• 検索結果がありません。

(1) 泥炭 ( ピート ) 泥炭は 土壌の膨軟化や保水性の改善を用途とした土壌改良資材である これは 泥炭が土壌中での分解が遅く有機物の蓄積性が高いことと 重量に対して10~30 倍の水分を保持できるためである また 分解 ( 腐植化 ) が進むにつれてCEC を増大させるため 土壌の保肥力を高め

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "(1) 泥炭 ( ピート ) 泥炭は 土壌の膨軟化や保水性の改善を用途とした土壌改良資材である これは 泥炭が土壌中での分解が遅く有機物の蓄積性が高いことと 重量に対して10~30 倍の水分を保持できるためである また 分解 ( 腐植化 ) が進むにつれてCEC を増大させるため 土壌の保肥力を高め"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

9 土壌改良資材

土壌改良資材とは、土壌に施用し、土壌の物理的性質、化学的性質あるいは生物的性質に変化をも たらして、農業生産に役立たせる資材をいう。一般的に広く言われている土壌改良材の中には、肥料取 締法で肥料に該当するものや、地力増進法で指定されたものばかりでなく、そのいずれにも該当しない ものも含まれる。ここでは、まず地力増進法で指定された12品目の「政令指定土壌改良資材」につ いて記載し、その他の資材として微生物資材について記載する。政令指定土壌改良資材の主な 用途は表9−1のとおりである。なお、各資材の取扱業者等については「全国土壌改良資材協議会」 のホームページ (http://www.japan-soil.net/DOKAI/)を参考にするとよい。 図9-1 肥料と土壌改良材の関係 表9-1 政令指定土壌改良資材の用途(主たる効果) 土壌改良資材の種類 用途(主たる効果) 泥炭(ピート) 有機物中の腐植酸含有率が70%未満 土壌の膨軟化、土壌の保水性の改善 有機物中の腐植酸含有率が 70%以上 土壌の保肥力の改善 バーク堆肥 土壌の膨軟化 腐植酸質資材 土壌の保肥力の改善 木炭 土壌の透水性の改善 けいそう土焼成粒 土壌の透水性の改善 ゼオライト 土壌の保肥力の改善 バーミキュライト 土壌の透水性の改善 パーライト 土壌の保水性の改善 ベントナイト 水田の漏水防止 VA菌根菌資材 土壌のリン酸供給能改善 ポリエチレンイミン系資材 土壌の団粒形成促進 ポリビニルアルコール系資材 土壌の団粒形成促進 バーク堆肥 腐植酸質資材 木炭 ゼオライト ピートモス パーライト など 政令指定土壌改良資材 (地力増進法) 土壌改良剤 微生物資材 など 熔リン 石灰 堆肥 など 肥 料 (肥料取締法) 化成肥料 なたね油かす 汚泥肥料 魚粕 など 石灰窒素

(2)

