低周波数領域の氷の内部摩擦 III : 0.1Hzから200Hzの周波数領域における氷の内部摩擦
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(2) . 北海道教育大学紀要 (自然科学編) 第50巻 第 1号. 平成1 1年8月. l ISc i i lof Hokkai iver i )Vo do Un tyofEducat Jouma ences s on(Natura .1 ‐50 , No. Au t 主犯s ,1999. 低周波数領域の氷の内部摩擦 皿 -0.I HZ か ら 200H zの周波数領域における氷の内部摩擦-. 小黒. 貢・ 木 曽. 直 吉*. 21 旭川市 北海道教育大学旭川校物理学研究室 07 0‐ 86 *07 14 2 旭川市 国立旭川工業高等専門学校機械科 1‐8. 工nternaI Frict ion oflce Crystals at Low Frequencies m -lnternaI Frict ion N[easured in the Frequency Range fro]m o ‐l to 200 HZ-- ルl i ts雄鶏 OGUR0 and Naokichi KISO*. i ikawa070 8621 i ido Un iver Phys i jkawa Campus tyofEducat ‐ on s cs Laborato 1γ,Asah ,Asah ,Hokka *DepanロロentofN[ 4 T IC l l A h i k 0 7 1 8 1 2 i A h i k r m i ‐ w e c a o e e s a a w a echan caICour se s a a a c g , ,. Abstract. inglecrystal Theinternalf ict ionofas‐grownand annealedices r l easuredbya ninvertedtorsion s wasl r r 0C A i ionsf 150 ion pendu1um was usedforforced vibrat rom n nvertedtors pendulum between‐10to- ‐ iented pure ionsfrom 27to200 HZ o lto20 Hzandforresonancevibrat rom unor . Specimens werecutf . ice s ingle crystal idg=nan method and 日hen were annealed for 14 to 20 days at s gTown by the Br l ‐knovm peak approximately ぞC ‐ There weretwotyPeofpeaksin as‐grovm specimens:(a)the wel duetotheor ientat ion of water molecules caused byintr ins ic Bierrum defectsand(b)alosspeak ata lowertemperaturethan( )peak. Thepeak athightemperature predominated athigherfrequencies, a butthe he ightofthepeak decreased wi ingf : l inantpeak changedtot th decreas コ he ] α ・ requency and ロ edo 1ower temperature peak‐ A new broadened peak atlower temperatures appeared in we l l -annea・ed コ セ ーelat ter peak‐ tead oft specimensins. iα1 Thelogar idhquc p.otofre laxat iont e againstthereciprocal. temperature oft inear attemperatures higher せl r i an210 K and 廿l ese datalay e Debye‐type peak wasl. ineofour previous experilr r l lent on t e extensionl ‐. The average ac ivat ionenergy wasest i t ・nated aso .. 55eV. Theslopeattelnperatureslowerthan210K decreased‐ The activation energy ranges oftwo loss peaksobserved atlow te]nperatures wereest iα1ated aso 26eV too 34eV ando‐26 eV to o‐38 eV, ‐ ‐ ively respect. The or・gins oftwo peaks atlowerte・nperatures were co i th せl 1 α 1 1 1 l ee×per ental pared wi. ical measure1・lent of ol ± ierinvest igators and are at ibutedtolat ice tr t results ofl r l echanicaland electr locat ioninice defectssuch as dis ‐. ( ) 37.
(3) . 小黒. 38. 1. は. 貢・木曽 直吉. じ. め. に. 非弾性を有する物質が振動するとき, その内部で力学的な消耗が起こる. 内部摩擦または内耗は, その大 きさを表す量として知られている. 内部摩擦は構造敏感な量なので, 多くの固体結晶の格子欠陥の挙動を調 べる 手 段 と して広く 用 い られてきた. この こ とは氷 結 晶 につ いても例 外 で はなく, Kneser ら( )が氷単 195 5. 結晶の内部摩擦をねじり振動で測定して以来, 氷の内部摩擦の研究は多くの研究者によって様々な方法で行 ) われ, その測定周波数領域についても広範囲にわたって測定されてきた1 . これらの研究によって誘電緩和現 象と関係のある水分子の再配向, 不純物効果や内部摩擦にのみ関係があると考えられる結晶粒界すべり, 更 婚 1 7 ) ) に転 位の運動 に起 因する損 失 等 が 明 らか にさ れた2. いままでに測定された内部摩擦の周波数領域は低周波数領域 ( 1 0ーHz~IHZ ) , 中間周波数領域 (200 Hz ~80KHz ), 高周波数領域(IMHZ~1 )の3つに大きく分けられる. 各領域で内部摩擦を測定する 80MHz. にはそれぞれ異なった実験装置とそれに伴う異なったサイズの試片が必要となり, 広い範囲にわたって同じ 試片を用いることができない. このことは力学的緩和現象の損失の機構を明らかにする上で大きな欠点とな る. したがって, 内部摩擦の損失機構にはまだ多くの未解決な問題が残され十分明らかになっていないのが 実状である. 氷単結晶の力学緩和現象には, 測定された緩和時間や活性化エネルギー等が翻…電緩和現象の値 と同じであることから, 水分子の再配向に起因するものと考えられている損失が存在する. この損失は誘電 緩和の測定においては, 丁度低周波数領域と中間周波数領域の間の周波数範囲でクロスオーバーの現象が生 じ, また活性化エネルギーに大きな変化を示す. したがって, 力学緩和現象でもこの損失が同じ周波数範囲 において同じような挙動を示すかどうか興味深いところである. しかし内部摩擦については, 低周波数領域 と中間周波数領域の間, すなわち IHZ か ら200Hz 間 はほ とん ど測定 さ れて い なか っ た. そ こ で, わ れわ れ は0‐IHZ~200Hz間の周波数領域の内部摩擦を測定することに した. この目的のため. に, 強制振動の装置の高い周波数側の周波数を20Hzの領域にまで拡張すると共に,30Hzから200Hz 間 に 7 ) 今 回 は わ れわ れ 共鳴法を適用した. 6Hz か ら200Hz 間 で測 定 した 結果 の 一 部 はす でに前 回報 告 した1 , . 2 )で行ったときと同じように, 試片の焼鈍効果についても実験を行い, 誘電緩和現象の が以前たわみ振動法1 結果と比較検討したので報告する. 2. 測定方法の原理 1 7 6 ) }で詳しく述べ ’ 本実験で使用した共鳴法や強制振動法の原理の詳細は, すでにわれわれの以前の報告等1 た の で, こ こ で は概 略を述 べる に と どめる.. 2 .1 . 共鳴曲線による方法 内部摩擦は試片の共鳴曲線の形から求めることが出来る.温度が一定の条件で外部から角周波数 の の周期 )を ね じり振 り子 に作用さ せた 場 合, そ の振 幅 (回転角 & ◎)で表される)は次式のよ 的 な トルク Foexp( iのt う に なる.. 臥 ヰ[ { ,函 猟 奇ヂ鐸与もお). 飾)F. ‐ - ‐ ‐ -- ‐ ‐- ---… - --. ここ で, 1は振 動 系 の慣性モ ーメ ン ト, “(の), た(の)は粘性, ね じり 定 数 である. の に対する & ◎)の値は共鳴周波数近傍で釣鐘型になる が, この形は内部摩擦が大きくなると平たく低くな. ( ) 38.
