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磁気増巾器回路の解析 利用統計を見る

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(1)

磁気増巾器回路の解析

Analysis of Magnetic Amplifier Circuits

TakeshiANAYAMA

Synops量s:  The analytical method of the magntic amplifier circults is different in many ways with the ordinary electric ciruit The most distinguished feature of magnetic ampliflcr is that the clrcult equatlon is expressed with a linear differcnce eguation, in place of the ordinary electric circuit is expressed with a linear differential equation. In this paper, at the first, explained the analytical method of various type of magnetic amplifier, considering a dynamic property of magnetic core and a leakage resistance of metallic rectifier. At the self・saturating magnetic amplifier, if the effective feedback factorβsff ls defined by the equation (63), the characteristics of amplifier circuits for example, amplification factor Ai and responsc time T etc, are cxpressed with similar formulas irrespective of the type of circuits・ 1.ま え が き  磁気増巾器回路の解析にっいてはすでに数多くの論文 が発表されているが、いつれも解析には多くの仮定を含 み、また各回路形式の解析にそれぞれ便利な仮定を採用 しているため、統一的立場から磁気増巾器回路の理論を 述べているのは少ないようである。磁気増巾器の解析の 方法としては、Ramey 1)、 Johanessen 2)の論文が発表 されて以来、磁束のリセット、ゲートの動作を基にして 差分方程式により増巾器の動作を表現する方法が最も普 通に行われている。筆者は差分方程式による磁気増巾器 の一般的解法について研究を行い鉄心の動特性および金 属整流器の漏洩抵抗を考慮に入れた場合の各種回路形式 すなわち直列形外部帰還回路、並列形外部帰還回路、自 己帰還形回路の一般解を求め、磁気増巾器回路の特性が 同一形式の差分方程式で表わされ、増巾度および応答時 間等の諸特性がすべて同一の形で統一的に表わされるこ とを明らかにし、更に各種回路間の関係にっいても考察 を加えてみたので報告する。    (ω ←一(b) Fig.1. Magnetlzatlon curve    (a):D・Chysteresis curve    (b);A.C hysteresis curve 2.回路解析のための準備  回路解析を行うための準備として2,3の基礎的事項お よび回路解析のための仮定を述べておく。  (1)鉄心の磁化特性 磁気増幅器回路を解析するに当っては基本要素であ る鉄心の磁化特性をどう取扱うかが重要である。鉄心 の磁化特性は直流磁化特性(静的磁化特性)と交流磁化 特性(動的磁化特性)に分けられ、いつれも第1図に示 すように磁化力H(またはアソペアターンF)と磁束密度 B(または磁束φ)の関係によって表わされる。第1図の 交流磁化特性を数式により表示すると一般に次式で表わ される。

(2)

昭和34年10月

山梨大学工学部研究報告

第 10 号    F= Ni=f(φ,4φ/dt)        (1) (1)式においてdφ/dt=0とおくと直流磁化特性となり 交流磁化特性は直流磁化特性に磁束変化速度4φ/dtの影 響が加わつたものと考えることができる。磁束変化速度 の影響は実際には極めて複雑であるが、次式によつて磁 化特性を近似表示すると直流磁化特性と磁束変化速度の 影響を分離して取扱うことができる。    F・ Nirftp+9(4φ百)   (2) または    Ni=.〈Xio十Nie       (3) ここでi・直流磁化特性による磁化電流分で、ieは磁束変 化速度による磁化電流の増加分である。本論文では解析 を便ならしめるため次のような仮定をおいて磁化特性を 表示する。  直流磁化特性:磁気増幅器用として広く用いられてい るのはFe−Ni合金のような角形ヒステリシス材料であ るから、直流磁化特性は第2図のような完全な角形特性 とする。 φ   +φs

gc

→H

Fig・2. D. C hystetisis loop     for rectangular core.  磁束変化速度の影響:磁束変化速度の影響は1次函数 で表わされるものとする。すなわち、    Ni・ ・9(4φ百)一畷   (4) いまリアクトル巻線に誘起する電圧をeとすると、    e・=N(4φ/dt) したがつて、(4)式の関係は次式に書きかえられる。    ie=e/Re      (5) ここでRe= K/N2         (9) (5)式の関係は従来良く用いられている渦電流とリアク トル電圧の関係で、鉄心の磁化特性が(2)式で近似表示 される場合は交流磁化の影響は一般に渦電流におきかえ て論ずることができる。第3図はこの場合の等価回路を ll1 Nc  N」NL Fig.3. Eqnivalent circuit of     magnetiC COre. 示したもので、磁束変化速度の影響が1次画数のときは 渦電流抵抗Reは一定であるが、 g(ばφ/dt)で非線形の時 にはReも非線形抵抗となる。  磁束制御特性:以上の仮定から鉄心の交流磁化特性は 次式となる    Ni=Nlo+K・(d¢/dt)       =:N〔lo十 (e/Rε)〕         (7) ただし1・は直流磁化特性の磁化電流である。 (7)式から、磁束を飽和値からリセットレベルφrまで変 化させるに要する制御アンペアターソの平均値を求めて みる。(7)式を積分し平均値の形に書きかえると  1Vτ=Mo十2fl(〔φ8一φr〕 =Nlo十2〆頁・4φ,  (8) または    Nl==N〔10十  (Er/Re)〕      (9) たつし、民はリセット時の誘起電圧の平均値、diP,はリ セット磁束量を表わす。  (8)・(9)式は磁束制御特性が定数KまたはFeできま る直線で表わされることを示している。したがつて鉄心 の動特性を定数KまたはReで表わすことは磁束制御特性 がリセット電圧の波形、大きさに無関係に一定であるこ とを意味しており、磁化条件と磁束制御特性の関係を更 に正確に論ずるには、磁束変化速度の影響に非線形の要 素を導入することが必要である。 (2)増幅器回路の動作状態  磁気増幅器の動作状態はリアクトルの飽和、不飽和の 状態に応じて幾つかの動作形式に分けられる。2個のリ アクトルより成る2鉄心回路においては、次の3っの基 本動作状態が存在する。(3)  (イ)動作状態1:リアクトルが共に不飽和の場合(不導   通期間)  (ロ)動作状態2:リアクトルの一方が飽和の場合(導通

(3)

磁気増巾器回路の解析

  期間)  内動作状態3:リアクトルが共に飽和の場合(飽和期   間) 増巾器の比例制御範囲では半サイクルの動作は動作状態 1および2よりなつており、動作状態3は制御特性の非 直線範囲で現われるので、回路の解析では比例制御範囲 の動作を取扱うことにする。   (3)消弧 角  磁気増巾器の出力電流の変化は一般に第44図に示すよ うな波形で表わされ、ある半サイクルの消弧角θ・(n−1)か ら次の半サイクルの消弧角θ・nまでが増巾器の動作半サ イクルとなり、任意の半サイクルの出力電流平均値IL(n) リセヅト磁束量4φ,(n)(またはリセット電圧平均値Er(n)) 等は          een

