Title
高齢者へのハーフスクワット運動介入が筋反応時間に及
ぼす影響
Author(s)
田口, 正公; 高瀬, 幸一
Citation
体力科学 = The Japanese Journal of Physical Fitness and
Sports Medicine, 57(6): 829-829
Issue Date
2008-12-01
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/9381
【トレーニング】 829 394.高齢者へのハーフスクワッ ト運動介入が筋反応時間 に及ぼす影響 ○田口 正公1、高瀬 幸-2 (1福岡大学 スポーツ科学部、 2名桜大学) 【目的】高齢者における筋 ・神経系の機能低下は、意図的 な トレーニ ングにより改善することがこれまでの研究で示 されているが、これ らの研究の多 くは負荷、頻度が定量化 された トレーニ ングであ り研究的に精度が高い、反面 日常 的に簡単に トレーニ ングすることが出来ないOそこで本研 究は、高齢者を対象に簡易で短時間にしか も低強度で日常 的に行 えるハーフスクワット運動 を介入 し、筋反応時間、 筋出力 に及ぼす影響 を検討 した。【方法】健常な女性高齢 者34名 を対象 とし、エクササイズ群19名、コントロール群 15名に分け、エクササイズ群にハーフスクワットエクササ イズの介入 を非監視条件下において1年間実施 した。測定 は膝関節伸展動作 における短縮性 (CON)・伸張性 (ECC) 筋活動時の各種反応時間及び筋出力 を測定 した。再現性の 得 られた試技3回を記録 し、各種反応時間 (PMT、 TRT、 EMD、 MTRT)は3回の平均値 をデータとして採用 した。 また、 ピーク トルク値 (pT)については3回の最大値 とし た。脚伸展パ ワー (LEP)は、80cm/secの伸展速度で6回 測定 した中の最大値 を採用 した。【結果】ェクササイズ群は、 EMD (CON:p く0.01;ECC:p く0.05)、 MTPT (p (0.05)
、
pT (CON,ECC:p (0.05)、 LEP (p く0.05)において、 preと post間でそれぞれ有意な向上が認め られた。 コン トロール群 は仝被 験者 で全 てのパ ラメー ター に Preと post間で有意な変化 は認め られなかった。エ クササイズ 群の前期高齢者は、全てのパラメーターにおいて有意な変 化が認め られなかったが、エ クササイズ群の後期高齢者は、 EMD (CON,ECC:p く0.01)、 MTPT (p く0.05)、 PT
(CON:p 《).001;ECC:p く0.05)、 LEP (p く0.05)にお いて有意 な向上が認め られた。各パ ラメー ターの Preと post間の変化率 は、 EMD (CON:13.1% .ECC:13.9%)、 MTPT (14,7%)、 PT (CON:27.3% ,ECC:17.2%)、 LEP
(23.3%)であった。 【考察お よび結論】これまで高齢者に 対す る筋力 トレーニ ングにおいて高負荷 (70-80%1RPM) でlRPMの筋力増加あるいは最大筋力が増加 したとする報 告、低負荷では最大筋力が増加する報告、増加 しないとす る報告 に分かれている。本研究でのハーフスクワッ トの負 荷 はこれらの低負荷 より低いと考えられ、このことが前期 高齢者に有意な増加がみ られなかった要因と考えられる。 また、エクササイズ群後期高齢者は EMDの有意な向上が み られ、筋内部の出力か ら外部出力 までの潜時遅延時間の 改善がなされたことを示 している。 また、後期高齢者は下 肢筋力お よびパ ワーの有意な増加 も認め られた。以上 より 後期高齢者 に対する軽い負荷での長期間のハーフスクワッ トエ クササイズによる運動介入は筋反応時間、筋出力向上 に効果的であることが示唆 された。本研究は日本学術振興 会科学研究費(16500434)の補助 をうけて実施 した。 Keyword 筋反応時間 高齢者 トレーニ ング効果