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北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力

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Academic year: 2021

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(1)Title. 北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力. Author(s). 神林, 勲; 森田, 憲輝; 奥田, 知靖; 中道, 莉央; 石澤, 伸弘; 小野寺 , 夕香; 高橋, 正年; 山形, 昇平; 溝口, 仁志; 楢山, 聡; 朝倉, 潤; 中島, 寿宏; 志手, 典之; 新開谷, 央. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 64(1): 137-147. Issue Date. 2013-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6949. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 平成 2 5{ I 8月. 北海道教育大学紀要(教育科学編)第 6 4巻 第 1号 J o u r n a lo fHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n( E d u c a t i o n ) Vo . l6 4,No. l. ご. August,2 0 1 3. 北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力 神林. 勲 ・ 森 田 憲 輝 *.奥田知靖*・中道荊央・石津伸弘・小野寺タ香料・高橋正年***.. 山形昇平****・溝口仁志 t.楢山. 聡 t.朝倉. 潤t t・中島寿宏 t t t.志手典之*・新聞谷央*. 北海道教育大学札幌校保健体育研究本 つじ海道教育大学岩見沢校スポーツ教育課程 紳札幌市立手稲 I I I U小学校 ***北海道教育大学附属札幌中学校 材料北海道教育大学附属札幌小学校 十北海道教育大学附属幽館小学校. 1 1北海道教育大学附属幽館中学校. ヒ i 毎道て業大学空間創造学音1. P h y s i c a lf i t n e s sanda t h l e t i ca b i l i t yb e f o r eanda f t e rs n o w f a l landc o l d w i n t e rmonthsi ne l e m e n t a r ys c h o o lc h i l d r e ni nHokkaido KAMBAYASHII s a o ,MORIT AN o r i t e r u * ,OKUDATomoyasu 大NAKAMICHIRio, ISHIZAWA Nobuhiro ,ONODERAY uuka** ,TAKAHASHIM a s a t o s h i 判 。 " YAMAGA TA S h o h e i * * * * , t,ASAKURAJunt t,NAKAJIMAT t t, MIZOGUCHIH i t o s h it ,NARAYAMAS a t o s h it o s h i h i r ot SHIDEN o r i y u k i *andSHINKAIYAH i s a s h i * Departmento fTeachersT r a i n i n g,SapporoCampus,HokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n Departmento fS p o r t sE d u c a t i o n,IwamizawaCampus ,H okkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n. キ. * * S a p p o r oT e i n e -YamaguchiElementaryS c h o o l * * * S a p p o r oJ u n i o rHighS c h o o lA t t a c h e dt oHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n 材料S apporoElementaryS c h o o lA t t a c h e dt oHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n. HakodateJ u n i o rHighS c h o o lA t t a c h e dt oHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n. 十. t t H a k o d a t eElementaryS c h o o lAttachedt oHokkaidoU n i v e r s i t yo fE d u c a t i o n 什 T F a c u l t yo fC r e a t i v eE n g i n e e r i n g,HokkaidoI n s t i t u t eo fTechnology. 概要 本研究は,北海道の小学生の積雪寒冷期間前(秋季)と後(春季)において,体格および体力・運動能力 を測定し,約 4ヶ月にわたる積雪寒冷期間が体力・運動能力に与える直接的な影響を検討すること,また, 体力・運動能力の変化と生活習慣の関係も検討することを目的とした。対象者は本学附属札幌小学校と函館 小学校に在籍する 3年生 1 5 3名(男子 7 1名,女子 8 2名 ) ,. 5年生 1 5 5名(男子 7 9名,女子 7 6名)であった。体. 1 3 7.

(3) 神 林. 敷・森田苦輝・奥田知靖・中道利夫・石津伸弘,小野寺タ香,高橋正年・山形昇平・溝口仁む・楢山. 聡・朝合. 潤・中島寿宏.6:、千典之・新開谷央 1. 格は身長・体重を測定した。体力・運動能力は文部科学省準拠新体力テストにより評価した。また,質問紙 により生活状況・運動活動状況を調査した。測定・調査の時期は,秋季は 11 月,春季は 4~5 月であった。. 春季において,いずれの学年の男1;.:とも身長と体重に有意な増加 ( p<0.01) が認められ,新体力テストの 体力合計点も有意に高くなった (p<O.Ol)。しなしながら,新体力テストの種目毎に検討すると,学年と 性別で異なる変化がみられた。 3年生では男女とも上体起こしと 20mシャトルランで春季に向上が認めら れず,男子では握力と 50m走にも同様な傾向がみられた。 5年生では男女とも 20mシャトルランでは春季 で有意に低下(男子 :p<0.05,女子: p<0.01) し,長座体前屈と 50m走では変化がなかった。上体起 p< O .0 1 ) した。少年団・運動教室所属有無による体力・運動能力の比較 こしは女子で春季に有意に低下 (. については,どちらの学年とも男子では所属群で高い傾向にあったが,女子では所属の有無で体力・運動能 力の違いは男子ほど大きくはなかった。他の生活習慣状況には一定の傾向はなかった。以上のことから,小 学校 3年生と 5年生においては,積雪寒冷期間前後で成長による体格の増加があるものの,体力・運動能力 の一部で冬季による影響を受け,有意な増加がみられない種目があることが明らかになった。また,少年団・ 運動教室の所属有無は女子に比較して男子の体力・運動能力への影響が大きかった。他の生活習慣状況によ る体力・運動能力の変化はみられなかったが,良い生活習慣は体力・運動能力の向上となることが予想され, 両者の関係性についてより詳細に分析を行うことが今後の課題である。. キーワード:新体力テスト,秋季,春季. 県にはない豊かさがある。しかしながら,冬季の. I 緒言. 積雪寒冷により子どもの室外での身体活動機会が. 近年,子どもの身長や体重などの体格は向上し. 減少し,それが北海道の子どもの体力低下の直接. ているものの, 50m走やソフトボール投げなど. 的要因であることを示唆する報告がある。山田ほ. の体力・運動能力は低下の傾向がみられると報告. 2 0 0 2 ) の調査によれば,北海道内の小学生の か (. されている(文部科学省. 2 0 1 0 )。北海道では特. 8割は冬季に対して好ましい印象を持っている。. にこの傾向が著しく,北海道児童の平均身長と体. 一方で,冬季に室外で遊ぶ頻度は「ほとんど毎日」. 重は,全国平均を上回っているが(文部科学省,. と 11週間に 3, 4回」を合計しでも 30%弱であ. 2 0 1 1 ),全国の小学校 5年生,中学校 2年生を対. 」 り,「ほとんど遊ばない」と 11ヶ月にし 2度. 象とした全国体力・運動能力調査結果の体力合計. とする割合が 40%を超えている。また,「ほとん. 1位,小学校女子 42 位,中学校 点は,小学校男子4. ど毎日」室外で遊ぶ割合が,夏季45.9%に対して,. 位,中学校女子 47位といずれも下位であっ 男子45. 冬季 10.6%に減少し,「ほとんど遊ばない」割合. 0 1 0 )。北海道教育委員会の独 た(文部科学省, 2. が夏季 5.9%から冬季 29.9%に上昇する。子ども. 自調査によると,上記のような傾向は 2011年度に. 達は冬季に対して肯定的な意識を持っているもの. 3年度体力向上フォー おいても変化がない(平成 2. の,実際の室外活動は活発ではない。加えて,冬. 4日開催)。また,新間報道(朝 ラム,平成 24年 2月1. 季は吹雪などで天候が厳しく,日照時間も短い。. 3日付)では 2012年度の体 日新聞,平成 24年 3月2. K o l l ee ta , . l2 0 0 9 ) では,日 ノルウェーの研究 (. , 力合計点は,小学校 5年生男子43位. 5年生女子. 照時間の変化や秋冬季の厳しい天候は日常の身体. 2年生女子4 7 位と. 活動を強く抑止し,室内での活動を増加させるこ. 45位,中学校 2年生男子44位 ,. 小学生の順位は低下傾向にある。 北海道の子ども達を囲む自然環境は,他の都府. 1 3 8. とが認められている。そして,秋季と冬季の聞の 身体活動レベルは減少し,. 1日60分以上・中程度.

