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精神病症状の背景ないし基底としての受動的認知態勢 : 知覚変容発作における知覚変容の特性の検討から

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全文

(1)

精 神 病 症 状 の 背 景 な い し基 底 と し て の

受 動 的 認 知 態 勢

一知 覚 変 容 発 作 に お け る知 覚 変 容 の 特 性 の 検 討 か

ら-岩 井 圭 司

兵 庫 県椅 神 保 健 協 会 こ ころ の ケ アセ ンター 神 戸 大 学 医 学 部 精 神神 経 科 [* ## Keywordsj 椅 神 分 裂 病 schizophrenia 知覚 percepdon 受 動 性 passivity 知 覚 変 容 発 作 perceptualalterationattack

(2)

[要 約 ]

知 覚 変 容 発 作 (山 口 ) は 、 精 神 分 裂 病 に お

い て 知 覚 変 容 を 主 体 と し て 発 作 性 に 消 長 す る

症 候 群 で あ る。 知 覚 変 容 発 作 の 出 現 様 式 に つ

い て は 既 に 詳 細 な 記 載 が な さ れ て い る が 、 そ

こ に み ら れ る 知 覚 変 容 の 内 容 と 特 性 に つ い て

正 面 か ら検 討 さ れ た こ と は こ れ ま で に な か っ

た。

本 稿 で は 、 精 神 分 裂 病 に み ら れ る 知 覚 変 容

発 作 に お け る 知 覚 変 容 体 験 の 自 験 例

36

例 を

検 討 し、 そ の 特 性 と し て ① 知 覚 強 度 の 増 大 、

② 知 覚 強 度 の 非 減 衰 性 、 ③ 知 覚 の 対 象 化 困 難 、

④ 自 己 対 外 界 の 関 係 の 障 害 か ら な る 「受 動 的

認 知 態 勢 」 を 抽 出 し た 。 受 動 的 認 知 態 勢 は 非

発 作 性 に も 出 現 す る こ と が 観 察 さ れ た O さ ら

に 、 受 動 的 認 知 態 勢 は 、 妄 想 知 覚 の 前 段 階 の

形 成 に 寄 与 し て い る こ と を 示 し た O

知 覚 変 容 発 作 を は じ め と す る 超 短 期 現 象 は 、

輯 神 分 裂 病 の 長 期 経 過 あ る い は 全 体 的 な 症 状

構 造 に 大 き な 意 味 を 有 し て い る と 考 え られ る 。

(3)

§

1

・緒言 [本稿 の 日的

]

本論文 は、精神分裂病 におけ る知覚変容発作 (山 口1))にお いてみ られ る"知覚変容 " の内容 と特性 とを抽 出 し、椅神病理学的な位置づけ を与 えよ うとす る もので あ る。その過 程 で、 同様の知覚変容 が非発作性 に も出現 し得 る ことを示 し、 さ らに、幻覚 や妄想知覚 を も視野 に入れつつ、分裂病 をは じめとす る精神病の陽性症状 との関係 を論議 す る。 [知鷺嚢奪発作 につ いて] 山口 ら1・2)によって提 出 された知覚渡乱発作 (のちに知覚変容発作 と改名 )は、精神 分 裂病 にお いてみ られ る、 多彩な知覚変容 を中心 として発作性 に反復消 長す る症候 であるC 知覚変容発作 は、実際 にはそれ ほ ど稀 な ものではな い (分 裂病患者 の約10-20%[山 口 ・ 岩井 :未発表コ)C かつ、 それの もた らす苦痛 が大 き く患者本 人の治 療希求 も強 い。 それに もかかわ らず従来治蝶者 か らは見過 ごされ がちな症状 であった こと、患者 に よ って症状 の 出現 にはそれぞれ一定 の状況 が関連 してお り、患者 自身 によって様 々な方法 で 自己治療 努 力すなわち対処copingが行われて いる場合 が多 いこと、抗不安薬 が著 効 す る ことな ど、 定 型的な分裂病症状 とはやや異質 な ものであ ったために知覚変 容発作 は特記 すべ き もの と し て注 目を集 めた。ちなみに、幻覚以外の知覚障音 は分裂病 ではみ られ な いとす る見解 が従 来は優勢 であった。 山口 らの発表以来10年余 を経過 す る間に、知覚変容発作 を扱 った論 考 が数 多 く現 れ た (例 えば3・4・5.6・7,8・9・ 10))が、その多 くは、 「分裂病 に"発作性 " に出現 す る症状 」 と いう視 点 か らな された ものであった。筆者11)もパ ニ ック発 作 と本症 候 との関連 を論 じた こ とがあ り、永 田5)は、分裂病症状 の中には疾病 の全体経過 の中で孤立 的 に出現 し他 の症 状 との相互干渉 を欠 いているものが あるとして、 これ らを包括 的 に 「砂 丘現象 」 と命名 し、 知覚変 容発作 や不安発作 をこの一種 である とした. やがて大勢 は、

"

発作性" に出現す る分裂病症 状 」 (の大半 )は神経速 断薬 に起 因す る錐体外路症状 に関連 した椅神症状 であるとす る見解3・4・6・7)に傾 き、本症候 に対 す る精 神病理学的な関心 は次第 に薄れ たかにみ える。 しか し、知覚変容発作 にお いてみ られ る知 覚変容 の内容 と特性 を正 面切 って論 じることが絶無 であった ことは指 摘 しておかね ばな ら ないC この決れ とは別 に、分裂病 の症状論体系 の中 に知覚変容 を位置づけ よ うと したのは山 田 8)であ る。彼 は、Zutt12)の注察 妄想諭 とMatussek13- 14)の妄想知覚 論 を援用 しつつ、 「(視 )知覚変容 は、視覚商域 におけ る幻聴 の等価物 である」 と結論 す るに至 ったC この チ ャ レンジを受 けて筆者9)は、 (祝 )知覚変容 が幻聴 の等価物 であ る とは認 め られな い こ とを主求 したが、知覚変容発作 でみ られ る知覚変容 自体は さ らに検討 され るべ きもので あ ると問題 を先送 りせ ざるを得 なか った。本稿 は、改 めて この間題 に正 面 か ら取 り組 もうと す る ものであ る。

蛋2

・知覚変容発作 における知覚変容 :典型例 による予備的考察 山口l)によると知覚変容発作 には、

1

(4)

1

)慢性期 または回復期 の分裂病患者 に出現 し、非妄想型 に多 くみ られ る 2 )患者 自 らが 「発作 」 と称 し、発作 の有無 につ いては明確 に答 える

3

)発作は突然始 ま り、予期 で きない

4)

持続 は数分 か ら数時間で、眠 って しま うと翌 日まで持 ち越 さな い

5

)患者 に とって 自己違和的な体験であ り、治療要求 が強 い

6

)きわめて多彩 な体験 を含むが、主 な体験 は、知覚 の鋭敏化、外界 の相貌化 な どを中心 とす る知覚変容体験である

7)

発作 は移行 的状況 (例 えば夕刻、休 日明けの午後、仕事 中の小休止 な ど )でお こ りゃ す い

8

)患者 はそれぞれ対処法 をもっている ことが多 い (横 にな る、 その場 を離 れ るな ど )

9

)抗不安薬 が著効す る な どの特徴 があ るとされて いる。 すなわちつ ぎの ような症例が典型例 とい うことにな る。 [症例1コ51歳、男性。精神分裂病妄想型C 高卒後、工員 として精勤 して いたが、35歳頃 よ り 「なにか し らばか ばか し くな って 」時 に無断欠勤す るようにな って いた。42歳 の時 に、 「社長が 自分 をやめ させ よ う として、子 どもたちに 自分 の要 口を言 わせて いる」と して、公 園で遊 ん で いる児童 に投石 したため に 初 回入院 とな った

