• 検索結果がありません。

高齢者の日常生活に関する調査研究(2) -3世代における生活面・運動面を中心に-

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "高齢者の日常生活に関する調査研究(2) -3世代における生活面・運動面を中心に-"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

高齢者の日常生活に関する調査研究(2)

一3世代における生活面・運動面を中心に一

AResearch on the Life Style of the Aged

(2000年3月31日受理)

谷 本 満 江

Michie Tanimoto Key words:3世代,日常生活動作,ウォーキング

は じ め に

わが国の平均寿命が著しく延長し,「人生80年」のいま,初孫を持ち祖父母となる人たちの多くは, 元気で若々しい。仮に50代半ばで初孫を持ったとすれば,その孫とのつきあいが30年近くも続く。 わが国でも10年内外には,いわゆる「団塊の世代」の多くが孫を持つ時代となり,親から子へ, 子から孫へと人は世代をつないでゆく。仕事中心の子世代においては,たとえわが子の成長がどの ようなものであったか思いだせなくても,親世代になり,孫のしぐさによって子どもの成長を振り かえることができるであろう。 核家族化が進み,別居の場合も多いが,今回は学生の家族を中心にアンケート調査したため,ほ とんど同居の3世代(孫・子・親)の実態である。前回の調査と比較しながら検討を加えたのでこ こに報告する。

研究 方 法

研究対象は,1999年1月中旬に調査した,本学1年次の学生の家族,3世代595名を中心として いる。親の世代の比較対象として,1998年中国短期大学紀要第29号での研究対象81名を採用した。 調査内容は,前回と同じ内容のアンケート調査で,健康に関する実態調査とし,食生活・休養・運 動について計11項目である。

(2)

研究成 績

1.世代別・年齢区分別・性別,人数・平均年齢 表1は,世代別・年齢区分別・性別による人数・ 平均年齢を示したものである。 対象は学生の家族であり,学生が孫世代,学生の 親が子世代,学生の祖父母が親世代である。親世代 においては,比較対象として1998年の調査結果を採 用した。1999年調査人数・(平均年齢)においては, 孫世代男性98名(18.1才)・女性203名(18.2才), 子世代男性116名(48.4才)・女性125名(44.1才), 親世代男性20名(76.1才)・女性33名(71.1才),1998 年調査では親世代男性31名(75.4才)・女性50名 (74.1才)であった。親世代の女性では,1999年調 査の方が3才若くなっていた。 表1 世代別人数と平均年齢 2.生活面に関しての実態 表2は生活面に関しての世代別・項目別割合である。 健康に対しての関心は,3世代共に60%以上と高いが,特に子世代女性,1998年親世代女性が 96%と高かった。 趣味を持っているかどうかについては,男性において孫世代が71.4%,女性では1998年親世代 の82%が一番高かった。趣味の内容は,男性の孫・子世代でスポーツ関係において60∼70%を占 めていた。親世代は両年共に園芸が45%となっていた。また孫世代でゲームが約20%と室内での 趣味も増えてきている。女性においては,孫世代の音楽が約40%と高く,子世代の和楽・1999年 の親世代のガーデニングが35%と続いていたが,前回同様,女性は趣味内容が多種多様だった(図 1)。 睡眠時間においては,平均睡眠時間が,男性孫世代8時間48分・子世代7時間・親世代8時間 30分,女性孫世代7時間24分・子世代6時間30分・親世代7時間30分と女性の方が1時間ずつ少 なくなっていた。 食生活において気をつけていると答えたものは,男性孫世代49%・子世代63%・親世代(1999 表2 生活面に関する世代別・項目別割合(%) 調査年 世代 年齢区分 人 数 平均年齢 男 女 男 女 孫 ∼14 P5∼19 Q0∼24 Q5∼ 13 S6 R2 V 19 P57 Q3

@4

18.1 18.2 小 計 98 203 1999 子 ∼44 S5∼49 T0∼54 T5∼ 13 U0 R5 W 48 U3 P0 S 48.4 44.1 小 計 116 125 親 65∼69 V0∼74 V5∼79 W0∼ 3566 91392 76.1 71.1 小 計 20 33 合 計 234 361 1998 65∼69 V0∼74 V5∼79 W0∼ 5989 12 P5 P4 X 75.4 74.1 合 計 31 50 健康に対しての関心 趣 味 食生活に気をつける た ば こ 酒 調査年 活面 「代 男 女 男 女 男 女 男 女 男 女 ある ない ある ない ある ない ある ない はい いいえ はい 、「い凡 吸う 吸わない 吸う 吸わない 飲む 飲まない 飲む 飲まない 孫 63.3 36.7 78.3 2L7 7L4 28.6 67.0 33.0 49.0 51.0 73.9 26.1 26.5 73.5 4.4 95.6 2ρ.4 79.6 6.9 93.6 1999 子 83.6 16.4 96.0 4.0 66.4 33.6 64.0 36.0 62.9 37」 84.0 上6.0 62.9 37」 2.4 97.6 70.7 29.3 20.8 79.2 親 90.0 10.0 93.9 6.ユ 65.0 35.0 72.7 27.3 60.0 40.0 78.8 21.2 45.0 55.0 6.1 93.9 65.0 35.0 12.1 87.9 1998 親 90.3 9.7 96.0 4.o 7LO 29.0 82.0 18.0 71.0 29.0 94.0 6.0 4L9 58.1 2.0 98.0 67.8 32.2 16.0 84.0 一134一