   …n・÷∫ぽ;,

       een    Eゆ・一 脚φゆ・一÷∫・4θ        ee(n−1) で表わされる。消弧角θeは一般に回路電圧の大きさ、波 形、位相等により変化するが、自由磁化状態ではほぼnπ とみなしてさしつかえない。本論文においては特に指定 しない限り消弧角はπ(一般にはnπ)であるとする。

卜蒜1㌫→

eerい‖      een 卜一π仇一→l  ltalf Cycle eewt      θenr2 トー(孔・a)t九→  fta {f cycte Fig・4・Wave form of output current. (4)回路諸量の換算  制御回路、バイアス回路等諸量をすべて交流側に換算 して解析しても一般性を失わないので、解析においては 回路諸量はすべて交流側に換算して、換算した量には’ を附してある。例えば    ”♂=(NL/Nc)・Vc,    Rc’=(NL/品)2 Rc 等とする。  3・記   号 丘’=(Nc/NL)lc’ 次に本論文において使用する記号を示すと次の通りで ある  Va:電源電圧(瞬時値) Va:電源電圧(平均値)  Vc:制御電圧(瞬時値) Vc:制御電圧(平均値)  el,e2:リアクトル電圧(瞬時値)  Er:リセット電圧(平均値)Eg;ゲート電圧(平均値) Aφr:リセット磁束量 iL:負荷電流(瞬時値) tf:帰還電流(瞬時値) ic:制御電流(瞬時値) Aφg:ゲート磁束量 1L:負荷電流(平均値) lf:帰還電流(平均値) le:制御電流(平均値) i1, i2:出力巻線電流(瞬時値) 11,1・:出力巻線電流(平均値) 1・:直流保磁力に相当する励磁電流、Nrt・=IHc lLmin:最小出力電流 Icmin:最小出力点の制御電流 ILmax:比例領域の最大出力電流 Icmax:比例領域の最大制御電流 RL:負荷抵抗、 Rf:帰還回路抵抗、 Rc:制御抵抗 r:出力巻線抵抗、 Rx : as流器逆方向抵抗 rr:整流器正方向抵抗、疏:負荷電流の電流増巾度 λピ:出力巻線電流の電流増巾度 T:応答時間、β:帰還率、βeff:実効帰還率 Vc’,∬♂・:Vc, r,の交流回路換算値 4・直列形外部帰還回路の解析 4・1直列形外部帰還回路の一般式 Nc Fig.5. External feedback circuit of     series connected saturable reactor  第5図に示した直列形外部帰還回路においては、電圧 電流の瞬時値について次の方程式が成立する。

鷺:(芸鷲∋

ただし、β=Nf/NLで帰還率を表わす。 (10) また巻線の極 性を図のように定めると各リアクトルの磁化力AT,i AT2は次式で表わされる。

   莞:跳:亡ぽ1;}(11)

(4)

昭和34年10月

山梨夫学工学部研究報告

第iO号

 いま第5図の回路について任意の第η半サイクル (θ,n−1∼θ,n)の動作を考えてみる。この半サイクルで はリアクトル1がゲート、リアクトル2がリセットの状 態にあるとすると、リアクトル2の磁化力AT,に対して 前節で述べた鉄心の磁化特性(7)式から次の関係が成 立する。  AT2=∧TL〔iL−t3 if−ic’〕=NL〔lo十 (e2/Re)〕 (12) (10)式および(12)式の関係はag n半サイクルにおいて常 に成立する回路方程式であるから、(10)(12)式を位相角 θ,n_1から0・nまで積分し平均値の形に書き変えると次の 式が得られる。 ただし          een    E・・n・一÷∫㌶一2fN・・P・・n・          θen

   E・・n・一÷∫㌶一職輌・

 (13)式は平均値の形で表わした直列形外部帰還形回路 の基本回路方程式で、(13)式を解けば任意の半サイクル における回路の特性を求めることができる。第5図の回 路において出力巻線電流を整流する金属整流器が常に整 流の状態にあり、帰還回路を通して転流現象を生じない とすると  1L(n)=lf(n)である。 この関係を用いて(13)式を書き 直すと、       (14)  ただし、Rガ=RL十Rf十2r、 (14)式からIL(のを消 去すると 〔  Rc’ i1+  Re)R・’+(1一β)・R・’〕E・…)T〔R・”  1−  (1一β2) 1∼♂〕 Eσ(n)、== (1一β) R♂・Va(n)   −RL’〔Vc’(n)−F Rc’ lo〕       (15)  第n半サイクルのゲート磁束量△iPg (n)は第π一1半サイ クルのリセット磁束量APr(n−1)に等しいから    △♪9(n)=△φ7〈n−1) したがって、Eg(n)=Er(n−1) 故に(15)式を書きかえると次式となる。  Eゆ)−k・Er(n−1)=・41 Va(n)一一 A2〔VC(n)十IO Rc〕 ここで k: RL’一 (1一β2) 1∼c   (1+葺)Rガ+(1一β)・Rc _ al−21∼c’ 〔(Rl㌃/21∼杉) +  (1一β)〕 (16)       ζl    A・== (1一β) R;’/al,   A2=RL’/ζ1 第16式は任意の半サイクルにおけるリセット電圧平均値 (云いかえればリセット磁束量)の一般式で、リセット 電圧が一次の線形差分方程式で表わされることを示して いる。  次に(14)式からEg(n), E々)を消去すると次の2式が 得られる。 (1+影)v…)+(1一β)〔v・’・n・+・・ R・’〕   一〔(1+β)(1+爵)+(1一β)〕E・@・   +〔(1+』i’)RLr+(1一β)・Rc’〕・L…(17)  Va(n)一 (1+β) 〔レ毎’(n)+τo R♂〕 .一 k(1+β)(1+畏)+(1・一一一β)〕E・・n・   +〔RLピ.一一(1−一一β)21∼♂〕1L(n)      (18)  第(17)式を(n十1)半サイクルについて書きかえる と、 (1+聖  Re)Va・n+・)+(レβ)〔Vc’・・+・)+・・ Rc’〕   一〔(1+β)(1+影)+(1一β)〕E・@+・)   +〔(1+莞)RLt+(1一β・ )R・’〕…n・・)(19)  Eg(n+1)=E,(n)であるから、19式から18式を引くと、 出力電流IL(n)に関する次の一般式が得られる。  IL(n+・)−klL(n)=〔B・Va(n+・)−B2 Va(n)〕   +〔C・V・’(n+1)+C・V・”(n)〕+(C・+C・)1・R〆       ’       (20)  ここで

(5)

