機能分析に基づく発達障害児の会話分析:場面による相違と経験に伴う変化
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(2) の場面では用いられる機能の割合は、毎回ほぼ. 支援への示唆 対象児の発話の特徴をアセス. 一定であった。一方Bは、2人の会話場面にお. メントし、その修正を意図した訓練を行う。子. いてAの発話の機能がセッションごとに変化し. どもがよく行っている、的確でない応答の仕方. ているにもかかわらず、Bの発話の機能の割合. のモデルを子どもに見せる。大人と発達障害児. はセッションごとに大きく変化することはなか. との会話において、発達障害児が他の羊どもに. った。また4人の会話場面においてもBの発話. 対して適切な応答をした場合に、大人が発達障. の機能の割合はセッションの経過に伴って大き. 害をもつ子どもの発話を強化する。. く変化することはなかった。. 本研究の限界点と今後の課題 ①健常児を対. AとBの会話の進み方の分析2人の会話場面. 象としなかった。健常児の会話がどのようなも. では「呼びかけ」「聞き返し」「質問」などの機. のであるかを明らかにし、発達障害児の会話と. 能をもつ発話に対して聞き手が返答する、とい. 比較を行う必要がある。②「言語行動の機能の. った比較的単純な言語的なコミュニケ』ション. 分類」の信頼性と妥当性の検討。③Thがどの. が行われていると推測された。また、AとBが. ような反応を示したかについて検討されていな. ふざけあいながら、お互いに相手の嫌がること. い。Thの反応が対象児の発話数や発話の機能. をしばしば繰り返し、それを「制止」しても相. に与えた影響について検討する必要がある。④. 手の嫌な行動は減っていかず、ふざけあいが続. Thの発話に対する対象児の応答について検討. いていく、という構造であると考えられた。. されていない。Thの発話に対する対象児の応. 対象児の会話の特徴Aは大人がいる場面と同. 答について検討しないと、Thが対象児の発話. 年代の子どもといる場面での対応を変えること. を促すようなかかわりをしたとは言い切れない。. はできるが、同年代の子どもとのやりとりにつ. ⑤.二人の発達障害児が、発達障害児全体を代表. いては、相手の意図を汲み取ることが難しく、. しているわけではないため、今後会話状況のバ. 自分本位に振舞ってしまうという特徴を持って. リエーションをつけ、発達障害児の会話を検討. いると考えられた。Bも大人がいる場面と同年. することが考えられる。. 代の子どもといる場面で対応を変えるカがある. 引用文献. ことが分かった。しかし、同年代の子どもとの. 稲田尚子・神尾洋子(2007)アスペルカー障害. やりとりにおいては、相手の意図を汲み取るこ. の語用論的特徴一成人」時例の会話分析の知. とが難しく、相手が嫌がっているにもかかわら. 見より一 児童青年精神医学とその近接領域,. ず、相手の楽しんでいると誤解し、相手の嫌が. 48(1),61・74. る行動を繰り返してしまうことがある。Bのこ. 大井学(2004)高機能広汎性発達障害をもつ人. のような特徴が、同年代の子どもとのトラブル. へのコミュニケーション支援 障害児間題研. を起こしかねず、また、どうしてトラブルにな. 究32(2),22・23. ったのかB自身が分からない、というようなこ. 主任指導教員 岩井圭司. とになりかねないと考えられた。. 指導教員 嶋崎まゆみ. 一1071.
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