1
論 文】 UDC :624.
072.
2.
014 :624.
155 日本 建 築学 会棡 造 系 論 文 報 告 集 第 367 号・
昭 和 61 年 9 月構真柱
鉄 骨
に
お
け る
柱 脚 根
入 れ
部
の
設
計
に
関
す
る
研 究
一
長
い構真柱
ぐい の実測
に よる考察
一
正 会 員若
林
嘉
津 雄
* §1
.
ま えがき ユ.
1 構 真 柱 構 造の概 要とそ の問題 点 地下 構 造 体を逆 打ち 工法に よっ て施工す る場 合は,
そ の期 間の固 定 荷 重 や 作 業 荷 重 な どの逆 打 ち荷 重 を仮 設 的 に支 持し なけれ ば ならない。 構 真 柱 構 造 (以 下,
特に ま ぎら わ し く な い場 合は,
構 真 柱と略 称する )は こ の ため の仮 設 構 造 物であっ て経 済 性 を 強く求め ら れ るが, 同 時 に合 理 性と安 全 性の追 求は施 工 中の安 全 確 保の み な ら ず,
施工後の構 造 体の健 全 性 確 保の点か らも極めて重 要 な課 題である。 逆打ち 工法を採 用して地 下 構 造 体を施工 した例は か な り古く か ら あ る’〕・
2〕。
そ して,
逆 打 ち荷重 を支 持する た あの仮 設工法は, その時 代 時 代に開 発さ れてい る背 後 技 術 を応用 し な が ら, 工事の条件や状況 に応 じて種々考え ら れ て きてい る3,・
4〕 が,
現 在では一
般に図一
2に示す よ うな, 構真柱 鉄 骨 (鉄 骨 柱)と構真柱ぐい (場所打ちコ ン ク リー
トぐいで, 構 真 台 柱 と もい う)を組み合わ せ る 合 成 構 造 方 式に定 着して きている。
こ の う ち,
構 真 柱ぐい の築 造に当たっ て,
そ の掘 削 深 さ範 囲に地 下 水が あ る場 合は掘 削安 定 液 (水 また は泥 水 ) が必 要であ り,
くい の施工 や構 真 柱 鉄 骨の建 込み固 定な どの作 業は,
こ の掘 削安 定 液 中で, し か も地 上か らの遠 隔操作に よっ て行わ ね ば な ら ない 。 この ことに基づ い て 設 計・
施工上で多く の問題 を含んで いる。 その主なもの は設計上で は,
構 真 柱 鉄 骨 と 構 真 柱 ぐい との 間の 応 力伝 達 性 状の解 明が あ り, 施工上では,
構真柱鉄 骨の建込 み 精 度の向 上, くいコ ンクリー
トの若 令 時の所要性 能の確 保,
く い掘 削 孔 上 部の埋戻し土の所 要相 対 密 度の確保 な どである。
1.
2 現 行 設 計 法の考え方 構 真 柱 構 造は前 述のよ うに構 真 柱 鉄 骨と構 真 柱ぐ い よ り な るが,
単な る鉄 骨 柱や場所
打ちコン ク リr トぐ い で あれ ば,
仮 定 荷 重 や許 容 応 力 度などの設 計 条 件 を 与える ことに よっ て,
それ ぞれ設 計 法が定まっ てい る5L6)。
し か し, 本研 究で述べ るよ う な, 構真柱 鉄骨の建込み固定 をくい コ ン クリー
トへ 根入 れ す る合 成 構 造 方 式の構真柱 構 造につ い ては,
現 実に多くの実 施 例が あ る に も か か わ らず,
構 真 柱 鉄骨 と くいコ ン ク リー
ト との応 力 伝 達な ど の性 状や機 構があい まいな ま まに放 置さ れ て, 設 計法も 確 立し ていない。
表一
1は本 研 究 と同じ施工方式による構 真 柱 構 造の大 阪 市 内に お ける実 施 例の な かか ら,
柱 脚 根入れ部の応 力 伝 達につ いての設計の基 本 的な考え方 と許 容 付 着 応 力 度 の採 用 値で、
筆 者が 入手し得た もの の一
覧 表で あ る。
こ れ に よると柱 脚 根入 れ部の応力 伝 達の考え方に は, (a) 鉄 骨 とコ ン ク リー
ト と の付 着 力,
(b
) 鉄 骨 柱 下 端にお け る支圧 力,
(c)ス タッ ドジベ ル の せ ん断 耐 力が あ り,
どの実 施 例に お い ても (a)を主体に 考え,
これに (b),
(c)ま た は,
(b)および (c) を 付 加す る設計手 法を採 用 してい る が,
設 計 者によっ て大き な ち がい の あ るこ と がわ か る。
す な わ ち (a ) 付 着 力 構 真 柱 鉄骨の柱脚 部を くい コ ンク リー
トへ 根入 れ し て, それ らの間の付 着力を期 待する考え方で あ る。
この 場 合 付 着面積を増す ために,
柱 脚 根入 れ部 分に ウ イング プレー
トを取り付け る場 合がある (図一
1)。
本 報 告で述 べ る構真柱鉄 骨にもこ の ウイングプレー
トを 取 り付けて いる。
表一
1 柱脚 根入 れ部の応 力 伝 達 設 計の実 施 例 1 (株 )日建設計大 阪 本 社 参事 (昭 和60年5月2日 原稿 受 理1 応 力伝 達椴 構の組 合わ せ 設 計 裸 用 値 工 事 名 付 着 支 圧 ジ ベル Fo 許 官 村 清 尾 力 度 h k8/cび k犀ノo び A ◎ ◎ ◎ 210ZI.
80・
5.
82 名 Fじ
6 2囑o7.
20暫
3,
00瓢Fr c ◎ 2喝o7.
20・
3,
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D ◎ 2乢o3.
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1.
41 : Fr E ◎ ◎ 2邑o6.
57・
2.
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F ◎ @ 2咽04.
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2.
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2.
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5.
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5.
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2.
50 : Fr一 111一
ぜ
譜
図一
1 柱 脚 根入 れ部のウイング ブレー
ト 構 真 柱 鉄 骨と くいコ ンク リー
トとの間の許 容 付 着 応 力 度に関し て は,
日本 建 築学会 :鉄骨鉄 筋コ ン ク リー
ト構 造 計 算 規 準に,
長期荷重に対して 「コン ク リー
トの設計 基 準 強 度の2
%,
かつ , 4.
5kg/cm2 以 下 」(短期に対 し て は,
長 期に対する値の 1.