。3

ヶ月で寛解退院 とな ったが、 その後 は通院 しなか った。復職 したが、 45歳で社長に対す る被等妄想が再燃 し、弄 火行為 もたびたびみ られ た ため再 入院 とな った。 退院後現在 まで、通院服薬 も親則的で陽性症状 はほ とん どみ られな い。病身 の両親 の世話 をしなか ら

、3

人の年金 でつつま しく生活 して いる。 最近 にな って、 「頚 の中が ビア ビア、 ビカー ッとな る発作 」 (患者 自身 に よる表現 )が 出現す るようにな った。すなわち、特 によ く晴れ た 日の夕方 (冬 な ら午後

4

時頃、夏 な ら

6

時頃 )に多 く、 まず聴覚過敏 を以て始 ま り、それ に伴 って 「目が敏 感 にな る」。壁の ち ょっと した染 みや凹凸が気 にな って仕方 な くなる。テ レビを見 てみて も集 中で きな い。 「どう して こんな些細 な ことが気 にな るのだろ う」 といぶか し く思 うが、 この知覚変容 は 持続 し、頭痛 が加わ る。なすすべ な くじっ としていると、 1- 2時間 たつ とス ッと治 る。 寝 たき りで いる母親 と話す と、少 しは気 が まざれ る。 C1oxazola皿1-2mgを頓用す る と発作は30分程度 で消槌す る。頭痛 がひ どい ときには bro皿aZepa皿2-5mgを追 加服用す るC [症例2]35歳、女性。精神分裂病鑑別不能塾。

2

9

歳 で第一子 出産後、 しき りと涙 ぐみ、家族 が理 由を尋ね て も何 も語 らな い という こと が あった。言動 がまとま らず、無気力で把洋 として過 ごす ということが1- 2ヶ月続 いた 後、約

3

年間は婚家の商店 を手伝 いなが ら家事育児 を こな して いた。32歳時 の冬 か ら不 眠 がち となって いたが、翌年 の初夏 には、幻聴 に命 じ られ るままに ピル の屋上 よ り投身 自殺 をはか った。幸 いに して一命 をと りとめた ものの、骨盤 を含 む多発骨折 のために毛形外 科 で約半 年の入院加療 を要 した。入院中は特 に精神症状 を認 めなかったが、退 院直 前 にな っ て 「追 いつめ られた

「つけ られている

「生 きて いて も仕方 な い」な どとい う独語 が出 現 し一 日中涙 ぐむ ようにな ったたために、精神科初診 とな った。 tlaloperidol12-15皿gを中心 とす る薬物療法 で上記症状 は速 やかに改善 し、 4過後 には 2

(5)

笑顔 も戻 り、 「実 は

2

9

歳 の ときか ら断続的 に幻聴 が あった」 と主治医 に話 した。 ところが、初診 か ら

7

週 目に次 のような訴 えがな され た : 「先週 にな って幻聴 が消 えた頃か ら、急 に頭が冴 えて しん ど くな る ことが あ る。午後

3

時 か

4

時頃 に店番 をしていて客足の途絶 えた ときや、家事 の手 をふ と休 めた ときに始 まる こ とが多 い。一度始 まると30分か

1

時間 くらい続 く。ふ だんは気 にな らな い もの、例 えば机 の上の小 さな塵嘆 や壁 の汚れが気 にな って仕方 ない0-度気 にな ると E]が放せ な くな る。 か と思 うと、視野の端が気 になってそのために持神集 中が ほ とん どで きな くな る。耳 も 目 も敏感 になる。 た とえば、戸外がやけに明 る く騒 々 し く、 また、周 囲の ものが 自分 に迫 っ て きて、 自分 を圧倒す る. 日常茶飯事 を行 うに もどうして いいかわか らな い とい う全面的 な困惑 があ り、客 に商品 を渡す ときに も、数 あ る同一 の品物 の うちか ら一 つ を選ぶ ことが で きな い。 じっ として いるのはつ らい ことであるが、他 に方法 がな いので とにか くじっ と して いるとその うち治 ま る

。」

病気 がぶ りか え して きたのではないか と家族 は心配 して いたが、患 者 自身 に よれ ば、 「これ は全 く別 の病気 だ と思 う」 との ことであったC また、 「30歳頃 に よ く似 た体牧 を し た ことがある」 とも語 ったC 畳食後 に

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皿2

g

を予防的 に服用 させ ると、 この発 作症状 は ほぼ完全 に消失 した。 症例1、2ともに前掲 山口の基準1)∼ 9)を満 たす典型 的な知覚変容発作 を しめ して いる。 さて、知覚変容発作時 の知覚変容 の内容 であるが、両症例 にお いて特徴 的な ことは、 ま ず ともに視聴覚 におけ る知覚過敏 である。 ことに、ふ だんは気 に もとま らな い ような些細 な知覚刺激 の強度 が著 し く増大 して感 じられて いる ことであ る (知覚 強度 の増 大 )。 また、 発作は突発す るだけでな くその終 息 も比較的急激で ある。 したが って、発作 が終 わ った時 点がほぼ特定 で きる。つま り、発作中には知覚強度 の増大 に対す る"慣 れ (順 応

a

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a

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が生 じな い (知覚 強度 の非減衰性 )。患者 たちは、 い ったん些細 な知覚対象 が気 にな り出す と、 それ以外 の ことに注意 を向け られな くな る (知覚対象 か らの転導 困難 性 )。 その一方 で知覚対 象 を特定化す ることもで きな いために、 「ふ だんは気 にな らな い もの」が次 か ら次- と 「気 になって仕方な 」 くな り、 これ らの結果 として注意 集 中が不 可 能 にな る。 この ように して、患者 は外界知覚 に圧倒 され、無 力化 され て 「仕方 な くじっ と している」結果 とな るのであるo この ように、知覚変容発作 における知覚変容 の特性 を、知覚強度 の増大、知 覚強度 の非 減衰性、知覚 の対象化 あ るいは知覚対象の随意的選択 の困難性 (知覚対象 か らの転導 困難、 知覚対 象の焦点化 の困難 )、 自己対外界の関係 の障害 (疎隔感、推現 実感、被 圧倒感 )と 抽出す ることがで きる。次 に、 これ らを焦点 として知覚変容 を検討す る ことにす る。

蛋3

・知覚変容発作 日放例仝36例 の検討 [対象 と方法] 1989年7月か ら1996年

9

月 までの間 に兵庫県立光風病院 お よび神戸大学医学 部附属病 院 輪神科神経科の外来 または病棟 にお いて、筆者 が診療 にあた った栴神分裂病 お よび分裂感 3

(6)

情障害 (いずれ もDSM -Ⅳ 15)の基準 を溝 たす もの )の症例 うち、知覚変容 発作 の出現 中 に筆者 が診察 を為 し得 た もの、 お よび診療場面におけ る患者 の愁訴 のなかで知覚変容発 作 の存在 が確認 で きた もの を対象 とした。治療的考慮 を優先 させ るとい う基本的態度 によ っ て構造 的面接法 は用 いず、 また、治療者 の方 か ら発作の有無 を患者 に問 い質す とい うこと を避けた。 したが って、 すべてが患者 の 自発的陳述 で ある。 なお、 ここでは以下 の条件 を満 たす もの を知覚変容発作 とした。 これは、以後 の論 旨の 展開 にお いて循環論法 を避け るためである。

1

)発 作は突然始 ま り予期 できな い

2

)患 者 にとって 自己違和的な体験であ り、患者 は発作 に対 して明確 な病識 を もって い る

3

)発 作は、外界 または 自己身体 についての知覚、認知、 あるいは意 味づ けの変容 をと も な う

4)

単 な る幻覚、妄想 (妄想気分、妄想着想、妄想知覚 )、 体感異常 (セネス トパチー )、 パニ ック発作 は除 く。但 し、 それ らが随伴 して現 れ る場合 は除外 しな い。 対象例 は全部 で36例 あ った。その概要 を表1に示 す。なお、山口1)の症例 と本稿 の対象 例 ととにおけ る、知覚変容発作は症状論的にほぼ完全 に同一 とみな して よい もの と筆者 は 判断す る (後述 )C ①対象例のプ ロフ ィール

3

6

例 中

3

0

例 が男性であ るが、 これは筆者 が主 として男性病棟 の担 当医 だった という事 情 による。D SM - Ⅳによる病型は、椅神分裂病妄想型3例 (8% )、解体型12例 (33 % )、 緊張型

1

(3

% )、鑑別不能

塾15

(42%

)、残適

塾3

例 (

8

% )、分裂 感 情障害

2

例 (

6

% )であ った。 現在 の年齢は平均

4

3.