(4) 北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力. 以 上 の 運 動 を 行 う と い う 推 奨 レ ベ ル (World. と表記する。. HealthOrganization. 2 0 1 0 ) を満たす可能性が. 体格と体力・運動能力の測定は,積雪寒冷期間. 低くなってしまう。北海道の日中の日照時間は 7. 2 0 1 0 年1 1月,以下,秋季とする)と期間後 ( 2 0 1 1 前(. 月で約 1 5時間だが, 1 2月では約 9時間となる。他. 年 4~5 月,以下,春季とする)の 2 回実施した。. 都府県と比べても,北海道は夏季と冬季での日照. 3 . アンケートによる生活習慣調査. 時間の差が大きい。 以上のことから,北海道の子どもに認められる. 調査は通学,食事,睡眠等の生活状況,運動・. 低い体力・運動能力水準は,「冬季の積雪寒冷や. スポーツに対する意識,活動状況等からなる質問. 日照時間による運動機会の減少」がその一因とし. 紙を作成し,. て考えられる。これまで,北海道の児童・生徒の. の 2回実施した。しかしながら,今回の研究では. 体力の低さについての報告はあるが(佐藤ほか,. 積雪寒冷期間よる体力・運動能力の変化をみるた. 2 0 0 5 ),冬季の体力への直接的影響を検討した研. め,春季の質問紙の回答のみを分析に使用した。. 9 9 0 )。我々は先に, 究はほとんどない(志子ほか, 1. 分析の際は回答内容によってポジテイブ群(以下,. 文部科学省の新体力テストを用いて中学生の状況. P群)とネガテイブ群(以下, N群)に分けた。. 0 1 3 )。そこ について報告を行った(神林ほか, 2. 質問内容は次の通りである。カッコ内は P群と N. で本研究では,北海道の小学生の積雪寒冷期前後. 群に分けた規準を示している。. の体力・運動能力の推移を検討することを目的と. 11 月の秋季と次年度 4~5 月の春季. -少年団や運動教室に入っている (P群:所属, N群:無所属). した。. -平日・休日睡眠時間 [P群 : 9時間以上, N群. E 方法 1.対象者 対象者は,北海道教育大学附属札幌小学校と函 5 3名(男子 7 1名,女 館小学校に在籍する 3年生 1 2名)と 5年生 1 5 5名(男子 7 9名,f,(子 7 6名) 子8. であった。全ての対象者は積雪寒冷期間後の測定 では 4年生と 6年生に進級した。本研究は,事前 に附属学校の教諭と打ち合わせを行い,保護者に 対しでも説明会を実施し,研究の目的と方法を説 明した後に実施された。. :9時間未満]. 1時前, ・平日・休日就寝時刻[3年生は P群:2. N群 :2 1時以降,. 5年生は P群 :2 2時前, N群. :2 2日寺以降] -夕食後,. 2時間以内に寝る (p群:ない, N群. :ある) ・日中にとても眠くなることがある (P群:ない, N群:ある). -朝起きたときの気分 (P群:良い・まあまあ, N群:いまひとつ・良くない). ・授業に集中できなくなることがある (p群:な い , N群:ある). 2 . 体格と体力・運動能力の測定. 2 0 ・テレビ・ビデオの 1日の視聴時間 [P群 :1. 定した。体力・運動能力は文部科学省準拠の新体. N群 :120分以上] P群:ない, N群:ある) -食べ物の好き嫌い (. 力テスト 8種目(握力,上体起こし,長座体前届,. 0回以上, N群 :2 0回 ・一口の岨噛回数 (P群:2. 体格は身長 ( c m ) と体重 ( k g ) をそれぞれ測. 反復横跳び, 20mシャトルラン, 50m走,立幅 跳び,ソフトボール投げ,体力合計点)によって. 分未満,. 未満) -入浴状況(湯船のお湯に入っている) (P群 :. 評価した。なお,測定は新体力テスト実施要項に. ほとんど毎日,. 沿って実施された。なお,以下, 20mシャトル. 回・シャワーだけ). ランは 20mSR,ソフトボール投げはボール投げ. なお,睡眠時間と就寝時刻は,推奨される睡眠. N 群:週 3~4 回・週 1~2. 1 3 9.