(1) 泥炭(ピート) 泥炭は、土壌の膨軟化や保水性の改善を用途とした土壌改良資材である。これは、泥炭が土壌 中での分解が遅く有機物の蓄積性が高いことと、重量に対して10∼30倍の水分を保持できるため である。また、分解(腐植化)が進むにつれてCECを増大させるため、土壌の保肥力を高めるが、ミ ズゴケ泥炭では分解が進んでいなくてもCEC が 高 い こ と が あ る 。 ま た 、 泥 炭 は 酸 性 を 示 す た め 、 中 和 し て い な い も の は 170L当たり1∼2kg程度の炭酸カルシウムを加えてpHを6∼7に調整した 方が良い。過度に乾燥すると、保水効果が発現しないことがある。市販の泥炭には、湖沼や低湿 地に生育した植物遺体が、分解作用が進まない条件下で長期間たい積した泥炭と、泥炭にアルカ リを加え加熱加圧処理した泥炭加工物が含まれており、泥炭をよく洗浄し泥状または分解した部分 を除き、乾燥、切断、ふるい分けをしたものはピートモスとして製造されている。 (2) バーク堆肥 バーク堆肥は、 土 壌 の 膨 軟 化 の 効 果 が 高 い 土 壌 改 良 資 材 で あ る 。 こ れ は 、 物 理 的 に も 微 生 物 的 に も 分 解 さ れ に く い た め 有 機 物 の 蓄 積 性 が 高 い こ と に よ る 。 ま た 、 多 孔 質 で 重 量 に 対 し 2 ∼ 3 倍 の 水 分 を 保 持 で き る た め 、 土 壌 の 保 水 性 を 高 め 、 分 解 が 進 む に つ れ て C E C が 大 き く な り 保 肥 力 も 高 め る 。 新 鮮 バ ー ク に は 各 種 フ ェ ノ ー ル 性 物 質 が 含 ま れ て お り 、 植 物 の 生 育 阻 害 を 起 こ す が 、 堆 肥 化 が 進 む と 微 生 物 に よ る 分 解 に よ り 不 活 化 さ れ る 。 ま た 、 過 度 に 乾 燥 す る と 水 を 吸 収 し に く く な る 性 質 も 持 っ て い る 。 主 原 料 は 、 針 葉 樹 や 広 葉 樹 の 樹 皮 ( バ ー ク ) で 、 堆 肥 化 促 進 の た め の 鶏 ふ ん や 過りん酸石灰などの副原料を加え、1∼2年程度野積みをしたもの が用いられている。堆肥の一種であるため、特殊肥料として肥料取締法の適応を受ける。 (3) 腐植酸質資材 腐植酸質資材は、腐植酸の含有量が多くCECが大きいため、保肥力の改善が主な用途とされ ている。また、土壌のりん酸固定を抑制して可給態りん酸を増加させたり、微量要素が沈殿しやす い土 壌条 件で は不可 給態 化を抑 制 した りす る効果 がある。一 方、稲わらな どの粗 大有 機物 が持 つ、土壌の物理性の改善や微生物の活性化といった効果は期待できない。効果を確実にするに は条施 用 や 、 根 圏 へ 集 中 す る 局 所 施 用 を し た 方 が 良 い 。 腐 植 酸 質 資 材 に は 、 石 炭 ま た は 亜 炭 を 硝 酸 も し く は 硝 酸 と 硫 酸 で 分 解 し て で き た ニ ト ロ フ ミ ン 酸 を 、 カ ル シ ウ ム や マ グ ネ シ ウ ム で 中 和 し て 造 粒 し た も の も あ る 。 腐 植 酸 質 資 材 は 、 普 通 肥 料 ( 腐 植 酸 ア ン モ ニ ア 肥 料 や 腐 植 酸 苦 土 肥 料 な ど ) と し て 肥 料 取 締 法 の 適 応 を 受 け る 。 (4) 木炭 木炭は微細孔げきが多いため、土壌の透水性の改善を主な効果として用いられている。さらに、 微細孔げきは、VA菌根菌や根粒菌、非共生的窒素固定細菌等の有用微生物の住処としても機 能するため、微生物性の改善にも効果があ る 。 土 壌 表 面 へ の 施 用 で は 風 雨 な ど に 流 さ れ や す く 、 土 壌 中 に 層 を 形 成 す る と 効 果 が 認 め ら れ な い こ と か ら 、 十 分 に 土 壌 と 混 和 す る 必 要 が あ る 。 地 力 増 進 法 に よ る 指 定 で は 、 「 木 炭 ( 植 物 性 の 殻 の 炭 を 含 む ) 」 と あ り 、 樹 種 、 炭 化 法 な ど に つ い て 制 約 は な く 、 竹 や も み が ら 等 の 炭 化 物 も 政 令 指 定 の 木 炭 に 含 む 。 こ の た め 、 原 料 や 炭 化 法 に よ り 木 炭 の 性 質 は 異 な り 、土 壌 改 良 資 材 と し て の 効 果 に も 微 妙 な 違 い が 見 ら れ る 。

(3)