8

歳 (

S

D

-

l

l

.1)、発症年齢 は

2

3,

8

(

S

D

-

7.

1

2)

、発作 出現年齢 は

3

8.4歳

(

S

D

-

6.

8

5)

であ った。 ②知覚変容 のモ ダ リテ ィー 知覚変容発作 中の知覚変容 を知覚のモダ リテ ィー別 にみ ると、視覚 領域での知覚変容 が

3

3

(9

2%

)、聴覚領域 が

1

7

(

4

7%

)、皮膚感覚領域が

6

例 (

1

7%

)、体性 知覚領域 が

7

(1

9%

)にみ られ た。但 し、 「自分 の体 が小 さ くな って しま う

「体 の う ごきが ぎ こ ちな い

「周囲が重苦 し く休 にの しかかって くる」等 の訴 えは、体性知覚領域 に含 めた。 ③知覚変容 の内容 (表

2)

1.知覚強度の増大 (知覚過敏 ) 「ふ だんよ り目や耳が敏感である

「ふ だんは気 に もとめな いよ うな些細 な ものが 目に つ く

「いつ もよ り鮮 明 に見 える」といった訴 えである

。3

0

(

8

3%

)で認 め られ た。

2.

知覚強度の非減衰性 「目が慣れな い

「(知覚過敏 が )ず っと続 く

」「

∼が気 にな って止 ま らな い

「気 に な って仕方な い」といった訴 えが

1

6

(

4

4%

)にみ られた。

3.

知覚 の対象化 あるいは知覚対象の随意 的選択 の困難

1

5

(

4

2%)

にみ られ た。 「視点 が固定 す る

」「

∼が気 にな って逃 れ られな い

「気 にな って仕方 な い

「他 の こ とが考 え られな い」な どといった、知覚対象 か らの転導 困難 は

6

(1

7%

)に認 め られ た。

(7)

「視点 を固定 す る ことがで きな い

「目が うわすべ りす る

「全 てが気 にな る

「見 た くな い ものまで見 えて しま う

「目に入 る ものがいち いち気 にな って仕方 な い」な どとい った、知覚対象 の焦点化 の困難は

1

2

(

33%

)で認 め られた。

4.

自己対外界 の関係の障害

3

3

(

9

2%

)にみ られ た。 「囚われた様 な

「朗 い込 まれ た様 な

「自分 だけが周 囲 か ら切 り稚 され て いる様 な気 分

「周囲がよそ よしい

「風景 に立体感 がな い」 といった、疎隔感 ・離現実 感 の訴 えが

8

例 (

2

2

例 )でな され た。 「どうしよ うもな い

「仕方な い

「圧倒 され る

「逃 れ られな い

「視界 が迫 って く る

「お しつぶ されそ う」といった、無力感 ・被圧倒感 を

28

(7

8%

)が訴 えて いた。 §

3

1考察 (

1)

:知覚変容 か ら受動的認知態勢へ [知鷺 蜜卓の特性 につ しヽて] 以上、知覚変容発作 におけ る知覚変容の特性 として、知覚 強度 の増 大、知覚 強度 の非 減 衰性、知覚 の対 象化 あるいは知覚対象の随意的選択 の困難 (知覚対象 か らの転導 困難、 知 覚対象 の焦点化 の困難 )、 自己対外界の関係の障害 (疎隔感、離現実感、被圧倒感 )を抽 出 した。 それ では、知覚変容発作 におけ る知覚変容体験 においては、保 たれ て いるのは何 であ ろ うか。 まず、外界事物 の時空的な布置関係 (位相関係 )の認識 は保 たれて いる。 自他境 界 は保 たれて いる どころか却 って先鋭化 し、 自-他 の対立感 が深 まって いるとさえみ られ る。 こういった視点 か ら、知覚変容 の詩特性間 の相互関係 につ いて考察 してみ る こととす る。 知覚変容発作 におけ る知覚過敏 ないし知覚強度の増大 にお いては、専 ら、 ふ だんは気 に な らな いような些細な知覚刺激、殊 にその差異 が増 大 して感 じ られ る。 た とえば、 「壁 の わずかな汚れや凹凸」 (症例

1、4、27)

、 「机 の シ ミ」 (症例

6

)、 「畳 の筋 」 (症 例

27)

、 「木 々の葉 の一枚一枚 」 (症例

31)

が くっき り際 だって知覚 され るのであ る。 あ らゆ る事物 に対す る知覚 がお しなべて増 大 してい るわけではな い。 したが って、 「あた りが暗 く感 じ られ る」 という訴 えす らある (症例

7

、21)

0 ます、 これ を輪神物理学

(

F

e

c

h

n

e

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)

的 にみるな らば、一定 強度以下 の微小 な知覚刺激 に対 す る弁別閑が低下 す る (弁別性が増大す る )一方で、一定以上 の強度 を持 つ知覚刺 激 に対 す る弁別閑は上 昇 して いる (S字 曲線の左方偏侍 に よる"早期飽和 "、 図

1

)とい うこと で ある。そのために、外界 の"背景化 した"部分 (あるいは図一地関係 におけ る地 の部 分 ) は不気味 にの っぺ りと重 くよそよそ しいもの となって (症例

13、15、23、26

27

ほか )患者 めがけて迫 って くるのであ る。風景 がの っべ らぼ うにな って 「立体感 を欠 く

」「

"

書 き割 り"の様 だ」 と言 う患者が あった (症例

13、34)

。 また、発作時 には比較的遠方か らの知覚刺激 が異 様 に増大 した強度 で知覚 され ると訴 え る症例 がある (「遠 くにある物が 目に飛 び込 んで くる」 (症例

18)

、 「数 メー トル先 の 物 が大 き く感 じ られ る」 (症例

25)

な ど )。同様 に、他者 の意 図に よって コ ン トロール されて いるもの く症例

25

の 「人 や車 の動 き」、症 例

28

の 「ベル トコ ンベア 」、症例

32

の 「他人の足音 」な ど )の知覚 も増大 して感 じ られて い る。 それ に対 して、 自己存 在

(8)

とその近傍 はふ だん よ り小 さ く弱 々しいもの として、 自己身体 は思 いの通 りにな らな い も の として感 じられて いる。た とえば、 「自分の休 が小 さ くな って しま う」 (症 例

8

)、 「体が縮 む」 (症例

23)

、 「自分の休の動 きが ぎ こちな い」 (症例

32、36)

、 「体 が固 い」 (症例

36)

等 の訴 えがそ うである。 これ らのために、患者 の視覚世界は異様 にデ フ ォル メ され た、サ イ ケデ リックな空 間 と 化す。すなわち、遠方 の事物が患者 に盾接 す るかの ように切迫 し、 その一方 で 自他 を隔 て る空間 ・拒椎 もふ だんの知覚 よ りも大 き く感 じ られ るので あ る。症例

34

は、 患者 自身 が その ことに気付 いて、 「天井 が大 き く近 い上_室生、部屋 の空 間が いつ もよ り広 く感 じ られ る」 と述べ ている。 知覚 の対象化 に関す る患者 の主 観的休故 も、一見逆説的で あるoす なわち、