(5) 神 林. 敷・森田苦輝・奥田知靖・中道利夫・石津伸弘,小野寺タ香,高橋正年・山形昇平・溝口仁む・楢山. 潤・中島寿宏.6:、千典之・新開谷央 1. 2 . 積雪寒冷期間前後の体力・運動能力. 時間と就寝時刻で群分けし(長崎県教育委員会, 2 0 0 5 ), 1日のテレビ視聴時間は,. 聡・朝合. 新体力テストによって評価された秋季の体力合. Benesse教 育. 2 0 0 5 ) による調査結果の平均 研究開発センター (. 計点は, 3年生で男子43.1: t7 .L 点 , ! ; . : 子 43.3: t6 .9. 時間で群分けした。. 点 ,. 5年生で男子 53.6: t6 .5点,!;.:子 55.5: t8 .7点. であった。積雪寒冷期間後の春季では,. 4 . 統計処理. 男子 46.0: t8 .0点,女子46.5: t6 .6点 ,. 5年生で男. t7 .2点,女子 57.1: t8 .5点であった。いず 子 55.9:. 全ての測定結果は,平均値±標準偏差 (Mean 土. 3年生で. SD) で表した。積雪寒冷期間前後の比較は,. れの学年・性別とも秋季から春季にかけて有意に. 対応のある t検定を用いて分析を行った。いずれ. 増加 (p<O.Ol) した。総合評価基準去から,す. の場合も有意水準は 5 %未満とし,. べての合計点とも C もしくは D 段階 (A~E の 5. 5 %から 10%. 未満の場合を傾向ありとした。. 段階)であった。 表 2と表 3には,. 3年生と 5年生の新体力テス. トの 8種目ごとの結果を示した。 3年生の男子で. E 結果. は長座体前屑,反復横跳び,立幅挑ぴおよびボー ル投げの 4種目において有意な向上 ( p<0.01). 1.積雪寒冷期間前後の体格 対象者の身長と体重の変化を表 1に示した。い. が認められた。同様に女子では握力,長座体前屈,. ずれの学年の男女とも秋季に比較して,春季にお. 反復横跳び, 50m走 , 立 幅 跳 び お よ び ボ ー ル 投. いて有意に向上が認められた。. p<0.05)があっ げの 6種目において有意な向上 ( た 。 5年生の男子では握力,反復横跳び¥立幅跳 びおよびボール投げの 4種目において有意な向上. 表 1 積雪寒冷期間前後における身長と体重の変化 3年生. 男子. 女子. 男子. 身長 ( c m ). 1 3 2 . 7: t5 . 2. 1 3 2 . 5: t5 . 7. 1 4 3 . 3: t5 . 8. 1 4 5 . 9: t6 . 3. k g ) 体重 (. 3 0 . 4: t7 . 4. 2 8 . 7: t4 .9. 3 7 . 5: t8 .0. 3 7. 8: t6 .7. 身長 ( c m ). 1 3 4 .9: t5 . 3. 1 3 5 . 2: t5 . 9. 1 4 5 . 9: t8 . 1. 1 4 8 . 7: t6 . 2. 体重 ( k g ). 3 2 . 4: t7 . 7. 3 0 . 5: t5 . 0. 3 8 . 5: t8 .3. 3 9 .7: t6 .9. ¥. 秋季. 春季. 5年生. 女子. (注)いずれの学年の身長・体重とも男子と女子で春季が有意 (p<O.Ol)に高値を示した。. 表 2 3年生における積雪寒冷期間前後における新体力テストの項目ごとの測定値. ~ 男子. 20mSR. 50m走. 立幅跳び. ボール投げ. ( c m ). (回). (秒). ( c m ). ( m ). (回). (回). 1 4 . 0: t2 . 9 1 6 . 5: t5 . 7 2 8 . 4: t6 . 0 3l .2: t5 . 3 3 4 . 7: t1 4 . 1 1 0 . 1: t0 . 91 3 6 . 8: t1 6 . 11 5 . 6: t6 . 2. 春季. 1 3 . 8: t2 . 7 1 6 . 4: t6 . 1 3 2 . 9: t7 . 4 3 5 . 9: t6 . 0 3 2 . 9: t1 7 . 4 1 0 . 2:tl.0 1 4l .8: t1 8 . 21 9 . 3: t7 . 0. なし. なし. 0 . 0 1. 0 . 0 1. なし. なし. 0 . 0 1. 0 . 0 1. 秋季. 1 2 . 1: t3 . 1 1 5 . 3: t5 . 4 3 3 . 8: t7. 4 3 0 . 9: t5 . 3 2 7 . 5: t9 . 9 1 0.4:t0 . 91 2 3 . 0: t2 0 .1 8 . 5: t2 . 4. 春季. 1 3 . 1: t2 . 5 1 5 .7: t5 . 4 3 6 . 9: t5 . 7 3 3 . 9: t4 .7 2 9 . 0: t1 3 . 0 1 0 . 2: t0 . 81 2 8 . 8: t1 5 . 21 0 . 8: t2 . 8. 有意性. 1 4 0. ( k g ). 上体起こし 長座体前屈 反復横跳ぴ. 秋季. 有意性. 女子. 握力. 0 . 0 1. なし. 0 . 0 1. 0 . 0 1. なし. 0 . 0 1. 0 . 0 1. 0 . 0 1.