(5) けいそう土焼成粒 けいそう土焼成粒は、けいそう土を粒状にし、1000℃以上の高温でセラミック化した硬質で多孔 質の粒子である。こ の た め 、 土 壌 の 透 水 性 の 改 善 に 用 い ら れ て お り 、 保 水 性 、 通 気 性 も 改 善 さ れ る 。 硬 質 で あ る た め 、 水 を 含 ん で 膨 潤 し た り 破 壊 し た り せ ず 、 長 期 に わ た っ て の 土 壌 改 良 効 果 が 期 待 で き る 。 p H は 中 性 を 示 し 、 C E C も 小 さ く 、 化 学 性 の 改 善 効 果 は 乏 し い 。 気 乾 状 態 の も の の 1 L当たりの質量700g以下という品質基準がある。 (6) ゼオライト ゼオライトは、沸石や沸石を含む凝灰石などを粉末状にしたもので、数10∼数100nm(10−10 m) の細孔を持つ多孔質な構造をしている。陽イオンの吸着保持能力が高いため、土壌の保肥力の改 善に用いられる 。 ま た 、 ゼ オ ラ イ ト 自 身 が 塩 基 を 含 ん で お り 、 施 肥 効 果 が 期 待 で き る の と 同 時 に 酸 性 の 矯 正 効 果 が あ る 。 さ ら に 、 り ん 酸 吸 収 力 が 低 い た め に 、 り ん 酸 固 定 力 の 大 き い 黒 ボ ク 土 に 大 量 施 用 す る と 、り ん 酸 の 肥 効 増 進 効 果 も 期 待 で き る 。 (7) バーミキュライト バーミキュライトは、黒雲母や金雲母類が風化作用などによって結晶中に水を取り込んだ加水 雲母類を600∼1000℃で焼成したものである。孔げき率が90%以上であり、土壌の透水性の改善 に用いられており、通気性や保水性などの改善効果も期待できる。また、軽量で土壌を膨軟にする ため、作業 性 の 改 善 も な さ れ る 。 C E C は 高 く な い が 、肥 料 を 物 理 的 に 吸 蔵 す る 能 力 が 高 く 、 吸 着 複 合 肥 料 と し て 用 い ら れ て お り 、 さ ら に 、 微 生 物 資 材 で の 微 生 物 の 住 処 と し て 用 い ら れ て い る 。 土 壌 に 対 し て 2 割 以 上 施 用 す る と 、 物 理 性 や 化 学 性 の 改 善 効 果 が 見 込 ま れ る が 、 吸 水 に は 時 間 が か かる た め 、 十 分 吸 水 す る ま で に 流 亡 し な い よう 土 壌 と良 く 混 合 す る 必 要 が あ る 。 (8) パーライト パーライトは、真珠岩や黒曜石を粉砕後800∼1000℃で焼成発泡させたもので、0.01∼0.02㎜ の細孔を持つ。真珠岩では0.1∼5㎜の細かく極めて軽い粒となり、 黒 曜 石 で は 0.5∼5㎜のやや 大きく重い粒となる。土壌の保水性の改善が主な効果で、化学的に不活性で長期間安定した保水 効果を示す。粒径の違いにより改善効果が異なり、保水性の改善には細かい粒形の資材を用い、 排水性や通気性の改善には大きい粒形を用いると良い。一方、CECが小さく、りん酸の吸収係数 が小さいため、化学的改善は望めないが、保水力が大きいため、肥料養分を吸蔵できる。通常、土 壌に対して容積比で10%以上施用すると、改善効果が明確に発現する。 (9) ベントナイト ベントナイトは、スメクタイトという鉱物を主成 分 と す る 粘 土 及 び そ の 製 品 の 一 般 的 な 名 称 で あ る 。 ベ ン ト ナ イ ト に は ナ ト リ ウ ム 系 と カ ル シ ウ ム 系 が あ り 、 前 者 は 膨 潤 性 が 著 し く 大 き く 後 者 は 比 較 的 小 さ い 。 水 田 の 漏 水 防 止 に 用 い ら れ る 土 壌 改 良 資 材 で 、 こ れ は 、 ス メ ク タ イ ト の 主 成 分 で あ る モ ン モ リ ロ ナ イ ト の 吸 水 力 が 強 い た め で あ る 。 C E C が 著 し く 大 き く 土 壌 の 養 分 吸 着 力 を 高 め る こ と が で き 、 ま た 、 水 稲 の 生 育 に 必 要 な 有 効 態 の ケ イ 酸 を 含 ん で い る 。 そ の 他 に 、 土 壌 中 の 還 元 物 質 の 発 生 軽 減 や 銅 公 害 地 に お け る 水 稲 苗 の 銅 吸 収 抑 制 な ど の 効 果 が あ る 。 一 般 的 に 、 水 田 で は 10a当たり1∼2t施用されているが 、 特 に 黒 ボ ク 土 の 水 田 で は 、 施 用 後 3 年 程 度 で