∼ が気 に な って逃れ られ な い」な どという知覚対象 か らの転導 困難 と、 「目に入 る ものが いち いち 気 にな って仕方 ない」な どといった知覚対象 の焦点化 の困難 とがみ られ る。 しか し、 これ ら一見正反対 にみ える体験 は、知覚体験 (知覚 とい う宣基 )において知覚対象 を能動的 か つ随意 的 に選択す る ことの障害 として包括 で きる。 知覚 は、感覚与件か らの知覚刺 激が主休 の感覚 器 に到達す る ことに よって成 立す る。主 休 が知覚刺激 自体 を制御 す る ことは通常で きな いので、知覚 というものは本来 受動的 な も のであ る。 しか し日常 われわれは、環界 の移 しい知覚刺 激の 中か ら、主体 の意 図 によって、 必要 な知覚情報だけ を随意的に取 り出 して いる (いわゆ る"カ クテル ・パ ーテ ィー効果" )0 あるいは、 た とえ意 図的 にではな くとも、本能 や学 習 によって裁定 され た過程 に基 づ いて、 知覚対象 をいわば主体的 ・能動的 に選択 している。 こうして、 「星 の発 した光 が私 に届 く」 という現象は、 「私 は星 を見 る」あるいは 「私 の視線 は星 に届 く」 とい う知覚 休験 とな り 得 る。 知覚 行為 に伴 うこういった随意性、主体性、能動性 が、知覚変容発作 では後退 して いる のであ る (岩井9))。そ うして、患者 を取 り巻 く感覚与件 あ るいは知覚刺激 は、患者 に 向 かって 「押 し寄 せ る」 もの とな り (症例

20、25、30

な ど )、患 者 の主休 に とって感 覚刺激 は 「飛 び込んで くる」 (症例

4、9

)、 「飛 び出 して きそ う」 (症例

16)

、 「目 を突 き刺 す 」 (症例

17)

もの と感 じ られ る。 知覚 はなん らかの運動 を伴 い、運動 は知覚 を もた らす。知覚 と運動 は、 ひ とつの円頚 を な して いる (

Y

ei

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V.

16))。 た とえば、大 きな立体 の全休像 を把握 す る

(

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rl,

E.

のい う意味での超越

Tr

a

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e

n

z)

には、視点 を移動 させ て別 な角度 か ら対 象 を眺 め る 必要が ある。不 快な刺激 か ら遠 ざか るに も、運動が必要 であ る。 ところが、 「自分 の体 の 動 きが ぎこちな い

「休 が固 い」ために、発作時には患者 たちは 「どうしよう もな い」 「仕方 ない

「逃れ られな い」と感 じ、 「じっ として いる」 。" され るがまま" に甘 ん じ ているのである (図

2

)0 最後 に、 自己対外界の関係 とい う視点か らみ ると、患者 の 自己は発作 中には、環界 の知 覚刺激 に朝弄 され る無力 な存在 とな り果て る。 自己存在 とその近傍 が、 ふ だん よ り小 さ く 弱 々しいもの として感 じ られ る。 これは既 に述 べた とお りで あ るが、 それのみな らず、 自 分 だけが 「取 り残 され

「周閲か ら切 り放 され

「囚われ

「囲 い込 まれ

「民 には め ら れ た様 に」 と、周囲か ら疎宿 され孤立化 され たように感 じ られ る。 [受動 的野知龍 鈴の抽 出]

(9)

前項 で筆者 は、知覚変容発作 においてみ られ た知覚変容 を検討す る過程 で、単 な る知覚 現象 を越 えて、患者 自身 の知覚変容体験 に対す る主観的判 断 や情動、 あ るいは知覚 に先立 つ患者 の 「態度 (構 え

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」といった もの にまで踏 み込 む こととな った。 これ は、 知覚

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というよ り認知

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という語 であ らわすのが よ りふ さわ しい。 ここで、前項 で考察 した ことをま とめるな らば、 まず、知覚変容発作 におけ る知覚変容 の知覚心理学的 な特性 は知覚過敏 であったC特 に些細 な刺 激 の もた らす知覚 強度 が増大 し、 しか も減哀 しに くい (慣れが生 じに くい、版応 が起 こりに くい )とい う特徴 が あ った。 こ れ を知覚主体 に即 してみれ ば、知覚変容発作 においては、知覚行為 に伴 う随意性、主体性、 能動性 が減退 してお り、 自己存在 は孤立 して嬢小化 され無 力化 され て いるとい う ことにな る。 知覚変容発作 にみ られ た このよ うな知覚変容上 の特性 を、筆者 は 「受動的托知態勢」 と 命名す るC これ に対 して、 「私 の視線 は星 に届 く」 という知覚 体験 を 「能動 的認知態勢

として対比的 に示す と、表

3

のよ うになる。 この受動的認知態勢 を構成す る要 因 として

、1

)知覚強度 の増大

、2

)知覚 強度 の非減 衰性

、3

)知覚 の対象化 困難 (知覚対象か らの転導 困難、知覚対象 の焦点化 困難 )

、4)

自己対外界 の関係の障害 (疎隔感 ・触現実感、無力感 ・被圧倒感 )の

4

点 を考 える ことに す る。 ここで、 この

4

項 目を全て満 たす もの を知覚変容発作一受動的認知態勢 の 「中核群 」 (自 験例 では症例

1-7)

と し

、3

項 目以上 を満 たす もの を 「定型群 」 (症例

1-19)、1

-2

項 目を満 たす もの を 「非定型群 」 (症例

20-36)

とす る。 患者 の現在 の年齢、発症年齢、発作出現年齢、発症後発作 出現 までの期間 を表

4

に示 す。 発症後発作出現 までの期 間は、中核群 では非定型群 よ りも統計学的 に有意 に短 いといえた (P<0.05)。現在 の年齢は、中核群 では非定型群 よ りもよ り若年 である傾 向が兄 いだせ た (P <0.10)Qつま り、典型的な受動的認知態勢 は、発病後短期間 しか経 って いな い比較的若年 の分裂病患者の知覚変容発作 でみ られやす いという ことにな る。 [知鷺嚢書発作 自鹸81の特徽] 今 回の対象例 は、発症後長期経過 を経 た (平均 で発症後20.0年経過 )入院例 が中心 で あ るので、外来例 中心 の山 口1)の症例 (同 じ く

1

2.

6

年 )との比較 をして お くことに しよ う。 既述 したように、山口は知覚変容発作の特徴 として、患者 自 らの治療欲求 が強 く、患者 はそれ ぞれ対処法 を持 って いる ことを強調 して いる。 一方、筆者 の 自験例では、通常 の面接中 には発作 を訴 えな い者 も多か った。筆者 が発 作 場面に実 際に遭遇 し得 た症例 が

13

例 あった (症例

3、5、8、9、11、17、19

20、22、23、26、32、33)

が、 それ らの多 くは当直帯 での診療業 務 におけ る もので ある。 この うち症例

20、26

を除 く

11

例 は、筆者 が当直医 として発 作 の存在 を 確認す るまでは、発作が出現す る ようにな ってか らもその ことを主治医 に訴 えた ことが な かった。 発症後長期間 を経 た入院例 では、知覚変容発作 に対す る自己の無力感 (「どうしよ う も ない

「仕方 な い」 )が強 いために、治療 を希求す る ことが少 な い可能性 が あ る。 また、 永 田5)は、分裂病残適期 の挿話性病理現象 の一般的 な特質 として、患者 は これ らの病理 現 象 にア ンテ ・フ ェス トゥム (木村 )的 に巻 き込 まれ る ことが少 な く予期不安 を形成 しに く 7

(10)