(4) . 低周波数領域の氷の内部摩擦 m. 39. り, 内部摩擦が小さいときには鋭くなる. 最大値に対する半値幅は次式によって与えられる. 2 ( 2 .… … ….…… …… … …… … …… … ….….….….…. ) /た(◎)}… … …… …… … …….…. △①ニ β 匂(の)の0 た だ し, のo は共鳴周波数である .. 1 は振動 の1周 期 あた り のエネ ル ギー と1周 期 あた りのエ ネ ル ギー損 失 △E に 関係 し 内部摩 擦 Q- , 1 △E Q‐1= 一一 - - 2” E. ‐--‐ ”””””””””””””‐ ‐--------------------~---~------------ …(3). )式は自由減衰振動の対数減数率/” に等しく, また △◎/為の で定義される.( 2 oは対数減衰率/” にも等 しいの で, 結局内部摩擦は次式で与えられる. 1= (の)の /に(◎)=△◎/β の …-… …… … …… …… … …… …-… ……・…… … … ……… ……-…‐ ( 4 ) ・ Q‐ “ 。 。. つまり, 共鳴周波数と半値幅から内部摩擦を求めることができる. 2. 2. 強制振動法 (位相差) による方法 ね じり 振り 子 による 強制 振 動 にお いて は, 内部 摩擦 は以 下のよう に求 め られる. ( 3 )式 は試片 に与 える トル. クとそれによる試片の歪みの間の位相のずれ Q-1≧tan. にも 関係 し, び が小さ い とき 次式のよう に表さ れる.. ………………………………………………………………………………………………………( ) 5. 実際には試片そのものの位相のずれぴは強制振動の装置からは直接得ることができないから, ねじり振り子 の強制振動系の位相のずれ ≠ を測 定 する. tan とtan小 の間 には次 の関係 があ る. tan. } ={1-(◎/の。 )2 tan中. … …… …… … … ……… …… …… … ……… … …… … ……… ……… … ……( 6 ). 従って, ◎《① 。が成立する場合には次式が導かれる. Q.1…tan …t an≠. 一般には. … ……… …… … ……… 川 …… … …… …… … …… … …… …… …… …… … …… … …( ) 7. は小さ いか ら. Q-1竺 ≦≠. …… … …… …… … …-”””… ……”… …“… …… … …‐”… …… … …… …---… …… ……- 7 ( ). となり, 小 を測 定 する こ とによ っ て 内部 摩 擦 が求 め られ こ とに なる.. 3. 実. 験. 方. 法. 3.1. 実 験装 置. 6 1 7 ) ) この装置を強制振動法で使用する場合 測定装置として図1に示した逆吊りねじり振り子を使用した1 ・ . , 通常 の 《 のo の 条件 を満た すよう IHz以下の周波数領域で使用される. しかし, われわれは精度は低下する が上 限を20Hz にま で広 げて使用 し, また 30Hz か ら200 Hz までの周波数領域において共鳴振動法の装置. としても使用することにした. ただし, 共鳴振動法の場合, 第2節で述べたように共鳴周波数は試片のサイ ズ に左 右さ れる こ とになる. 氷 の 試片 S は, この 装置 の 中央部 の 直径 0 4 mm のタ ングス テ ン線 で吊るさ れ ‐. た永久磁石Mのついた平均直径0‐ 5cm のステンレスと真餓からなる延長棒の下部のチャックに固定凍着し 取り付ける. 振動は外部の周波数特性分析器の発振部からパワーアンプをとおして送られた交番電流が流れ る 一 対 の ヘルム ホ ル ツコイ ル(直 径 10omm)の磁場の変動による永久磁石の回転によって与えられる 試片 . の振動は鏡mで反射された光をフォ トセンサーで受け検出され, 差動型 プリアンプをとおして周波数特性分 析器に送られる. 強制振動法の場合には, ヘルムホルツコイルに直列に入れた抵抗に流れる交番電流から求 0 まる 交番 電 圧 とフ ォ トセ ンサ ー で検 出さ れた 信 号の 位相差 (分 解能 0‐01 ) と振 幅比 (分 解能0‐0ldb) を測. 定して, 内部摩擦と剛性率の変動を求めた. ( ) 39.
