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機能分析に基づく発達障害児の会話分析:場面による相違と経験に伴う変化

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Academic year: 2021

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(1)機能分析に基づく発達障害児の会話分析 一場面による相違と経験に伴う変化一            学校教育学専攻            臨床心理学コース.            M09052E            金子久恵 1.本研究の目的. 言語行動の機能の分類 対象児とThらの発話.  本研究では、行動分析学的な視点から語用障. をICレコーダーから書き起こした。書き起こ. 害を捉え、発達障害児の会話の特徴を明らかに. した発話は「言語行動の機能の分類」のカテゴ. することを日的とする。発達障害児の会話は、. リーに分類した。「言語行動の機能の分類」は、. 場面の違いによって変化するのか、他者の発話. ある言語行動がどのような条件下で行われ、他. にどのように反応しているのか、それは時間の. 者のどのような行動によって強化されるか、と. 経過に伴って変化するのか、という点について. いう視点から作成した。「言語行動の機能の分. 分析していく。. 類」は17のカテゴリーからなっていた。. 2.方法. 3.結果および考察. 対象児 対象児A:高機能広汎性発達障害と診. 場面の違いによる変化 2人の会話場面と4人. 断された中1,11歳の男児 対象児B:LDグ. の会話場面において、対象児の平均発話数に違. レーゾーンと診断された小6,10歳の男児. いがみられるか検討したところ、対象児らの平. セラピスト(以下、Th) TbA:大学院で臨床. 均分析発話数に差は認められなかった。4人の. 心理学を専攻する20代前半の男性 ThB:大. 会話場面で、2人の会話場面と同程度の発話数. 学院で臨床心理学を専攻する20代前半の女. があったことの理由として、Thがいることで. 性・筆者. 会話に集中できる環境が作られたこと、さらに. 実施期問・場所 2010年5月から11月に、兵. Thが対象児それぞれに発話を促すような働き. 庫教育大学大学院神戸サテライト臨床心理相談. かけを積極的にしたこと、の2点が考えられた。. 室で行った。対象児にはおおよそ2週間に1回.  2人の会話場面では、お互いがからかい、ふ. のぺ一スで来談してもらった。時間は18:00. ざけあいながら、相手の行動の変化を促すよう. ∼19:00に設定した。. なやりとりが行われていることが明らかになっ. 手続き 対象児の会話を録音し、分析対象とす. た。一方4人の会話場面では、Aは受身的に、. るデータを収集した。会話データを収集する際、. Bは積極的に会話に参加し、A・B共に言語的. 2つの会話場面を設定した。2つの会話場面は、. なコミュニケーションに徹していることが明ら. A・Bペアの会話場面(以下、2人の会話場面)、. かになった。. A・B・丁止A・ThBの計4名の会話場面(以下、. セッションの経過に伴う変化 Aは自由に振舞. 4人の会話場面)であった。各10分間のデータ. える場面では、その目の気分などによりセッシ. を収集した。. ョンごとに対応が変化するが、Thがいる4人 一!06一.

(2) の場面では用いられる機能の割合は、毎回ほぼ. 支援への示唆 対象児の発話の特徴をアセス. 一定であった。一方Bは、2人の会話場面にお. メントし、その修正を意図した訓練を行う。子. いてAの発話の機能がセッションごとに変化し. どもがよく行っている、的確でない応答の仕方. ているにもかかわらず、Bの発話の機能の割合. のモデルを子どもに見せる。大人と発達障害児. はセッションごとに大きく変化することはなか. との会話において、発達障害児が他の羊どもに. った。また4人の会話場面においてもBの発話. 対して適切な応答をした場合に、大人が発達障. の機能の割合はセッションの経過に伴って大き. 害をもつ子どもの発話を強化する。. く変化することはなかった。. 本研究の限界点と今後の課題 ①健常児を対. AとBの会話の進み方の分析2人の会話場面. 象としなかった。健常児の会話がどのようなも. では「呼びかけ」「聞き返し」「質問」などの機. のであるかを明らかにし、発達障害児の会話と. 能をもつ発話に対して聞き手が返答する、とい. 比較を行う必要がある。②「言語行動の機能の. った比較的単純な言語的なコミュニケ』ション. 分類」の信頼性と妥当性の検討。③Thがどの. が行われていると推測された。また、AとBが. ような反応を示したかについて検討されていな. ふざけあいながら、お互いに相手の嫌がること. い。Thの反応が対象児の発話数や発話の機能. をしばしば繰り返し、それを「制止」しても相. に与えた影響について検討する必要がある。④. 手の嫌な行動は減っていかず、ふざけあいが続. Thの発話に対する対象児の応答について検討. いていく、という構造であると考えられた。. されていない。Thの発話に対する対象児の応. 対象児の会話の特徴Aは大人がいる場面と同. 答について検討しないと、Thが対象児の発話. 年代の子どもといる場面での対応を変えること. を促すようなかかわりをしたとは言い切れない。. はできるが、同年代の子どもとのやりとりにつ. ⑤.二人の発達障害児が、発達障害児全体を代表. いては、相手の意図を汲み取ることが難しく、. しているわけではないため、今後会話状況のバ. 自分本位に振舞ってしまうという特徴を持って. リエーションをつけ、発達障害児の会話を検討. いると考えられた。Bも大人がいる場面と同年. することが考えられる。. 代の子どもといる場面で対応を変えるカがある. 引用文献. ことが分かった。しかし、同年代の子どもとの. 稲田尚子・神尾洋子(2007)アスペルカー障害. やりとりにおいては、相手の意図を汲み取るこ.  の語用論的特徴一成人」時例の会話分析の知. とが難しく、相手が嫌がっているにもかかわら.  見より一 児童青年精神医学とその近接領域,. ず、相手の楽しんでいると誤解し、相手の嫌が.  48(1),61・74. る行動を繰り返してしまうことがある。Bのこ. 大井学(2004)高機能広汎性発達障害をもつ人. のような特徴が、同年代の子どもとのトラブル.  へのコミュニケーション支援 障害児間題研. を起こしかねず、また、どうしてトラブルにな.  究32(2),22・23. ったのかB自身が分からない、というようなこ.          主任指導教員 岩井圭司. とになりかねないと考えられた。.            指導教員 嶋崎まゆみ. 一1071.

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参照

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