5倍 }とい う規 定7〕 が ある。
さ ら に, 日本建 築 学 会 :建 築 基 礎 構 造 設計規 準に は, 場 所打ちコ ン クリー
トぐい の コ ンク リー
トの 長期許 容 圧 縮 応 力 度に関して,
「くい体の全 部また は一
部の コンクリー
トが水ま た は泥水中で打 設さ れ る場 合は,
使 用 するコ ン ク リー
トの設計基 準強度の 1/5, かつ,
50kg /cmZ 以 下」 とい う規 定が あ り,
許 容 付 着 応 力 度につ い て も上記の許 容圧 縮 応 力 度の低 減に対応さ せ る よ うに なっ て いる6) 。 この よ うに,
場 所 打 ちコ ンク リー
トぐいに お け る鉄骨 とコ ン ク リー
ト との間の許 容 付 着応力度につ い て は一
応 の よ りどころ があるが,
現 実の実 施 例で は必ずし もこ の よ り どこ ろによ ら ない で,
表一1
に示す よ うにか な り大 き い値を採 用して いる ものが多い。
(b
) 支圧力 構 真柱鉄 骨の根入 れ部 分の下 端 水 平 面と,
くい コ ンク リー
トとの間の支 圧 力 を期 待 する考え方であ る。 (c ) ス タッ ドジベル の せ ん断 耐 力 構真柱鉄骨の柱脚根入 れ部 分に スタッ ドジベ ル を水 平 に取り付け,
こ れの せ ん断 耐 力 を 期 待 するもの であ る。 構 真 柱 鉄 骨と構真柱ぐい との間の応 力 伝 達に関 する設 計の考え方に は,
上記の (a)・
(b
)・
(c)がある が,
こ れ ら のど れに期待して どの よ うに設 計すれ ばよい かが重 要な課 題で あ る。1.3
既往の研 究の概 要 構 真柱 鉄 骨と構 真 柱ぐい との応 力 伝 達に関す る設 計の 考え方は, §1.
2で述べ た と お り で あ る が, これ らに関 する既 往の直接 的な研 究と して は, 付 着 力と支 圧 力につ い て行わ れ た縮尺1
/2
模型に よ る実 験 研 究8)が あ げ られ る だ けであ る。
これ は 構真 柱 鉄骨の柱 脚 根入 れ部か ら下 方に打 込ま れ る くい コ ン ク リー
トの高さが少な い場 合 (実 験供 試体で は0.575m
>につ いての もの で ある が,
こ の な か か ら本 研 究に関 係す る部 分 を要 約すると (1) 荷 重と付 着 応力度との関係11) 柱 脚 根 入れ部の,
根入 れ方向の付 着 力 分 布は一
様で な く, 付 着 応 力 度の最 大 値は載 荷の前半で は根入れ部 上 部 にある が,
載 荷の後半で は根入れ部下 部に移 行する。 そ の値は そ れ ぞ れ 上部に おいて11〜
12kg
/cmZ,
下 部にお い て 9〜
12kg/cmZ (コ ンク リー
トの設 計 基 準 強 度Fcの 5%程 度)を 示 し た。
なお, 根入れ部 全 体の平均 付 着応一
112
一
力 度は 6−
8kg /cm2 (Fc
の 2,
5〜
3.
0 % )程 度で あ る と 推 定さ れてい る。 (2) 荷 重と支圧 力 との 関係ll] 載 荷 初 期に発 生す る支 圧 力は わずか で あるが,
荷 重の 増 大に伴っ て支圧 力 も増大して い る。
載 荷 初 期に支圧 力 を生 じ な かっ たの は, コ ン ク リー
トの ブリー
ジン グに よっ て支圧面が すいていた もの と考え ら れて いる。な お,
こ の と きの コ ンクリー
ト の か ぶ り高さ は,
中 間 支 圧 面で0.
45m
, 下 部 支 圧 面で L15 m であっ た。 §2,
本 研 究の目 的 地 盤が軟 弱で地 下 水 位の高い場 合には, 構真 柱 鉄骨の 建込み固 定 を地 上か らの遠 隔操作によっ て, 掘 削 安 定 液 中で行わな けれ ば な ら ない こと は す でに述べ た。
こ の施 工方式に よる構 真 柱 構 造において は,
柱 脚 根 入れ部か ら 下 方に打込まれ るくい コ ンク リー
トの高さ が, 数メー
ト ル以 上に及ぶ こと が し ば し ば あ る。 こ の よ う な実 例は特 に関 西 地 方に多い2 )・
12 ,。
本報告に述べ る実 例の場 合 も,
この高さは 12−
13m に達する。
こ の ために,
打 込ま れ た生コ ン ク リー
トは凝 結 硬 化まで に か なり の沈 み 現 象]3}・
14遊 生じ,
鉄 骨やス タッ ドジベ ル の水 平 材の下 側に沈み 空 澗 を 生 じ る 可 能 性 が大きい 。 また,
RC 部 材につ い ての 鉄筋 下端の沈み空 洞で は,
上 部の か ぶ りコ ン ク リー
トが厚い場 合,
この生 コ ン ク リー
トの圧 力に よっ て減少す ることが報 告され て い るISLIG ) 。 さ ら に,
くい コ ンク リー
トが掘 削 安 定 液 中で 施工さ れ る場 合には,
コ ン ク リー
トの上 部に掘 削 安 定 液 による圧 力が働い てい る はずで あ り,
その うえ, く いコ ンクリー
トはその周 囲か ら大き な土水圧を う け てい る。
これ らの ことはま だ固ま ら ない生コ ンク リー
トの沈み現 象に対し て影 響を及ぼす もの と推 察さ れ る。
そこで, 柱 脚 根 入れ部か ら下 方に打 込ま れ るコ ン ク リー
トの高さ が大き い構 真 柱 構 造では,
これ らの要因に よっ て鉄 骨とコ ンク リー
トとの付 着 性 能 や 支 圧性能など が影 響さ れ,
前述 の実験結果8,・
il〕 と異なっ た結 果 とな る 可 能性が は な はだ 大きい。
しか し,
これらの問 題 を実 験 的に究明 する に は状 況の再 現 性が困 難である。 そこ で,
本研究はこれ らの問 題につ い て,
実 施 構 造 物の構 真 柱構 造に おいて,
くいコ ンク リー
トの 沈 み現象を実証 的に観 察して,
こ れ らの問 題につ い て の知 見を得,
設計に対す る実 際 的な指 針 を得 よ うとするもの であ る。 §3.
測 定およ び 観 察 計 画 3.