(5) . 小黒. 40. 貢・木曽 直吉. 共鳴振動法の場合, 共鳴周波数近傍で周波数特性分 析 器 によ っ て周 波 数 を0.0IHZ か ら0‐IHZ の 間 隔 で 変 える こ とによ っ て 行 い, その 時の振 幅 はフ ォ トセ ン. …光 源. サーで検出した.試片の冷却には液体窒素を使用した. 試片の温度は試片の近くの上下に置かれた2本のクロ. ソーラトロン チャンネル1. メルーアルメルの熱電対によって測定し, その平均値. 発振器 0 I H ~2 0 H Z Z .. を測定温度とした. 上下の温度差は測定する温度にも よるが今回の実験の範囲では1℃以内におさまってい. 温度調節器2. 0K る. 強制振動法の場合, 測定は一度試片温度を13 近くまで下げ, 温度を徐々に上昇させながら行い, 共. レンス. チャンネル2. パーソナル コンピュータ 8 1Vm PC-9 0. 鳴法の場合では, 共鳴曲線を得る間は一定に保つよう に して行 っ た.測 定 データ は,GPIB イ ンタ ー フ ェ ース を 通 して パ ーソ ナ ル コ ン ピ ュ ータ に 取 り 込 み 処 理 し iagram ofapparatususedforthe F~g. icd I Schemat lf i ionofice‐ r ct study ofinterna. た.. 3‐2 . 試料および試片, 焼鈍方法 試料には, 蒸留水から育成した氷の単結晶を用いた. イオン交換された水を蒸留し, さらにミリポアフィ ルタに通した後ガラス製の育成容器に入れ, 真空装置で脱気した. ブリッジマン法でこの蒸留水から1日に lcm の速さ で育成 した 単結 晶氷 を使用 した. 単 結 晶の大 きさ は, 直径 は約5cm, 長さ は15cm である. こ oCの低 温室 で保 存さ れた 試 片 は oCの 冷凍箱 と-15 のようにして作られた単結晶は1週間から7ケ月 間-20 , .. この結晶から帯鋸で切り出し, 剃刀で整形したものを用いた. 試片のサイ ズは共鳴曲線による場合と強制振 動の場合では異なっている. 共鳴曲線による場合, 幾つかの共鳴周波数を得るために, 試片の幅を5mm か ら1o mm, 厚さ をlmm か ら2 mm, 長さ を30 mm か ら80 mm の範 囲内 で変 えた. C軸 は大 き な面 に対 し. て垂直, すなわち回転軸に垂直に切り出してある. また, 強制振動による場合, 共鳴周波数をできる だけ高 く設定し, 装置自身の振動系による位相の上昇 (以下バックグランドという) を小さくすることが必要なの 0 である なお こ れらの 試片 は で, 10× 2 ×40 mm3 に固定 した. c軸 は10×40mm2の面 に対 して ほ ぼ45 , . 強制 振動 の装 置 のチ ャッ ク に固定さ れる とき, 上 下約 lcm がチ ャ ッ ク で 挟ま れる の で, 長さ はそ の分 短く な 3ラ ジ ア ン程度 である る. この程度 の 試片 サイ ズ である と1Hz で は十 分 に小さ く 10‐ .. oCの試料保存箱に長時間保存された試料から前もって測定するサイ ズに切り出した幾つかの また, 約一20 試 片 は, 約一 2oCの 温度 で1週 間 か ら3週間焼鈍し, 強制振動法によって測定した. 4. 実. 験. 結. 果. 4 . 共鳴法による内部摩擦 .1 図2は, 同一の試片について種々の温度で測定した共鳴曲線を示す. ここでは, 図が煩雑になる理由から, 測定点はプロッ トせず実線で描いてある. 測定した温度の違いによって共鳴曲線のピーク値と半値幅 が異 な っ ている の がわ かる. この 共 鳴 曲線 は, 試片 の厚さ が薄く な っ た り, 長さ が長く な っ た り した ときノイ ズ. ) ( 4 0.
(6) 低 周 波 数 領 域 の 氷 の 内 部 摩 擦. ?﹇ 。 I or 二. 207.3 21 2 2. 248.5. 含 10. 24 5.9. 鵡. ① b. . き. 21 8.6. 5. 郷 .o. 〈. 苧 4. ,5 朋 ,8. 2 7 H z. .. 9 5 H z. ▲ 1 6 4 H z. ノ . O. 77. R e s o n a n c e c u r v e s o f a s p e ci m e n m e a‐ T h e s u r e d a t v a ri o u s t e m p e r a t u r e s‐. ・ .. き. . . . ◆ へ. ・. み も ご. 150 200 T e m p e ratu re ( K ). F r e q u e n c y ( H z) F i g .2. - .. 面 ﹇ 益 だ 一 76. 一も . .. .. 5. 鑑 38. 75. 41. . 「27H z. ひ( 砺 も 8 【 o B 正. 21 5.6. 2 嫌 ,3. m. T e m p er at u r e d e p e n d e n c e of in te n ・ al f r i c ti o n o f v a r i o u s s i z e s p e c i n[l e n s. F i g .3. n u 田 口 b e r s o n p e a k s a r e t e m p e r a t w re in K .. o b t ai n e d fr o m r e s o n a n c e c u r V e s‐. が 入 っ た が, そ れ は 測 定 回 数 を 多 く し て そ の 平 均 値 を 求 め る こ と で 除 去 し た. 図 3 は 図 2 と 同 じ よ う な 共 鳴 曲 線 を 測 定 し て , そ れ ら の 曲 線 か ら Q -1 ( す な わ ち. ≠) を 計 算 し, そ れ を 温 度 に 対 し て プ ロ ッ ト し た も の で あ る .. そ れ ぞ れ の 試 片 に お い て 内 部 摩 擦 の ピ ー ク が み ら れ, る と 共 に ピ ー ク は 高 温 側 へ シ フ ト し て い る .. そ の ピ ー ク の 高 さ は 共 鳴 振 動 数 が 高 く な る ほ ど 低 く な. 高 振 動 数 に な る ほ ど 高 温 側 へ シ フ ト す る の は,. こ の ピ ー ク が 緩. 和 型 で あ る こ と の 証 拠 で あ る 18}. ま た , 図 中 の 高 温 側 に 内 部 摩 擦 の 上 昇 が み ら れ る . 今 回 の 実 験 で 用 い た 試 片 は 単 結 晶 で あ る こ と か ら,. 4‐ 2‐. 4‐2.1.. 転 位 に よ る ヒ ス テ リ シ ス 型 に 起 因 し た 損 失 の 一 部 が 現 れ て い る も の と 思 わ れ る 6)‐. 強 制 振 動 法. 未 焼 鈍 試 片 の 内 部 摩 擦. の1 ﹇ o r. x. ﹈ 信( じ 8. こ o ;o ℃ 仏 雨 c. 毎. だ 一 1 5 0. 1 50. 2 0 0. T e m p e ratu re( K). F g .4 丁 数 n p er atu r e d e p e n d e n c e o f in te r n al fri c ti o n. of. n o n‐a n n e ale d. Fi g .5. s p e ci m e n. m e a s u r e d b y f o r c e d 汎 b r a ti o n m e t h o d a t d iff e r e n t f r e q u e n c i e s ‐. L O Ss. 200 T e m p e ratu re ( K ). p e a k s S u b tr a cte d. b a c k -g r o u n d. f r o n[l i n t e n . a l f r i c t i o n d a t a. m e a s u二r e d. b y f o r c e d v i b r a ti o n a t 2 0 H z , 2 H z a n d o‐1 3 H z‐. (4 1).