磁気増市器回路の解析

  Bl=(1十R♂/Re)/C1‘ B2=1/91、   C1= (1一β)/91,     C2= (1十β)/41、  同様の方法により制御電流1・’(n)の一般解を求めると   1♂(n+1)−klc’(n)=〔Bl’ Va(n+1)−B2’Va(n)〕    一← 〔Cl’ Vc(n+1)十C2’ Vc(n)〕 ,        (21)  ここでB1’・・ B,’=(1一β)/Cl,   C1’一〔(1一β)・+{緩〕/…σ’一(1−P2)/・・  このように直列形外部帰還回路においては、リセット 磁束量、入出力電流はともに同一形式の一次の線型差分 方程式で表わされ、差分方程式の係数kはすべて同一で ある。  4・2定常状態の特性  定常状態においては半サイクル数〃により変化する頃 E噺)・IL(n)・Ic’(n)等はすべて定常状態の値.E., IL(。), Z〆(・)に等しい。また定常状態における消弧角をθ,・と すればVa(n), v・’(n)の定常値Va・・V・・’は次式となる。        θeo       θeo    v・・一÷∫隠v・・’ ・i∫YI・:,ee  リセヅト電圧、 入出力電流の一般式16、20、21式に 上記の関係を入れて、定常状態におけるリセット電圧 E.,入出力電流IL・, lc・を求めると次式となる。 Em一噤i1一β)荒’/2Re)〔(1−一β)芸

   一一籍一L〕   (22)

・…(レβ)+’

iR。’/縞〔暴

  +影+L〕

  rc。=Vco’/Rc’ (電流増巾度Ai) (23),(24)式から電流増巾度Aiを求めると A・一

ホ一莞器一口β)坐鶴/2Re)

(23) (24) (25)  鉄心の動特性の影響を無視し、Rピ/2Re=0とすれば

   Al一丁k・藷

となり、アンペアターソの法則から求めた増幅度と一致 する。  (最小出力電流ILmin)  電源電圧の値をリアクトルの飽和電圧より低いとする と最小出力点では2ケのリアクトルは共にゲートせず、 半サイクル間不飽和の状態にある。したがって各リアク トルの磁化力については次式が成立する。

鴛㌶‖こ麗二亡㍑‡{㌶}(26)

また、E,。ニEg。であるから、 (26)式を解くと    Ic’min=一βILmin       (27)       もただし、1c’min,1Lm」nは最小出力点の制御電流および 出力電流である。   (22)式を(73)式に入れて、最小出力点の出力電流 ILminを求めると次式となる。 ・・min−

P+(是72砂〔蒜+・・〕 (28)

消弧角θeをπとすると、Va・は電源電圧平均値Vaに等し く、 ・・m・n− i1+t’/2Re)〔嘉+・・〕≒£it’+lo(29) となる。したがつて、最小出力電流は帰還率に無関係に 一定でリア・・ルの交流励磁電流(2芸+・・)にほぼ等 しい。一方最小出力点の制御電流は(27)式で表わされ るから、帰還率に比例して変化し、帰還率が大きくなる にっれ負の値を増し、100%帰還(β=1)では最小出力 点の制御アンペアターソN・ lcの値は交流励磁電流のア ンペアターンATL rLminに等しくなる。  (リセット電圧Er)  (22)式により明らかなように、リセヅト電圧(した がつてリセット磁束量)は制御電流を増加するにつれ減 少する。最小出力点においてはリセット電圧は最大で、 この値E・mαxは(22)式に(27)(28)式の関係を代入す れば求められる。         1       〔Vao− lo RLt〕     (31)  Ermax=      1−1−(RL’/2Re)  制御電流を増加せしめるとリセヅト電圧は順次減少し ある制御電流の時、リセット電圧は零となる。このとき の制御電流の値1,’mαxは(22)式を零とおいて求めるこ とができる。    ・・’m・x−(レβ)一語一・・ (32)  (最大出力電流ILmαx)  リセット電圧が零、すなわちリセット磁束量が零の時 はリアクトルの一方は半サイクルの間常に飽和の状態に あり、この状態が比例制御範囲の限界である。比例制御 範囲の最大出力電流ILmaxは(32)式を(23)式に代入

(6)

昭和34年10月

山梨大学工学部研究報告

第10号

することによつて得られる。        Va。    1Lmax=        RL’ したがって    Ic’max=  (1一β) 1Lmαx ’ lo となる。消弧角をθ・とすれば

   后÷㌔㌃一呼

(24) (25) (26)  θeがπならばVa・は交流電圧の平均値九に等しく、 比例制御範囲の最大出力電流1Lmaxは飽和出力電流 1LS・・ Va/Rピに等しくなる。消弧角θeがπより大になる と、Va・<Va,となり比例領域の最大出力電流ILmaxは飽 和電流値ILSより小となる。一般に自由磁化の場合には 制御電圧が小さい為消弧角はπと見なし得るが、拘束磁 化に近くなると消弧角はπから異なつた値となり、比例 領域の巾は減少する。このように最大出力電流の値は消 弧角の値によつて変化するが、帰還率には無関係に一定 であるのに対し、最大出力点に対する制御電流1’cmaxは (34)式から明らかなように帰還率が大になるにつれて 減少し、100%帰還にては制御アソペアターソは一NLI・ すなわち直流保磁力に相当する励磁アンペアターンとな る。第6図は直列形外部帰還回路の制御特性を示したも ので、帰還率により最小出力点、最大出力点が定まり、 また増巾度も決定される。 工cmin IL ILIVUD( Fig.6 C ontrol characteristics    of external feedback circuits Fig.7 E xternal feedback circuit of   parallel conneted saturable reactor

鴛:瓢こぽ:;}

(36) (37)  いま任意の第半nサイクルにおいて、リアクトル1が ゲート、リアクトル2がリセットの状態にあるとし(36) (37)式を平均値の形に書き直すと次の基礎方程式が得ら れる。    Va(n) ・= Eσ(n)十rl1(n)十RLIj(n)十Ef(n)    Va(n)== Er(n)十rl2(n)十R碕(n)十局ω    Ef(n)=:β〔Eg(n)−E,’(n)〕+Rflコてn)      (38)    Vc ’(n)= Eg(n)一” Ertn)十Rc’Ie’(n)    12(n)一β1ン(n)−lc’(n)=∫ε2’(n)+10 上式に、1L(n)=みπ)=11(n)十12(n)     1θ2(n)==E?てn)/1∼¢ の条件を入れて解くと、、リセット電圧、入出力電流の一 般解が得られ、直列形外部帰還回路の場合と同じく一次 の線形差分方程式で表わされる。       M ここで、 k=(1十1∼c/2r)Rl㌃一〔(1/2)2 一β2〕R♂ (39)

5・並列形外部帰還回路の解析

5・1並列形外部帰還回路の一般式  第7図に示した並列形外部帰還回路においては次の回 路方程式が成立する。     (1十」Rc/Re十Rc/2r)RLt十(1/2一β)z1∼♂ ・・一〔(−S一β)+影1〕R・’ ζ2 ただし、RL” =(RL十Rf)十r/2   Al・=(1/2一β)1∼♂/z2, B・一(1+llill+9:)/・・ A2== RLt/92’ B・一(   Rc’ P十    2r)/・・