(4)

効 果 が 低 下 す る 。 (10) VA菌根菌資材 VA菌根菌資材は、土壌のりん酸供給能の改善を主な用途としている。VA菌根菌は植物の根 に共生する糸状菌(カビ)の仲間で、菌糸を伸ばして土壌中のりん酸など無機養分を吸収して植物 に供給する。完全に共生するには施用後3週間程度かかるとされており、共生適温は20∼30℃で、 10℃以下では生育の停止、40℃以上では死滅の可能性がある。肥沃な土壌では、共生率の低下 や共生効果が現れにくくなる。共生率を上げるには土壌消毒後に接種を行う。微生 物 を 含 む 土 壌 改 良 材 は 数 多 く 言 わ れ て い る が 、 政 令 指 定 の 土 壌 改 良 材 と し て 認 め ら れ て い る も の は 、 こ の 資 材 に 限 ら れ て い る 。 (11) ポリエチレンイミン系資材 ポリエチレンイミン系資材は、土壌の団粒形成促進が主な効果で、これによって保水性と透水性 を向上させる。製品としてはEB-aがあり、これは、アクリル酸とメタクリル酸ジメチルアミノエチルの 共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体である。施用方法は、土壌を十分湿潤 にしてから、土壌に十分行き渡るように希釈して添加する。EB-aは一度土壌と反応すると、その 後 水 で 薄 め た り 新 し く 土 壌 を 加 え て も あ ま り 反 応 し な い 。 ま た 、 鉱 質 土 壌 で は 高 い 団 粒 形 成 能 が 見 ら れ る が 、腐 植 に 富 む 黒 ボ ク 土 で は 団 粒 形 成 は 認 め ら れ な い 。 (12) ポリビニルアルコール系資材 ポリビニルアルコールは、ポバールまたはPVAともいわれ、酢酸ビニルを重合し、85∼90%ケン 化することにより製造される非イオン系資材である。0.5㎜以上の土壌団粒形成促進の効果があり、 これによって保水性と透水性を向上させる。土壌団粒の形成は、土壌に施用したPVAを土壌粒子 間に十分浸透させてから、土壌をいったん乾燥させ固結させ た 後 、 耕 う ん す る こ と に よ り 土 壌 団 粒 形 成 が 完 成 す る 。 鉱 質 土 壌 で は 高 い 団 粒 形 成 能 が 見 ら れ る が 、 腐 植 に 富 む 黒 ボ ク 土 で は 施 用 効 果 が 低 い 。 こ の よう な 場 合 、ベ ン ト ナ イ ト を 併 用 す る と 団 粒 形 成 能 を 発 揮 す る 。 (13) 微 生 物 資 材 微 生 物 の 働 き を 農 業 利 用 し よ う と す る 資 材 の う ち 、 特 定 の 微 生 物 を 特 定 の 栽 培 に 用 い て 、 特 定 の 病 害 虫 防 除 効 果 を あ げ 、 か つ 人 体 及 び 環 境 に 対 し て 安 全 性 が 確 認 さ れ た 資 材 と し て 登 録 さ れ て い る も の を 、 微 生 物 農 薬 と い う 。 土 壌 施 用 す る 微 生 物 農 薬 に は 、 ネ コ ブ セ ン チ ュ ウ に 効 果 が 確 認 さ れ て い る 資 材 、 ゾ ウ ム シ や コ ガ ネ ム シ の 幼 虫 に 効 果 が あ る 資 材 、 各 種 土 壌 病 害 に 効 果 が あ る 資 材 な ど が 、 10種 程 度 販 売 さ れ て い る 。 こ れ ら に つ い て は 、 「 病 害 虫 雑 草 防 除 指 導 指 針 」 を 参 照 に 、 適 正 に 使 用 す る 必 要 が あ る 。 微 生 物 資 材 は 、 微 生 物 の 働 き を 積 極 的 に 利 用 し よ う と す る 考 え に 基 づ い て 製 造 さ れ て い る 資 材 の う ち 、 上 記 の 微 生 物 農 薬 に 登 録 さ れ て い な い 資 材 で あ り 、 土 壌 改 良 材 の 一 部 に 位 置 付 け ら れ る 。 こ れ は 、 「 土 壌 な ど に 施 用 さ れ た 場 合 に 、 表 示 さ れ た 特 定 含 有 微 生 物 の 活 性 に よ り 、 用 途 に 記 載 さ れ た 効 果 を も た ら し 、 最 終 的 に 植 物 栽 培 に 資 す る 効 果 を 示 す 資 材 」 と 定 義 さ れ 、 法 文 の 定 め る 、 ① 効 果 の 再 現 性 が あ る こ と 、 ② 効 果 を 示 す も の が は っ き り し て い る こ と 、 ③ 効 果 の メ カ ニ ズ ム が あ る 程 度 わ か っ て い る こ と 、 な ど の