(7) 小 黒. 42. 図 好 ま 育 成 し た 氷 の 単 結 晶 か ら,. 貢 ・ 木 曽. 直 吉. 比 較 的 早 い 時 期 に 切 り 出 し た 試 片. (す な わ ち 焼 鈍 し な い). 強 制 振 動. を,. 法 に よ っ て 測 定 し た 7 種 類 の 強 制 振 動 数 , 2 0 H z, 1 2 ‐ 6 H z, 8 H z, 5 H z, 2 H z, 1 ‐ 3 H z, 0 ‐ 3 2 H z に お け る. 内 部 摩 擦 の 温 度 依 存 性 を 示 し て い る. 周 波 数 が 高 く な る と と も に 内 部 摩 擦 が 大 き く な る の は, 第 3 節 の 2 で 述 べ た よ う に 装 置 の 振 動 系 の 共 鳴 に よ る 影 響 が 加 わ り, 位 相 が 大 き く な っ た た め で あ る. こ の 装 置 に 基 づ く 位 相 の 影 響 は さ ら に 高 温 ま で 測 定 し た 別 の 結 果 か ら, 同 一 の 周 波 数 で 測 定 し て い る 限 り 温 度 に 関 係 な く 同 じ で あ る こ と が わ か っ た .. こ の 理 由 か ら,. こ の ピ ー ク の 高 さ は 別 と し て ,. ピ ー ク は 内 部 摩 擦 の 損 失 位 置 を 正 し. く 表 し て い る と 思 わ れ る . ピ ー ク は 低 周 波 数 に な る ほ ど 低 温 側 へ シ フ ト し て い る . 従 っ て , こ の ピ ー ク は 緩 和 型 で あ る i8). 図 5 は 一 連 の デ ー タ か ら 2 0 H z , 2 H z , 0 ‐ 1 3 H z ( 0 . 1 3 H z は 図 4 に は 描 か れ て い な い ) の 一 部 を 拡 大 し , 装 置 に よ る 位 相 分 を 差 し 引 い た 内 部 摩 擦 の 温 度 依 存 性 を 示 し て い る . こ の 図 か ら 20 H z と 0‐13 H z で は 比 較 的 ピ ー ク が 鋭 く 1 つ の ピ ー ク の よ う に 見 え, 2 H z で は ピ ー ク 幅 が 広 く 2 つ の ピ ー ク の 重 な り の よ う に 見 え る .. こ れ ら の ピ ー ク を そ れ ぞ れ 各 周 波 数 で 詳 細 に 観 察 す る と , 20 H z の ピ ー ク は , 2 H z の 高 温 側. の ピ ー ク で あ り , 0‐13 H z の ピ ー ク は 2 H z の ピ ー ク の 低 温 側 の ピ ー ク で あ る こ と が わ か る .. 4.2.2‐. 焼 鈍 試 片 の 内 部 摩 擦. 図 6 は 3 種 類 の 試 片 の 内 部 摩 擦 の 温 度 依 存 性 を. ニ ノ 1. 示 す . (a) は そ れ ぞ れ ブ ロ ッ ク の ま ま 3 ケ 月 間 約 一 2 00 C の 低 温 箱 で 保 存 し た 試 料 か ら , 5 m m の 厚 さ. に 切 り 出 し - 1 50 C で 約 1 ケ 月 間 保 存 し た 試 片 の 温. 度 依 存 性 , (b) は 2 0 0 日 間 - 2 0 o C で ブ ロ ッ ク の ま ま 保 存子 後 , 試 片 を 2 m m の 厚 さ に 切 り 出 し - 2 0 C で 1 4 日 間 焼 鈍 し た 試 片 の 温 度 依 存 性 , (c) は - 2 0 o C で. . 20 H に . ,. 、. . * ~ ・・.・ .・. 8}セ. ?﹇ o 卜 ′ ′ー こ ・ - .・. :. 5チセ. - ... 二. ノ. “ ′ ′. -・ 〆 3.2 Hに. 200 日 間 保 存 後 2 m m 厚 さ の 試 片 に し , - 2 0C で 20 日 間 焼 鈍 し た 試 片 の 温 度 依 存 性 で あ る . こ こ で. .. ′、” 、. ′ -、 ー・. ~. \-. 5Hz. ・ 32 校. --. ‐ .・ ・ ー▲ .▲ ・. . ー .. . . ′ .. .. . . . .・ -. 8ト セ. ”、 . . .. ... 5Hz. ′.. ノ. 相 分 を 引 い て あ る . (a) で は 1 6 0 K 付 近 の 鋭 く と し た 未 焼 鈍 試 片 と 同 じ よ う に,. ′ , 、. 2 HZ. . 2 HZ. -”. 図 4 で 示. 2 つ の ピ ー ク の 重. ′.. な り に な っ て い る . 20 H z で は 200 K 付 近 に 220. 0.1 3 HZ. 0.8 H z. ー. ′′ ^ \ } ′. ′.. ′;. ・. 結 果 を 比 較 し や す く す る た め に 装 置 に 起 因 す る 位 が っ た ピ ー ク が 現 れ て い る の を 除 く と,. ′. 三′′ .. 靴. ・三 豊 - -. ・. ′. 1. .・ ’ ゞ . ~ .〆 ′;. ,. -. ′ ′ . 0.1 3 H 比. -. .. .. K に あ る 大 き な ピ ー ク の 副 ピ ー ク と し て す で に 存 T e m p e 階 tu re(I Q ( a). 在 し , 8 H z, 5 H z と 周 波 数 が 低 く な る に 従 っ て そ の 高 さ が 増 大 し て い る .. 一 方 ,. 高 温 側 に あ る ピ ー. ク の 高 さ は 低 周 波 数 ほ ど 低 く な っ て お り , 0‐13. F i g .6. H z で は 消 失 し て い る よ う に 見 え る . (b) で は , 高 温. 側 の ピ ー ク と は 別 に, い ピ ー ク が 現 れ る .. す べ て の 測 定 周 波 数 に 新 し こ の ピ ー ク は 20 H z で は 180. K 付 近 に , 0‐8 H z で は 160 K 付 近 に あ り , 低 周 波 数 に な る と ピ ー ク の 位 置 が 低 温 側 に シ フ ト し て い る .. 高 温 側 の ピ ー ク は (a ) の 場 合 と は 異 な り ,. T e m p erature (IQ ◎. . 下 e m p eia tu「e(IQ (c). T e m p e r a t tlr e d e p e n d e n c e O f i n t e n ュ a l f r i c ti O n O f a n n e a l e d s p e c i m e n s m e a s u r e d b y f o r c e d 頃 b r a ti o n m et h o d ; (a) st o r e d a s b lo c k fo r 3 m o n t h s a t a b o u t - 2 0 ℃ a n d t h e n f o r l m o n t h a t - 1 5 ℃ , (b ) 0 st o r e d a s blo c k f or 2 0 0 d a y s a t - 2 0 C a n d th e n o f - C l 2 t d t f 1 4 d r a e c u t fr o m th e a a n n e a e or a ys b l o c k , a n d (c) a F m e a le d f o r 2 0 d a y s a t - 2 ℃ a ft e r c u t f r o m s a m e b l o c k W i t h t h a t o f ( b ).. 2 つ. の ピ ー ク の 重 な り で は な い . (c) で は , 低 温 側 に 幅 の 広 い ピ ー ク が 現 れ て い る . 高 温 側 の ピ ー ク は 比 較 的 鋭 く , (b ) と 同 じ く 単 一 の ピ ー ク に な っ て い る . こ の ピ ー ク は , 低 周 波 数 に な る と 高 さ は 小 さ く な っ て い る こ と が わ. (42).