(7)

磁気増市器回蕗め解析

C・一(÷一β)・/… C・一(一と+β)/・・ b)・’・・B・’・==(丁一一β)/・・ C1’一(一1−一β)・+(÷+k)RLt c・t−〔(÷)・一β・〕一夢  5.2定常状態の特性 4・2節と同様の方法で定常状態の特性を求めると、次 のようになる。 E・= i   RL’@1−2−一β)+芸〔(÷一β)是      一幕一L〕 1・・=

i÷一;)+玄〔畏 (4・)

     +罐゜+・・〕   1’c。=壺=」巳         Rc’      Rc’  (増巾度Ai) A・=

Vfi)+誓莞  (41)

 (最小出力電流)

・一一

P+2(』ピ/Re)〔砦+・・〕

     ≒2〔k’°+・・〕  }(42)

  1’cmin=一βILmin 直列形外部帰還回路の場合と同様に、最小出力電流は帰 還率に無関係に一定であるが最小出力点の制御電流は帰 還率βに比例し、βが大になるにつれて負の領域の方に変 化する。  (最大出力電流)  リセット電圧Ero=Oの条件から、比例制御範囲の最 小出力電流、および制御電流を求めると

  ・・…一撫

  ・”cmax−(÷一β)嘉山  (43)

      一  (1一β) ILmαx 一 lo  最大出力点の制御電流は帰還率が大になるにつれて減 少し、100%帰還(β=%)のときは、制御アソペアター ソex− NLIoとなる。 6.自己帰還形増巾器の解析(ダプラー形回路) 6・1自己帰還形増巾器の一般解 R×        Rx Fig・8 Self−Saturation circuit          (Doubler circuit)    Rx;back leakage registance      of metalic rectifier  第8図のダブラー自己帰還形回路において、帰還用整 流器の逆方向抵抗をR−、正方向抵抗を零として回路方程 式を求めると次式が成立する。   Va==・e1十ril→−RLiL   Wa=e2 +(r+Rx)i・+RLiL   wc’=・e1− e2十R’cゴ〆       (44)   AT1=N.(ii十‘♂)   ATz=N,(i2−ic’)  前と同様に任意の第n半サイクルにおいて、リタクト ル1がゲート、リァクトル2がリセットの状態にあるとし (44)式を平均値の形に直すと次の基本方程式がえられ る。

露三隷麗薪ご}㈹

またリセヅト状態にあるリアクトル2の磁化力から   1,(。)−1,(。)=τ、2(。)+1。=Er(・)/Re+1・ ㈹ また負荷電流は次式で表わされる。   ll(n)十1,(n)==11L(n)       (47) (45)式に(46)(47)式の関係を入れて解くと・リセッ ト電圧、入出力電流の一一re式が求められる。   E噺)一ん・Ert。一・)=A・Va(・+1)−A・Vc’(・)        一一一A2Rc’1。   1L(n+1)−k・1L(n)=〔Bi Va(n+1)−B2 Va(の〕       +〔C・γ♂(n+1)+C・V・’(n)〕(48)       十(Ci十C2)Rc’lo   lc(n+1)−k・∫c(n) =〔Bl’「Va(n+1)−B2’「Va(n)〕       十〔C1’ V,’(n+1)十C2’γ』’(n)

(8)

昭和34年10月

山梨大学工学部研究報告

第10号

ここで

     (1+2轟把一鵠鵠ユ’

   k=     (1+坐+R♂ Rc 2r十Rx)R・’+(2,‡R旙&’      ・・一〔2−r+Ri+誓〕R・’        23   ただし・ R・” ・RL+−tWh(’++R.’.)       r    A・=2,+Rノζ3・A・==Rガ/4・    B・一(1+芸+22−;+lllSXCRx/…−B・一(1+2蕊/・・    c・−2−r+R./・… 一亮纂/・・    Bl ・= B2’ 一= 「        /£3、         2r十Rx    c↓’一(2壽・+(言一+2。÷R∂Rピ    c2=ノ(±麹__ RL’        2r十Rx      (2r→−Rx)2   6・2定常状態の特性   基本回路方程式(48)から定常状態の特性を求めると 次の結果が得られる

   脇=隠髪〔議’芸一漂一’・

   伝=霊芸〔畏+票醐 4cg

   I,。’=旦色       Rc’   (増巾度)        l    Nc    Ai=

     2。‡Rノ発’万

(最小出力電流) 2 〔Vαo    十1。Re〕 7.過渡状態の特性 ILmin= 1’cmin= 一(一

1十2Rピ

  万

  R−/2 (最大出力電流)    )ILmin 2r十Rx (50)  リセット電圧E.=0の条件から、比例制御範囲の最 大出力電流1魏αエおよび最大出力点の制御電流1’,m。xを 求めると次式となる。

  』一霊

  ・・一一吉厄・籍一・・  (51)

        r       =    ILmax 一 lo        2r十Rx 7・1差分方程式の解法  いままでに述べた回路解析からも明らかなように、各 種磁気増巾器回路の動作方程式はすべて(52)式で示す ような一次の線形差分方程式で統一的に表わされる。   」γ(n+1)一 ・kPt(n)=K(n)       (52) ここで、差分方程式の係数kは回路の形式できまり、右 辺のK(n)は対象とする量、例えばリセット電圧、入出力 電流等によつてそれぞれ異なった値をとる。 (52)式で 表わされる差分方程式の解は、微分方程式を解く場合と 同じ様に、右辺を零とおいた同次差分方程式の一・般解 21(n)と右辺のK(n)によつてきまる特解γ2(。)との和で表わ される。ここで特解ッ2(n)は先に求めた定常状態の特性 であり、一般解ハ(n)はc・knで表わされるから、(52)式 の差分方程式の解は、   ノ(n)=ノ2(n)十c・kn      (53) の形で表わされる。ただし、ツ2(n)は定常状態の解であ る。 (53)式でlkl<1であれば右辺第2項は半サイクル 数nが大になるにつれ減衰しn→。。では零になる。  すなわち差分方程式の一般解knは微分方程式の一般   _⊥ 解、eTと同様に過渡項を表わしている。したがつて磁 気増巾器の過渡状態の特性は、過渡項knによつて決定 されると考えることができる。  L−R回路のような線形回路においては、過渡状態の 特性を時定数丁によつて表わしている。 (53)式におい     _⊥ て、k=eTとおくと、差分方程式の過渡減衰項knは、    _亘L kn=eTと書きかえられ、応答時間Tを求めることが できる。   T==−1/lnle      (54) ここで k;1−(1−k)とおき、展開式   ln(1−x)一一・+÷一÷+…・・…・ の第2項以下を無視すると、応答時間丁は次の近似式で 表わされる。   T≒1/(1−k)       (55) また(52)式の差分方程式を書きかえて微分方程式に近 似せしめると、次式に書きかえられる。(3)