(6) 北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力 表 3 5年生における積雪寒冷期間前後における新体力テストの項目ごとの測定値. ~ 男子. 上体起こし 長座体前屈 反復横跳ぴ. 20mSR. 50m走. 立幅跳び. ボール投げ. ( c m ). (回). (秒). ( c m ). (m). ( k g ). (回). (回). 秋季. 1 7 .5: t3 . 4 2 0 .7: t4 .5 3 3 . 4: t7 . 9 3 8 . 4: t5 .9 4 8. 4 : : t1 4 . 9 9 . 3: t0 . 8 1 5 2 . 2: t1 5 . 12 4 . 1: t6 .5. 春季. 1 9 . 1: t3 . 9 2 0 .O: t6 .2 31 .8: t6 . 6 42.0: t5 .6 4 7. O: t2 2 .6 9 . 4: t1 .2 1 5 9. 4 : : t2 0 . 02 8 . 5: t9. 4. 有意性. k子. 握力. 0 . 0 1. なし. なし. 0 . 0 1. 0.05. なし. 0 . 0 1. 0 . 0 1. 秋季. 1 7 . 6: t3 . 7 21 .3: t4 . 4 3 9 . 0: t8 . 0 3 6 .l : : t4 . 3 3 9 . 3: t1 8 . 1 9. 4 : : tO .7 1 4 2 . 3: t1 9 . 31 2 . 9: t6 . 3. 春季. 1 9 . 4: t3 .7 1 9 . 7: t5 . 1 40.0: t7 . 8 3 9 . 4: t8 . 5 3 7 . 3: t2 0 . 8 9 . 6: : t 1 .4 1 4 8 . 3: t1 7 . 11 5 . 3: t5 . 8. 有意性. 0 . 0 1. 0 . 0 1. なし. 0 . 0 1. 0 . 0 1. なし. 0 . 0 1. 0 . 0 1. (注)男子・女子の 20mSR,女子の卜体起こしでは春季の値が秋季に比較して有意 (p<O.01) に低下した。 ( p<0.01) が認められた。女子においても男子. 3 . アンケートによる生活習慣と体力・運動能力. と同様に,握力,反復横跳び¥立幅跳び、およびボー. との関係. ル投げの 4種目で有意な向上 ( p<0.01) があっ. 各質問項目における P群と N群の比較から,生. た 。 3年生と 5年生において大きく異なる点とし. 活習慣に関しては男 kとも,一定の傾向は認めら. 3年生で、は秋季から春季にかけて有意に低下. れなかった。しかしながら,少年団・運動教室所. て ,. する種目はなかったが,. 5年生では 20mSRで男. 属の有無による体力・運動能力と体力合計点の比. 3年生においては女子には差. 女とも,上体起こしで女子に有意な低下が認めら. 較を行ったところ,. れた。. はなかったものの(所属群:47.2土 6.4点 , 無 所. 各学年の男女における秋季から春季にかけての. t6.6点),男子では所属群が 4種目(握 属 群 :45.6:. 種目毎の変化を,体格と体力合計点を含めてまと. 力,上体起こし,反復横跳びおよび、 20mSR) で. めたものを表 4に示した。. p< O .0 5 ), 1種目 (50m走)にお 有意に高い (. いて高い傾向 ( p<0.1)が認められた(表 5。 ) 表 4 各項目の積雪寒冷期間前後の変化. ~. 3年生. 男子. 女子. 5年生. 男子. 女子. 4 6 . 9土 7.6点)が無所属群 体力合計点も所属群 ( ( 4 2 . 3土 7.5点 ) よ り も 有 意 に 高 値 ( p<0.05). であった。. 身長. 5年生では男子では所属群が 4種目(上体起こ. 体重. し , 20mSR, 50m走およびボール投げ),女子で. 体力合計点. は 2種目(上体起こしと 20mSR) で 有 意 に 高 い. 握力. 値 を 示 し た ( 表 6)。体力合計点では女子には所. 上体起こし. 属の有無で、差はなかったものの(所属群:59.1: t. 長座体前屈. 8.5点 , 無 所 属 群 :55.5土 8 .1 , 点 ),男子では所属. 反復横跳び. 5 9 . 0土 5.4点)が無所属群 ( 5 1 . 5土 7.2点)よ 群 (. 20mSR. りも有意に高値 (p<O.Ol) であった。. 50m走. 立幅跳ぴ. U 考察. ボール投げ , * を 5 %を (注) ↑は増加, ↓は低下を示し,帥は 1% 去している。また,グレーのハイライトは変化なし をぶしている。. 本研究の目的は,北海道の小学生の秋季から春 季にかけての体力・運動能力を測定し,北海道の 約 4ヶ月にわたる積雪寒冷期間が体力・運動能力. 1 4 1.

(7) 神 林. 敷・森田苦輝・奥田知靖・中道利夫・石津伸弘,小野寺タ香,高橋正年・山形昇平・溝口仁む・楢山. 聡・朝合. 潤・中島寿宏.6:、千典之・新開谷央 1. 表 5 3年生における少年団・運動クラブ所属の違いによる新体力テストの比較. 所属群. k. 子. 男. ~. 無所属群 有意性. 子. 所属群. 無所属群. 4 5. 3 0. 有意性. 人数. (人). 48. 1 9. 握力. ( k g ). 1 3 . 9: t2 . 3. 1 2 . 6: t1 .9. 0 . 0 5. 1 3 . 1: t2 . 3. 1 3 . 0: t2 .5. なし. 上体起こし. (回). 1 7 . 4: t5 . 8. 1 3 . 6: t6 . 6. 0 . 0 5. 1 6 . 1: t5 . 1. 1 5 . 1: t5 . 6. なし. 長座休前屈. ( c m ). 3 2 . 1: t6 . 8. 3 3 . 4: t8 .0. なし. 3 7.4:t5 . 3. 3 6 . 0: t6 . 1. なし. 反復横跳び. (回). 3 6 . 9: t5 . 7. 3 3 . 2: t6 . 4. 0 . 0 5. 3 4 . 5: t4 .3. 3 3 . 3: t5 . 2. なし. 20mSR. (回). 3 5 . 5: t1 8 . 0. 2 5 . 2: t1 3 . 0. 0 . 0 5. 2 9 . 4: t1 4 . 1. 2 6 . 9: t1 1 .1. なし. 50m走. (秒). 1 0 .l:t1.1. t0 . 8 1 0 . 6:. 0 . 1. 1 0 . 2: t0 . 8. 1 0 . 2: t0 . 7. なし. 立幅跳び. ( c m ). 1 4 3 . 6: t1 7 . 2. 1 3 6 . 1: t1 9 . 1. なし. 1 2 8 . 4: t1 4 . 8. 1 2 8 . 3: t1 2 . 6. なし. ボール投げ. (m). 1 9 . 4: t6 . 7. 1 7 . 6: t6 . 9. なし. 1 0 . 2: t2 . 6. 1 1 . 1: t3 . 0. なし. 表 6 5年生における少年同・運動クラブ所属の違いによる新体力テストの比較. 所属群. 女. 子. 男. 無所属群 有意性. 子. 所属群. 無所属群. 4 1. 2 9. 有意性. 人数. (人). 4 2. 2 9. 握力. ( k g ). 1 9 . 7: t4 . 1. 1 8 . 5: t3 . 7. なし. 1 9 . 6: t3 . 7. 1 9 . 4: t3 . 8. なし. 上体起こし. (回). 2 2 . 2: t4 . 2. 1 7 . 0: t4 . 8. 0 . 0 1. 2 0 . 4: t5 . 7. 1 7 . 6: t3 . 7. 0 . 0 5. 長座体前屈. ( c m ). 3 2 . 8: t6 . 3. 2 9 . 9: t6 . 7. 0 . 1. 4 0 . 3: t7 . 9. 3 8.4:t6 . 9. なし. 反復横跳び. (回). 43.0: t4 .8. 4 0 . 8: t5 . 6. 0 . 1. t6 . 0 3 9 . 5:. 4 0 . 0: t1 1 .6. なし. 20mSR. (回). 5 3 . 3: t1 8 . 6. 3 7 . 2: t1 7 . 2. 0 . 0 1. 4 2 .l:t2 3 .3. 31 .0: t1 4 . 5. 0 . 0 5. 50m走. (秒). t0 . 8 9 . 2:. 9 . 8: t1 .1. 0 . 0 5. 9 . 6:t1.7. 9 . 7:t1.0. なし. 立幅跳び. ( c m ). 1 6 3 .0: t1 4 .7. 1 5 6 . 1: t1 9 . 0. なし. 1 5 0 . 7: t1 6 . 2. 1 4 7 . 1: t1 7 . 8. なし. ボールf J t げ. (m). 3 0 . 4: t7 . 0. 2 6 . 5: t7 . 8. 0 . 0 5. t6 . 6 1 6 . 0:. 1 4 . 8: t4 . 8. なし. の推移に与える影響を検討することであった。一. 同年代の平均身長と平均体重(丈部科学省, 2011). 般的に積雪寒冷期間では,身体活動量が低下する. と今回の測定値(春季)を比較すると,ほぼ同程. との報告が多い。長野県の子どもを対象とした研. 度であった。また,全国の平均身長と平均体重(文. 究では,冬季の身体活動の沈静化(糟谷・吉岡,. 部科学省, 2011) と比較すると,身長と体重とも. 1 9 7 7 ) が報告されている。北海道においても,降. に本研究の測定値が上回った。よって,本研究が. 雪期は体育の授業のない日の身体活動水準が低下. 対象とした小学生の体格は,北海道の傾向を反映. すること(志子ほか, 1988) が明らかにされてい. していると考えられる。. る。このような積雪寒冷期間における身体活動量. 秋季と春季の新体力テストの結果を体力合計点. の低下が,新体力テストで評価された体力・運動. で比較すると,いずれの学年,性別においても秋. 能力にどのような影響を与えるか,小学校 3年生. 季よりも春季の方が有意に高値を示した。この体. と 5年生の計308名を対象に調査した。. 力・運動能力の全体的な向上は,発育・発達に伴. 体格についてみると,身長と体重のどちらも春. う体格の向上や神経系の発達に関係していると思. 季で有意な高値を示した(表 1)。春季の測定と. われる。 8種目のテストには差異はあるものの,. 同時期 (2011年 4~6 月)に測定された北海道の. 一般的な傾向(文部科学省, 2010) としては,男. 1 4 2.

