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ハイドロキシアパタイトシートを用いた骨再生治療法の検討

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Academic year: 2021

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ハイドロキシアパタイトシートを用いた骨再生治療

法の検討

著者

柏田 創

52

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

歯博第880号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00130034

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- 16 -

論 文 内 容 要 旨

[目的]本研究では,ナノワイヤーの凝集によるハイドロキシアパタイトシートの骨再生治療への応 用を目的として動物実験を行った。特にハイドロキシアパタイトシート(HAシート)の為害性,生体 安全性,分解挙動,骨形成能について組織学的に検討した。 [材料と方法] 動物実験 埋植動物には雄性Wistar系ラット(12週齢)を用いた。全身麻酔下にて, 頭部に矢状方向に正中切開(約10mm)を入れ,骨膜を剥がして骨を露出した。直径8.8mmのトレフィ ンバーを用いて硬膜を破損しないように円形状に骨を除去した。骨欠損部に滅菌をしたHAシートを挿 入,設置した。設置したHAシート上に皮膚を戻して縫合し,創部をイソジンで消毒した。対照群として, HAシートを設置せず,骨膜を戻して皮膚縫合した。手術2,4,8週後に過剰麻酔下で心臓から4%パ ラフォルムアルデヒドにて潅流固定を行った。潅流後に頭部の実験部位を切り出し,マイクロX線CT 撮影,組織標本作製,組織化学染色を行った。組織学的観察と形態計測として,HAシートの組織学的 観察と線維性被膜の変化,生体内のハイドロキシアパタイトの経時変化,HAシートの骨形成能の組織 学的評価,骨欠損部に対する骨形成能の評価を行った。 [結果]本実験において生体内のHAシートは,肉芽組織,線維性組織,骨組織によって囲まれていた。 肉芽組織は埋植初期にみられたが,異物反応のような高度な炎症性細胞浸潤はみられなかった。線維 性組織は,接触部でやや細胞密度が高く,周囲に膠原線維がみられた。またシート表面に接触して新 生骨の形成がみられた。新生骨は,線維性骨から層板を示す成熟骨まで確認できた。2週では,新生 骨の形成を伴って新生骨および近傍のHAシート表層に茶褐色のALP陽性領域が確認された。4週では 種々の厚さを示す新生骨が形成され,新生骨表面に加え,骨との接触のないHAシート表面にALP活性 氏 名(本籍)   : 柏かしわ 田だ   創はじめ(東京都) 学 位 の 種 類  : 博 士  ( 歯 学 ) 学 位 記 番 号  : 歯 博 第 8 8 0 号 学位授与年月日  : 令和 2 年 3 月 25 日 学位授与の要件  : 学位規則第4条第1項該当 研 究 科 ・ 専 攻  : 東北大学大学院歯学研究科(博士課程)歯科学専攻 学 位 論 文 題 目  : ハイドロキシアパタイトシートを用いた新しい骨再生法の検討 論 文 審 査 委 員  : (主査)教授 洪     光 准教授 髙 田 雄 京   准教授 山 内 健 介

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- 17 - が認められた。8週では,HAシートの表層にできた新生骨は4週と同様であったが,剥離したシート 表面でもALP活性の活性が確認された。欠損部の新生骨は4週,8週にかけて徐々に増加した。2週 から8週では有意な増加を示した。新生骨は欠損部辺縁および脳硬膜側からの形成が確認された。2 週では,HAシート下に新生骨がみられたが,対照群ではわずかであった。4週では,有意な増加がみ られなかったが,8週では欠損部中央まで新生骨がみられた。2週,4週では対照群に比べ,HAシー トを用いた群は骨形成面積が大きかった。 [考察および結論]ハイドロキシアパタイトは,生体適合や骨形成に優れた材料として骨再生に利用 されてきた。本研究で用いたHAシートは,成形が容易で変形が可能である。骨誘導再生法においても 既存の材料と代替が可能になり,分解挙動の確認によっては骨形成能を有する新しい人工被膜として の応用も可能になると思われる。

審 査 結 果 要 旨

骨補填材による骨再生療法は整形外科,形成外科,歯科臨床において広く用いられている。骨補填 材としては,ハイドロキシアパタイトやβ-TCPなどが主に使用されているが,これらの材料は吸収が 遅く生体内に残留する問題や機械的強度が低い問題など,解決すべき課題が残されているのが現状で ある。そのため,機械的強度を保ちずつ吸収性がいい材料の開発が行われており,その一つがハイド ロキシアパタイトシートである。本材はナノワイヤー結晶からなるハイドロキシアパタイトを凝集さ せたシート状のもので,骨再生領域における被膜,骨折部のカバー,軟組織欠損部の皮膜などへの応 用が期待されている。 そこで,本研究ではハイドロキシアパタイト(HA)シートの頭蓋冠骨欠損への応用を目的に,ラッ ト頭蓋冠骨欠損モデルを用い,本材の骨再生能および安全性についてin vivoで検討を行った。 その結果,埋入したHAシート周囲には肉芽組織,線維性組織の形成が認められたものの,高度な炎 症性細胞浸潤は見られなかった。また,HAシート表面では新生骨が形成され,線維性骨と層板を示す 成熟骨とも確認された。埋入2週後および4週後では,HAシート郡は対象群より広い骨形成面積が認 められた。 本研究では,HAシートの骨再生への有用性について実験動物を用いin vivo検討に基づき明らかにし た。本研究は,HAシートの安全性および骨再生能を明らかにすることにより,新たな骨再生材料とし てのハイドロキシアパタイトシートの将来性を示しており,再生医学の研究領域に学術的貢献をし得 ることから 博士(歯学)の学位論文として相応しいと判断する。

参照

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