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建築構造体における環境振動の伝搬性状に関する研究 : 4層3スパンRC構造物模型における振動伝搬性状

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Academic year: 2021

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愛 知 工 業 大 学 研 究 報 告 第33号B 平 成10年

建築構造体におけるま襲壌譲動的鮭織性状に関する観覧

4層 3

スパン

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using4 stories 3司pansprototype model 0] acrylic resin.We obtα,in some results 0] the at印 刷ation0]

vibration acceleration level jrom the driving point冊1(1distribution 0] vibration acceletion level in the rool1ls

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1 .はじめに 建築物内外の振動源によって、建築物が起擬さ れ、建築構造体の共振などによって振動が増幅す ることにより、問題になることがある。環境振動 で取り扱う範鴎の振動は、比較的短周期で振幅の 小さいものであり、地震のように長周期で建物を 破壊に導くような振幅の大きいものではないが、 居住者や振動を嫌う精密機械などに影響を与える ことがある。従って、建築構造体の振動伝搬性状 を把握し、振動防止及び振動低減対策を講じるこ とは、我々が快適に生活する上で重要なことであ ると考えられる。 鉄筋コンクリート造の建物の振動に関する研究 は、現在までに多くの報告がある。その内容は、 主に床面の振動性状及びその防振対策についての 報告がもっとも多く、 F E M(有限要素法)を用 いた理論的解析によるもの日や、実験的モ}ダノレ 解析を用いて床面の振動性状を解析する手法2)な どがその代表的なものである。 また、実際の建築構造体の壁面や、床面の周辺 の固定条件は、施工方法により異なるものと考え られ、理論的解析以上に実験的な検討が必要であ ると考えられる。 しかしながら、壁面を含め構造物全般の振動伝 搬性状についてまで検討しているものは、既往の 研究にも例がなく、既報,)では実在の建築構造体

*

愛知工業大学建築学科(豊田市)

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*

愛知工業大学大学院(豊田市)

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*

アクト音響振動調査事務所(名古屋市) について実験的モーダル解析を適用し、その床面 及び壁面についての振動性状及び振動伝搬性状を 考察している。本報では、壁面まで含めた建築構 造体の振動伝搬性状を解明するために、 4層 3ス パンプロトタイプ模型を用いて、上階及び同階他 室での振動加速度レベル分布及び振動源からの振 動加速度レベノレの距離減衰を求めている。 2.犠裂の相似則 模型実験では、実構造物とその模型との聞での 相似則を満足させることが必要であると考えられ る。 構造体の振動に関する相似則は次のようになる。 f m = n k f, k = ((Em/E,)x (ρ ,/ρm)) 1/2 f :振動数(Hz) E :ヤング率 (N/m2) p :密度 (kg/m') n:縮尺比 m :模型材料 r ;実物材料 今回の実験では、模型材料として、アクリノレ材 を使用している。実構造物の主材料であるコンク リートと模型の材料であるアクリルの物性値の比 較を表1に示す。模型の縮尺比を 1/50とした 場合、模型と実物の振動数の相似比は29. 3倍 となる。 3. 契機造物加援実験と模型実験との対応 実験の対象となる実構造物は愛知工業大学7号 館である。測定範囲は2階部分の2 0 3・2 0 4 教室床面としている。測定範囲の梁伏図を図1に 161

(2)

示す。なお、力日振点は図中に示す黒丸とし、受振 点は既報3)に示す格子状の交点であるロ 模型はアクリノレ材を使用しており、縮尺比は1 / 5 0である。 解析の結果得られた (1

2)モードでの床面 のモードシェイプの一例を図2に示す。実物と模 型との聞で同様のモードシェイプを示しているこ とが認められる。また、模型と実物の振動数の相 似比は約2 9倍となっており、振動数においても 良い対応を示していると考えられる。 次に、振動加速度レベノレの距離減衰で実物と 模型について比較して図3に示す。これは実構造 物、模型それぞれの測定データの1/3オクター ブバンド周波数分析結果である。なお、図の横軸 は無次元距離としている。また、比較のため、模 型実験結果を10dB程度上げて示している。実 物、模型両者の振動加速度レベルの距離減衰は同 様の傾向を示している。 以上から、実物と模型の間で十分な対応関係が 得られているので、模型で得られた結果が実際の 建築物に応用できるものであると考え、以下の模 型実験を行っている。 4. 4屡3スパン模型加援実感 実験の対象となる4層3スパンプロトタイプ模 型を図4に示す。模型はアクリノレ材を使用してお り、床面、壁面、柱、梁の各部材をアクリルボン ドで剛に接合している。 4. 1 実験及び解析方法 図4に示した模型に対し、力日振実験を行った。 模型実験のブロックダイヤグラムを図5に示す。 加振はパ}ストランダム信号を 10~2048 Hzの範囲で10回行い、得られた振動加速度レ ベノレを加速度ピックアッフ。で測定し、加振力と合 わせてD A Tに伺時記録している。 D A Tに記録されたデータをリアルタイム周波 数分析器