いことを指摘 し、 これ を 「砂丘現象 」と呼んで知覚変容発作 を含 めた。 この慢性分裂病 心 性が、知覚変容発作 に対す る彼 らの態度 に も反映 して いるのか もしれ な い。 山 口 ・中井2) も、分裂病患者 は知覚変容発作時 に も"恐 慌性"の反応 を取 る ことが ほ とん どな い ことを 既 に指摘 して いる。 これ を安永17・ 18)の フ ァン トム理論 に照 らせ ば、安永 が慢 性病態 にお いて指 摘 したよ う に、正常状態 にお いては知覚 の能動性 の根拠である ところの フ ァン トム機能 が弱体化 し (心的拒難 が短締 し)、 その ことによって逆説的に もその根本 的異常 性 の迫 力 を弱 めつつ、 なお分裂病 にお いて彼 が抽出 したその基本的受動性 (自<他 とい う'パ ター ン逆転 ")を示 して い るとみ る こともで きる。 なお、筆者 は山口1)の症例 と本稿の対象例 との知覚変容発作 は、症 状論的 にほぼ完全 に 同一な もので あると述べ たが、 その根拠 として山口の症例 にみ られ た受動的認知 態勢 の構 成要 因 を表

5

に示 してお く。 §4・非発作性 に出現 した受動的認知態勢 これ までに本稿 では、知覚変容発作 におけ る知覚変容 の特 性 として、受動 的認知態勢 を 取 り出 した。 しか し受動的認知態勢は発作的な もの ばか りで あろ うか。 ここにお いてわれ われは、非発作性 に出現 す る知覚変容 を論 じるための基盤 を得 た。 実際、知覚変容発作 におけ るの と同様の知覚変容 は非発作性 に も出現 す る ことが ある。 筆者 は非発作性 の知覚変容 をこれ までに

4

例経験 して いる (表

6

)0 まず、既出の症例

15、21

で あるが、両症例 と も患者 自身 によれ ば、休験 内容 は 「発 作 の時 と全 く同 じ」 ということである。症例

37、 38

は非発作性 にのみ知覚 変容 を休験 した と報告 して いる。症例のいずれにおいて も、受 動的認知態勢 は明 白に看取 され る (義

7

)0 他方

、4

例 とも非発作性 ・持続性の出現 ではあるが、知覚 変容 が増恵 す る よ うな状況 が どうい うもので あるか を 自覚 して いた。す なわち、外出す る とかテ レビを見 るな ど知覚刺 激が増大す る状況 に身 をお いた ときである。彼 らは、知覚 入力の増大 に対処 ・順応 で きな かった ということがで きる。 ここで も、" ヵクテル ・パ ーテ ィー効果 " の不在 がみ られ る。 雑多な刺激 に対す る、知覚的" フ ィルター機能"が不全状態 を呈 して いる。

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によれ ば、分裂病患者は雑 多な刺 激 の中か ら重要度 の高 い刺 激 を選択 す ることがで きず、常 に 「情報の過剰負荷状態

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」に さ らされて い る こ とを、知覚心理学的な実験 で示 した。複雑 な視覚刺 激 を与 え られ た ときに分裂 病患者 たち が示す眼球運動 による視覚走査 は、対賦群 に比 して健位 に激 しか った

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1

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は、 こ れ を、知覚過程 というよ りは視覚走査 に さ らに先立 つ過程 に起 因す る現象 で あろ うとし、 「情報処理 とい う観点 か ら知覚 を論 じようとすれば、知覚 と記憶、認知 との境 界 は腺昧化 し、 それ らは もはや有効 な準拠枠 た りえな い」 と述 べて いる. また

、Yi

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は、分 裂病者 にみ られ る知覚的 フ ィル ターの機能不全、条件刺 激の汎化傾 向

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、論 理的過包摂

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はすべて同根 の現象で あると考 えて いる。 さ らに

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に よると、慢性分裂病者 は情報の過剰状態 に対 して知覚対象の範 朗 を狭 くす る ことで対 処 しよ うとす る という。 こういった知覚心理学的な知見 は、微小 な知覚刺 激 に対 す る知覚 8

(11)

強度の増大 あるいはそ こか らの転導困難 といった受動的認知態勢 の特 性 とよ く一致 す る。 知覚変容発作 は抗椅神病薬 による薬原性 の症状 であ るとす る意見3I4, 6・ 7)が あるが

、4

例 とも非発作性 の知覚変容 は不服薬期 に も出現 して いた。 とすれ ば、分裂病過程 に由来 す る受動 的認知態勢が薬廃位 の二次的加工 を受 けて、発作性 の出現 をみ る とい う可能性 も今 後は検討 されなけれ ばな らないだろう。既 に中井 ・岩井23)は、慢性 分裂病 におけ る危 うい 準平衡状態 は状況 によって も生理的 に も薬理的 に も乱 され うる もので、 これ らは等 価で あ ると主張 して いる。 §

5

・分裂病以外 でみ られ る知覚変容発作 これ までに知覚変容発作 は、専 ら分裂病 圏の病態 につ いて論 じ られ て きた. これは決 し て故 な き ことではな い。器質 困性 の精神疾患 においてな らば知覚変容 が起 こる ことは周知 の事実 だか らである。 しか し、 ここで分裂病 の知覚変容発作 におけ る受動的認知態勢 か ら、ふ り返 って器質 性 疾患 を含む非分裂病性疾患 におけ る知覚変容発作一受動的認知態勢 の再検討 が必要 であ ろ う。 知覚変容発作 に類似 した

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1

24)の 「発作性分裂病性症候群

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皿」はセ ネス トパ チーの範噂 に属す るとされ て いるが、彼 の既述 に よれ ば 「器質 性 の症状 であるとの印象 を持 たれやす い」とされて いる し、中井2)も知覚変容発 作 を 「サ イケデ リック体験 」の一種 と呼んだ ことがある。 筆者 は これまでに、分裂病 にみ られ るの と同 じもの と考 え られ る、 非分裂病 性 の知覚変 容発作 を

4

例経験 して いる (表

8

)が、表

9

にみ る ごと くここにおいて も、受 動的認知 態 勢の機 制 を兄 いだす ことがで きる。 なお、症例

39

では、知覚変容発作 に随伴 して、 「このままコ ン トロールが きかな くな って、他人 を傷 つけて しま うのではないか」という加害念慮 が生 じた。症例

41

で も、 「自分 は特別な視線 を発 して他人 を傷つけている」 という加害妄想 を伴 った。 また、両 例 とも漠然 とした注寮感 を訴 えた。別 に症例

42

では、妄想気 分 が認 め られ た。 この

3

例 で は、知覚変容発作一受動 的認知態勢が よ り持続的な妄想的な構 えの契 機 とな って いる可能性 がある。 §

6

・考察 (

2)

:受動的認知態勢の特性 と意義

B

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K.

25)によれ ば、 「独特 な受動性 」がメスカ リン髄町 に固有 な もの としてみ ら れ るという。 メスカ リンの髄町状 態では、患者は 自分 の思考、休験、振 る舞 い を自分 自身 で制御 す る ことか ら無力 に も退却 して しまい、' され るが まま' とい うか" な りゆ きまか せ' にな る。 また、反省的分析力が減弱 し、 目的 を志 向 した行動 を為 し得 な くな る ことが あるとい う。

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の-症例 は、些細 な知覚刺激の増大、それへの と らわれ感 (知覚対 象か らの転 導困難 )、被圧倒感、 随意的思考 力 ・集中力の減退 を報告 して いる :

B先 生の服 につ いた小 さな糸 くずが 目にはい りま した。 その糸 くず が ・-・わ た しの注意 を全部 ひ きつけて しまいま した。 もはやわた しの限 ばか りか、 わた しとい う人間の集 中力 9

(12)

の全てが、 その糸 くずか らそ らせ な くな りま した。それは ま るで、 わた しの意識 のなか に はただその糸 くすだけが あって、 それ以外 の ものはなに もな く、その糸 くずが わ た しの意 識全体 を満 た して いるかの ようで した。 」