(5)

要 件 が 満 た さ れ て い る 「 V A 菌 根 菌 資 材 」 の み が 政 令 指 定 資 材 で あ る 。 現 在 流 通 し て い る 微 生 物 資 材 は 数 多 く 、 一 般 に 流 通 し て い る 資 材 は 100種 類 以 上 あ る 。 こ れ ら の 資 材 の 効 果 を 大 別 す れ ば 、 ① 広 範 な 意 味 に お け る 地 力 を 増 進 す る 効 果 を も つ も の 、 ② 堆 肥 化 や 土 中 の 稲 わ ら 分 解 を 促 進 す る な ど の 有 機 物 分 解 促 進 効 果 を も つ も の 、 ③ 土 壌 微 生 物 相 を 改 善 す る 効 果 を も つ も の 、に 分 類 で き る 。 地 力 増 進 を 目 的 と し た 資 材 と は 、 土 壌 微 生 物 の 活 性 化 を は か る こ と に よ り 、 土 壌 の 物 理 性 や 化 学 性 を 改 善 す る こ と を 目 的 と し た 資 材 で あ る 。 有 機 物 分 解 促 進 を 目 的 と し た 資 材 に は 、 堆 肥 化 過 程 で の 分 解 促 進 と 、 主 と し て 稲 わ ら す き 込 み 水 田 を 目 的 と し た 土 壌 中 で の 分 解 促 進 を 目 的 と し た も の が あ る 。 連 作 障 害 回 避 を 目 的 と し た 資 材 に は 、 土 壌 微 生 物 相 形 成 を 促 進 す る こ と を 目 的 と し た も の な ど が あ る 。 い ず れ か 一 つ の 効 果 を 期 待 す る よ り 、 土 壌 改 良 効 果 や 作 物 生 育 促 進 効 果 な ど を 総 合 的 に 含 め た 地 力 維 持 に 効 果 が あ る と す る も の が 多 い 。 微 生 物 資 材 の 内 容 は 、 大 部 分 が 有 用 微 生 物 を 培 養 し て 添 加 し た も の で あ る が 、 中 に は 、 有 用 微 生 物 の 増 殖 環 境 を つ く る 資 材 だ け が 入 っ て い る も の も あ る 。 ま た 、 商 品 形 態 も 、 液 状 の も の か ら 、 堆 肥 等 の 有 機 物 や バ ー ミ キ ュ ラ イ ト な ど の 鉱 物 に 吸 着 さ せ た も の ま で 多 岐 に わ た る 。 し か し 、 添 加 さ れ て い る 微 生 物 に つ い て の 記 載 は 抽 象 的 な も の が 多 く 、 大 部 分 の 資 材 で は 、 微 生 物 の 種 類 は 明 ら か に さ れ て い な い 。 施 用 量 も ま ち ま ち で 10a 当 た り 20kg程 度 の も の か ら 300kgを 超 す も の ま で あ る が 、 10a 当 た り 20∼ 200kg程 度 を 使 用 し 、 堆 肥 な ど 有 機 物 と 併 用 す る こ と に よ り 効 果 が 発 揮 さ れ る も の が 多 い 。 