(8) 低 周 波 数 領 域 の 氷 の 内 部 摩 擦. m. 43. か る . ま た , 図 か ら 高 温 側 で 温 度 が 高 く な る と と も に 内 部 摩 擦 が 単 調 に 増 加 し て い る こ と も わ か る . P e r e z ら 6) の 実 験 か ら 推 測 す る と,. 4.2‐3.. こ れ は 転 位 に 起 因 す る ヒ ス テ リ シ ス 型 の 損 失 で あ る と 思 わ れ る .. 未 焼 鈍 と 焼 鈍 試 片 の 緩 和 時 間. 図 7 は,. 図 3,4,5,6 の 内 部 摩 擦 の 温 度 依 存 性 の 損 失. ピ ー ク 位 置 か ら 2 “fて = 1 ( ◎ て = 1 ) の 関 係 を 使 っ て 緩 に 対 す る プ ロ ッ ト を 示 す .. 和 時 間 て を 求 め , そ れ を 1 / T. ま た, わ れ わ れ が 前 に た わ み 振 動 法 で 求 め た 未 焼 鈍 と 焼 鈍 試 片 の 緩 和 時 間 と 1 / T の 関 係 を 実 線 0 1, 0 2, 0 3 と し て 書 き 加 え て あ る .. 共 鳴 法 に よ る デ ー タ. 200 H z の デ ー タ で ◆ 印 ) は ,. 強 制 振 動 法 に よ る -. 6 50 C ま で の デ ー タ は ( 0 ‐ 1 3 H z か ら 2 0 H z で ○ ,. ▽ ,. △ ,. こ の 直 線 0 1 上 に 位 置 し て い る が , ー 6 50 C 近 く か. ◇ 印 ),. ら 徐 々 に 直 線 の 勾 配 が 小 さ く な っ て い る . ま た , 高 温 側 ピ ー ク ( 以 下 こ れ を 0 1 ピ ー ク と 呼 ぶ ) の 副 ピ ー ク ( 図 中 の と N 1 と N 2). o. )ド. (2 0 H Z か ら. 明 ら か に た わ み 振 動 法 で 測. 定 し た 直 線 0 1 上 に 位 置 し て い る.. 6 ① の. ① E F ﹇ 暑 範 x ① 雨 に. 2. と し て 現 れ た ピ ー ク の 緩 和 時 間 は,. 試 片 ご と に ば ら つ き が 見 ら れ 一 定 し て い な い.. 試 片 を 焼. 3. 鈍 す る こ と に よ っ て 新 た に 現 れ た 最 も 低 温 側 の ピ ー ク の. ア レ ニ ウ ス の 関 係 は,. 焼 鈍 の 仕 方 に よ っ て 大 き な 変 動 を. C で 14 日 間 と 20 日 間 焼 鈍 し た 試 片 の 緩 和. 示 し た . -. 図. 時 間 を プ ロ ッ ト す る と ほ ぼ 直 線 A 1 と A 2 に な る .. こ の 直 線 は わ れ わ れ が 前 に 焼 鈍 試 片 を た わ み 振 動 法 で 測 定 し た と き に 得 た 直 線 0 2, 0 3 の 延 長 線 上 に あ る . そ れ ぞ れ の 直 線 に つ い て, 緩 和 時 間 て と 温 度 T (K) と の 関. F ig .7. -○ 。』;. V a l u e s o f 菰 e r e l a x a t i o n t i m e s o f a s ‐ g lr o w ゥ n a n d. ar口le a1e d. m e a s u r e m e n ts. m et 力 o d,. v i b r a ti o n. s p e ci m e n s o b t ai n e d fr o m fl e x u r a l o f v i b r a ti o n m e せ lo d. rE 器 o n a n c e m et h o d. as. a. a n d. ft u・ c ti o n. forced of. th e. r e c i p r o c a l t e lェl p e r a t u r e‐. 係 で あ る ア レ ニ ウ ス の 式 て = zb e × P ( 日 / k T ). H は 活 性 化 エ ネ ル ギ ー , k は ボ ル ツ マ ン 定 数 で あ る . か ら 活 性 化 パ ラ メ ー タ を 求 め る と, こ こ で,. 筋. は 因 子 ,. 共 鳴 法 と 強 制 振 動 法 で 測 定 し た 場 合, に 関 わ ら ず ほ ぼ 一 致 し,. 衡. z b = 9 . 9 6 X 1 0 ‐ 15 s e c ,. お よ び H. 1 / T が 0 ‐ 0 0 4 9 ( K ‐ 1) 以 下 の 高 温 側 ピ ー ク は 焼 鈍 試 片 ,. 未 焼 鈍 試 片. は. 日 = 0‐55 e v. で あ る . 前 回 の た わ み 振 動 法 の 0 1 か ら 求 め た 結 果 は , z b = 2 . 8 5 × 1 0 ‐ 15 s e c , H = 0 ‐ 5 9 e V. で あ っ た か ら. H の. 値 は 幾 分 小 さ い. 1 / T. が 約 0 ‐ 0 0 4 9 ( K - 1). 以 上 で は , zb お よ び H. は. 衡 ; 1‐85 X 1o. s e c, = 0 ‐ 1 8 e v. 高 温 側 の 活 性 化 エ ネ ル ギ ー の 値 に 比 べ て 極 馴 に 小 さ く な る. 未 焼 鈍 試 片 や 十 分 に 焼 鈍 が な さ れ て い な い 試 片 で , 1 / T が 0 ‐ 0 0 4 9 ( K ‐ 1) 以 上 に 現 れ た 副 ピ ー ク の ア レ ニ. と な り,. ウ ス の 関 係 か ら は, N 1 ( 図 4 の 未 焼 鈍 試 片 ). で は,. 衡 = 4 ‐ 2 2 × 1 0 - 8s e c,. (4 3). H = 0‐26 e V.