(8) 北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力. 女とも 6歳から加齢に伴って体力・運動能力は向. はいずれも変化なしもしくは有意な低下という結. 7歳頃,女子では 1 4 歳頃にピーク 上し,男子では 1. 果であった(去り。これらの種目に関連する体力. に達し,以後,数年間はその水準を維持する傾向. 的な要素としては,持久力(上体起こし:筋持久力,. 0歳以降は加齢に伴い を示す。そして,男女とも 2. 20mSR :全身持久力)と筋パワー・瞬発力 (50m. 体力・運動能力は低下傾向をたどる(丈部科学省,. 走)である。一般的に積雪寒冷期間では,身体活. 2 0 1 0 )。以上のことから,. 3年生と 5年生では男. 動量が低下し,それによって全身持久性が影響を. 女とも体力・運動能力の向上期にあり,秋季から. 受けるとする報告が多い。富山県の中学生と高校. 春季という短期間であってもそれが本研究の結果. 生では,冬季に持久性能力の低下が認められてい. につながったと考えられる。特に,反復横跳び,. 9 8 7 )。また,長野県の児童を る(小野寺ほか, 1. 立幅跳びおよびボール投げの 3種目においては,. 対象とした研究により,冬季の身体活動の沈静化. 3年生と 5年生の男女いずれの群でも春季で有意. 9 7 7 ) が報告されている。北海道 (糟谷・吉岡, 1. な向上が認められたことから(表 2と 3),これ. の児童においても,降雪期は体育の授業のない日. らの種目の成績は体格の影響を強く受けることが. 9 8 8 ), の身体活動水準が低下すること(志子ほか, 1. 示唆される。. 有酸素能力が冬季に低下すること(志手ほか,. 一方で,長座体前屈と握力については,学年,. 1 9 9 0 ) 等が明らかにされている。本研究において. 性別で異なる結果となった(表 2と 3)。長座体. は,全身持久性を評価する 20mSRは 3年生では. 前屈は 3年生の男女では春季において有意な向上. 男女とも春季で変化なし. 5年生では男女とも有. 5年生では男女とも変化が. 意に低下という顕著な結果が得られた。積雪寒冷. なかった。長座体前屈は柔軟性を評価する種目で. 期間において身体活動量が低下しそれに伴って. ある。 5年生では積雪寒冷期間前後では柔軟性が. 全身持久性が低下したと考えられる。特に 5年生. 向上しなかったといえるが,その原因については. では男女とも有意に低下していることから,高学. 0 1 3 ) 明らかではない。我々の先行研究(神林ほか, 2. 年における対策は急務である。. が認められたものの,. では中学生においても秋季から春季にかけて長座. 全身持久性の指標として広範に知られているの. 体前周が変化せず,この原因については発育の最. は最大酸素摂取量である。最大酸素摂取量は,ス. e l o c i t y ,PHV) の影響に 大速度 (Peakheightv. ポーツ選手の全身持久力を評価する指標として用. ついて示唆した。 3年生と 5年生の秋季から春季. いられてきた。しかしながら,近年,最大酸素摂. 5年生でわ. 取量と生活習慣病との関連が明らかにされ. にかけての身長の伸びを比較すると,. ずかではあるが大きいことから,小学生の高学年. (Carnethone ta , . l 2003,Churche ta , . l 2004,. においても P H Vの影響が生じ始めているのかも. Katzmarzyke ta , . l2004,樋口ほか, 2010,青山・. しれない。握力については 3年生の女子,. 5年生. 0 1 0 ),スポーツ選手のみならず,一般人 樋口, 2. 3年生男子では変. にとっても重要な体力指標として評価されるよう. 化がなかった。筋力の強さは骨格筋容量や神経系. になっている。厚生労働省も年代別の望ましい最. に関連するが,小学生期では筋自体の発育が促進. 大酸素摂取量の値を指針として公表している(厚. するとは考え難い。このため,本研究の結果は,. 0 0 6 )。体重あたりの最大酸素摂取量 生労働省, 2. 神経系の発達に関連すると考えられ,これは女子. 0 代中盤でピーク は男子では 101t後半,女子では 1. が男子よりも低年齢期から生じると思われる。. を迎え(東京都立大体育学研究室, 1989,日丸ほ. の男 kで向上が認められたが,. 秋季から春季にかけて向上がなかった種目につ. 9 91),以後,加齢に伴い減少する。よって, か , 1. いては特徴的な傾向が認められた。上体起こし,. 児童期や青少年期に最大酸素摂取量を高めておく. 20mSRおよび、50m走の 3種目については,. 3年生. ことが重要であり,本研究の結果のように児童期. 女子の 50m走のみに有意な向上があったが,他で. において一時的にでも最大酸素摂取量の増加が妨. 1 4 3.