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3 5 6 9 A)に取り込む。その 際、信号の最大値を5回平均したものをデータと して採用している。得られたデータをもとに、振 動加速度レベノレの距離減衰及び振動加速度レベル 分布を求めている。 5. 解析結果及び考察 5. 1 撮動加速度レベル分布 4層 3スパンフ。ロトタイプ模型についてモーダ ル解析を適用した結果得られた周波数応答関数を 表1 材料物性値の比較

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築構造物 E 材質名 │コンクリート ヤ ン グ 寧 (N!m')

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1 図1 実構造物の測定範囲 __,.弘J血 可 「

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16 11 21 Z6 31 図3 振動加速度レベルの距離減衰

(3)

建築構造体における環境振動の伝搬性状に関する研究 図6に示す。なお、図中に 1/3オクターブパン ドの遮断周波数を示している。模型実験で得られ た振動加速度レベノレをもとに、模型床面における 振動加速度レベル分布を求めている。 各階床面の振動加速度レベノレ分布を図7に示 す。図 7から、 200Hzにおいては、加振源か ら徐々に振動加速度レベノレが減衰しているが、 4 OOHzでは床面の各スパン中央に他の部分と比 較して大きい振動加速度レベルが集中している。 5. 2 振動加速度レベルの距離減衰 2階床面の 200Hz、400Hzについての 振動加速度レベノレの散布図を図8に示す。 図8 から、固有振動数近傍と考えられる 400Hzに おいては援動加速度レベルの分布にばらつきが認 められる。 次に、床面の聞有振動モ}ドに着目し、モード の腹のラインの振動加速度レベルを用いて距離減 衰を求めたものと、モードの節にあたるラインの 振動加速度レベノレを用いて距離減衰を求めたもの を比較して図 9に示す。ライン及び室名について は図 10に示す。なお、振動加速度レベルの距離 減衰における距離は、 A室床面と外壁 1との接線 上からの距離としている。図 9から、固有振動数 近傍と考えられる振動数領域においては、グラフ の形状に大きな差が認められる。 5. 3 最小ニ乗法による直線近似 各階床面について振動加速度レベノレの距離減衰 を求め、最小二乗法による直線近似を行った。図 1 1にこれらの一例を示す。これによると固有振 動数近傍と考えられる振動数では距離を置いても MAXの最小二乗近似直線とM I Nの最小二乗近 似直線及び全体の最小二乗近似直線の間隔が狭ま らないことが示されている。固有振動数近傍にお いては、モードの腹のラインと節のラインで大き な差が認められることから、モードの腹のライン で振動加速度レベノレの距離減衰を検討する事が重 要であると考えられる。 5. 4 各階床面の振動加速度レベルの距離減衰 各階の床面についてモードとなる場合にはそ} ドの腹のラインの振動加速度レベルを採用して距 離減衰を示したものの一例を図 12に示す。なお、 モ}ドとならない場合の振動数については床面中 央ラインのものを採用している。 図12から、 2階床面とそれ以外の床面とでは違いが認めら 2階床面平面図 -加振点 図4 4層3スパンプロトタイプ模型 l叩edanceHead RION PF-60A Vibration Exciter 日以Ty回4809 図5 測定系のブロックダイヤグラム れ、 2階床面が独自の傾向を示している。 3

4

5階については向様の振動加速度レベル 分布を示しており、振動加速度レベルも同様の値 を示している。 2~皆床面が他の床面と比較して大 163

(4)

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図6 周 波 数 蕗 答 関 数 2階 4階 2階 図7 援 勤 加 速 度 レ ベ ル 分 布 の 一 例 4階 3階 5階 3階 5階

(5)

建築構造体における環境振動の伝搬性状に関する研究 165 きい振動加速度レベノレを示すことは、 2階床面が カ日振点であることと、 2階床面と 3

4

5階床 面との拘束条件の違いによるものであると考えら れ,る。 5. 5 スパン平均 各階床面についてスパン単位でエネノレギ平均 し、振動加速度レベノレの距離減衰を求めたものの 一例を図13に示す。固有振動数近傍以外と考え られる 200Hzなどの振動数域では、 lまジA、 B、C室の順に振動加速度レベノレは減少している。 このことから、床面内において摂動加速度レベル の分布にまとまりのないこれらの援助数域では、 スパン単位でエネルギ平均して振動加速度レベノレ の距離減衰を検討することが、平均的な値が求め られ、妥当であると考えられる。 5. 6 壁画を含めた振動伝撒経路の検討 2階の A室床面中央部から壁面(界壁、外壁 1 など)を通り、 3