1 測 定する構 真柱構造の概要 図一2
は本 報 告で述べ る構 真 柱 構 造と実 施 構 造 物お よ び地層 との関係 を示す。敷 地は大 阪・
中之 島 地 区であ る。 図に示す よ うに構 真 柱ぐ い の先 端はSGL −
34,
l m の洪 積 砂 礫 層に達し,
全 長 14.
9m (余 盛りとも )であっ て,
構 真 柱 鉄 骨の下 方に打 込ま れ る くい コ ンク リー
トの高さ は 1Lgm で あ る。 くい 掘 削 孔上部 約 16.
7m は,
くい」
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図一
2 構 真柱 構 造と地 層の概 要・
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150.
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950・
25。.
9.
25, コ ンク リー
ト打 込みの翌日に,
掘 削 安 定 液を排 出し なが ら砂質土で作 業床 (SGL − 2.
5m
)まで埋 戻し た。 図一3
は柱 脚 根入 れ部と構 真 柱ぐい頭 部の詳 細を示 す。 図に示す よ うに構真 柱鉄 骨の断 面 形 状は 十字形で あ り,
くい コ ンク リー
トへ は 2.
5m.
根入 れ さ れて い る。 根入 れ部に はコ ンク リー
ト と の付着面積を増す た め に ウ イン グ プレー
ト を取り付けて い る。
構 真柱ぐい は直径 2.
Om の べ ノ ト工法に よる場 所 打ちコ ンク.
リー
ト ぐい で あ る。
この よ う な構 造は構 真 柱 構 造と し て一
般 的なもの であっ て, 研 究 対 象 と して適 当なものである。
表一
2は使用し た鋼 材の材 質・
機 械 的 性 質・
化 学 成 分 (いずれ もミ ル シー
トに よる値 )を,
表一
3は使 用し た コ ンクリー
トの調 合・
圧 縮 強 度 を示 す。
3.
2 測 定お よ び観 察 方 法 構 真 柱 鉄 骨と くい コ ン クリ厂 ト,
との応 力 伝 達につ い て は,
構 真 柱 鉄 骨の柱 脚 根 入れ部およびそ の直上部におい て, ひずみ計 (表一
4参 照 }に よっ て鉄 骨の存 在 応 力を 測 定し, これ らか ら付 着 力の分 布 を 求める ことに した。・
図一
3の中に ひずみ計の取 付け位 置 (A ・C ・
D
・E
点) 図一
3 柱 脚根入 れ部 分の詳 細 表一
2 使 用 鋼 材の材 質規 格・
機 械 的 性 質・
化 学 成 分 (ミル シー
ト値 ) 母 械 的 性 資 化 掌 成 分 形状 寸 法 親 格 用 途 σ7
卵.
巴 CSi 臨 Ps 厂.
!面
〜 塞 ir〜
: 旦ぴ zz1 『 z 二 L凹 : 10.
,
竃 鋏 P1一
竃51瀰 αム 主 材‘0一
網 54−
5526−
30163 [−
3‘ L34−
13819−
254−
9 PI−
B 園41 ウイン
グ 324531919lG916B.
骨 P1−
8 $50直 副 材 q・
5055−
6019・
2615−
1632−
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L4620ヤ
255一
酢 鉄 卜25 諏35 主 筋 33−
4258−
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3: 88−
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6124−
2725−
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972諺一
唱330−
42 筋 レ13 鵬0 フー
プ 38−
3955−
562436−
29 毘 58−
61 [9−
2428 表一3
使 用コ ンク リー
トの調合・
圧縮強 度 セメ ント 呼び強度 督 通 ボル トランドセノント 24D スラソ
プ 杢気 量 指 定13c薗.
荷 卸 し19.
4艪 摘定 4:、
荷 卸 し 3.
時 調 合 セメノト 水 砂 砂利 程和 材 ”κ 5川 〆評 06唱 1ノ♂ 200 !凶 804 ノ酵 697 水 剤 G.
2: c : 55 :.
47.
F7 F28 礪 123 平 均 123 平 均 k8〆戯 2‘o23023123 ‘ 35z351346353 表一
4 ひずみ計の仕 様 名 称 バラ シロ
7 ク H S−
10C 型 メー
カー
応用 計 駟工 黙 (株 ) 受 感 部形 状 リング ゲー
ジ式 測 定 範 囲「
士1500× 10−』
山 力 ひ ずみ 土45囗OXIO−
6F
.
S.
測定ブ リッ
ジ 350ΩX1 ゲー
ジ 注 非 直 繰 性 1.
5 軍 F.
S.
、
標 点 距 離 且oo 国 巳.
計 器 全 長 【40肋
計 器 笥 径 35 聴 φ 訐容 屋 慶 範囲一
20〜+
70℃ 使 用 測 定器 抵 抗 跟 式ひ ずみ測 定 濁一
113
一
写 真
一
1 沈 降 (観 測)板 写 真一
2 沈 降 〔観 測〉棒 と取 付け詳 細を 示 す。
測定はパ ソコ ン を 用いた自動 計 測 に よっ て行い,
毎日正午に作 動し自動 記録 す る よ うに し た。
また
,
くい コ ンクリー
ト打 込み の後,
その上 部の沈み の程度を観察する た め に,
図一3
のB
点に沈 降 (観 測 〉 板お よび沈 降 (観 測 )棒 を取り付け た。
取付け詳 細 を図一
3の な か に,
そ の状況 を 写真一
1−
2に示 す。 沈 降 板はPL −
9で構 真 柱 鉄 骨の柱脚根入れ部の 水 平 部 分を,
沈降 棒は 19φで柱 脚根入 れ部に水 平に取り付 けたス タッ ド ジベ ル を想定し た もの である。 沈 降 板の取付け数は20 か所,
沈 降棒は8
か所で ある。
§4.
測 定お よび 観 察 結 果 4.
1 構真柱鉄骨の軸 力図
一
4は構 真 柱 鉄 骨の 測定 応 力の経 時 変 化を示す。
図 中の A・
C・
D・
E 曲 線は,
そ れ ぞ れ図一3
中に示 すA ・
C ・
D・
E 点にお け る測 定 応 力であ る。 これ らの う ち,
A 曲 線は構 真 柱 鉄 骨の全 軸 力を,
C・
D・
E 曲線は 柱 脚 根 入れ部 分の存在 軸 力 を 示 す。 構 真 柱 鉄 骨の存 在 応 力は,
測定応 力が弾性範囲内の低 応 力で あ るか ら,
断 面内の ひずみ 分 布に平 面 保 持の仮定 が成 立す る もの と考え て,
ひずみ計の計 測 値か ら求めた も の で あ る。な お,
鋼 材の弾性係 数は 2100t/cm2 とし た。 ま た,A
点は くい コ ン ク リー
トの 上 端か ら2.