(9) 神 林. 敷・森田苦輝・奥田知靖・中道利夫・石津伸弘,小野寺タ香,高橋正年・山形昇平・溝口仁む・楢山. 聡・朝合. 潤・中島寿宏.6:、千典之・新開谷央 1. げられることは健康の維持・増進という観点から. いずれの学年・性別においても,両者には中程度. も極めて憂慮すべき状況である。上体起こしで評. ながら有意な負の相関関係が認められている(未. 価される筋持久力が, 20mSRで評価された全身. 発表データ)。このことは, 50m走が速いものは. 持久力と同様な傾向を示した原因については明ら. 20mSRの成績も良いことを示しており,評価す. かではない。筋持久力は,呼吸循環器系の関与は. る体力要素は異なるものの,小学生期においては. 少なく,専ら筋自体の持久力による。上体起こし. どちらの種目も走能力を評価する種目と考えるこ. 秒間で何度,上体の上下げができる の測定は, 30. とができる。積雪寒冷期間においては,屋外で走. かを最大努力で実施するものであり,短時間では. るという機会は極めて減少する。また,走る機会. あるが測定には 20mSRと同様にかなりの苦痛を. に恵まれたとしても走行速度は積雪や凍結の影響. 伴う。積雪寒冷期間後においては,このような苦. で,低速にならざるを得ない。このようなことか. 痛などに耐える心理的な粘り強さも低下するのか. ら,積雪寒冷期間では屋内において,いかに全力. もしれない。. に近い状態で走る機会を設けるかが重要になって. 50m走は,筋パワーや瞬発力を評価する種目. くると思われる。新聞報道(朝日新聞,平成 24年. である。我々は,今回の測定と同時期にリバウン. 3月2 3日付)によれば, 2 0 1 2年度の全国調査から. ドジャンプ遂行能力についても測定している。リ. 北海道の子ども達の体力・運動能力は依然全国に. バウンドジャンプ遂行能力は,. 比較して低水準にあり,北海道の小学生と全国の. 0.1~0.2秒と極め. て短い時間内に大きな力を集中的に発揮すること. 小学生とで差が聞いた種目は, 50m走と 20mSR. を評価するものである。積雪寒冷期間前後でこの. だ、ったとされている(反復横跳ぴも含む)。積雪. リバウンドジャンプ遂行能力はいずれの学年の男. 寒冷期間では,小学校の体育科は体育館などの屋. kとも秋季に比較して春季で有意に低下した(志. 内での実施を余儀なくされるため,単元計画や内. 0 1 2 )。先行研究(岩竹ほか, 2 0 0 8 )では, 手ほか, 2. 容についての検討が急務であると思われる。一方. リバウンドジャンプ遂行能力は 50m走の疾走能. で,屋外で走る機会を増加させる授業のあり方も. 力と高い相関関係にあることが報告されている。. 2 0 1 1 ) は,雪上サッ 提案されている。須田ほか (. このことから,積雪寒冷期間によってリバウンド. カーの有酸素運動としての強度を測定し,雪上. ジャンプ遂行能力が低下し,それが 50m走に影. サッカーがおよそ 9メッツと高い有酸素性エネル. 響を与えたと考えられる。リバウンドジャンプ遂. ギーを発揮していたことから,積雪寒冷期間の身. 行能力はまた,立幅跳び、との関連性が高いと報告. 体活動量低下を克服するのに適していると報告し. されているが(若竹ほか, 2 0 0 8 ),我々の中学生. ている。我々も現在,中学校において積雪寒冷期. における先行研究(神林ほか, 2 0 1 2 ) でもそれを. 間に保健体育科の授業で雪上サッカーを位置づ. 支持する結果を得ている。本研究では立幅跳びは. け,そのような年間計画を行っていない中学校と. いずれの学年の男 kとも春季で有意に向上してい. の春季における体力・運動能力を比較する計画を. ることから,小学生においては神経筋機能に関連. 進行させている。今後,結果については公表して. したリバウンドジャンプ遂行能力ではなく,上半. 行く予定である。. 身と下半身の連動した動きなど技術的な要素の影 響が大きい可能性がある。 20mSRと50m走は,それぞれ全身持久力と筋. 本研究では,生活習慣の中の主に食事,睡眠お よび運動習慣の違いによって,体力・運動能力に 優劣があるのかを検討したが,一定の傾向は認め. 3年生では男子に. パワー・瞬発力という異なる体力要素を評価する. られなかった。しかしながら,. 種目であるが,運動様式としてはどちらも走行で. おいて,少年団・運動教室所属群が無所属群に比. ある。今回の対象者において, 20mSR (回数). 較して,体力合計点と新体力テストの 5種目で有. と50m走(秒)の相関関係を検討したところ,. 意に高い値を示した(表 5)。また,. 1 4 4. 5年生でも.

(10) 北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力. 男子で体力合計点と 4種目,女子で 2種目におい. 能力の比較を行ったが,積雪寒冷期間前後の体. て,少年団・運動教室所属群が有意に高値であっ. 力・運動能力の伸び率(春季/秋季 x1 0 0 ) につ. た(表 6)。これらの結果から,体力・運動能力. いても検討を加えた(図 1)。その結果,いずれ. の優劣は日常での身体活動量に影響を受け,その. の学年の男女でも所属の有無で有意差は認められ. 影響は女子よりも男子で大きく,女子では年齢が. 0 7 . 5: t10.0%, な か っ た (3年生男子:所属群 1. 上がるにつれて影響が大きくなることが示唆され. 無所属群 1 0 6 . 4: t10.6%, 3年 生 女 子 : 所 属 群. る。宮下ほか ( 2 0 1 0 ) は,体力の高い群では,男. 1 1 2 . 0: t14.4%,無所属群 1 0 9 . 0: t10.7%, 5年生. 子で約 8割,女子で約 7割と高い運動部加入率で. 男子:所属群 1 0 4 . 9土 4.9%, 無 所 属 群 1 0 5 . 0土. あるのに対し体力の低い群では男子で約 5割 ,. 7.6%, 5年生女子:所属群 1 0 3 . 7: t6.6%,無所. 女子で約 4割と明らかに低い加入率であったこと. 0 2 . 6: t6 .7%)。以上のことは,少年団・運 属群 1. を報告し,本研究の結果はこられと一致するもの. 動教室所属群が無所属群より体力・運動能力は高. である。 3年生の男子および 5年生の男女におい. い 傾 向 に あ る が (3年生女子は除く),積雪寒冷. て,少年団・運動教室所属群が有意に高かった種. 期間での伸び率に所属の有無の影響はないことが. 目をみると興味深いことがわかる。いずれの群も,. 示された。我々は積雪寒冷期間前後の体力・運動. 表 4のまとめで示した積雪寒冷期間前後において. 能力の伸び率は,所属群で高いという仮説をもっ. 「変化なし」もしくは「有意に低下」という結果. ていた。しかしながら,そのような結果にはなら. が多かった種目(上体起こし, 20mSRお よ び. ず,原因については今後より詳細な検討が必要で. 50m走)において所属・無所属の影響が顕著に. ある。可能性として考えられることに,少年団・. 認められる。前述したように,これらの種目は体. 運動教室に所属していても積雪寒冷期間はトレー. 格の向上はもとより,身体活動量に大きく影響を. ニングや練習の量・質・頻度が減少し,体力・運. 受ける。よって,積雪寒冷期間ではできる限り身. 動能力を大きく向上させる刺激にはならなかった. 体活動量を高める工夫や機会を設けることが改め. かもしれない。また,. て必要と考えられる。. 能力の伸び率を検討した先行研究(宮下ほか,. 少年団・運動教室の所属群の有無で体力・運動. 1年間の期間で体力・運動. 2 0 1 0 ) では,低学年男子で運動クラブ所属群の総. 1 3 0 1 2 0 1 1 0 機 1 0 0 90. 80. 7 0. 堅手. 女子. 3委 事 さ を. 5 母子. 女子. 5年生. 図 1 秋期から春期にかけての体力合計点の仲ぴ率の比較. 1 4 5.

