JAIST Repository: 水溶性 Zn(II)-phthalocyanine を用いた Photodynamic Therapy の免疫抑制への応用
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(2) 水溶性 Zn(II)-phthalocyanine を用いた Photodynamic Therapy の免疫抑制への応用 浅野 功. (西坂研究室). 【諸言】 免疫は、非自己から自己を守るために生物が獲得した巧妙な防衛機構である。しかしな がら、この免疫機構の完全さは、臓器移植における拒絶反応、誤った非自己の認識は自己 免疫疾患の原因ともなる。これらの疾患に対して免疫抑制剤投与や放射線照射により治療 が行なわれているが、健常な臓器に対する副作用が大きいく問題点も多く存在する。 本研究は、Photodynamic Therapy ( PDT ) を用いて免疫機能を低下させることを目的と する。PDT は、新規なガン治療法の一つであり、光と光増感剤の相互作用により腫瘍組 織を酸化破壊する。PDT の利点は、腫瘍組織に対する高い選択性と副作用が軽いことに ある。この PDT により免疫機能の低下を誘導することが可能であれば、拒絶反応よ自己 免疫疾患に対し従来よりも安全な治療法になり得ると考えられる。. 【方法】 Sprague-Dawley. 種ラットより脾臓を摘出し、定法に従いリンパ球を採取した。リンパ 球 ( 5 × 10 cells/ml ) に対して次世代の光増感として考えられている水溶性 Zn(II)phthalocyanine ( ZnPc ) を終濃度 5 mg/l になるように添加した。1 時間後生理食塩水 により 2 度洗浄後、Krypton ion laser ( 676.4 nm ) をエネルギー密度 20 および 100 mW/cm2 にて照射した。PDT 処理後の生存率率は、formzan/tetrazolium ( MTT ) assay により測定した。また、免疫学的刺激に対するリンパ球の DNA および RNA 含量の変化 を Acridine Orange ( AO ) 染色を用い Flow Cytometry ( FCM ) により解析した。 6. 【結果および考察】 MTT assay. 結果において PDT 処理リンパ球の生存率は、レーザ光照射条件により極め て大きく変化した。照射エネルギー量決定の実験からリンパ球に与える傷害が低く、PDT の効果が得られるレーザ光照射条件の総照射密度 10∼15 J/cm2 を選択し実験を進めた。 AO 染色による FCM 解析より PDT は、リンパ球の増殖刺激に対する応答能に影響を 与えていることが理解できた。PDT 処理リンパ球は、増殖時において 細胞周期の S ま たは G2 期からの移行が阻害され増殖活性が低下したと考えられる。以上より、PDT は、 殺細胞効果のみではなく免疫抑制に対しても効果があることが明らかとなった。 keywords. PDT, 水溶性 Zn(II)-phthalocyanine, 免疫抑制. Copyright c 1999 by Tsuyoshi Asano.
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