(3)

貫 9 , 9 唇 8 5 ■ 9 星 o 5 唇 8 8 「 9 8 「 警 摩 8 ● 5 5 9 1 邑 o ● 8 a ● ● 9 巳 ● ● 9 ● ● o 9 9 9 6 9 巳 9 5 9 8 9 己 o 奮 ‘ 層 ・ 9 80 70 60 50 園芸・庭いじり スポーツ 和 楽 音 楽 旅 行 手芸・料理 ゲーム・テレビ 収 集 9 9 重 5 ‘ 巳 9 8 9 9 巳 瞥 邑 墨 9 40 30 20 10 0 0 10 20 30 40 50

男性(%) 内容 女性(嚇

図1 趣味の内容 ロ孫 ロ子 田親 田親’98 バランスよく 何でも食べる 野菜を中心 に摂る 塩分・糖分・油 分ひかえめ 腹八分にする 消化のよい ものを摂る 三食規則正し く司る カルシウム を摂る 魚を中心に 摂る 間食をしない ロ孫 ロ子 田親 田親’98 40 30 20 10 0 0 10 20 30 40 50

男性(%) 内容

女性(%) 図2 食生活で気をつけている内容 年)60%,(1998年)71%,女性孫世代74%・子世代84%・親世代(1999年)84%,(1998年)94% であった。食生活で気をつけている内容は,バランスよく何でも食べる,塩分・糖分・油分を控 え目にするが,男性女性共に多かった。特に,女性子世代ではバランスよく何でも食べるが50% と高く,続いて男性では腹八分にする,女性では野菜を中心に摂るとなっていた(図2)。

(4)

たばこの項目において,喫煙者率と1日の平均喫煙本数は,男性子世代が63%・20。8本と高く 続いて親世代45%・19.8本,孫世代26%・17,7本であった。女性の喫煙率は,どの世代も低いが 子世代より孫世代の方が少し高く,1日の平均喫煙本数も孫世代13本・子世代8.7本・親世代6 本となっていた。 酒の項目について,飲酒工率と1日平均飲酒量は,男性子世代が71%・ビール700ml,酒2合 と一番高かった。続いて親世代65%・酒1合,そして孫世代20%・ビール635m1,酒2合であっ た。女性においては子世代で21%が一番高く,ビール450m1となっていた。 3.運動面に関しての実態 表3は運動面に関する世代別・項目別割合である。 健:康を維持するために運動している者は,舅二親世代では両年共に約70%,次に孫世代56%, 子世代の約40%と続いている。女性においては,やはり両年共に親世代が60%以上,孫・子世代 共に30%強となっていた。運動・スポーツの種目に関して,全体ではウォーキング(38%),球 表3 運動面に関する世代別・項目別割合 健康維持のための運動 ベッド使用 洋式トイレ使用 手すり使用 調査年 揮動面 「 男 女 男 女 男 女 男 女 する しない する しない する しない する しない する しない する しない する しない する しない 孫 56.1 43.9 37.9 62.1 60.2 39.8 70.9 29.1 8L6 18.4 80.8 19.2 9.2 90.8 16.7 83.3 1999 子 38.8 61.2 30.4 69.6 25.9 74.1 29.6 70.4 74.1 25.9 78.4 21.6 12.9 87.1 19.2 80.8 親 7Q.Q 3Q.0 63.6 36.4 15.0 85.0 30.3 69.7 75.Q 25.0 69.7 30.3 25.0 75.0 48.5 51.5 1998 親 67.8 32.2 66.0 34.0 12.9 87.1 40.0 60.0 61.3 38.7 70.0 30.0 29.0 71.0 48.0 52.O 表4 健康維持のために行っている運動・スポーツの種目(%) 順 位 1 位 2 位 3 位

