., 食物 学会誌 ・第7号
江 崎 グ リ コ 栄 食 株 式 会 社 工 場 見 学 記
短食ニ ノニ
藤
田
尚
子
短 食二 回 生 は,子 供 達 に 大 変 お な じみの,ア ーモ ン ドグ リコや,ビ ス コ等 を 製 造 し て い る,江 崎 グ リコ株 式 会社 京 都 工 場 に,今 度 グ リコが,近 代 的 な オ ー トメ 0シ ヨ ンの 軌 道 に 乗 つ て,最 高 の 技 術 と科 学 の粋 を 集 め,グ ル タ ミン酸 ソ ー ダ ・グル タを 製 造 発 売 され た の で,そ の グル タの 製 造 工 程 等 を見 学 させ て い た だ い た 。 グル タ ミ ン酸 は,酸 味.甘 味,苦 味,鍼 味 等,味 の 元 素 とな る もの と又 違 つ た 旨味 の あ る もの なの で,各 家 庭 で ほ ん の 少 し 使 用 す る だ け で 味 を 引 立 た せ るの で,そ の 価 値 を 十 分 御 承 知 の 事 と思 わ れ る。 グル タ,即 ち,化 学 調 味 料 は ア ミノ酸 の 一 種 で あ る と ころ の グ ル タ ミ ン酸 の モ ノ ソ ー ダ塩 で あ る。 グル タ ミン酸 は1866年 に,Ritthausenが,小 麦 の昭 和34年12月(1959) 蛋 白 質 を 加 水 分 解 し た もの の 内か ら初 め て 分 離 し て い る。 これ が 食 品 の 旨 味 に 関 係 の あ る事 は,我 国 の 池 田 菊 苗 博 士 に よつ て 初 め て 指 摘 せ られ た 。 グル タ ミン酸 ソ ー ダの 純 度 は,990a以 上 の 物 はA 級,95°oか ら99°a以 内 の 物 はB級 と なつ て い る。 グル タ は そ の 純 度 が,99.53°oか ら99.70°oと あ るの でA級 で あ る。 これ か ら グ ル タの 製 造 工 程 とそ の操 作 の 説 明 を 述 べ て ゆ く事 にこし よ う。
グル タの 製 造 工 程
1陵
粉[
/¥ / \1グルテンロ 疲
粉1
1分
i擾
」解k
過1
il分解藪
1「 扁1/
\
/ \ \ 塩 酸 / /匡髄1←
冷却
1
プ レ ヨ
歴 橦 晶
1 甜 ソーダ ー{中 和1 グ ・レ タ ミ ン酸1 i水 → 匠 一
続i
じ vK排ii中
和1
唾
その他i
調i/PH=71
澱
ソーダ ー匝
タミン酸ソーダIEミ ノ酸l
ii脱
色画
整1
結 晶 … …3° °の 水 分1乾
墾
1グ ル タ!製 造工 程 の操 作 と説 明
一85一 小 麦 粉:蛋 白 質10°o。 澱 粉 と グル テ ンを取 る。 小 麦 粉 は 国 産 物 を 使 用 す る。 小 麦 は製 粉 し易 く,又 そ うす る事 が 栄 養 学 上 良 い の で あ る為,我 国 の 小 麦 の 消 費 高 は 全 産 額 の 約70%は 製 粉 とし て い る。 一 定 の 製 粉 と成 る様,8種 か ら10種 を 調 合 し て 煉 る。 この 時,食 塩 水 を 加 え て 良 く捏ね,弾 力 と粘 性 が 良 く現 れ る様 に成 つ て か ら,こ れ を旅 に 入 れ て 水 を 加 え な が ら もむ と,澱 粉 は 水 と共 に 筑 の 目を 通 し て 器 底 に 沈 澱 す る。 旅 上 に 残 つ た 粘 塊 を 水 で十 分 に 洗 つ て粕 等 を 除 け ば,グ ル テ ンか ら成 る生 麩 が 得 ら れ るわ け で あ る。 故 に器 底 に 沈 澱 す る澱 粉,筑 上 にご残 つ た グル テ ン を そ れ ぞ れ の 用 途 とし て 利 用 され る。 