嘉+(1−k)y−K(・・   (56)

(56)式の微分方程式の時定数は明らかにT;1/(1−k) で先に求めた応答時間の近似解(55)式と一一致する。第 9図は(44)式から求めた応答時間と、近似式(55)か

(9)

磁気増巾器回蕗め解析

100 50 to 0      0.2      04      0.6     08        −一→£  Fig.9 C urves of response time T ら求めた応答時間の比較を示したもので、応答時間が半 サイクル数で表わして数半サイクル以上の時は(54)式 と(55)式とはほぼ一致する。  7・2磁気増巾器の応答時間  (52)式で表される一次差分方程式の応答時間は   T≒1/(1−−k)      (55) で表わされるから、磁気増巾器の応答時間は差分方程式 の係数kを(55)式に代入すれば簡単に求めることがで きる。前節までに述べた解析の結果を用いて各回路形式 にっいて応答時間を求めると次の結果が得られる。   (1)直列形外部帰還回路   アー÷π=晶呈ピ/2万〔嘉+k+(’itP)e〕    −Af・RLt〔是+k+(i−iiiiit)2〕鑑 (・7)   (2)並列形外部帰還回路

  T−(%一β)輪疏〔か蕊+(穿)2

   一輌’〔是,+歳+え+篭ξ)2〕普

      (58)   (3)ダブラー形自己帰還形回路

  丁一  RLt  〔是+昆

       是’

 8・各種回路形式の比較

 いままでに求めた解析の結果から、各種増巾器回路の 特性の比較を行い、各種回路の間の類似点および特長を しらべてみる。  8・1増巾度Ai  まず最初に増巾度の比較を行つてみる。先に求めた解 析の結果を列挙すると次の通りである。 (1)直列形外部帰還回路

  A・一〔(1一β)+曇ゴ梁, (6・)

     RL’=・RL十Rf十2r (2)並列形外部帰還回路 A・ ==2・〔(1−・2β)+㍍〕機, (61)      RLt−RL+Rf+ f (3)ダブラー形自己帰還回路 A・==2・〔2−r+RI+嘉〕−1是, (62)

     RLt−RL+夕舞爵

ダブラー形自己帰還回路において   1−2P・ff−2,転またa* P・ff−2三趨。(63) とおくと増巾度Aiは次のように書きかえられる。 A・一・

・・〔(1−2β)+轟ゴ’ (62)’

(60)、(61)、(62)’を比較してみると、いずれの回路で も増巾度を決定する主要部分は括弧の中の項で、これは 次の2項よりなつている。まず第1項は帰還率βによつ てきまる項で、並列形回路では帰還電流が出力巻線電流 の2倍であるため有効帰還率が2βになる点に留意すれば ヤ r Rf  (r/2r十Ri)−F(R1㌃/Re) +2。毒+(  r22プ十Rx)、一

一輌’〔☆』』R、

+(2。毒),・是〕莞 T    RL  ∼ γ Rx (59)   くa)      ‘b)      {(’) Fig.10 Lood cirduit resistance     (a) External feedヒack circuit        (3eries type)     (b)Extemal feedback circuit       (parallel type)     (c) self・saturation circuit       (doubler type)

(10)

昭和34年10月

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第10号

 (60)、(61)式の第1項は(100%帰還率一有効帰還率) の形で表わすことができる。ダブラー形自己帰還回路に おいて、有効帰還率を(63)式で表わすものとすると同 様に(62)式の括弧の中の第1項は (100%帰還率一有効 帰還率)の形になる。次に第2項は直列形ではR’五/2Re, 並列形およびダブラー形ではR’L/(Re/2)である。  各回路において交流電源Vaからみた出力回路は第10図 a・ b,cで表わされるので各回路の合成出力回路抵抗Rαは 次のようになる。直列形ではRL, Rf, rがすべて直列に 接続されているので   Rα =」RL」−R.f−F2r 並列形では出力巻線が電源に並列に入つているので   Rα ニRL−十一Rf一ト (r/2) ダプラー形では一方の出力巻線回路は巻線抵抗rで他方 の出力巻線回路はくr+Rx)であるから、合成抵抗は   R・・RL+〔÷+。』R。ゴ1−R・+夕∼舞慧 また電源からみた鉄心の合成イソピーダンスaは直列 形では2ヶの鉄心が直列に接続されており、並列形回路 およびダブラー形自己帰還回路では2ケの鉄心が並列に 入つているため、  直列形では       a=2Re  並列形およびダグラー形自己帰還回路ではCi;Re/2 したがつて、第2項は次の形に統一される。 (合成出力回路抵抗Rα/合成鉄心イソピーダンスZi ) さらに、並列形および自己帰還形では出力電流1Lが2ヶ の出力巻線電流の和になることを考慮に入れると各種増 巾器回路の増巾度を次のように統一的に表現することが できる。 A・・ ・・〔(1−・)+争一1是  (64)   Ai =K・Ai’      (65) ここで  λガ:出力巻線回路の電流増巾度、Ai:増巾器の電流  増巾度、α:有効帰還率で直列形はβ,並列形・自己帰  還形では2β,Kl:直列形では1,並列形、自己帰還形  では2,Ra:合成出力回路抵抗   直列形:Ra−RL+Rf+2r,   並列形:Rα=RL十Rf十(r/2)   ダブラー形.Rα=RL十r(r十Rx)/(2r十Rx) Zi=合成鉄心イソピーダソス   直列形 Zi= 2Re,並列形・自己帰還形4i=Re/2 8.2応答時間 T 先に求めた解析の結果を列挙すると次の通りである。 (1)直列形外部帰還回路 丁一丁疏Rガ〔晶+☆+(!iil.24)!〕砦(66) (2)並列形外部帰還回路

  T−A・・R’L〔是+k+え+(㌶2〕晋(67)

(3)ダブラー形自己帰還形回路

  T−A・・RL’〔是㌔い誹最

        +2。鞍誌〕莞 (68)

 増巾度の場合と同じく、β,ff=(Rx/2)/(2r十1∼めを 用いて(68)式を書きかえると T−Ai RL’〔是+十+,一一..i

        +旦当誓〕莞 (69)

各回路の応答時間の式を比較してみると、いずれも次の 2項の項よりなつている。 第1項は電流増巾度Aiと合成負荷抵抗R’Lの積で、  直列形では(1/2)Az・RL’(∧rL/N,)  並列形およびダブラー形自己帰還回路では        Ai・.RL’(NL/Nc) 制御回路からみると、並列形およびダブラー形自己帰還 回路では出力巻線が並列に入るため、直列形回路に比し 巻線比が(1/2)になったことになり、 制御回路からみ た負荷回路の合成抵抗は22 RL t tzcなる。また出力巻線回 路の増巾度Ai’は負荷回路の増巾度の(1/2)であるから 各種回路の応答時間の第一項は次の形で統一できる。

