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見上崇洋教授を送る

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Academic year: 2021

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見上崇洋教授を送る

立命館大学政策科学部長 

重 森 臣 広

本年度をもって見上崇洋先生が定年を迎え退職されることになった。まことに残念なことで ある。京都大学大学院法学研究科を経て、滋賀大学経済学部、龍谷大学法学部で教鞭をとられ たのちに、先生は 2000 年 4 月、本学政策科学部教授に就任された。政策科学部の開学は 1994 年 4 月、先生が赴任されたころの政策科学部は、人間でいえばちょうど小学校へあがる年齢に あたる。学士課程の完成に続き、大学院課程(博士課程前期課程および博士課程後期課程)が 設置され、姿だけはようやく一人前になったころである。本年度は開学 20 周年にあたるの で、先生には政策科学部が成人式を迎えるまで、面倒をみていただいたことになる。 先生は経済学部、法学部、政策科学部と三つの異なるタイプの学部で学生を指導し、研究を 進めてこられた。先生のご専門である行政法学がもっともすわりのよさそうなのは、いうまで もなく法学部だったであろう。政策科学部は社会諸科学のみならず都市計画、環境科学などの エンジニアリングを専門とする多彩な教員によって構成されるユニークな学部である。そし て、そうした構成は、学問領域間にある境界線にはおかまいなく発生する様々な政策課題を、 丸ごと受け止める冒険的な研究・教育を目的としたものである。都市計画や公共事業といった 従来の施策に、「くらし」の空間と環境、とりわけ「くらし」の質や価値をめぐる論点が重な り、「まちづくり」が政策用語として頻出する状況にたいして、先生のご研究は「都市法」と いう新たな領域の開拓・豊富化に踏み込み、政策科学と法律学の接合のあり方を見事に示して くださった。こんにち的な政策課題への接近を通して、行政法学の従来の「区画」から超出す ると同時に、行政法学に新たな発展可能性を追加された先生のご業績は、どの学問分野を専攻 するのであれ、政策科学の名の下で研究し、教育をする私たちが範とすべきものであろう。 先生は、1998 年より 2005 年まで日本学術会議研究連絡委員会委員、2005 年より 2011 年ま で同連携委員をつとめられ、また 2008 年から 2010 年まで日本地方自治学会理事長に就任され るなど、広く日本の行政研究関連の学界の発展に貢献してこられた。ご活躍の場は学界だけで はない。2003 年より現在にいたるまで京都府収用委員職、2008 年から 2012 年まで滋賀県消費 生活審議会会長職にあり、その実践的な学術的知見を広く社会に還元すべく活動を続けてこら れた。政策科学において重視されるのは、学術研究と政策実務の接合であるとしばしば言われ

 

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政策科学 21 - 4,Mar. 2014 - 2 - るが、身をもってこれを体現することは容易ではない。高い水準の学識と行政実務にたいする 深い洞察とがあいまってこそ可能である。 先生には、政策科学部はもとより、立命館大学、学校法人立命館の発展にご尽力をいただい た。先生は、2007 年に政策科学部長・政策科学研究科長、2009 年に学校法人立命館の副理事 長に就任され、ご退職の年度にあたる 2013 年 12 月まで立命館大学副総長および副学長として 貢献された。社会科学分野における研究と教育の刷新をめざして開設された政策科学部である が、先生が学部長等の役職を歴任された期間は、日本における大学教育そのもののイノベー ションが課題として提起され、社会的ニーズへの応答力の向上、研究と教育の国際化もしくは グローバル化のいっそうの推進が求められるようになった時期にあたる。地域共創をキーワー ドとする実践指向の大学院教育の展開、グローバル 30 事業による学士課程における英語基準 プログラムの導入は、学部および研究科・大学・法人の運営の中心にあった先生の存在なくし ては実現しえなかった成果である。 いうまでもなく、こんにちの大学に求められるさまざまな要請に応答する課題は、これらの 成果を踏まえた上で私たち自身が継承すべきものである。先生には、今後も、立命館大学名誉 教授・政策科学部特任教授として、重責を伴う役職者とはちがった角度から、政策科学部の進 路を見守り、ご支援・ご助言をいただけるよう願うばかりである。 最後に改めて、本学部教職員、学生を代表して、本学部および研究科、立命館大学への先生 のこれまでの多大なご貢献に心よりここに感謝の意を表したい。 2013 年 3 月

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