2m 上 方 にあっ て砂質土で埋 戻した部 分である か ら,
A点に お け る測 定 値は埋 戻し土 との ま さつ 力の ために,
厳 密に は構 真 柱 鉄 骨の全 軸 力を示すもの と はい い がた いが,
§5.
1 で述べ るよ うに,
そ の影 響は僅 少で あると考えられ るの で, これを 無 視 することに した。 図一
4の横 軸は経 過 月 数と 工事の進 捗 状 況を表す。
経 時変 化の時 間刻み は原則とし て, 24時 間で あ る。 ま た, 図の縦軸は わずかに荷 重の加わっ た段 階 〔鉄 骨1節 完 了 ) を0点と し た。
図 中の破 線は構 真 柱の負 担する荷 重の計 算 値の経 時 変 化 を示 す。 計 算 値は その支 配 面 積 中の荷 重を積 算す るこ とによっ て求め た もので ある。
4.
2 柱 脚 根入 れ部の付 着力 分布 図一5
は, 図一4
中に , ,……
の よ う な印で示 し た主要な施工段 階に お け る構 真 柱 鉄 骨 各 部の測 定 応 力の 深 さ方 向分布を示し,
荷 重の増 大に伴う柱 脚 根入れ部の 測 定 応 力の変 化の状 況 を表 す。 4.
3
沈み空 洞の観 察 構真 柱ぐいの余 盛りコ ンク リー
トを除 去する と き,
構 B5乢 (け 2102202Deleo160140120teoeo60Omp 4012 。 o 101TOUt
40 月 日2乢 コ ン ク ク ワ 1 4 ト 次 打 掘 ち 削
雪
く 墾1
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り 8 ト u 次 は 園 つ 削 り 7 ワ 1FL ; ク 1凪 り 1 ン ト 打 り ら 1 サ 2 次 屈 前 7 夛I
I} 1 5 ト 次 汀 囲 ら 削 7 ▽ ’ 「一一■
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経 逝 月賊 4E 5 6 7 8 鬩 了 lo 2 図一
4 構 真 柱 鉄 骨の測 定 軸 力一
114
一
Tgns
・
一
一
Comp.
O−
10e−
200−
500 〔t ) 図一
5 柱 脚 根 入れ部の応 力 分 布 真 柱 鉄 骨の こ の部 分に取り付けて お い た沈 降 板およ び沈 降棒の周 囲の コ ンクリー
トの状 態 を観 察し た。 まず,
沈 降板につ い て の観 察 結 果を要 約すると,
a)−
d
)に分 類で きる。 a) 沈降板と そ の す ぐ下 側の コンク リー
トとの間に隙 間が見い だ さ れ た もの。
この場 合の コ ン クリー
トは 良 質で あ り,
隙 間は 2mm 以 下の わずか な もの で あっ た(写真一3
)。
』
「
b
)沈 降 板のすぐ下 側に粗 悪 なモル タル分 または砂 質 分の薄 層が あり,
沈降 板との間に隙 間 をうくっ て い た もの (2mm 以 下 )。 c>上 記と 同様に,
粗悪 なモ ル タル分ま た は砂 質 分の 薄層 が 見 ら れ た が,
沈降 板との間に は隙 間がな く密 着 し て い た もの。
d
) 沈 降 板の近 傍か な りの範囲 に わ たっ て,
スライム 混 じ りの粗 悪なコ ンク リー
トが存在し た もの。 こ の 場 合,『
隙 間の ある もの はなかっ た。 そ れ ぞ れの発 生 率は 取付け数20
か所の う ち,
不 明2
か所 を 除い て , abC 」 U 4か所 22%『
5
か所28
% 4か所 22% 5か所 28% であり,
沈 降板の下 側に隙 間の見られたもの は9
か所,
50% であっ た。 な お,
§1.
3で述べ た既 往の実 験 11 )に お い て も,
支 圧 面 (鉄 骨の下 側 )が すい て い だと考 察さ れ てい る。
次に,
沈 降棒に つ いての観察結果を纒め る と,
a)・b
) に分 け られ る。
す なわち,
取 付 け 数8
か 所の う ち,
不 明 2か所を除い て, a)沈降棒の周 囲 を良質の コ ン クリー
トが隙 間な く満た して い たもの (写真
一
4)。 4か所67% 写 真
一
3 沈降板の状況 写 真一
4 沈 降棒の状 況b
)沈 降 棒の近 傍か な りの範 囲にわ たっ て,
粗 悪なス ライム混 じ り の コ ン クリー
トになっ て いた もの。 2 か所 33% であ り,
沈 降 棒の下 側に隙 間 を生じ てい た も の は な かっ た。
な お,
上 記の不 明か所とは工事の た めに十 分 な観 察 が でき なか っ たもので ある。 コ ンク リー
トの質の良 否の判 定は,
そ の周 囲一
帯につ いて の 目視な らびにテス トハ ンマー
による打 撃テス トに よっ た。
§5.
考 察5.
1 構 真 柱 鉄 骨の軸 力 1.
本 研 究の対 象と した実 施 構 造物で は
,
代 表 的な6’
本の 構 真 柱につ いて軸 力 測定を行っ てい る。 これらの結 果 を 概 観 すると, 軸 力の 実 測 値と計算値との関 係の経 時 変 化 は,
いずれ も よ く似た傾向を示して い る。
し か し, 軸 力 の実 測 値 が 図一4
に現 れて いる ように微 妙に変 動して い る ことにつ いて は,
こ の 測定期 間 中に は諸 種の作 業が重 複し て行わ れ て お り,
さ らに,
工 事の進捗に伴う上部 構 造 体の剛性の増 大 が,
各 構 真 柱の鉛直変位の均 等 化と荷 重の再 配 分に寄 与 するの で,
軸 力 変 動の微 妙な現象のす べ て につ い て そ の原 因を明 快に説明 す るには資 料に乏 し く困 難であ る が,
図に現れ た いくつ かの現象につ いて,
ほ か の構 真 柱の測定結果 をも参 考に し な がら,
主 として 本 論 文に関 係の ある部分につ い て考察する。
1 ) の時 点で荷 重の増 加が ない にもか かわらず 測 定 軸 力が漸 増して い る。 これ は構 真 柱 ぐい の築 造 後,
くい コ ンク リー
トより上 方の掘 削 孔に埋 戻 した土 砂の締 固 ま り によっ て,
構 真 柱 鉄 骨との間に負の まさつ 力が発 生し たことに よるもの であると考え られ る。
こ の応 力は埋 戻 し た直 後か ら か な り早 期に生 じ,
.