中 に は 、 完 熟 有 機 物 で は 効 果 が な く 、 未 熟 有 機 物 の 使 用 が 好 ま し い と い う 資 材 も あ る 。 各 種 の 効 果 が 表 示 さ れ て い て も 、 使 用 条 件 に よ り 効 果 が 異 な る こ と が あ る の で 、 過 剰 な 期 待 は 禁 物 で あ る 。 ま た 、 連 作 障 害 回 避 を 目 的 と し た も の で も 、 農 薬 の よ う な 効 果 は な い の で 、 土 壌 消 毒 な ど 通 常 の 管 理 を 行 っ た 上 で 使 用 す る こ と が 必 要 で あ る 。 微 生 物 資 材 を 連 作 障 害 防 止 の た め に 利 用 す る 上 で の 注 意 点 を 以 下 に 述 べ る 。 ア 有 機 物 や 微 生 物 資 材 は 農 薬 で は な い た め 、 土 壌 病 原 菌 を 殺 す 能 力 は 極 め て 低 い 。 発 病 の 著 し い ほ 場 で は 、 土 壌 消 毒 を 行 っ た 後 に 微 生 物 資 材 を 堆 肥 と と も に 施 用 す る 。 イ 1 回 の 施 用 で は 効 果 が 小 さ く て も 、 連 用 す る こ と に よ り 効 果 が 期 待 で き る こ と が あ る 。 ウ 果 菜 類 の よ う に 地 上 に で き る 果 実 を 利 用 し た り 、 栄 養 生 長 期 に 収 穫 す る 葉 菜 類 で は 利 用 の 可 能 性 は 大 き い が 、 地 下 部 を 利 用 す る 根 菜 類 で は 、 病 害 の か な り の 部 分 が 抑 制 さ れ て も 根 部 表 面 に わ ず か に 残 る 障 害 で 商 品 価 値 が 無 く な る な ど 、 利 用 に 問 題 が あ る 。 エ 微 生 物 資 材 は 万 能 で は な い た め 、 目 的 に 応 じ た 資 材 の 選 定 が 必 要 で あ る 。

参照

関連したドキュメント

腐植含量と土壌図や地形図を組み合わせた大縮尺土壌 図の作成 8) も試みられている。また,作土の情報に限 らず,ランドサット TM

対象地は、196*年(昭和4*年)とほぼ同様であ るが、一部駐車場が縮小され、建物も一部改築及び増築

掘削除去 地下水汚染の拡大防止 遮断工封じ込め P.48 原位置浄化 掘削除去.. 地下水汚染の拡大防止

現状と課題.. 3R・適正処理の促進と「持続可能な資源利用」の推進 自然豊かで多様な生きものと 共生できる都市環境の継承 快適な大気環境、良質な土壌と 水循環の確保 環 境 施 策 の 横

ポイ イン ント ト⑩ ⑩ 基 基準 準不 不適 適合 合土 土壌 壌の の維 維持 持管 管理

産業廃棄物を適正に処理するには、環境への有害物質の排出(水系・大気系・土壌系)を 管理することが必要であり、 「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」 (昭和

参考のために代表として水,コンクリート,土壌の一般

土壌溶出量基準値を超える土壌が見つかった場合.. 「Sustainable Remediation WhitePaper