濾 粉:小 麦 粉 か ら の 分 解 した 澱 粉 は 直 接 に 商 品 とし て 発 売 され る。 特 等 と一 等 に 二 分 し て 発 売 され る。 澱 粉 乳 に は 上 ず み の 色 の 着 い た 物 と,グ ル テ ンの 溶 け た 汁 が あ るが,前 者 は一 等 で,後 者 は 特 等 に 属 す る。 か す は 豚 の 飼 料 とし て 利 用 され る。 グル テ ンの 分 解;グ ル テ ン(66°oの 蛋 白 質)に25% 塩 酸 を 加 え,良 く振 盗 加 熱(1200C)し て グル テ ンを 溶 か し 。 蛋 白 質 の 鎖 を切 つ て ア ミノ酸 に分 解 す る。 澱 過:分 解 した もの を600Cま で 圧 搾 冷 却 す る。 真 黒 な フユ ー マ ス を 炉 利 す る。 全 窒 素0.4∼0.5の 液 を水 洗 で取 る。 濃 縮:が 液 と洗 液 を 合 せ て これ を 減 圧 濃 縮 す る。 寒 剤 で 冷 却 の て 一 夜 放 置 し て お く。 塩 酸 塩 結 晶:濃 縮 液 を吸 引炉 過 し,炉 液 を寒 剤 で 冷 却 し て お い て乾 燥 し た 塩 酸 ガ ス を 通 ず る と グル タ ミン 酸 塩 酸 塩 が 析 出 出 来 る。 濾 別:フ イ ル タ ー プ レス に か け て,グ ル タ ミン酸 塩 酸 塩 結 晶 を 取 り,他 方 で は 濃 排 得 る。 中 和:塩 酸 塩 を 水 に 溶 か し て 苛 性 ソー ダ で 中 和 す る。 グル タ ミン酸;PH3.2位 にす る と グル タ ミ ン酸 の 結 晶 が 沈 澱 す る。 そ こ で 遠 心 分離 機 で グル タ ミン酸 を取 る。 水 洗:グ ル タ ミ ン酸 は 水 に 溶 け 難 い。 水40Cで0.4 ∼0 .5の 溶解。 故 に水洗 して生成 した 食塩等 を除 く事 が 出 来 る。 之 に よ つ て 純 度 は99°o。 グ ル タ ミ ン酸 ソー ダ を 作 る事 が 出 来 る水 洗 し た 後 苛 性 ソ ー ダ でPH7に 中 和 す る。 脱 色 脱 鉄;液 に 活 性 炭 を 加 え て 脱 色 し更 にご 脱 鉄 す る。 グル タの 中 に 鉄 が 入 る と鉄 が 酸 化 鉄 に 成 り黄 色 に 近 い 釦 に 成 る。:・ 結 晶:減 圧 濃 縮 す る と純 白 色 の グル タ ミン酸 ソ ー ダ の 結 晶析 出 。 遠 心分 離:遠 心 分 離 機 で 結 晶 と母 液 を 分 け る。 結 晶 は3°oの 水 分 を 含 む 。 乾 燥:3%の 水 分 を 除 去 す る。 円 筒 乾 燥 機 で 乾 燥 す る と グル タ が 出来 る。 これ を師 に か け る と99.53° °の 純 度 に 成 る。 (化 学 式 にこて 中 和 を 示 す) COOH COOH l l CH:; CH:; i E CH:, 十NaOH- CHF 十NaCl十HGO l l CH・NHSHCI CH・NH2 i i COOH COOH (グ ル タ ミン酸 塩 酸 塩)(グ ル タ ミン酸) 更 に 苛 性 ソー ダ で第 二 中和 を 行 う COOH COOH l I CH:: CH2 ! i CHs 十NaOH= CH;: 十HGO l l CH・NH2 CH・NH2 1 1 COOH COONa 濃 排1こ れ か ら ア ミノ酸 を 製 造 す る。 炭 酸 ソー ダで 中和 し て か ら脱 鉄 そ の 他 を 行 う。 そ の 後 調 整 を 行 う。(ブ イ ル タ ー プ レス に か け る と フ ユ ー マ ス とア ミ ノ酸 の 溶 液 が 出 来 る。 全 窒 素2.8に 合 う 様 調 整 。)