IlerJAle,L.26)は この現象 を、 「受動症候群 PassivitatssyndroEL」 と呼 んで いるC甑町 の

深 さに伴 って 「受動性 」が克進す ると、推現実感 な いし触人体験が出現 す る と されて いる。 これ は、筆者 の言 う受動的認知態勢 に恵似 している。 とすれば、受動的認知態勢 は、 む しろ、 器質性精神病 と構神分裂病 を含む機能性精神病 (内因性椅神病 )との両者 に共通 し て、陽性症状発現 に先立 つ基礎的 な病理裁判ではな いか とも考 え られ る。筆者 の分裂病 日 放例では、知覚変容発作一受動的認知態勢か ら陽性症状への傾斜 は認 め られな か ったが、非 分裂病 症例では、知覚変容発作が患者 を妄想へ と駆 り立てて いるように考 え られ る症例 が あった。 また最近 にな って山口27)は、幻覚 と連動 した知覚 変容発作 を報告 して いる。 受動 的認知態勢は、妄想知覚 を論 じた文 献に現 れた症例 に も数 多 く兄 いだす ことがで き る。妄想知覚 は古典的には 「正常 な知覚に妄想的 な意味が付与 された もの」 と定義 され て きたが、Natussek,P.13, 14)以来、妄想知覚 には知覚 ない し認知上の変化 に基 づ いた ものが あるとされ るよ うにな って いる。tluber,a.ら28)は、 「知覚変容 Y ahrnenungsverander-ungenに基づ いた妄想知覚 」の症例 を挙げている. そ こには、 「人 々が非常 に速 く喋 る」 「人 々は平生 よ りず っと大 きい

「人 々の言葉は いつ もよ りはるかにかん高 い

「風景 が 強 い色彩 で、 ゴ ッホの絵 の ように動 き燃 え上 が るよ うに見 えた」な ど、知覚強度 の増大 と 被圧倒感 といった受動的認知態勢 が読 み とれ る症例 が収 め られて いる。 これ らは 「バ ター ン逆転 (安永、前出 )」の接近 を予告す る事態であるかの よ うに思われ る。

Natussek,P.13)は、 「本質属性 Yesenseigenschaftの異常優位 」によって妄想知覚 の成

立過程 を解 き明かそ うとして いるが、 それ に付随 して知覚上 の諸変化 が関 わ って いる と述 べている。すなわち、 「自然 の知覚連 関の弛緩 」 と 「本質属性 が"枠 には め られ る" こと」

である。前者 の中には、知覚す る姿勢 がなすがまま nichterzyungeElである ことが含 まれ て いる。後者 は、特定 の知覚対象物か ら逃 れる ことがで きな い こと Nicht-Loskom皿en-Kbn henyonbestiJnJntenYahrnehJlungSObjektenである。 これ らは ともに、繰 り返 しみて きた ように、筆者 の言 う受動 的認知態勢の構成要因をなす もので ある。 再 びmlber28)によると、妄想知覚の前段階 として、未 だ 自己関係づ け を持 たな い 「純 粋 な印象体故 」 というものがある (図

3

)。受動的認知態勢 もし くは知覚変容 は、通常知覚 か ら 「純粋な印象体験 」を隔絶す るようで あるd 以上 の ように、受動的認知態勢 は、妄想知覚の前段階が準備 され るのに大 きな寄与 をな していると考 え られ る。 く 結 笛 > 椅神分裂病 にみ られ る知覚変容発作 におけ る知覚変容体験 の 日放例 を検討 し、 その特 性 として受動的認知態勢 を抽出 した。受動的認知態勢 は非発作性 に も出現す る ことが観察 さ れた。 さ らに、受動的認知態勢は、妄想知覚の前段階の形成 に寄与 して いる ことを示 した。

1

0

(13)

[計辞 ]

神戸 大学医学部精神神経科教授中井先生 の御指導 と御校 閲、 お よび兵庫 県立 光風病 院 山 口直彦先生の長年 の御指導 に深謝 いた します。

(14)

[文献コ 1)山口直彦 :分裂病者の訴 える知覚変容 を主 とす る'発作 '症 状 について .椅神科治療学 1 :117-125,1986. 2)山口直彦,中井久夫 :分裂病者 におけ る 「知覚浪乱発作 」 につ いて,分裂病 の精神病 理

14

. 内治幸雄編,東京大学出版会,東京 ,p.295-314,1985. 3)樋 口久,清水徹男,菱川泰夫 :知覚変容 を伴 った反復性 「発作症状 」 を示 した精神分裂 病 の

2

症例 - 「発作症状 」の特徴 とbiperidenの効果 -。樽 神 医学 ,30:1213-1219.1988. 4)佐藤 田実 :輪神分裂病 におけ る挿話性病理現象の症候学 につ いて。輪神医学 ,31:9551 9

6

4

,1989. 5)永 田俊彦 :分裂病性残適状態 における挿話性病理現象 につ いて 一残遭状態 へ の理解 にむ けて -,分裂病 の精神病理

16

,土居健部 将,東京大学 出版会.東京 ,p167-190.1987, 6)渡辺窯 :抗精神病薬使用中にみ られる発作性 の知覚変容 を中心 とす る症候群 ② 臨床 お よび薬 理学的側 面か ら。精神科治凍学 ,6:135-148,1991. 7)渡辺意 :慢性期分裂病 におけ る眼球上転発作 な らびに発作性知覚変容 につ いて。拾神神 経学雑 誌 ,93:151-189,1991. 8)山田幸彦,五 味測溝徳 :輪神分裂病 における祝知覚変容 の現象学的研 究。栴 神神経学雑 誌 ,94:625-647,1992. 9)岩井圭司 :輪神分裂病 におけ る知覚変容 と妄想知覚。精神 神経学雑誌 ,95:253-258, 1993. 10)山口直彦,岩井圭司 :杭輪神病薬使用中にみ られ る発作性 の知覚 変容 を中心 とす る症状 群 ① 臨床精神病理学的側面か らO精神科治療学6:129-134,1991. ll)岩井圭司, 山口直彦 :分裂病 にみ られ たパニ ック ・ア タ ック。輪 神科治療 学 ,7: 1339-1351,1992.

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,)

14)Matussek,P._:UnlersuchungenuberdieWalmwahmeh皿ung.2.Mitteilung.Dieaufeinem abnormen VorrwgYonWesenselgenShaRenberuhendenEigenhlmlichkeitderWahwam el lm ung.Schweiz・Arch. Neur.,71:1!91210,1953.(妄想 知覚論 とその周辺 ,伊東昇太,河合真,仲谷 誠訳 .金 剛出版, ## ,p.73-105,1983.)

15)Am ericanPsychiatdcAs

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n:

Quickreferencetothediagn偶ticcriteriafrom DSM-

〟,

A

m ericanpsychiabicAsSociation,WashingtonD.C.,1994.(D

S

M -Ⅳ 輪神疾患 の分類 と診 断 の手引 き.高橋三郎,大野裕,染谷俊幸訳 ,医学書院,東京 ,1995.)

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(15)

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3

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23)中井 久夫 ,岩井圭司 :分裂病 の非特異 的大局 観 的把握 につ いて 一中医学 的判 定 を援 用 し つつ慢 性病 憩 を考 える-,分裂病 の精神病 理 と治療

3

,中井 久夫 W .星和 書店 ,東 乱 p

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24)Gla

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,

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7

経過 と予 後 , 市橋秀 夫 縮 ,星和 書店 ,東京,p,85-1∝),1985.