その後,
次 工 程で こ の 力を 超 え る荷重 が加わっ た段 階で消 減する性 質の もの で あ り, 実測値に もこ の傾 向が現れて い る。2
) の時 点までは測 定 軸 力が計算値よ り も 大 きい こ と につ いて は,
隣 接 構 真 柱 (中心 間 隔 3.
150m )か らの 荷 重の移 動に よ る と考え ら れ る。
図一
6は隣接構真柱の.
測 定 応 力の経 時 変 化 を示す が,
図一
4の増 大 値とほぼ同’
じ値だけ実 測 軸 力が計 算 値よりも小さ く なっ てい る。
こ の荷重の移 動は その大 部 分を 工事の初 期に生じ, そ の後 の負 担荷
重の増 加に よっ てもほ と ん ど変 化がな い。
移 動 量は本 計測に お い て は約25t で あっ た。
こ の原 因はそれ ぞれ の構真柱構 造 を構 成する鉄 骨一
く一 115 一
Ct〕 5405205eo2e 囗 26024e220200teo16D14012a10 囗 BO60Oo
皿
訊4012
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’
’
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一
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一
一
一一驪一膊一
一一一
一
「 ト 1 π 「 ら 11一
口 1 箘 鉄 骨 厂一
一一
8 瓰 方 广 ワ ’ ’ 0 1一
経 過月 数 2 5 4 5 6 7 8 9 10 図一6
隣接 構 真 柱 鉄 骨の測定軸 力 い一
地 盤系の初期剛 性の不 均一
性 (主と して構 真 柱ぐい 先 端の初 期 沈 下 量に基づ くもの と考え られ る)19〕 が, 初 期 荷重に よっ て均 等 化する方 向に変化し た ことに よる も の と考え ら れ る。3
} の時点以 降におい て測 定 値が計算 値 より小さい こ とにつ いては,
構真柱におい ては,
本来,
こ の よ う な 傾 向を示す もの であ る。
これ は施工時に過大な 応 力 を生 じ させ ないた め に, 構真柱設 計時の逆 打ち荷 重の計算に 当たっ て は, 負 担 荷 重 値が安 全 側にな る よ うに取り扱う た め で あ る。
例えば,
ダク トやパ イ プの壁 貫通 孔・
は り 貫通孔など を無視し た り, 施工時の作業荷 重を や や大き く評 価す る な どであ る。 こ のよ う な取り扱い によ る計算 値の 余 裕 (荷重の 減 少 率 )は通 常10 %程 度まで で ある が,
条 件に よっ て は 20%を超え る場 合 も ある。 図一
4 お よ び 図一
6に示し た軸 力 計 測の結 果は,
前 述の荷 重の 移 動が なか っ た と す れ ば, 荷重の減 少 率は両 方 と も ほ ぼ 同じ値であり, 約18− 20
%程度 を示 し てい る。 な お,
構 真 柱 鉄 骨軸 力の一
部は,
くい掘 削 孔 上 部に埋 戻し た土砂との 間の正の ま さつ 力によっ て地 盤に伝わっ たことも考え ら れるが,
各 掘 削 段 階における荷 重の減 少 率の推移に は, 測 定し た6本の構真柱に共通して有 意 的 な変化が 認 め ら れ ないの で,
正の ま さつ 力に よ る軸力へ の影 響は少な かっ たもの と判 断さ れ る。 4 ) 各階の床ば りコ ンク リー
ト を打込む と構 真 柱 軸 力 は増大し は じめ,
打込み後,
2〜
数日経過して頂点に達 す る。
その後 軸 力は減 少す るが 再 び漸 増す る傾 向 が うか が え る。これは,
逆 打ち 工法の場合は,床ばりコ ン ク リー
トの型枠支 保工 は各 掘 削 段 階の作 業 床 (掘 削地 盤 )で支 持させ る か ら,ま だ固ま らな い コ ン ク リー
トの状態では,
荷 重の大 部 分は支 保工に よっ て直接 地 盤に伝え ら れる。
そ の後コ ンク リー
トが硬 化して強 度の発 現が始ま る と同 時に構 造 体とし て の剛性も生じる か ら,
支保工に加わっ てい た荷 重は徐々 に減少2°,して,
柱に 直接伝達 さ れ る よ う に な ること に よ る もの と考え ら れ る。
な お,
支 保工 の 解 体 撤 去は コ ンクリー
ト打ち後 約20〜
30日で あっ て,
こ の段 階では全 荷 重が構 真 柱に加わ る よ うに な る はずで あ る が, 本 計測に おいて は,
こ の時点は次工程の掘削を 開始す る時 点と合致して いるの で,
支 保工撤 去の み に よ る 軸 力増加の影 響だ け を分 離す ること がで き な い。また,
測 定 値が頂点に達し た後 減 少 する原 因 も明らか でない。
5 > 各 掘 削 段 階におい て,
掘 削を開 始する と荷 重の増 加がないに も か か わ ら ず 構 真 柱 軸 力 が 急 増 して いる (こ の現 象はC
曲線に おい て も み ら れ る)。
さ らに急増後は 漸 減 する が,
急 増 前に比べ ると若 干 増 加し た状 態に とど まっ て いる ものが多い。 急 増 する原 因は前 述の型 枠 支 保 工の 撤 去,
作 業 床コ ン クリー
トの解 体 撤 去 と構 真 柱 鉄 骨 周 辺の土砂の除去 な ど に よ る も の と考え ら れ る。 しか し,
急 増 後 漸 減す る原因につ い ては,
前記の嫗体コ ン クリー
ト打ちの場 合と同 様に現 段 階では明ら かでないが,
冒頭 で述べた よ う な諸 種の原因が複雑に影 響し あっ たもの で は ないか と考え ら れ る。 6) 前 掲の2
本の構 真 柱の軸 力 測 定 記 録に は現れ てい一
116
一
ないが
,
ほ か の測 定 記 録で は掘 削に伴う地 盤の リバ ウ ン ド現 象による と考え られ る付 加 軸力 を計測 して いる。 こ れ は敷 地 地 盤の地 層 構 成が複 雑な場合や掘 削 範 囲に近 接 して剛な既 存 構 造 物がある場 合などの よ うに,
均 等な リ バ ウン ド現 象がい ち じる し く阻害さ れ る 場 合に考慮 を要 す るもの と考えら.