  ÷在R川莞)

ここでAεは出力巻線回路の増巾度、また1∼L♂は制御回路 からみた負荷回路の合成抵抗で、  直列形では、RL♂=Rピ  並列形およびダブラー形自己帰還回路では、       RL♂=4Rガ、である。  次に第2項は 直列形では、 並列形では、

嘉+毒+一㌻i芦

是+−Rlg+女(1元i誤

 ダブラー形自己帰還回路では、      是+☆+2毒+(1−2β・ff 4Rガ)a 各回路とも、応答時間の第2項は制御回路、渦電流回路 出力巻線回路、出力回路等リアクトルを通して結合され ている諸回路の抵抗の逆数の和で表わされている。直列 形回路ではリアクトルを通して結合されている回路は制 御回路・渦電流回路・負荷回路の3っであるが、並列形 回路では2ケの出力巻線を通し閉回路がつくられるため (第11図a)、この閉回路による項(1/2r)が別に第2項に

(11)

磁気増巾器回路の解析

 ,⇔、 一● 磨h・“一一  、, (α)      (b) F ig’11 Closed circuit of output winding     (a)External feedback circuit     (b) Self−saturation circuit         (Doubler type) 入つてくることになる。また漏洩抵抗を考慮に入れたダ ブラー形自己帰還回路では出力巻線を通してつくられる 閉回路の抵抗は(2r十R∋となるため(第11図b)この 項は〔1/(2r十Rx)〕の形になる。また各回路とも負荷 回路は帰還巻線を加えることにより結合率が(1−一β)ま たは(1−一 2β)に低下したことになり、同一巻線比に換 算した合成負荷抵抗は

直綱場飾〔子蕎,∴(1譜

蜘翻場合は〔(齢ゴ1−一㍑謬

となる。以上のように考えると答応時間を表わす式の第 2項はリアクトルを通して結合されている諸回路の合成 コソダクタソスとみなすことができる。本論文では解析 を省略したが、バイアス回路等多種類の制御巻線回路が 存在する場合には応答時間の第2項に1/Rb’等附加され た制御抵抗の逆数が加えられる。かくして各種の回路形 式を通じて応答時聞は次の形で統一して表わすことがで きる。   T−÷莞メ・’R’Lc・・十 または アー一p畏斑・÷/(  1R’Lc)〕 (70) (70) すなわち、磁気増巾器の応答時間の一般式は、出力巻線 回路の電流増巾度Aitと、リアクトルによつて結合され ている諸回路の合成コソダクタソスΣ(1/R)と制御回路 からみた負荷回路のコソダクタソス(1/R’Lc)の比との 積で表わされる。 8・3その他の諸特性  ダブラー形回路において(63)式により実効帰還率β・ff を表わすものとすると、比例制御範囲の最小出力点、最 大出力点、全巾信号入力およびリセット電圧等はすべて 同一一の形で表わされる。

 (1)最小出力点

 比例制御範囲の最小出力点における入出力電流値、 ILmin,1’Cminの間にはすべての回路について次の関係が 成立する。   1’emin ==一 BILmin また、最小出力電流ILminは  直列形では、 ・Lm・n−P+(nt・/2爾〔2篭+r・〕 並列形およびダブラー形では ・一「+〔R。1/晒〔票+・・〕  または書き直して ・・ 「+〔詰/(Re/2)〕〔蒜+2L〕 (71) (72) (73) (74)  電源からみた鉄心の合成渦電流抵抗が直列形では2Re 並列形では(Re/2)、また直流ヒステリシスの巾に相当 する励磁電流分が直列形では1・、並列形では21・になる 点が異なるのみでILminとしては全く同一のものとみな すことができる。

(2)最大出力点

 最大出力点における出力電流は、すべての回路におい てILmαx ・ Vα/Rピで表わされ入力電流の間には次の関 係が成立する。  直列形では   1’cmαx =(1一β)ILmαエーlo,      (75)  並列形およびダブラー形回路では   τ…一(丁一β)…nam 一 lo  (76) 並列形およびダブラー形では100%帰還率が(%)であ る点に注目すれば、最大出力点の入出力電流の関係は次 の形で統一できる。   1’Cmαx ==(βloo一β)ILmαx 一 lo       (77) ただし、β}oo:100%帰還率 (3)リセット電圧  各回路のリセット電圧の式を電流増巾reAiを用いて書 きかえると次のようになる。  直列形では、 E陀一

O蝸’〔(1一β)莞藷一L〕(78)

 並列形およびダプラー形回路では

  Em−÷繊’〔(1−2β〕㍑

     一2一篭一一2L〕  (79)

直列形に比べて、並列形およびダブラー形回路では、制 御電圧による項(VT・”/R♂)および直流ヒステリシステ スに相当する励磁電流1。の項が21剖こなる点を除けば、

(12)

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第 10号

リセット電圧の式は全く同一の形で表わされることにな る。 8・4回路形式の特長  以上の解析結果から明らかなように、各種増巾器回路 の特性は回路形式に無関係に同一の形の特性式によつて 表現できる。しかし式そのものの形は同一でも回路形式 特有の性質が式中に含まれている。ここでは回路形式の 特長について考察を加えてみる。  (直列形回路と並列形回路の比較)  直列形回路と並列形回路の最も主要な相違点は、  (1)有効帰還率が並列形では2βになること、(2)直列 形回路ではリアクトルにより結合される回路は制御回路 渦電流回路、負荷回路の3っであるが、並列形では出力 巻線回路が附加される。直列形では帰還率が高ければ応 答時間に対する負荷回路の影響はなくなり、渦電流抵抗 を無視すれぽ応答時間Tは制御回路抵抗Rcのみによつて 定まり、βcを大にすれば応答時間は小になる。しかし並 列形回路では出力巻線回路の項(1/2r)が入るため、 (1/2〔)<(1/Rc’)ならば応答時間はRcを大にするほ ど小さくなるが、 (1/2r)が(1/R。’)に比し無視でき なくなると応答時間は(1/2r)によつて決定され、 Rcを 大にしても応答時間はある程度以上小さくはならない。   (並列形回路とダブラー形回路の比較)  ダブラー形回路で実効帰還率を(63)式で表わすと、 並列形回路と同一形式で表わされる。したがつてダブラ ー形回路は整流器の逆方向抵抗Rxがきわめて大きいこ とを利用して帰還率を高めている回路と考えることがで きる。β・加ま(63)式から出力巻線回路の抵抗rとRxの 比で定まるから、負荷抵抗がもし出力巻線に直列に入る と、実効帰還率は