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(16)

1

知 覚 変 容 発 作 の 自 験 例

No.性刺 病型◆ 辛齢 発 症年 齢 発 作 出 現年 齢 発 作 の 持 続 時 間 歴玩入 現 在 の 社 会適 応 尭 作 中 の 知 覚 変 容 体 験 (情 動 面 、思 考 面 を 含 む ) 随 伴 す る発 作 中 の そ の 他 の 体 族 身 体 症 状 発 作 の 好 発 状 況 発 作 へ の 対 処 法 発 作 時 の 錘 体 外路 症 状 備 考 1男 R 51 4251一一 1-2時愉 +*報、未婚 壁のわずかな汚れや凹凸が次々と気になって 圧倒 される 頭痛 時 2女 ∪ 35 2933..- 30分∼1時ryI 崇店手伝い- 頭がさえてしんどい、通釈的判 店事をしていて客足が 夫子あり tかわからない、集 中できない.E81される 時-4時 3男 D 50 3340JttE∼ 1-2時間 + 回転扉 入院 .k書.未 婚 視 点が固定する、垂のわずかな凹凸や天 井の ら睡眠薬を飲む -4男 ∪ 34 2433- 赦十分 + rdt良、未婚 に入るまで■Tい.書古や人のざわめきが大きく感じられ屋 内=耗 び込んで<る、視 点を国定することができなrつと続く 怖感自分だけが取り残されそうな恐 する -5男 D 36 1530■頃- 30分-3時間 +未長J婚I入焼例. 目や耳が敏感になって止まらなくなる どうしようもfJ:いという*力感 夕方 -深夜 横になる -6輿 ∪ 28 2027.- 30分-2時間 + *恥、未 婚 夕食後-就疎略 じっとしている - 入玩中に発作初発.退庁iよって消失 7男 ∪ 35 2533.- 牡分-2時欄 +*恥、未婚 用園 が不 気味に暗い、t灯ばかりが明るいの 圧供 される 日没徒 じっとしている -AA D 34 2233- 2-3時間 +*恥、未婚 自分 の体が小さくなってしまう どうしていいかわからない、*力番、他 人が怖い 夕方 -9男 D 52 1948(?)∼ 故 分∼載時間 +長期入院例 .未婚 りするほどせ愚物(親父牡)や音が3tU'込んでくる、肌がひりひ どうしていいかわからない.∼力感 めまい、生気が薄い感じ(呼吸田拙 消灯の爪捷 じっとしている -tD女 U 35 2833- 1-3時間 十 保 母(婚.一子ありA).撫婚後再′{-トタイ 耳が牡患.見えるもの聞こえるもの全てが気になる.気が散る 圧倒され てしまう_青の菓し 経ってくるまで じっとしている -日 男 ∪ 42 20つ 30分-3時間 +長期入院例.未婚 いものまで見えてしまう帳が大きく開いて閉じない,まぶしい、見たくな 排便後、または早朝夕方の諌明時 じっとしている.C.oMZOrArllをもらう -12A ∪ 33 2026-29 1.-3時間 +アルバイト 未婚 テレビの音が大きく附 こえて仕方ない、Bに入るもの(薪間、本、チラシ頬など)がいちいち気に 頭痛 正午すぎ-夕食前

-13男 D 48 2245- 30分∼2時間 +未婚長JI人尿例 . てくる,遠くの音がや けに近いA兼に立体番がなく書き割りの様_FI周が迫っ 消灯時 つ布去る.入L_田をかぶってうrくEするまで持

-14弟 D 27 2025- 赦十分-数 時間 + k鞍、未 婚 早いない.人のbjに表情がない、時計の針の動きがどうなつてもいいやというなげ 夕方 ∼消灯時 いする - 入庚 申に発作初発.よって消失 退郎 15男 ∪ 58 2855.-57 敢十分 + 回転罪人侯 、■井、未婚 視界 がまぶしい一日がtにの しかかる Iれない、空気がまく体 どうしようもない気分 夕食紋∼就味時 じっとしている -16男 C 36 1530(?)- 政十分 +捷 中 浅野 のiる.視点を移しても止まらないZ]拝に見える物 が飛び出 してきそうにな怖い 且をつぶって横になる -17罪 D 57 2140jt頃∼ 赦分∼30分 十 長期入院例 .未婚 t灯がや けにまぶしく日を突き刺す様 に慈 じら 考想化声 室 内照明が必要な時fl じっとしている + (眼 球 上 転 ) 18女 U 37 1933-34 数分- 1時間 +平鹿内訳居.未婚(婚約者ありー 速くニある栃が 日に飛び込んでくる,色が異様 軽度落涙 昼間戸外にいるとき 左 内1=もどる -19男 P 62 3458(?) 30分∼1時間 + 長期入碗例 .未婚 わ けもなく急にまぶ しくなる、かすかな音が大きく湘こえる ない沖鯉がf=かぶるがどうしようも 午後6-7時頃 早めに眠れ兼をもらう

-ヱ

(17)

22負 良 72 20つ 牡分∼30分 +未婚JEN入院例. 他人のhきがスロ-モーションの拝に*aわかる TSまで + (眼 球 上 転 ) ロボトミー施行gl様歩行 、+切ろう 23弟 D 45 2010■l1- 30分∼2時間 +長期入l未婚 娃桝 . fI骨 の人の表快がお面 の様、体が頼む、耳が 自分だけFI四から切りkされ A - 潜在性 甲状腺8L他低下症 24男 U 37 2035- l∼2時tFI + 日に映るもの全てがストップモ-シヨンになった rつかまった」ようtJ:気分、抜け 壬 内患明が必妻な時 -Jtで掩婚 拝でJんより壬いQ細 まで手に取るようにわかる、空気がど られない * している 25女 U 44 2442-43 2-3時仰 + 辛店手伝い夫子あり . 教きが速い.自分に向かってym先のものが大きく呑じられる.人や車の動IL寄せてくる、 夕方店番 をしていて客が途絶えたとき じっとしている -26罪 P 46 3646? 1時間 前後 + 施設入所.未稚 空気が重く冷たくよそよそしい.遠くの灯りがまぶしい,聴覚過 払 夕方 おやつを食べる.水を飲む - いわゆるパラフレニー例

27男 A 52 4646■一 1-2時聯 +エ Ji.書手あり ♯犀 がや けに広い、空気が冷たくよそよそしい.空の凹凸や主の筋 がくっきり見える 頭痛 鼓鞍 時 入眠できるまで持つ_睡眠iEを多めに飲む

-29男 D 39 2138 数十分 +*牡.未婚 感覚がすれる.目が軽重できない,うわすべL) 何かがおこリそうfJ.L気分.他の 夕食後

-30女 ∪ 41 2222.- 30分∼2時間 *Jt.未婚 天 井や堂がのしかかってくるような慈じで胸苦し

適切な身動きがとれない 頚痛.動偉 母親 に付いていてもらラ

-31男 D 42 2940- 鼓十分 一世 時間 +書恥、未婚、独居 い.木々の菜 の-枚一枚がくっきり見える.結いくら=強奈iな立体感、緑がやけに鮮やか "B3休的疲労恵が同居Eめた-ような央快 恵と身 iみているときI暗 い自生から度 外を水生のt灯をつける

-32男 D 56 2355(?)- 2-3時何 +未婚長期入庚例 . 他 人の足書がやけに大きい.肌がひりひりと七番、自分の休の動きがぎこちなく感じる 午後、とくに夕食後から消灯までの朋 丸くなって寝る

-33男 R 8g 19 赦 分-2時槻 +未婚長期入坑例、 る巨と耳が同時に冴えてきて休がふんわり軽くな るとき夕食練テレビを見てい 鏡になる

-34罪 ∪ 42 ー635*頃∼ 数分-3時潤 +未婚JE井入扶助_ 天井が大きく近い、そのくせ空間が広い,彼覚に立 体を がない.袋のような軸で包み込まれた 夕方-深 夜 頓用iEを飲む

(18)

-表2

知覚変容発作における知覚変容の 内容

知覚変容の特性 知 知 知覚の対象化の囲搬 関係の障害自己対外界 の 知覚変容のモダリティー No. 視 聴 皮 体 知 焦 疎 蘇 覚 隻 の覚 点 知 隔 力 強 強 転 封 化 覚 惑 感 Tf 悼 度 減 産 専 象 の 対 現 . 圧 . 感 知 の 表 の 田 か 陣 象 実 倒 賞 隻 隻 隻 大 増 性 非 錐 ら 害 の 感 搬 惑 被 l l

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3○

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1

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1

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2

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2

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32

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3

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○ ○

3

5○

3

6

-

(19)

3

能動的認知態勢と受動的認知態勢

受動的認知態勢

能動的認知態勢

知覚刺激 > 自己 知覚 における"主導権 " 知覚刺激 < 自己 "感知" 知覚 の様相 "探 知" 現実吉忍織 主休の時間軸上の志向性 未来の予測 受苦的 主体の反応 対処 約

(20)

4

知覚変容発作症例 の年齢、発症年齢、発作出現年齢

年 齢 発症年齢 発作出現年齢 発症後発作出現までの期 間(辛)

定型群

(

=1

9

)

:

症例

1- 19

40.