れる。上 記 以 外の測 定 値の微 妙な変 動につ いての原因 は
,
現 段 階で は明ら か に す る資 料 を得て い ない。
し か し,
全記 録を巨 視 的に みれ ば,
構 真 柱 搆 造の負担す る荷重の大き さ は,
そ れ ぞ れの支 配 面 積に基づい て算定す る方 法がほ ぼ妥当で ある と判 断で きる。
こ の ほ か,
工事 初 期に生 じ る構 真 柱 構 造 問の荷 重の移動, 敷地内の均 等なリバ ウン ド現 象がい ちじ る し く阻 害さ れ る 場合に生 じ る付 加 軸 力 な ど を考 慮する必 要が ある場合が あ.
る とい うこ と ができ る。.
な お,
本 考 察の詳 細につ い て は,
稿を 改め て別の機会 に報告する予定である。
5.
2 柱 脚 根入 れ部の付 着 力 分 布 本報告で述べ る構 真 柱 鉄 骨の 柱 脚 根入れ部の設 計で は,
構 真 柱ぐい との応 力伝達にコ ン ク リー
トと の付 着 力 の みを.
考慮し てい る。・
図
一5
の柱 脚根入 れ部の応 力 変 化 をみ ると, 荷 重の増 大に従っ て付 着 応 力度も増大し て い る。
ま た,
構 真 柱 荷 重の小さい工事初 期におい て は,
根 入れ部の上 部 付 近の み で応力が伝達し,
構真柱荷 重が増 大 するに従っ て応 力 伝 達の 中心位置が順 次 下 方へ 移 動する傾 向が うか が え る。
すな わち, 本計測に おい て は付 着応力は根入 れ部の上 端か ら,
図一
3のD
点 付 近ま でに分布す る に と ど まっ て いて,
D点 以深で は ほ と ん ど付 着ひずみ を生 じて いない。
そ こ で,
D点より上部の み の付 着 面 積 を用いて,
測 定 期 間 中の最 犬 荷 重 時における平 均 付 着 応 力 度 を計 算 すると 1,
44kg /cm2 とな り,
r ン ク リー
ト の 設 計 基 準 強 度F, =240kg
/cmZ の 0.
6% にす ぎ ない 。 こ の ことは,
本 建 物で は地 下工事工程が遅 延し た場 合で も全工事工程に影 響を及.
ぼ さ ない よ うに,
負 担 荷 重とし て約 1000t を想 定 して いるの に対し て,
測定 期 間 中におけ る最 大 荷 重が 設 計 荷 重の約 1/4の 230 tにすぎ な かっ たこと が主.
な原 因で ある。
な お,
構 真 柱 構 造の設 計 時 に採 用し た許 容 付 着 応 力 度fa
は, F。×3%=
7.
2k幻
cm2 劇 であ っ た。
しか し,
付 着 応 力が低 応 力 時におい ては主と して根入 れ部分の上 部に分布す る傾 向にある こ とは,
既往の実験 結果現と合 致して いる。
ま・
た, 図.
−
3のE
点に おい て , わ ずかで は あ.
る が引張 ひずみ を計 測し てい る。
これにつ い て はさ らに研 究 を要 す るもの と思われ るが,
柱 脚 根入れ部の下 端とく い コ ン ク リー
トとの 間には、
ほ と ん ど支 圧 力が存 在しない もの と考え ら れ る。 こ の ことにつ い ては,
次に述べ る沈 降 板 の観 察 結 果で再 びふ れる。
5.
3 沈み空洞 (1
)沈降 (観測)板 §4.
3で述べ た沈降板につ い て の観 察 結 果を概 観する と,
沈 降 板よ り 下方に打 込 ま れ た くい コ ン ク リー
トの高 さ が約 14m に達す る に も か か わ らず, 沈降板の下 側に 隙 間の な い ものがか な り あ り (50
%),
あっ た場 合でも 2mm 程 度 以下の極めて小さい もの であっ た。
これ は 沈 降 板 より上 方に ある か ぶ りコ ンク リー
トの高さ は25〜
35cm であっ て, コ ン ク リー
トの みに よ る かぶ り圧 は小 さいが,
さ らにその上 部 に加 わ る 掘削 安 定 液の圧力 (本 例の場 合 は約15t
/m2 )が,
沈み 空洞の減 少に有 効に働い たものと考え ら れ る。
こ のよ う な沈み空洞 を少な く す る要因 と しては,
くい コ ンク リー
トにか な り の 圧力が作 用し てい ること が あげ られ る。
この ことは コ ン ク リー
トを より密実に し,
柱脚 根入れ部に お ける鉄骨と コ ン ク リー
ト との間の付着 力 を,
通 常の場 合 よりも高め る効 果 を 期 待で き るもの と思 わ れ るMl。.「
沈降板の すぐ下 側に粗 悪な モ ル タ ル分ま た は砂 質分の 薄層が存在し たこ とにつ い て は,
こ の くい コ ン ク リー
ト は ト レ ミー
管に よ る掘 削安 定 液 中の打 込みである から,
コ ン クリー
トは上部に ス ライム や砂 質 分を堆 積し た ま ま 上昇して く る。 こ の状 態の ところへ 構 真 柱 鉄 骨 を静か に 挿入する た め に,
柱 脚 根 入れ部の水 平 部 分がこ の スライ ムや砂 質 分を一
諸に巻き込んで押し下 げて いっ た もの と 考え ら れ る。
こ の現象は構真柱鉄 骨の建 込み を,・
.
くい コ ンク リー
トの打込 み以 前に施工 し ている 場合で も起こ り うるもの で ある。
§5.
2で述べ た ように, 本 計 測に おい て柱脚根入れ部 の 下 側に支圧力の存 在が認め られな か っ た理 由め 1つ に は,
上に述べ たス ライム や砂 質分の巻き込み が考えられ る。
こリス ラ イム・
や砂 質分 を 巻 き 込 む 量の多 寡は,
柱 脚 根入 れ部の水平部分の大き さ・
形 状に.
よっ て異な ること が 考え ら れ る。
ただし,
本 観察で は沈降板の大き さ に 150×150
と150
×250
の 2種 類を用い た が,
これ らの 間 に著しい相 違は認め ら れ な かっ た。沈降板の 近傍かな り の範 囲にわ たっ て
,
ス ライム混じ りの粗悪 なコンク リー
トが存 在し たことにつ い て は,
沈 降板ま た は沈 降 棒に 対 する か ぶリコ ン ク リー
トの高さ が 少ない (例えば20cm
程度以 下)場 合には,
この部.
分 の コ ン クリー
トが粗悪に なっ て い る お そ れ が大きい 17}こ’
(注 )※1 表一
1に示し た よ う に,
大阪市 内で の十 数 件の実 例で は,
Fc=
=
210.
〜
320 kg〆cm2,
fa
;Fc×1」41〜
7L 50 %=
3
.
