Cellスピードチャレンジ2007 : Cellスピードチャレンジ2007は 楽しめましたか?
3
0
0
全文
(2) 1. Cell スピードチャレンジ 2007 4,500 4,000. プログラムの実行回数. ソースコードの行数. 3,500 3,000. 3,285. 3,703. 4,500 3,841. 4,000 3,500 3,000. 2,536 2,203. 1,850. 2,000. 951. 860. 1. 2. 3. 1,184. 1,153 816 358. 335. 500. 2,500 2,000. 1,447. 1,319. 1,000. 0. 3,905. 3,467 3,437. 2,500. 1,500. 5,000. 15,378. ソースコードの行数. 4 5 6 7 8 ポイントを獲得した11チームの順位. 1,000. 1,500. 629. 1,000. 329. 500. 9. 10. 10. プログラムの実行回数. 報告. 0. 図 -2 規定課題部門でポイントを獲得したチームのソースコードの行数とプログラムの実行回数. イン. 1). にて正しく動作するプログラムを提出しなけれ. 規定課題部門でポイントを獲得したチームのソース. ばならない(利用できる SPE の数やライブラリの違い. コードの行数を図 -2 に示す.1 位,2 位,3 位の 3 チー. により PS3 とのプログラム互換性はない) .練習問題と. ムの獲得ポイントが拮抗したが,コード量では 1 位の. 呼ばれる数種類の入力データを正しく処理できたチーム. 1,319 行と 3 位の 335 行との間に約 4 倍の差が生じて. が予選ラウンドを通過して決勝ラウンドに進出できるシ. いる点は興味深い.8 位のチームのコード量が 15,378. ステムとした.予選ラウンドと決勝ラウンドの各問題で. 行と著しく多いが,これは,SPE のそれぞれについて異. 実行速度を評価基準とする獲得ポイントを与え,それら. なるソースコードを用いてプログラムを記述しているた. の合計で上位入賞チームを選出した.1 位は,予選ラウ. めである.他のチームは,1 種類のソースコードによっ. ンドと決勝ラウンドで最高得点を獲得したチーム ylab. てすべての SPE のための実行ファイルを生成している.. (京都大学 花岡俊行)が受賞した.バイトニックソート. プログラムの実行回数を図 -2 の折れ線に示す.実行. をベースにして高速化のために DMA ダブルバッファリ. 回数はコンテストのすべての期間中に Cell オンライン. ング(計算のためのバッファと通信のためのバッファ. にログインして,Cell BE にてプログラムを実行させた. という 2 つのバッファを用いた並列処理により処理時. 総実行回数である.実行回数とプログラミングに要した. 間の短縮を目指す技術)や SIMD 命令による最適化を施. 時間が比例するというわけではないが,ある程度の相関. している.2 位は,チーム europa(東京大学 Luong D.. があると考えられる.コード量が最も多い 8 位のチー. Hung)が受賞した.基数ソートをベースとして Cell BE. ムが最も実行回数が多い.やはり,コード量が多いこと. に適した DMA バッファリングなどの最適化を施してい. でデバッグに苦労したのではないだろうか.入賞した上. る.3 位は,チームフツーにはえー★(大阪府立工業高. 位 3 チームの実行回数が 3,000 ∼ 3,500 回の部分に密. 等専門学校 藤原賢二ら)が受賞した.こちらも基数ソー. 集している点は興味深い.この実行回数は,1 日に 100. トをベースとして SIMD 命令の利用やデータ局所性の向. 回の実行を行ったとして 30 日を超える期間を要するこ. 上といった最適化を施している.. とになる.このことからも,プログラミングに多くの時. 入賞チームには PS3 や 47V の TOSHIBA ハイビジョン. 間を費やしたことが推測できる.. 液晶テレビなどの豪華な賞品が贈られた.また,各部門. 予選ラウンドを突破して決勝ラウンドに進んだ 25. の最優秀チームにはコンピュータサイエンス領域奨励賞. チームのプログラムについて,決勝ラウンドで出題し. が授与された.. た 10 個の入力データを用いて採点を行ったところ,意 外にも,時間切れや正しい結果が得られないケースが多. 規定課題部門のデータから見るマルチコアプログラミングの傾向. かった.特に,すべての入力データを正しく処理でき たチームはわずか 6 チームと少なかった.この結果は,. 規定課題部門でポイントを獲得したチームのソース. 想像以上にマルチコアプログラミングの敷居が高いこと. コードの行数とプログラムの実行回数などを参考にしな. を示唆しているのではないだろうか.. がらマルチコアプログラミングの難しさを指摘したい.. 1252. 48 巻 11 号 情報処理 2007 年 11 月.
(3) Cellスピードチャレンジ 2007は楽しめましたか?. プログラミングコンテスト 2007 から 2008 へ コンテストの成果として,優秀チームのドキュメン トと SACSIS2007 における講演スライドを公開してい る. 1). .加えて,規定課題部門の決勝ラウンドに提出され. たソースコードが Cell スピードチャレンジの Web ペー ジ. 2). などからダウンロードできる.教育や研究などの. 目的で活用していただきたい.紙面の都合から省略し た項目は Web ページおよび実施報告. 3). をご覧いただき. たい. 幸いなことに,Cell スピードチャレンジ 2007 を開催 してよかったという多くの意見をもらっている.この ことを受けて,マルチコアプログラミングコンテスト. 2008 の開催に向けて準備を進めている.次回のコンテ ストにご期待いただきたい. 参考文献 1)Cell Users' Group Web ページ,https://www.cellusersgroup.com/ 2)Cell ス ピ ー ド チ ャ レ ン ジ 2007 Web ペ ー ジ,http://www.hpcc.jp/ sacsis/2007/cell-challenge/ 3)吉瀬謙二,吉見真聡,片桐孝洋,中村 宏:マルチコアプログラミ ングコンテスト「Cell スピードチャレンジ 2007」実施報告,情報処 理学会研究報告 2007-ARC-174 (2007). (平成 19 年 9 月 3 日受付). 吉瀬謙二(正会員) [email protected]. 2000 年東京大学大学院情報工学専攻博士課程修了.博士(工学). 同年電気通信大学大学院情報システム学研究科助手.2006 年 東京工業大学大学院情報理工学研究科講師.Cell スピードチャ レンジ 2007 実行委員会副委員長.計算機アーキテクチャ,並 列処理に関する研究に従事.. IPSJ Magazine Vol.48 No.11 Nov. 2007. 1253.
(4)
関連したドキュメント
この chart の surface braid の closure が 2-twist spun terfoil と呼ばれている 2-knot に ambient isotopic で ある.4個の white vertex をもつ minimal chart
(1860-1939)。 「線の魔術」ともいえる繊細で華やかな作品
たとえば、市町村の計画冊子に載せられているアンケート内容をみると、 「朝食を摂っています か 」 「睡眠時間は十分とっていますか」
ここで, C ijkl は弾性定数テンソルと呼ばれるものであり,以下の対称性を持つ.... (20)
士課程前期課程、博士課程は博士課程後期課程と呼ばれることになった。 そして、1998 年(平成
基準の電力は,原則として次のいずれかを基準として決定するも
モノづくり,特に機械を設計して製作するためには時
経済特区は、 2007 年 4 月に施行された新投資法で他の法律で規定するとされてお り、今後、経済特区法が制定される見通しとなっている。ただし、政府は経済特区の