(11) 神 林. 敷・森田苦輝・奥田知靖・中道利夫・石津伸弘,小野寺タ香,高橋正年・山形昇平・溝口仁む・楢山. 聡・朝合. 潤・中島寿宏.6:、千典之・新開谷央 1. 合点が 1年間で 8.4: t4 . 6点,無所属群で 6 . 2: t5 . 4. 女子 4種目で秋季から春季にかけて有意に増加. 点の増加を示し,運動クラブ所属群の方が有意に. した。. p<0.01),中学年 k子 総合点の増加量が大きく (. 4. 積雪寒冷期間後に「変化なし」もしくは「有. . 8: t4 . 2点,無所属群が 5 . 7 の総合点でも所属群が6. 意な低下」を示した種目は,上体起こし. : t3 . 9点の増加を示し,同様に運動クラブ所属群. 20mSRおよび、 50m走といずれの学年・男女で. が総合得点の変化量が大きかったり <0.05)。こ. ほぼ共通していた。. のことから,およそ 4ヶ月の前後で測定した本研 究では,評価期聞が短かった可能性も考えられる。. 5 . 少年団・運動教室所属群と無所属群を比較す ると,. 3年生男子と 5年生の男女において,所. 無所属群の体力・運動能力の向上のためには,. 属群で有意に体力・運動能力が高い種目が認め. 年間を通じてはもちろんのこと,身体活動量が減. られたが,積雪寒冷期間前後の体力・運動能力. 少する積雪寒冷期間においても運動時間を多く確. の伸び率にはいずれの学年・男女でも差は認め. 保することが必要であろう。それには学校での体. られなかった。. 育授業が重要になってくる。無所属群の児童に. 以上のことから,積雪寒冷期間による影響で成. とって体育授業は,数少ない身体を動かす機会の. 長に伴う向上が認められない体力・運動能力があ. 1つとなる。特に,積雪寒冷期間の体育授業は唯. ることが明らかになった。また,運動経験や運動. 一身体を動かす大切な時間となるため,この期間. 機会,運動時間が体力・運動能力の向上につなが. の体育授業は運動量の多い教材を積極的に取り入. ることが明らかになった。本研究では生活習慣に. れることが重要と考えられる。また,体育科の内. よる体力・運動能力の違いは見出せなかったが,. 容に位置づいている「体っくり運動」を効率的・. 良い生活習慣は体力・運動能力の向上となること. 効果的に展開し,積雪寒冷期間における運動量の. が予想され,今後も両者の関連性についてより詳. 確保につなげる年間計画を構築することが重要で. 細に分析を行う必要がある。. あろう。 謝辞 本研究は,文部科学省の科学研究費補助金(基. V 結論. 2 5 0 0 6 1 9,平成 2 2年度から平成 盤研究 C課題番号 2. 本研究は,北海道の小学生における積雪寒冷期. 2 5 年度)を受けて実施されている。. 間前後にかけての体力・運動能力を測定し,積雪 寒冷期聞が体力・運動能力に与える直接的な影響. 参考文献. を検討すること,また,体力・運動能力と生活習 1 1 慣との関係を検討することを目的とした。秋季 (. 月)と春季 (4~ 5月)で小学校 3年生と 5年生. 0 8名を対象に,体格,生活・運動状況等 の男女 3. 青1 1 1友子・樋 1 1満 ( 2 0 1 0 ) メタボリック・シンドローム 危険因子と最大酸素摂取量慕準値との関係.体力科学,. 5 9( 1 ),5 1 . Benesse教育研究開発センター ( 2 0 0 5 ) 第 1因子ども生. の質問紙調査および新体力テスト測定を行った。. 活実態基本調査二干R 告書. h t t p : / / b e n e s s e . j p / b e r d / c e n t e r. 主な結果は以下の通りである。. . l / open/r e p o r t / k o d o m o s e i k at u_d a t a / 2 0 0 5 / i n d e x . s htm. 1.積雪寒冷期間前後で,いずれの学年の男女に おいて,身長と体重の有意な増加が認められた。. 2 . 新体力テストの体力合計点は,いずれの学年 の男女においても有意に増加した。. 3. 新体力テストを種目毎にみると, 子 4種目,女子 6種目,. 1 4 6. (参照日 2 0 1 2年 1月2 7日).. C a r n e t h o n .M.R .,Gidding,S .S .,Nehgme,R . ,S idney,S ., J a c o b s,D .R .andL i u,K .( 2 0 0 3 )C a r d i o r e s p i r a t o r yf i t n e s si nyounga d u l t h o o dandt h edevelopmento fc a r diovasculardiseaser i s kf a c t o r s .JAMA,2 9 0. 3年生の男. 5年生の男子 4種目,. 3 0 9 2 3 1 0 0 Church,T .S .,Cheng,Y ., . ]E arnest,C .P .,Barlow,C .E,.