38−
15.
75kg /cm2 の 範 囲 まであpて,
いずれ も支 障なく施 工 を完了 し てい る。
しか し,
これは逆 打 ち荷 重の計画 値 と実 際 値の違い (例えば,
前 述の工程の余 裕 や 荷 重算 定 時の安 全 側 設 定など)がある ので,
現実 の構 造 物に生じ てい る存 在 付 着 応 力度そのものを示す もので は ない。
一
117
一
と に よ るもの であると考え ら れ る。 しか し, く い コ ン ク リ
ー
トの余 盛 り高さ は一
般に50cm
以 上 とする18}か ら,
構真柱 鉄 骨の根入 れ部分の コ ンク リー
トが,
こ の原 因に よっ て粗 悪にな る可 能性はない と考え てよい。 (2) 沈 降 (観測 )棒 §4.
3で述べ た沈 降 棒につ い て の観 察 結果で は,
その 下 側に隙 間 を見いだ していない。 こ の原因 は沈降板にお ける と同 様に,
沈 降棒よ り上部に あ る か ぶ りコ ンクリー
トお よ び掘 削 安 定 液によ る 上載圧 が有 効に働いた もの と 考え られ る。 なお,沈 降 棒の断 面が円 形であっ たこ と も, 沈み空 洞の消 滅に効 果があっ た と考え ら れ る。 沈 降 棒の近 傍か な り の範 囲に わ たっ て粗悪 なコ ンク リー
トに なっ て い た原 因につ い て も,
沈 降 板の場 合と まっ た く同じで あ ろう。 た だ し,
構 真柱鉄骨の根入 れ部 分に こ の原 因に よっ て粗悪 なコン クリー
トが 介在す る 可 能 性は ほ と ん ど ない といえる。5.
4
設計法につ いて (1) 付 着 力 本研究の実 証 的 測 定およ び既 往の実 験 的 研 究な らびに 多くの実 施 例に よ る経 験な ど から,
構 真 柱 鉄 骨の柱 脚 根 入 れ部と くい コ ン ク リー
トと の間の応 力 伝 達に は,
付 着 力が もっ と も期待で きる。
許容 付 着 応 力 度の値につ いて は,
かぶ りコ ンクリー
ト お よ び 掘削安定 液による上 載 圧が, 鉄 骨 とコ ン ク リー
ト との問の付 着 力を通 常の場合よ り も高める効 果 を 期 待で き る と 思 わ れ る が,
こ の ことにつ いては今 後の研 究 を待 た な けれ ば な ら ない。
しか し,
付 着 強 度に関する既往のSRC
造につ い て の実 験 結 果9)・
]o)や,
構 真 柱につ いて の 実 験 結 果11) tsどを勘 案して,
仮 設 構 造 物であ る構 真柱構 造に対し て は,
fa
=E
。× 3%程度まで は許せ るもの と 考え られ る。
(2
) 支圧力沈 降板につ いての観 察 結 果は
,
その下側に隙 間の あっ たものが50 %であっ た。
こ の こと は柱脚 根 入れ部の鉄 骨 水 平 面の下 側に は, コ ン クリー
トとの間の支 圧 力を期 待し ないの が よい とい える。 さ らに,
こ の部 分に は鉄 骨 の水 平 面 をでき る だ け少なくするよ うな デ ィテー
ル を選 ぷことが 望 ま しいg(
3
) ス タッ ドジベ ル のせ ん断 耐 力沈 降 棒につ い ての観 察 結 果は
,
その下 側に隙 間のあっ たもの は皆 無で あっ た。
こ の こと はス タッ ドジベ ルが構 真 柱鉄骨と構真柱ぐい との応 力伝 達に有効で あると判断 さ れ る。
た だし,
根 入れ部の上 方に取り付け ること は, ス ライム や粗 悪な コ ンク リー
トを巻き込む こと が考え ら れ る から注 意 を 要 する。 §6。
結 び構真柱 鉄 骨の建 込み 固定を地 上か らの遠 隔操作に よっ て, 掘 削 安定液 中で行う方 式の構 真 柱 構造 に つ いて
,
実一
118
一
施 構 造物に おける柱 脚 根入 れ部分の応 力 伝 達に着 目し た 測 定 観 察 を行い,
以 下の結 果を得た。
(1 ) 柱 脚 根入 れ部に お け る付 着 力の分 布は
,
低 応 力 時に お い て は主と して根入 れ部の上 方に集 中す る。
荷重 が増 加し付 着 応 力度も増大する に し たがっ て,
付着力分 布の中 心 位 置が順次 下 方へ 移 行 する傾 向にあ る。(2 )
くいコ ンク リ
ー
トに埋 込ま れ た鋼材下 側に生 じ る沈み空 洞は, か ぶ りコ ン ク リー
トお よ び 掘 削安 定 液に よ る上載圧に よっ て著しく減 少 する が,
消 滅するに至ら ない。
(3 )上 記の上 載 圧は くい コン ク リ
ー
トを より密 実に し, 鉄 骨とコ ンク リー
トとの間の付 着 力 を通 常の場 合よ り も高め る効果を期 待でき ると思 われ る。
(4} 構 真柱鉄 骨の建込み に当たっ て, くい コ ン ク リー
トの 上部に堆積し てい るス ライムや砂 質 分を, 柱脚 根入 れ部に巻き込むお それ が あ る。(5 ) 構真柱 鉄 骨の柱 脚 根入 れ 部の 水平部 分を想 定し た沈降板につ い て の観 察で は
,
その下側に沈み空 洞を 生 じたものが 50% に達し た。 ただし, 本 観 察で は その量 は少な く 2mm 以 下で あっ た。
(
6
)柱 脚 根 入れ部に水平に取り付けた ス タッ ドジベ ル を想 定した沈 降棒につ い て の観察で は,
沈み空 洞 を生 じ た もの は な かっ た。 沈 降 板の場合との ちが い は,
そ の 大き さ, 形状に よるもの と思わ れ る。 これ らの ことか ら,
構 真 柱鉄骨の柱 脚根入 れ部の設 計 に当たっ ては,(a ) 柱脚 根 入れ部の応 力 伝達に は, 付 着 力がもっ と も期 待で きる
。
許 容 付 着応 力度の値につ いては今 後の研 究 をまた なけ れ ば な ら ないが,
現状で は Fc×3%程 度 まで は許せ る もの と考え られ る。 (b
) 柱脚根入 れ部の鉄 骨 水 平 面の下 側には, くい コ ンク リー
トとの間の支 圧 力 を 期 待し ないの が よい。
ま た, この部 分に は 鉄 骨の水平 面 をで きる だけ少な くする よう な ディテー
ル を 選 ぶこと が望ま しい。
(c ) 柱 脚根入 れ部に水平に取り付け たス タッ ドジベ ル は,
鉄 骨と くい コ ン ク リー
トとの間の応 力 伝 達に有 効 で ある と判 断さ れ る。 た だ し,
根入 れ部の上方に取り付 け た もの は,
ス ライムや粗悪 なコ ン ク リー
ト を巻き 込 む こと が考え ら れるか ら注 意を要す る。 構 真 柱 構 造は仮 設 構 造 物で あ る か ら, そ の経済性を強 く求め ら れ る が,
同時に合理性と安 全 性の追 求は,
施工 中の安 全確保の ほ か,
施工後の構 造 体の健 全 性 確 保の点 か ら も極め て重要な問題である。 しか し,
設 計・
施工の 両 面で ま だ明らか に されて い ない 問 題を多く抱えて い る。
こ のうち設計面で は柱脚根入 れ部の応 力伝達 機 構に つ い て の問 題が重 要であり,
本 研 究がこの問 題の一
端に なれ ば幸である。謝 辞 本 研 究に当たっ て貴 重な 示唆を頂いた故 大 阪 大 学 名 誉 教 授
・
鷲 尾 健三 博士, 種々 ご指 導を賜っ た大 阪 大 学 教 授・
五 十 嵐 定 義博 士・
終 始便宜と激 励を与え続 けて頂い た(株 )日建 設 計 監理室・
城野 三干 年 次 長,
赤 松 重 則 主 管 ほ か の方々,ま た,測 定に当たっ てご協 力を頂い た竹 中・
銭 高 建 設工事 共 同 企 業 体・
中 島 清所長,
宮本茂 弘 副 所 長ほ か関 係の方々 に対して.