4

5階のA、B、C室床面 中央部への伝搬経路をそれぞれ挙げ、各階床面へ の伝惚経路についてどの経路が最も援助伝搬に関 与しているか検討を行った。図14にそれらの一 例として2階A室床面からその上階である3階A 皇室床面への壁面を含めた振動加速度レベノレの距離 減衰を示す。但し、、主に振動伝

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般経路について 検討しているため、到達点までの距離が呉なるも のも比較の対象とし、床面の固有振動モードに着 目し、モ)ドの中央からの伝搬経路としている。 また、田有振動数近傍以外と考えられる援助数 については床面の中央からの伝鍛経路としてい る。 400Hzの振動数では外壁1を伝搬経路とし たものと、界壁1を経路としたもの、外壁 4を経 路としたものではそれほど差は認められない。 このように、上階への振動伝倣についても固有 鍍動モードに着目することが重要であると考えら れる。 6.まとめ 本研究の結果以下のようなことが示された。 1.床面における上階及び向階他室への振動伝搬 は固有援助数近傍の振動数領域についてはモード に着目して振動伝搬を捉えることが重要であると 考えられる。 2.固有振動数近傍以外の擬動数領域においては、 スパン別にエネルギ平均し、振動加速度レベノレの 距離減衰を捉えることが妥当であると考えられ る。 2階 200Hz .-. 60r一 一 一 一 一 一 国 l ~ 40

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10 20 30 40 MJ量端からの麗陵 (cm) 図8 掻勤加速度レベルの散布図の一例 一一モードの蹴のー司胆・モード白鶴田 〔 10 80 回50 ~ 40 ..J30 " 20 > 10 ライ〉 山 ライン 14 21 28 35 42 Al置鏑から由庖隠(cm) 図9 選択ラインによる距離減衰の比較 件 墜2 外壁4 図 1 0 室名及び選択ライン 40部k

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(6)

7.おわりに 本報は、 4層 3スパンプロトタイプ模型を用い て床面についての振動加速度レベル分布、振動加 速度レベルの距離減表を求め、壁面を含め振動伝 搬経路の検討も行ったものである。建物における 振動加速度レベルの距離減衰は距離にのみによっ て決まるものではなく、固有振動数近傍の振動数 においては振動モ}ドに着目して振動加速度レベ ノレの距離減衰を捉えることが重要であることを示 し、国有振動数近傍以外の振動数においては床面 のスパン別にエネルギ平均し、振動加速度レベル の距離減衰を求めることが妥当であることを示し 印 50 た。また、上階などへの振動伝搬も、床面及び壁盲 二40 面の国有振動モ}ドと密接な関わりがあることが 3 m 示された。本報で得られた結果をもとに、床面及 =20 び皇室面における振動加速度レベルの予測が可能で>10 O AJII: あると考える。 参考文献 1)荘 大作,日高孝之,増田定泰:有限要素法 による床スラブの振動解析と床衝撃音の計算,建 築音響研究会資料, AA87・22,1987.7 2)鈴木裕久,成瀬治輿:建築床構造のそーダル 解析と模型実験, 日本音響学会騒音研究会資料, 1993.5 3)成瀬治輿,佐野泰之,北畠弘基:建築構造体 の振動性状に関する実験的モ}ダル解析,愛知工 業大学“研究報告ヘ No.31,1996 70 200Hz 60 50

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5 10 15 20 25 30 2階A室モード中央からの距離 (om) Z階 400Hz 図12 最小二乗法による直線近似 2階 20加ZJ │ 一 一 -2111 1 1

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B責 C宣 図 1 3 スパン平均による距離減衰の比較 2階A重 2階舛壁, 3階A室 21'i1A霊 2聞界盤, 3 階 A~ 21'i1A室 2階外盤 4 3階A室 70 400Hz 60 ー ~-50 nunu 内 A u n , a h J ︿ ﹀ 壁 噌手一一ー-t・ 10 1- 壁 司:>-一一-<> 0

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5 10 15 20 25 30 2階A室モード中央からの距離 (0m) 図 1 4 2階A室から3階A室への振動加速度レベルの距離滅表 (受理平成10年3月20日〉

参照

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