(9) . 小黒. 44. 貢・木曽 直吉. 1 l a )の焼 鈍 試片) で は, 励=6‐65×10‐ N2 (図6( sec ,=0.34eV が 得 ら れる. - 20Cで 14 日間 と2 0 日 間焼 鈍する こと によ っ て新 しく 現 れた 低 温側 の ピーク のア レニ ウス プ ロ ッ ト (直. 線 A I) の 衡 およ び H. は,. 1 3 A Iの場 合でz b=4‐13×10‐ sec,. H =0‐38eV. である. なお, 図では示していない別の試片の結果(直線 A 2)を参 考 ま でに図示 して ある. この場 合 衡 お よび H は, l o A2 の 場 合 で z b=6‐90×10‐ sec, H =0‐26eV. となり, A Iより は小さ な H が得 ら れて いる.. 前に測定したたわみ振動法の 衡 および H. は,. 1 4 ), 励=1‐0×10‐ ー20Cで焼 鈍 した 場 合 (図中の 02 sec , H=0‐44eV oCで焼 鈍 した 場合 (図 中の 03 1 3 ), 殉=3.04×10‐ -20 sec , H=0.37eV oCで焼 鈍 した 場合 の H 値 は 今 回求め た AIの 値 によく 一致 して いる ことがわ かる である.-20 . , 察. 5. 考. 5.1 . 結果のまとめと他の実験との比較 0Hz での領域にお 従来測定された低周 波領域や中間周 波数領域の内部摩擦の測定において, IHZから20 ける測定がなされていなかった. これに対してわれわれの実験では, 通常IHZ以下で使用される強制振動装 置を20Hzまで高周波数側に範囲を広 げることによって, またこの装置の共鳴振動を利用して試片サイ ズを 変 える こ とによ っ て30Hz か ら200 Hz ま での測定 を行 い,0‐13Hz か ら200Hz 間の 内部摩擦 につ いて幾つ か の知見 を得る こ とが でき た. これ らの結 果 を列 挙する と次の よう に なる.. 1) 強制振動法で測定 した未焼鈍試片の内部摩擦には2つの緩和型の損失ピークがあり, 高周波数では一 番高温側の損失ピークが優勢であるが, 低周波数になると低温側にある副 ピークが優勢になる. oCま で はた わ み振 動 法 で 求 めた ア レ ニ ウ ス プ 2) 共 鳴 法 や 強 制 振 動 法 で 求 めた 高 温側 の ピーク は,一210 o ロ ッ トの 直 線 の延 長 線 上 に あ り, 活 性 化 エ ネ ル ギー は ほ ぼ同 じ で あ る.-210C以 下 で は ア レニ ウ ス プ ロ ッ トは この延 長 線上 か らず れる 傾 向にあり, 活 性 化エネ ル ギー は小さ く なる.. 3) 末焼鈍試片や十分に焼鈍されていない試片に現れる 副ピークは, 試片の履歴によって異なる傾向にあ り, 緩和 時間 は試片 ごと に異 な っ た. 平 均的 な値 は約 0.27eV である.. 4) 焼鈍試片には, 低温側に新しい緩和型の損失ピークが出現する. 未焼鈍試片に現れた副ピークは現れ な い.. 5) 最も低温側に現れるピークの緩和時間は焼鈍条件によって異なる傾向にある が, 大雑把に見るとたわ み振動法 で求 めた ア レニ ウス プ ロ ッ トの直 線の 延長線上 にある. 緩 和 時間 は0‐26eV か らOA4eV 程度 である. ) は, アラ スカ のメ ンデ ンホ ール 氷 河氷 (一部 人 工の氷 単 1977 l lman ら ( ) や Sta Vam)evender ら ( 1973. 結晶) の内部摩擦の実験をたわみ振動法で行い, 低温側にピークがあることを最初に発見 し, 解析を行って 8 1978 ) ) ) しか しなが ら 彼 らは試 片の 焼鈍 効果 に は気 付か なか っ た. Vas i l l so e( ’ その損 失機 構 を推定 した7 , .. ) の実験において, 焼鈍試片では未焼鈍試片にあった損失ピークが完 は, 彼らの一連の低周波領域 (~IHZ ) ( 4 4.