衷心 よ り 感 謝の意 を 表 し ま す。
,
,
参 考 文 献 1) 竹 山謙三郎 :わ が国の基 礎工学と地 業 工 法の変 遷,
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鉄 骨の付 着に関する実 験 (1),
日本 建築学 会研究報告34号 (1955.
11) ll) 日本 電 信 電 話 公 社 建築局特殊 建築工事事 務所 ;超高層 建 築にお け る逆 打ち用 構 真 台柱の施工 (上 }, 大 阪デー
タ通 信 局舎 (堂島)の建 設 2,
施 工 (1972.
12) 12) 西 川 幸 之輔,
若 林 嘉 津 雄ほ か 1特集・
大阪市 庁 舎(第1期) 監 理・
施工,
建 築と社 会 (1982.
6) 13>狩 野 春一,
仕入豊 和 :生コ ンク リー
トの沈 下に よ る 鉄筋 付 着 強 度の減 少と二・
三 の対 策,
日本 建 築 学 会論 文集49 号 〔S.
29,
9> 14> 中 村 国 雄,
木 本 貢四郎ほ か :若 令コ ン ク リー
トの付着実 験 (そ の 3),
日本 建 築 学 会 大 会 学術 講 演 梗 概 集 (東 北 )・
1170 (S.
48.
10) 15) 武 藤 清,
小 倉 弘一
郎,
黒 正 清 治 :実 大の柱お よび壁に 定 着さ れ る異 形 鉄 筋の定 着 強 度 (そ の 1), (その2), 日 本建築学 会研 究 報 告32号 〔S.
30.
5},
33号1部 (S.
30.
10) 16)小 倉 弘一
郎:異 形鉄筋の付 着 強 度に関す る一
考 察,
日本建 築 学 会研 究 報 告・
31号 1部 (S,
31.
5) 17) 若 命 善 雄 ボ幽
小 林 英 雄ほ か :場所打 ちコ ン ク リー
トぐい の くい頭 処理方 法に関す る 研究 (その 1.
くい 頭 部コ ンク リー
トの圧縮 強 度につ い て〉,
日本 建 築 学 会 大 会 学術 講 演 梗 概集 (北 陸)・
1187(sl 58.
9)’,
18) 日本 建 築 学 会 :場 所 打ちコ ンク リー
ト ぐい のコ ン ク リー
トに関連す る施工指 針・
同 解 説 19)福 井 実,
川村政美 :ピ ア基 礎の支持力にういて (その 3),
日本 建 築学会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 (関 東 )・
2509 (S.
50.
10)、
・
20) 建 設 業 協 会 技 術 研 究 懇 談 会 (BCS 委 )・
型わ く支 保 工 研 究 委員 会 ;型わ く支保工 の存置 期 間に関 する研 究 (そ のヨ
ー
その 3.
),
(その 5〜
その 6),
日本建築学 会 大会学術 講 演 梗 概 集 (九 州 〉・
1218〜
1219 (S.
56.
9),
(東 北 )・
1072〜
1073 (S.
57.
10)一
119
一
SYNOPSIS
UDC:62q.072.2.el4・:624.155
STRUCTURAL
DESIGN
STVDY
ON
ANCHORING
OF
TEMPORARY
STEEL
COLUMN
INTO
CAST-IN-PLACE
CONCRETE
PIER
-On-site
rneasurement oflong
by KAZUO WAKABAYASHL Technical Advise[, Nikken
SekkeiLtd,MembeT of A.I.
J.
The tempoJary steel columns, unlike ordinary temporafy support, serve as
key
elementsfor
"Inver$e
(top-down) Concreting
Method"
for
basement
construction of abuildinng,
The
columnis
anchoredinto
cast-in-placeconcrete pie;to
form
a composite column-and-pier(named
"Koh-shin-chu" inJapanese)
structure of whichfunc-tionisto support the partialiy completed
basement
structureduring
construction, starting with the groundfloor
toward lewer
floors
on afloor-by-floor
basis.Discussed inthispape[
is
a practical gttidancefor
thedesign
of anchoringportion
on the basisof theobserva-tion and measurement at the actual eonstruction site, while particular significance isgivento stress transmission mechanism
from
thecolumn topier.
The
following
conclusions are arrived at thisstage.1)
Stress
transmission at the anchoring portiOnis
well evaluatedby
making reference tothebond
stress. Forth6 time being, the allowable
bond
stress sheuldbe
kept
at inthe order ofF.
×3%
in
maximum until morereliable quantitativeguidelineisformulatedthrough the
future
study.z)
For
the purpose ofdesign,
nobearing
stressshouldbe
takeninto
account atthebottom
horizontalplaneofsteel column which
is
in
contact with pierconcrete.3)
Studdowels
provided at the anehoringpertion
of column inhorizontal
directien
are effective inthe stresstransmission