(12) 北海道の小学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能力. Gibbons,L .W" Priest,E,L .andB l a i r,S,N,( 2 0 0 4 ). 北;千典之・新聞谷央・伊藤久美子 ( 1 9 8 8 ) 非降雪期およ. E x e r c i s ec a p a c i t yandbodyc o m p o s i t i o na sp r e d i c t o r s. ぴ降雪期における小学校児草の身体活動水準の差異に. o fm o r t a l i t yamongmenwithd i a b e t e s .D i a b e t e sCare,. ついて.北海道体育学研究, 23:3 3 4 2 .. 2 7:8 3 8 8 .. 志子典之・新聞谷春子・新聞谷央 ( 1 9 9 0 ) 小学校児童に. 樋口満・坂本静男・薄井澄誉子・青山友子 ( 2 0 1 0 )体力・ 運動宵慣とメタボリツクシンドローム危険凶子との関 係. “健康づくりのための運動基準 2 0 0 6 " を用いた検. 9 6 8 . 討一.デサントスポーツ科学, 31:5 日丸哲也・青山英康・永田尿編(19 9 1 )健康・体力評価・ 基準事典.ぎょうせい(初版). 糟谷英勝・占岡利治 ( 1 9 7 7 ) 寒冷地に於ける学校体育の あり方に関する研究一第一報豪雪地帯児童の生活時間 について. 0 5 1 1 5 . .信州大学教育学部紀要, 37:1. 神林勲・森田憲輝・奥田智靖・中道菊央・石津伸弘・小 野寺有香・高橋正年・ 1 1 1形昇平・朝倉i 閏・講 1 1仁志・. 1 1聡・中島寿宏・志子典之・新聞作央 ( 2 0 1 3 ) 北海 梢1 道の中学生における積雪寒冷期間前後の体力・運動能 力.北海道教育大学紀要, 6 3( 2 ) :3 1 3 9 .. Katzmarzyk,P .T .,Church,T .S .andB l a i r,S .N .( 2 0 0 4 ) C a r d i o r e s p i r a t o r yf i t n e s sa t t e n u a t e st h ee f f e c t so ft h e. おける合酸素的能力および無酸素的能力の季節変動に ついて.北海道体育学研'先, 25: 1-6. 志手典之・森田憲輝・長平奈々・奥田知靖・石津 1 ! J 1 弘・ 高橋正年・山形昇平・朝倉潤・溝口仁志・楢山聡・神 林勲・新聞谷央 ( 2 0 1 2 ) 北海道の小・中半生における 降雪期後のリバウンドジャンプ遂行能力の低下.北海 道体育学研究, 47:1 5 2 0 . 須田力・石本敬志・中村佳子・長浜光弘・西垣孝・水野 異佐夫 ( 2 0 1 1 ) 子どもの雪上サッカーの有酸素トレー. 7 2 0 . ニング効果.北海道の雪氷. 30:1 東京都ーな大体育学研究窯編(19 8 9 ) 日本人の体力標準値. 不味堂出版(第 4版). 山田 i 育美・原文宏・坂出一則・相高秀彦 ( 2 0 0 2 ) 小学生 の冬に対する意識と行動. 北海道の場合. .第 1 8回寒. 8:8 6 2 8 6 7 . 地技術論文・報告集, 1 若竹淳・山本正嘉・丙園秀嗣・川原繁樹・北出耕司・因. m e t a b o l i csyndromeona l l c a u s eandc a r d i o v a s c u l a r. 子浩二 ( 2 0 0 8 ) 思春期後期の生徒における加速および. 6 4: d i s e a s em o r t a l i t yi nmen.Arch.I n t e r n .Med.,1. 全力疾走能力と各種ジャンプ力および脚筋力との関係.. 1 0 9 2 1 0 9 7 .. 体育学研'先, 5 3: 1 1 0 .. 厚生労働省 ( 2 0 0 6 ) 健康づくりための運動基準 2006-身. WorldHealthO r g a n i z a t i o n( 2 0 1 0 )G l o b a lrecommenda-. 報告書.. t i o n sonp h y s i c a la c t i v i t yf o rh e a l t h .http://www.who.. K o l l e,E .,Steene-johannessen, , . ] Andersen,L .B .and. i nt /d i e t ph y s i c a l a c t iv it y/f a c t s h e e t _ recommendat o i n s /. 体活動・運動・体力. .A . ( 2 0 0 9 ) S e a s o n a lv a r i a t i o ni no b j e c Anderssen,S. e n / i n d e x . h t m l. t i v e l ya s s e s s e dp h y s i c a la c t i v i t yamongc h i l d r e nand. .J a d o l e s c e n t si nNorway:ac r o s s s e c t i o n a ls t u d y .I nt B e h a v .N u t r .P h y s .Ac , . t6:3 6 4 4 . 宮下充正 ( 2 0 0 7 ) 子どもに「体力」をとりもどそう.杏 林書院. 文部科学省 ( 2 0 1 0 ) 平成 2 2年度全国体力・運動能力,運 動習慣等調査結果. http://www.mex t .g o . j p / a_menu/. sports/kodomo/zencyo/1300107.htm, (参照 H2012. 年 1月27H). 文部科学省 ( 2 0 1 0 ) 平成 2 2年度体力・運動能力調査結果. .go.jp/component !a_menu の概要. http://www.mext / _ i c s F i l e s /a f i e l d f i l e / 2 0 1 0 / 1 2 1 1 6 / 1 3 0 0 0 8 /s p o r t s /d e t a il. 5 _1 .p d f, (参照日 2 0 1 2年 1月2 7日).. (神林. 勲札幌校教授). (森田憲輝岩見沢校准教授) (奥田知靖岩見沢校准教授) (中道荊央札幌校講師) (石津伸弘札幌校准教授) (小野寺タ香札幌手稲山口小学校教諭) (高橋正年附属札幌中学校教諭) (山形昇平附属札幌小学校教諭) (溝口仁志附属函館小学校教諭) (楢山. 聡附属函館小学校教諭). http://www.e-stat .g o . j p / S G 1 / e s t at !NewList .do? t i d = O O. (朝倉. 潤. 0 1 2年 1月2 7日). 0 0 0 1 0 1 1 6 4 8, (参照日 2. (中島寿宏北海道工業大学講師). 文部科学省 ( 2 0 1 1 ) 学校保健統計調査平成 2 3年速報.. 小野寺孝一・金子基之・山地啓司・玉木興止・梅沢弘. 1 9 8 7 ) 降雪期が児童・生徒の形態および 樹・並木孝 ( 体力・運動能力に与える影響.体育の科学, 3 7:5 5 5 8 .. 附属函館中学校教諭). (志手典之岩見沢校教授) (新聞谷央岩見沢校教授). 佐藤毅・岡崎勝博・菅原恵・造出哲也・北津一利・小沢 治夫 ( 2 0 0 5 ) 道内中学生の生活・健康・体力に関する. 9 9 4 実態調査.北海道教育大学釧路校研究紀要, 37:8. 1 4 7.

(13)

表 3 5 年生における積雪寒冷期間前後における新体力テストの項目ごとの測定値 ~ 握力 上体起こし 長座体前屈 反復横跳ぴ 20mSR  50m 走 立幅跳び ボール投げ(kg) (回)(cm) (回)(回)(秒)(cm) (m)  秋季 1 7
表 5 3 年生における少年団・運動クラブ所属の違いによる新体力テストの比較 ~  男 子 k  子 所属群 無所属群 所属群 無所属群 有 意 性 有意性 人 数 (人) 48  1 9  4 5  3 0  握力 ( k g )  1 3

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