  β口(。漂+Ri

となり帰還率は低下する。並列形回路では増巾度は負荷 抵抗の入れ方により変化しないが、ダブラー形回路では 負荷抵抗の入れ方により実効帰還率が変化して制御特性 が変化するのでこの点が大きな相違点である。第2の相 違点は応答時間である。前項で述べたように、出力巻線 回路抵抗は並列形では2rであるが、ダブラー形回路では 金属整流器が入るため(2r十Rx)となる。 したがって 応答時間に対する影響は1/(2r十R−)となり、 整流器漏 洩抵抗Rxが大であるとこの項は1/R♂に比し無視する ことができ、直列形の場合と同様にRcを大きくするこ とにより応答時間τを(1/2r)に関係なく小さくするこ とができる。並列形回路では応答時間は出力巻線回路抵 抗により制限をうけ、rが小さいときは応答時間が長く なるが、ダブラー形回路ではRーを大にし、実効帰還率 を上げるにつれ(1/2r十Rr)の項の影響は小となり応 答特性は改善される。云いかえれば同一の増巾度に対し ては応答特性はダブラー形回路の方が遙かに勝れており この点が自己帰還形回路の大きな特色と云うことができ る。

9.各種自己帰還形回路の解析

 次に自己帰還形回路として実用に用いられている3種 の回路、ダプラー形・全波ブリッジ形・中間タヅプダブ ラー形回路について比較検討する。 9・1全波プリツジ形回路の解析 第12図の回路について次の回路方程式が成立する。  Va=el+(’1+i2)ア。+ゴ、ア1+(il 一一 iL).翫2  Va・= e2+(‘・+i2)7。+(i2+iL)r,+ i2(n+Rx:) iL RL=:(i・−iL)Rx・一(i・+iL)rr   (80)  Vc=−el十θ2十ゴ2’R♂  ATi=N(il− ic 「)  メT2=1V(i2+ic’)  第12図においてリアクトル1がゲート、リアクトル2 がリセットの状態にあるとし、 (80)式を平均値の形に 直すと次式が得られる。 V。(n)=Eσ(。)+ζ・・la(n)−a・・1・ω Vα(n)=E晦)十93・Ia(n)十z4・1,(n) γc’(n)=E取)−Eσ(n)十Rc’・Ic@) 12(n)十1♂(の=Z。十E・(n)/Re ただし Ia(n)=ll(n)十12(n) ・・−r・+・・+濃譜莞      Rx2・rγ z3=・ro十     RL+1?x2+rr z4=rl+&1+ } (81)

・2−r・+諜農再

       R.〆 RL十R−2十rr  いまここで電源からみた回路の全抵抗をRαとすると、 第!3図から次式が得られる。 R6  1:1 Rxl Fig.12 Self−saturation circuit     (Full wave bridge type) RL 1L

(13)

磁気増巾器回路の解析

γL Fig・13 total circuit     resistance of Fig12.

RL

    之1ξ4十(2ζ3        (82)  1∼α=      ζz’十ζ4 また実効帰還率β・ffを次式により定義する。      極・一篶讐籔と 、、一,、

2β 

゚…鵠露=。+・4(83)

÷一β切㌃鴛苛篇  (84)

÷梅一。、錐,、   (85)

(82)式から(85)式の関係を用い、 (81)式を解いて リセット電圧E,(のに関する一般式を求めると、次式とな る。  Er4n)−k・E,(n_1)=Kr(n)       (86)  ただし k−〔      Rc’i1十    z2十£4)R・一{(÷)2 一一 P2ef」}Rc’〕/・・ ・・一(1+苦㌻)R・+(÷一励)“’ R・’ κ…一〔(−1−一一P・ff) R・’・v・・n・     +1∼。{Vc(n)−R,’1。}〕/z5  次に電源を流れる電流la(n)は(81)式から次式で表わ される。 R・・…)−v・…一(÷一β・∬)E・…      一(丁+P・ff) E・(n−・)  (87) したがって、Ia(n)の一般式は次式となる。  R。〔la(刷)一え・la(。)〕=vα(n+・)一一一 k v。(n)   一(1−−B・ff)kr・n+1)一(丁+P・ff)瓦ω       (88)  また負荷電流IL(のは次式で表わされる。

1⑭一

ヨ讐、+r7〔Ia…一(1+魚、12…〕(88)  一方1,(η)は 硫・・一(÷一一β・ff)γ・・の一、、9ヂ⑰

     +詳云E・・n−1)   (89)

したがつてIL(n)の一般式は次式となる。 R・〔IL(n+1)一ん・互…〕一・・〔{L・・(÷一β・∬)}   {v・…+・)一ぽ・の}イ(−S−一βeff)   昔1、、}K…+・)一{(÷+β・ff)+捻♪瓦…       (90) ただしγ1=R.Xii/(.R−2十RL十プ7)・γ2=1十伝/・Rx2) (定常状態の特性) (86)・(88)・(90)式から定常状態のE,・,Ia・t IL・を求 めると次式となる。 E・・一

瘉黶i≠鋤+莞〔(÷一β躍

   +碧一L〕    (91)

…一

K霊㌦一ci,㌫)+£e〔要

一雲二+・・〕

        2RαRα(1−k)

   一・・〔レ・・(1一β・ガ)〕・a・ 増巾度:(92)・(93)式から次式が得られる。 輪一

オ一←己)+是’藷

       γ1〔1−・・(丁一一β・ガ)〕Nc 互。一γ、〔1一γ2(k一βθソア)〕〔ヱZ・一」L〕 (92) (93) (94)

⇒=(÷一㈲+妥NL(95)

(応答時間τ) 差分方程式の係数kから応答時間を求めると次式とな るo

T=占=(÷一篇+畏〔毒+言

   +誌計(÷一勘 Rα)∵繊・〔去

      1   1    1     (sT一β・ff)2       〕   (96)   +−RE+z、 +之4+  R、 9・2中間タツプダブラー回路の解析 次に第14図の回路について解析する。図において次の 、

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昭和34年10月

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第 10号

Rと 1 ヘノVa          Rx Fig.14 Self・saturation circu三t     (Center−tap Doubler type) Fig.15 total load『}esistance of F ig 14 Va 回路方程式が成立する。   Va= e1十ilr十iLRL   vα・= e2十i.’(r十R−)一一一一iLRL   Vc=一一e1十e2十ic’Rc’   AT, ・= N(i1−ic’)   .A乃=N(i2十ic’)  いま負荷側からみた回路の全抵抗をRピとすると第15 図から         r(r+Rx)   RL’=RL十          2r十Rx また実効帰還率β・ガを次式で定義する。        R−   2β,ガ=       2r十Rx  第14図の回路において、 クトル2がリセットの状態にあるとし、 用いて(97)式を解くと、 次の一般式が得られる   Ertn)−k・Ert. n−1)= Krtn) ここで        R♂      1   k=〔(レ       2r十Rx     2 (98) (99) リアクトル1がゲート、リア       (98)・(99)式を リセット電圧Er(のについて (100) )1∼1㌃+{(一)2一βεLぴ〕}1∼c’〕/46 ・ (1+芸+2−fiRl)Rピ+(丁一β∬)・&’   Krtn・一〔(丁一β・ff)(1+…竺)R・’・Va・の      +RL’{v,’(n)−R,’1・}〕/z6  また出力電流1L(のの一般式は次式となる。   RL’〔IL(n+1)一一一k・IL(n)〕=・2βeff〔Va(n+1)一一一k・ Vα(n)〕    +(−1−一βeff) Krtn+・・一(一}+βqff)Kn・・(1・1) (定常状態の特性)  (100)・(101)式から定常状態におけるF,・、IL・を求め ると次式となる。       Rrf   E7v=

