第1学年3組 道徳学習指導案 指導者 1.主題名 「他者とのコミュニケーションは挨拶から」 内容項目 2-(1) 礼儀 資料 1 JA 共済作文「こんにちは」より 2「心のノート」40頁より 2.指導観 ○ 現在は、個性や自由といった言葉が、単なるわがままや自己中心性としてはき違えられやすい時代といえる。 従来から言われていることであるが、知的技術的なレベルでは人は進歩しているが、他者の痛みや気持ちがわ かる力(共感能力)、道徳性の面ではむしろ後退している現状があるといえる。ここでは、共感能力の第一歩 としての挨拶を考えさせたい。挨拶というものを単なる決まりごとや虚礼としてとらえないようにさせ、周囲 を思いやるコミュニケーションの基本であることに気づかせたい。 また、時と場に応じた適切な言葉遣いや行動がとれるよう、特に内面的な指導を行いたい。個性を尊重し、 自己を確立することは大切なことであるが、それは他者に対する配慮や尊重の精神が伴わなければ、精神的に 未熟な人間を育てることだけになってしまう。形式的な礼儀ではなく、真に他者を思いやった行動は、その根 底に人間としての温かみや品格といったものに結びついていることを生徒一人ひとりに少しでも感じさせた い。それがまた、時と場に応じた適切なふるまいのできる理想的な大人へと成長していくものと期待される。 ○ 本学級の生徒は、礼儀の大切さについては、ある程度理解しているが、まだ十分習慣化しているとはいえな い。さらにこの時期は、第二次反抗期という言葉にも代表されるように、社会的規範など従来の大人の価値 観に疑いをもつ時である。今回は、中でも形式的に考えられがちな挨拶の本質について、挨拶は人と人とを 結びつける力をもつことを再認識させるようにしたい。挨拶という一見何気ない行動の中にある、他者への 気配り、コミュニケーションの基本としての意味を考えさせる一助として本主題を設定した。 ○ 本資料は、何気ない日常の挨拶を巡って戸惑う心の動きが詳細に描かれている。祖母のアドバイスを受け勇 気を出して挨拶を続けることで心と心とが通じ合えた喜びを描いた作文である。導入では、四コマ漫画を通 して、生徒の意識や実態を把握する。展開では、資料を通して、その前半と後半の主人公の心情について深 く考えることを通して、挨拶に対する自分自身の考えを単なる形式的なものから人と人とを結びつける絆と しての意味があることに思いを至らせたい。 3.本時の指導上の工夫 (成就感を味わわせるための)資料が生きる発問の工夫 板書・プリントの工夫 導 入 ①通りすがりの犬にまで挨拶をしている下級生と挨拶を返さない上 級生の態度から、挨拶をどうとらえるか、挨拶の必要性に関してまず 考えさせる。 ① 挨拶の意味を考えるきっかけとするために、 4コマ漫画を提示する。 展 開 ②前半では、「モヤモヤした気持ち」を、後半では、「主人公を明るい 気持ちにさせたものは何か」をそれぞれ考えさせる。挨拶は、単なる 形式的なものではなく、人と人とを結びつける力や働きがあること を、主人公の心の動きを自分と比較しながら深く考えさせることを通 して気づかせていきたい。(中心発問) ②作文の主人公の気持ちを深く考えさせるために、 生徒作文を前半(挨拶ができずに悩んでいる部分)、 後半(祖母のアドバイスを受け解決する部分)に分 ける。 ③グループで話し合った意見を短冊に書き、黒板に 掲示させる。 終 末 ③この時間に深まったであろう挨拶に対する考えをまとめさせ、書い たことを発表することで意見の交流を促す。 ④挨拶(言葉の力)の持つ力に思いを至らせるため に、詩を提示する。 4.ねらい
人と接するときの最低限のマナーである「挨拶」の重要性を認識させ、人と人とを結びつける働きや力に思い を至らせる。 5.展開 配時 学習活動と主な発問 予想される生徒の反応 指導上の工夫と留意点 導 入 十 分 1.挨拶に関する四コマ漫画を 見て、作者が訴えようとしてい ることについて考える。 ○この漫画が訴えようとしてい ることは、どういうことでしょ う。 ○漫画のようなことが起こる原 因について考えてみよう。 ・犬にまで挨拶をしている形だけ の礼のおかしさ。 ・後輩に挨拶を返さない先輩の態 度の悪さ。 ・形だけになってしまうから。 ・形だけと思っているから。 ・先輩は後輩から挨拶されて当然 だと思っているから。 ○挨拶の根本的な意味を考え させるきっかけとする。生徒の 意識の実態把握を行う。なぜ挨 拶できないのかを共感的に受 け止める。挨拶を行えない心理 的要因をなるべく明らかにす る。 ○挨拶の深い意味までには触 れず、しばしば形式的な挨拶に なりがちなことを確認する。 (共存感) 展 開 三 十 分 2.生徒作文の前半を読んで、 主人公の「モヤモヤした気持ち」 や「変な気持ち」に関して考え を深める。 ○主人公を「モヤモヤした気持 ち」や「変な気持ち」にさせる ものは、何でしょうか。また、 なぜそう感じるのでしょうか。 3.生徒作文の後半を読んで、 主人公の心を明るくさせたもの は何かを考えて発表する。 ○主人公の心を明るくさせ たものは、何でしょう。 (中心発問) ・どうして返事をしてくれないの かという疑問。 ・返事をしてくれないおばさんに 対する不満。 ・忘れようとしても忘れられない 気持ち。 ・自分に対する割り切れない気持 ち、後悔。 ・心をこめて発する言葉。 ・返事をくれたおばさんの挨拶。 ・自分の努力が報われた喜び。 ・人と人とが心を通わせることが できた喜び。 ・言葉の持つ人を温かくする力。 ○「モヤモヤ」「変」といった 言葉で表わされている言葉の 意味を考えさせ、相手に対する 単純な不満だけではないこと に気づかせ、思いを深めさせ る。 (成就感) また、挨拶は返されなかった らしないものかという問いか けも行う。 ○個人で考えた後でグループ 交流させ、意見を黒板に掲示さ せる。 (共存感) ○挨拶を交わした喜びの背後 に、単なる習慣以上の人と人と の結びつきによる喜びやうれ しさがあることに気づかせる。 終 末 十 分 4.挨拶(言葉の力)に関する 詩を読んで、挨拶に対する思い を深め、自分の考えをまとめる。 ○この詩を今日学んだことと併 せて考えましょう。今日の時間 での挨拶に対する考えを自分な りに文章でまとめましょう。 ○挨拶は、単なる形式ではな く、コミュニケーションの基本 であることを再確認する。 ○自己の道徳性の成長を実感 させるために、授業を通して考 えたことを記述させ、本時の思 考を振り返させ、それに対して 感想を述べさせる。 (成就感、共存感)