(10) . 低周波数領域の氷の内部摩擦 m. 45. oC低 温側 に別 の ピー ク が生 じる こ とを見 出 して いる1 0 ) 彼 らの 得た ピーク は 温度 とピー 全 に消 滅 し, 約 30 , . ク の消 失 の点 か ら考 える と, わ れわ れの副 ピーク と低 温 側 ピーク に相 当 する よう に思わ れる. この こ とは, そ の 後 の Tat ibouet ら ( 1981 ) のア レニ ウス プロ ッ トが, 今 回のわ れわ れが求 めた周 波 数が重 なる 範 , 1983. 1 ) 1 5 ) 囲 内で副 ピーク と低 温 ピー ク のア レニウス プ ロ ッ トとよく 一 致 して いる こ とか らも 明 らか である1 ’ .. 5.2 ‐ 誘電的緩和との比較 力学的緩和現象と誘電的緩和現象は種々 の点でよく類似している. たとえば, 水分子の再配向に起因する と考えられている高温側の損失ピークの緩和時間と活性化エネルギーは, 誘電測定から求められた値に等し い. この 理 由か ら, その損 失 のメ カ ニ ズム は B ie rrum 欠 陥 による も の とさ れている. ま た, 低周 波 数領域 で. 測定された転位のすべり運動に基づく内部摩擦の振る舞いは, 誘電測定における空間電荷領域の挙動によく 類似している. したがって, 内部摩擦で得たデータを誘電緩和の現象と比較することは, 本実験で得た損失 ピー ク のメ カ ニ ズム を論究 する 上 で重 要 なこ とと思わ れる .. 今回の求めた高温側のピーク (その内部摩擦の原因は, 水分子の回転に起因すると考えれている) の緩和 時間と1/T の関係は, 共鳴法と強制振動法という測定方法と使用した試片が異なるにも関わらず,以前われ われがたわみ振動法で求めた関係の延長線上にあることがわかった. 従って, たわみ振動法のデータを含め oCか ら-60 0C( 1 る と, 活性 化エ ネ ル ギー は-1o 210 K, 1/T の値 で0‐0049 K- )ま で変化 が ない ことに なる.. この結果は活性化エネルギーの僅かな違いを除けば, Au ) や Johar iら ( t 1 97 8 ) の誘電測定の結 y ら (1952 9 2 0 ) ) 果 と よ く 一 致 し て い る1 ’ .. oC以 下の 温度 か ら活性化 エネ ル ギー の減 Kawata ( 1978 ) の広 い周 波 数領域 での誘 電率 測定 によ る と,-50 1 ) Ruepp( 少 が起 こり, 緩和 時間 との 関係 にお いて 直線 の折 れ 曲がり が できる こ とが示さ れて いる2 1973 )や . oCよ り も っ と低 温 で変化 し K ia ら ( Lor 1978 ) の複 素ア ドミ ッ タ ンス と TSD の データ は,-50 , awata の 結 2 2 3 ) ) こ れにつ いて は Jaccard 理 論 に基 づ いた 解釈 が なさ れて い 果 と はか なり 異 な っ た 様相 を しめ して いる2 ’ . る. つ ま り 活性 化エネ ル ギ ーの 変化 は, Bier rum 欠 陥 とイ オ ン欠 陥 のク ロス ーオ ーバ ー が生 じる温度でお こ り, こ の 温度以 下 で はイ オ ン欠 陥の集 合体, ある い は Bi l rrum-イ オ ン欠 gram と Gramcher が提 案 した Bie 3 ) 陥 の集 合 体の 形成 に起 因する も の で はないか と考 え ら れて いる2 . 5‐3‐ 副 ピーク と低 温側 ピ ーク の成 因 Ruepp と Lor ia らは広い周波数領域にわたって誘電的な緩和時間と1/T との関係を得た .. 彼らの図と図. 7 の比 較 か ら, わ れわ れ が得た 副 ピーク と低 温 側 ピーク は, そ れ ぞれ Ruepp の低 温 にお ける デバイ 成 分 とH に, ま た Lor ia らのS 3 , P 3 ある い はP2 とS 4, P 4 に相 当する と考 えら れる. Ruepp の データ はわ れわ. れの データ に比 べて低 温側 に ある が,Lor ia らの 複素 ア ドミ ッ タ ンス 法 で測定 した データ は,わ れわ れの デー タ とよく 一 致 して いる. Ruepp はフッカ水素をドー プした氷の緩和時間と活性化エネルギーが低温における デバイ 成 分 に 一 致 する こ とか ら, こ の原 因 を不純 物 によ る 水 分子 の再 配 向の 容易さ による もの と し また H , の成 因 を Truby ( 1955 ) によ っ て 見 出さ れた よう なミク ロ 構 造 によ る と して いる Lor ia らはP2の原因を . 活性化エネルギーな どを考 慮 して, Bierrum 欠 陥 とイ オ ン欠 陥 の 集 合 体 によ る も の と した 活 性 化 エ ネ ル . ギーと緩和時間から推定して, S 3 とP3 また はS 4 とP 4の原因を水分子の再配向を局所的に容易にする よう な気 体分 子, 例 え ば, 窒 素 のク ラス レー トのよう なも のの 存在 に結 びつ けて いる .. われわれはすでにたわみ振動法の実験で, 低温側のピークが生じても, もともとのヤング率の変化の総量 (△M) に は変化 がない こ とを報告 した. また, この ピーク の角度 依存 性 は高 温側 ピー ク の 振る 舞 い に似 てい る こ と, この ピーク はデバイ 分散 のよう に単 一 の も の で はない こ とな どを指 摘 した この こ とか ら 高 温側 , .. ( 4 ) 5.
