を反省的に見ることで
改善点が見つかり,よりよい実践を目指し
たこと, I--I
R
T
と
]TE
のコラボレーショ
ンによってお互いの情報交換ができたこと
などが挙げられる。
また, 3者に共通して「指導的Jよりも「児
童の意志尊重Jの方向に意識が向いていっ
たようである。
英語活動に取り組むことで活弱J重視,特
に直接体験を中心にした活動づくり,コミ
ュニケーション態度の育成につながる授業
の創造,できるだけ外国人との機会を多く
することで異文化理解の基礎を培うこと等
に重点をおいた指導を推進していくように
なっているo
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