5±9

.4

23.

1:

±6,

7

36.

1±8.

6

1

2.

9=

ヒ7.

8

*)

中核群

(

n=

7):症例

1-7

38

.

4±8

.

7

26.

9±8.

9

35.

2±8.

0

8

.4

±3

.4

(21)

5

山口1

)

の知覚変容発作症例

知覚変容の特性

知 知 知覚の対象化の困難 関係 の障害自己対外界の N

o

.

知覚変容のモダリテ ィー 視 徳 皮 体 知 知 疎 無 覚 隻 覚 隻 隔 力 強 痩 強痩 転 象対 点 対化 象 惑 磨 庸 性 の の 導 か の の 実 離 倒 被 磨 知 増 衰 非 困 ら 障 覚 隻 隻 隻 大 性 減 雛 の 害 焦 惑 現 感 圧

1○ ○

○ ○ ○

2

3

4

○ ○

5

○ ○

6

○ ○

7

8

9

10

ー2

13

(22)

6

非 発 作 性 知 覚 変 容 症 例 (

1)

現 在 の 社 会適応 発 作 中 の 知 覚 変 容 体 験 碓 伴 す る そ の 他 の 体 牒(作 動 面、む 」思 考 面 を含 陣 増 悪 状 況 輔 考 75 U 58 28l28、50*頃 ト)期oいずれも胞衣発症前後.事症状 + *恥.未婚回I云群入院、 視界 がまぶしい、巨が頼れない、辛や人が 自分めがけてLにのしかかる突進してくるかの様、空気が重く体 どうしようもない気分 - 外出時 pa{akJneSia(Kleist) 21 A 41 2424-26 発症後2年間.数 + *聴、未婚、独 あたりが急に舟くなって迫ってくる、動くものが 患い込まれたような具には - 外出時 El斗位で断枕的に 居 みな自分に向かってくる様、清いのにいつもより鮮明に見える まったような気分 37 C 26 2121 兎症から初回入院まで(約2遺間) + 未婚兼美手伝い、 聴覚過敏、昔や光が自分めがけて集中してくる 用朗から自分だけが切Lれたかのよう )推さ - 外出時

(23)

7

非発作性知覚変容症例 (

2)

知覚変容の特性

知覚 強 知覚韓 知覚 の対象 化の 困難 関係 の障害自己対外界 の 知覚変容 のモダリティー

No

.

視 徳 皮 体 転 覚還 翼の 知 葉 栗口悪の 対

疏隔感 蘇磨力 膚 性 度 減 度 警 象 現 . 圧 . 磨 知 の 蓑 の 莱

覚 覚 覚 覚 大 増 性 非 ら の 感 離 感 被 15

○ ○ ○

21

○ ○

37

○ ○

○ ○ ○

(24)

表 8

非分裂病性の受動 的認知態勢の症例 (

1)

No.性刺 辛齢 発 症年齢 発 作 出 現*# 発 作 の 持 続 時 間 入梶貯 現 在 の 社 会適応 尭 作 中 の 知 ★ 変 容 体 験 発 作 中 の そ の 他 の 体(II動 面 、思 考 面 を含む ) 験 身 体 症 状随 伴 す る 発 作 の 好 発状 況 発 作 へ の 対 処 法 発 作 時 の 種 体外 路 症 状 林 寺 38罪 28 2023-24 数分-数時間 + アルバイト、未婚 て飛び込んでくるあらゆる方向から視覚俊が 自分の 目をめが け 加幸念4,注耳感 外出時 ベンチにJFをおろす - 暮症強迫症 ? 40罪 44 ー717- + *甘 、長期閉居、未婚 t事や手が 自分めがけて突進してくるように感じる 外出時 しゃがみ込む、帰宅する - 頒爺外iI牡iL症 41男 22 212ー 敢十分-数時間 + *雌.未婚 他 人の政が夜叉面のように見える、人の動きが早い、耳が敏感 な恐怖感.加古妄想,注有感 斉血衷自分だけが取り残されたよう 週末外泊時の夕食前 -就襟時 じっと立っている - 書 祉 薄fI依 存

(25)

表 9

非分裂病性の受動的認知態勢の症例 (

2)

知覚変容の特性

知 知 知覚の対象化の困難 関係の障害自己対外界 の 知覚変容のモダリティー No. 視 聴 皮 体 知 焦 疎 蘇 隻 隻 の覚 点 知 隔 力 強 強 転 対 化 覚 惑 感 膚 悼 度 減 産 導 象 の 対 現 . 圧 . 感 知 の 蓑 の 田 か 陣 象 実

隻 隻 隻 覚 大 増 性 非 難 ら 書 の 感 離 惑 被 39

40

41

○ ○

○ ○

(26)

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-I I

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∫ / //千 / /ノ-////`/ //.′

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////ノ//

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/

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刺 激

1

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曲 線 の 左 方 偏 俺

(27)

知 覚 "対 象 ''

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.

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知 覚 "刺 激 ,

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視 点 の 移 動

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J

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言 聾

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i: 1 二

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知 覚 "刺 激 ,

2

運 動 と知 覚

視 点 の 固 定

(28)

-.-...-.I-...-.--...---.-JI

-

I

b

-

-

I

+

←一

一一

-●

自己関係づけをもつ印象体験,

妄想知覚 段階

2

(

知覚 と無関係の)

純粋の

現 実化

妄想着想-..r 一一ノ

'

自己関係づけと特定の意味 をもつ印象体験

3

妄 想 知 覚 の 段 階 的 形 成

(

Huber

28日

(29)

(英 題 )

Cha

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(30)

表 1 知 覚 変 容 発 作 の 自 験 例 N o. 性 刺 病型 ◆ 辛 齢 発 症年 齢 発 作 出 現年 齢 発 作 の 持 続 時 間 歴玩入 現 在 の 社 会適 応 尭 作 中 の 知 覚 変 容 体 験 (情 動 面 、思 考 面 を 含 む ) 随 伴 す る発 作 中 の そ の 他 の 体 族身 体 症 状 発 作 の 好 発 状 況 発 作 へ の 対 処 法 発 作 時 の 錘 体 外路 症 状 備 考 1 男 R 51 4251一 一 1‑2 時愉 + *報、未婚 壁のわずかな
表 3 能動的認知態勢と受動的認知態勢 受動的認知態勢 能動的認知態勢 知覚刺激 &gt; 自己 知覚 における&#34;主導権 &#34; 知覚刺激 &lt; 自己 &#34;感知&#34; 知覚 の様相 &#34;探 知&#34; 現実吉 忍織 主休の時間軸上の志向性 未来の予測 受苦的 主体の反応 対処 約
表 4 知覚変容発作症例 の年齢、発症年齢、発作出現年齢
表 5 山口1 ) の知覚変容発作症例 知覚変容の特性 知 知 知覚の対象化の困難 関係 の障害 自己対外界の N o . 知覚変容のモダリ視徳皮 テ ィー 体 知 知 疎 無覚隻覚隻隔力強痩強痩転 象対点 対化 象惑磨庸性のの導 かの の実 離倒 被磨知増衰 非困 ら障覚隻隻隻大性 減雛 の害 焦惑 現感 圧 1○ ○ ○ ○ ○ ○ 2 ○ ○ ○ ○ 3 ○ ○ ○ ○ 4 ○ ○ ○ ○ 5 ○ ○ ○ ○ ○ 6 ○ ○ 7 ○ ○ ○ 8 ○ ○ ○ 9 ○ ○ ○ ○ 1 0 ○ 日 ○ ー2
+5

参照

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