(11) . ′ 小黒 V 、 、. 46. m・ 直吉 貢・木曽 口. の ピーク と低 温側 ピーク はお 互 いに 独立 した も の ではな い. また, 副 ピーク は十 分 に焼 鈍 した 試 片 ではむ し. ろ消失するから, 不純物が原因だとは考えにくい. たわみ振動の実験や今回の実験における氷試片の育成条 件や焼鈍条件から, 氷単結晶の育成中や焼鈍中にクラスレートが形成されたとも考えられない. たわみ振動 の実験や今回の実験で, 氷を大きな塊のままの状態で長時間保存した後で, 試片を切り出した場合には, 低 温の損失ピークは現れなかった. 前もって薄く整形した試片では, 焼鈍効果が顕著に現れるという事実は, 試片の表面近くで何らかの構造変化が起こったか, または試片の表面をつくることによって内部に何らかの 構 造 変 化 が 生 じ易 く な っ た と考 え た 方 が 妥 当 で あ ろ う. こ の よ う な 観 点 に 立 つ と, わ れ わ れ と Ruepp や Lor ia らのデータ間の食い違いや本実験における低温側ピークの活性化エネルギー等の違いは,. 測定に供さ. れている試片の履歴の差におもな原因があると思われる. この点を考慮するなら ば, 転位などの格子欠陥が 関係している可能性がもっ とも高い. 今後は, 試片として使用される氷単結晶の転位密度な どをもっ とよく 吟味し, もっ と低周波数領域まで測定範囲を広げ精密な測定を行うとともに, 結晶方位の効果な どを取り入 れた実験を行うことが必要であろう.. 献. 文 1) 小黒. 貢 1979:氷の内部摩擦. 日本 雪氷学会誌, 41 , 223‐237 .. l inkr i i ionVone tal G,1955 en E S s she Relaxat 2) Kn : Mechani er r - ※ 3 e . NaturWissenschaften ,and ziegl , ‐ ,日.0. Magun,S.. 42 . ,437 len i ioninre inen Ei skr 3) Sh ine Stal :Di e mechanishe Relaxat . r . Z.Phys . ,1冊15 ,153 ,P. ,1958 ‐ ‐ i- i ion ofice t lnp.Sc lfrict r 4) Kuroiwa, D. :l nt ema , A.18 ,1 62 .Low‐ Te . Uns , Hokkaido Un v ‐ Cont ,1964 ly def。nnedi ical ce R Vassoi l l : UI口aSonicprope[iesofplast 5) Tatibouet e ・ . ・ G1aC ,15 ,16r ‐Jリ ー975 , R‐and perez , . , 169 ‐ ic i lf r ict ionand microplast tyofi 6l l l celh‐ i e R. ミ渇oi 6) Perez,J‐ .and Va ,197 : ntema ,j ,Ma ,C‐ ,Tatibouet. Nuovo Cimento ,. ) 33B (NI ‐ ,86-95 ingl ion ofs tali K,1 ecrys ce 973 7) Van [ ) :lntelnalfrict ‐ U.S. Army Cold Region Research evender .P ‐andltagaki , . ,j ‐ . ing Laboratol ry Resaerch Repon 243 and Engineer ,1 44 inglec ionpeaksins lintelnalfrict 8) Sta l lman lystalice :Abnorma . U.S‐Army ColdRegion . 1977 ,K ,P‐E.and工tagaki - ‐ iaIReport77‐23 ing Laborato Research and Engineer l 「 y ,1 15 ,Spec ion ofsnow andi requency. Proc ce atlow f 9) Nakamura 977:lnternaI Frict . Conf .on ‐ Six値 lnt ,1 , T‐and Abe , 0. i ikos ba i ids ionin Sol tenuat bl i ionand U1 t te g n ユch and N-ルl rasonic At .○fTokyo ・naIFr ct ,Tokyo ,Univ .by R.R-Has ,ed 一 . Pr s E ※ 3 ,285 289 ingl ivo皿 ofi las i requencyrangedue t ecrystal sinthelowf celhs ) Vas i cbeha 10 i l l :lne so e R‐ ‐and Perez,J. ,1978 , Ma ,C 一 ‐ i locat ions to d s . GIOC ‐21 . J ,375 384. ficelh.J ict ion measurementso iesintemalf l l r i 11 ) Ta : Verylow frequenc boue t e t ‐de .and Vassoi ,1981 , R. ,Perez ,J ,j. N 10 T l phys 2 ‐ . ,541-546 , C5 ,Suppement o. , om 4. 2 3 ‐ 4 7 8 9 1:人工単結晶氷の内部摩擦の焼鈍効果. 北海道教育大学紀要 (第2部A)3 2 ) 小黒 貢・堀 靖孝・須郷智和・1 1 ,3 . - ‐ 2 C ld Regionsand Tec加1010を聾,6 ) 0モリユro, M. 13 ,29 35 ,198: o , Hatano,K and Kato,S. ionini tal lfrict s ) Hiki t cecws 14 :ln ema ‐ ‐ J ‐Chem‐ ‐Phys ,87 ,4054-4059 . ,1983 ,Y and Tamura,J l l b d f i i l h i fl t t requencyi v r t nt ema n c e e S d e e e c s i l l V R 1 9 8 3 y owf y ) Tat : tu y o a c 15 i boue t so e ‐and as , ‐ , ,Perez ,J ,R‐ 冊 4 i 官i ion measurement cs s ct ‐ Chem‐ . J ‐Phys ,b87 ,4050 405 .. ) 小黒 16. 貢・ 阿部. 修・木曽直吉, 1993:低周 波領域 の氷の内部 摩擦. 1. 北海道教育大学紀 要 (第2部A) 42 , 23‐32 .. 3 ‐ 3 0 7 1 9 9 7:低周波領域の氷の内部摩擦 1 ) 小黒 貢・百石 英弘・木曽直吉, 1 1 7 ,2 . . 北海道教育大学紀要 (第2部A)4 1 5 9 7 1:新版 転位論-その金属学への応用一, 丸善株式会社,4 8 ) 日本金属学会編, 1 1 . - id D20.J i ect r c prope忙iesofice and sol : Di el 19 ) Auty,R‐P.al . ‐ ld Cole ‐ Chem‐Phys ,20 ,1309 1314 ,1952 ‐ 日‐ ,R i l land perPend ionin hexagonali i ion polar culartothe Theor i e ce paral zat entat 20 ) johar iG‐P‐andjones,S‐J‐ ,1978: 2 ,259‐276 ‐axi s c . ‐ G1ac . ‐j , 1 - ) Kawata,S 21 ‐ :Dielec官ic anisotropyinicelh.j‐Phys ‐japan,44 ‐Soc ,1881 1886 . ,1978. ) ( 4 6.
(12) . 低周波数領域の氷の内部摩擦 l n. 47. ) Ruepp,R‐ ha ley 22 iesoficel i l 973 hsinglecrystals ryoflce (E‐Vr csand Chemi st :E1ectricalpropert s . Phys ‐J ‐Jone ,1 ,S ‐ . ) Roy‐Soc‐ Can. l d tawa andL‐ W.Go , ot ,259 276 ,ed E ) Lor A M P i i i ingl d一 虹 l d i 23 t i U e r es。fi celh s reot : Measurement sofel ect calpropert a , azzega , ‐ , eIm no , .an , G. ,1978 , . izat i。ntec } io ly st imulated depolar tal t tance and 値ermal lniques c sbyadbni 1γs . j -of G1ac . ‐ ,21 ,219‐230 H fi f l A ‐ l i l h 1 24 ) Truby, F‐ K‐ t t t t 955 : exagona m crosructure 。 cecrys as grown rom e me .J‐ PP‐Phys ‐ . ,1 ,26 ,1416 1420. ( 47 ).
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