⇒(s,一βeff)(1+2三)+馴4)

(応答時間丁) 差分方程式の係数から応答時間アを求めると

T一占一輌’ti,ガ

。〔++古▲+毒竺2〕

      (105)     (丁一β・ガ)(1+竺)+−R.L[一   ・〔(S−P・ff)(1+孕)詰+蒜゜一・・〕       (102) ・L・・==・2β・・f〔Vao   K70 qL t  RL’ (1−k)〕   _     2β・ff   rT一β・ff)(  2RLl十)+一誓          ・〔Yag__γ亙旦+1。Re  Rc’〕 増幅度:(103)式から増幅度を求めると

      _    2β,ff    玉

 9.3回路形式間の比較  以上の解析の結果3種の自己帰還形回路の特性はすべ て類似の形式の差分方程式によつて表示され、増幅度、 応答時間は次式によつて統一的に表示される。         δi   Ai=      (S−一一P・ff)δ汁誓  (1・6) 1’、== S3AiRL ’〔贔÷(譜)2)        (107)  上式において、βeffは実効帰還率、 RL’は電源からみ た全回路抵抗、xxは制御回路と結合された出力巻線回 路(第11図、第13図)の全抵抗で、各回路形式により第 1表の値をとる。またδ1、δ2、δ3は各回路形式によりき まる定数で第2表の値をとる。 次1こ各回路形式の特長について2、3述べておく。

(15)

磁気増巾器回路の解析

第1表

回路形式

ダブラー形 全   波 ブリッジ形 中間タップ ダブラー形 β・方

 Rx

2r十Rx

X4一ζ2 z2十z4

Rx

2r十Rx

Rピ

R叶舞謬

z1乞4十z223 z2十24 RL+プ

えー 1

2r十Rx

1 z2十z4 1 2r十Rκ ただし m==ro十η十 (RL十rr)』Rn z2=ft十  RL十R−2十rr Rx Rx2 23=ro十

RL十RD十万

 R−2rr z4=rl十RXI十 RL十R−2十rr

    RLr7

RL十R−2十r7

第2表

回路形式

ダブラー形 全   波 ブリツジ形 中   間

タツプ形

δ1 1    1 h〔1一 γ・z(%1βeノァ)〕 2βeff δ2 1 1 1 1−F(21∼L/r) δ3 1 1 1 (2β,ヵ)−1 備考 Aiα ALa  (1)全波ブリッジ形回路  負荷用整流器の逆方向抵抗R−2は、   R−2》rr、 Rx2》RL であるから実効帰還率βeffは 次式のように書きかえられる。

2βに2藷景釜L   (1・8)

 すなわち、実効帰還率は帰還用整流器の逆方向抵抗 R−1できまり、負荷用整流器の逆方向抵抗R−2は帰還率 には殆んど関係がない。  電源電流Lに対する電流増幅度はダブラー形回路と同 一一一一・ナあるが負荷電流に対してはδ1倍となる。   δ・一・・〔レγ・(÷醐〕     ≒(÷+B・ff) (蕊蓋+r,)(1。9) であるから、負荷用整流器の逆方向抵抗はこの項のみに 影響し、帰還用整流器に比べ逆方向抵抗がかなり低くて も実用上差支えない。 (2)中間タツプダブラー形回路  ダブラー形全波ブリッジ形回路では実効帰還率を0、  (すなわち帰還用整流器を短絡)とすると電流増幅度は 並列形可飽和リアクトル回路の増幅度となる。これに対 し中間タップダブラー形ではβ艀を0にすると電流増幅 度Aiは0になり、並列形回路の増幅度に一致しない。し たがって中間タップダプラー回路の自己帰還作用は並列 形回路の外部帰還作用とは全く同一には論じられない。 これは負荷回路を流れる電流がダブラー形、並列形外部 帰還回路では出力巻線電流i1とi2の和となるのに対して 中間タップダプラー形ではiiとi2の差になることに原因 する。  リセット側の出力巻線回路に加わる電圧は  ダブラー形では第8図から  ”α一ゴ訳L=e2+ゴ2(r+瓦n)     (110)  中間タップダブラー形では第14図から  vα+iL1∼L=θ2+i2(r+R−1)     (111) すなわち、ダブラー回路ではVaとiLRLの差がリセット 側の回路に加わるに対し、中間タップダブラー形では両 者の和が加わり、整流器の逆方向電流が増加し増巾度は 減少する。  中間タップダブラー形の電流増巾度を書きかえると       2βeff       Nc   Ai==      (−1− 一 Beff)(1+≡)+罐こ’NL     _  (Nc/N■)2βeff  一   1 (Nc/NL)

     ㌶D㌍餐’(丁一β’)+筈

      (112)  ダブラー形回路の増幅度の式と比較すると、見掛け上 の帰還率β’は

  2β’寺講互    (113)

となり、ダプラー形よりも帰還率は減少する。Rxが。。な らば両者の相違はなくなり、ダブラー形と中間タップダ ブラー形の差は負荷抵抗Rxによる相互作用によつて起 るものと云うことができる。 10.結 言  以上述べたことから、平均値を基にした回路方程式を 基にして磁気増幅器回路を解析すると、各種回路の特性 はいつれも類似の1次線形差分方程式で表わされ、増巾 度・応答時間等の諸特性も類似した数式によつて表わさ れる。特に自己帰還形回路において(63)式、(83)式、 (99)式で実効帰還率を定義すると、いままで明らかに されなかつた自己帰還形回路と外部帰還回路の関係を明 確に把握することができ、自己帰還形回路の制御特性、 応答特性の特長を明確に理解することができる。しかし 本論文において述べたのは入力が直流入力で、抵抗負荷

(16)

昭和34年10月

山梨大学工学部研究報告

第 10号

かつ転流現象の存在しない場合の特性であつて、交流制 御の場合とか、誘導負荷の場合、更には転流現象の存在 する場合等の回路特性については別に稿をあらためて論 ずることにする。

参考 文 献

(1)On the Mechanics of Magnetic Amplifier   Operation, R.A.Ramey,         T.A.1.EE. Vol70, Pt L1951・ (2)Analysis of Magnetic Amplifiers by   Difference Equations, P・R・Johanessen・         T.A.1.E.E. Vo173 pd,1954 (3)宮沢・穴山:磁気増幅器入門

参照

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