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伴侶動物にもBNCTの恩恵を

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Academic year: 2021

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(1)巻頭言. 伴侶動物にも BNCT の恩恵を . 日本放射線安全管理学会. 総務理事. 名古屋大学大学院工学研究科 教授. 瓜谷. 章. ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy : BNCT)は,1932年の Chadwick による 中性子発見からわずか 4 年後の1936年に Locher により提唱されました.1951年にはブルックヘブ ン国立研究所で世界初の BNCT が行われましたが,当時は有効なホウ素薬剤が無く,十分な治療 成績を上げることなく,中断されました.その後畠中博士,三嶋博士らにより新ホウ素薬剤(それ ぞれ BSH, BPA)が開発され,世界各国,特に日本において原子炉を用いた基礎研究,臨床研究が 精力的に行われてきました.最近では,病院併設が難しい原子炉に代わり,加速器を用いた中性子 源を使用することが世界的に見て主流となりつつあります.この加速器 BNCT もやはり日本が世 界をリードする形で進みつつあります.必要な治験と審査を経て,2020年からは大阪医科大学,南 東北病院において保険診療が進められています.いまのところ対象は再発性の脳腫瘍と頭頸部がん に限られていますが,良好な治療成績が報告されています.. BNCT の今後の展開としては,対象がんを広げることと,もう一つは BNCT の伴侶動物のがん 治療への適用が考えられます.獣医学の進歩と栄養状態の向上から,犬,猫などの寿命が延び,そ れにともない死因に占めるがんの割合が高くなっています.犬,猫のがんは顔などの露出部分の浅 部に発生することが多く,BNCT がその治療に有効であろうと考えられ,具体的な基礎研究も進 められつつあります.. BNCT を伴侶動物に適用する上で最大の問題となっていることは,患畜そのものの放射化の問 題です.BNCT に際しては相当量の中性子を照射しますので,体内の主としてナトリウムと塩素 が放射化され,BSS レベルを超えてしまいます.したがって治療が成功したとしても,患畜を管 理区域から持ち出すことができなくなり,そうなると永久に家に一緒に帰ることができなくなりま す.これでは治療する意味が全くありません.中性子照射によって生成される主な RI は,24Na と 38Cl. であり,半減期はそれぞれ15時間,37.3 分と短いものです.したがって一定時間の冷却を行う. ことで,それらの放射能を十分低い値にまで下げることが可能ですが,現状の規制体系ではこれを 管理区域外に持ち出すことは出来ません. 伴侶動物は飼い主にとっては家族同然ですので,人と同じように,BNCT の恩恵が受けられる よう,法改正を含めた対応が待たれるところです.そう遠くない将来,この問題が提起されると考 えられますので,その時は放射線安全管理学会としても適切な対応をする必要があると考えていま す.. 1.

(2)

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