4 位

5 位 総 数 ウォーキング 37.6

球技

25.4 ジョギング 9.8 ゴルフ 6.9

体操

5.2 男

球技

30.5 ウォーキング 23.2 ジョギング Sルフ 14.6 体操・武道スポーツジム @畑仕事 3.7 性 女 ウォーキング 50.5

球技

20.9

体操

6.6 ジョギング Xポーツジム 5.5

水泳

ィ仕事 3.3 1999 男

球技

53.1 ジヨギング 17.6 スポーツジム 8.8 ウォーキング

@水泳

5.9

水泳

ィ仕事 2.9 孫 女 ウオーキング 40.4

球技

38.3 スポーツジム 6.8 体操ジョギング

?j

6.4 武 道 2.0 男 ゴルフ 28.9 ウォーキング 26.3

球技

18.4 ジョギング 15.8

体操

?道 5.3 子 女 ウォーキング 63.3 ジョギング 10.0 体操スポーツジム @ダンス 6.7

球技

?泳 3.3 男 ウオーキング 70.0 畑仕事 30.0 親 女 ウォーキング 57.1 畑仕事 21.4

体操

14.3 ゲートボール 7.2 1998 男 ウォーキング 42.4 畑仕事 26.9 ゲートボール 19.2

体操

7.7 親 女 ウオーキング 44.7

体操

26.3 ゲートボール @畑仕事 13.2 一136一

(5)

技〈バレーボール・バスケットボール・サッカー等〉(25%),ジョギング(10%),ゴルフ(7%), 体操(5%).の順であった。男性孫世代においては,球技・ジョギングと続き,子世代ではゴル フ・ウォーキング,親世代ではウォーキング・畑仕事が多かった。女性においては,孫世代で ウォーキング・球技,子’世代ではウォーキング・ジョギング,親世代はウォーキング・体操と ウォーキングが各世代共一番多かった(表4)。 ベッド使用については,男性女性共に孫世代が60∼70%と高く,次に女性の親世代の30∼40% であった。 洋式トイレの使用については,全体的に高く,70∼80%となっていた。 手すりの使用においては,女性の親世代が50%使用していた。そして男性より女性の使用者が 多かった。 4.健康生活の実行者と非実行者における比較 健康に関心があると答えた者は,表2に示した通りである。その内,食生活に気をつけ,しか も健康維持のために運動していると答えた者は,男性孫世代32.3%・子世代34%・親世代(1999 年)6!%・(1998年)68%,女性においては孫世代35.8%・子世代30.8%・親世代(1999年)54.8%・ (1998年)69%であった。以上の者を健康生活の実行者とし,それ以外の者を非実行者とした。 健康の3本柱の1つである睡眠において,平均睡眠時間は,非実行者の方が実行者に比し,少し 長く,睡眠時間のバラつきの傾向はあったが,有意性は見られなかった(表5)。 喫煙について,健康生活実行者に比し,非実行者の方が,各世代・男性女性共に多かった。 1km以内の移動手段では,全体的に健康生活実行者に比し,非実行者の自家用車・バイクの使 表5 健康生活の実行者と非実行者における人数割合(%)と平均睡眠時間 健康生活実行者(%) 健康生活非実行者(%) 調査年 世 代 男 女 男 女 孫 32.3 6h54m 35.8 6h48m 67.7 7h18m 64.2 6h54m 1999 子 34.0 7hOOm 30.8 6h24m 66.0 7hOOm 69.2 6h30m 親 61.0 8hOOm 54.8 7h24m 39.0 9hO6m 45.2 7h42m 1998 親 68.0 7h54m 69.0 7hOOm 32.0 8h12m 31.0 7hO6m ■ 「 D ● ■ ロ孫 : : 厲q : : @ : :田親 : :田親’98 1

i

己 … :. 喫 煙 ゥ家用車バイ ク ゥ 転 車 k 歩 : : F : :

ii

圏 . 暉

i

10080604020 0内容 0 20 40 60 80100

実行者(%) 非実行者(%)

図3 健康生活実行者と非実行者における喫煙と1km以内の移動手段(男性)

(6)

ロ孫 日子 団親 田図’98 5 5 ● 9 8 o 98 o 号 5 o 8 邑 喫 煙 自家用車 バイク 自 転 車 徒 歩 100 80 60 40 20 0 0 20 40 60 80 100 内 容 実行者(%〉 非実行者(%) 図4 健康生活実行者と非実行者における喫煙と1km以内の移動手段(女性) o ● 用が多く,特に男性女性共に子世代に多く見られた(図3・4)。 以上のことから,健康生活実行者の方が非実行者に比較して,睡眠・喫煙・1km以内の移動に 対してもより健康に気をつけている傾向にある。

わが国は,史上かつてない長寿世界一という社会になり,健康に対する考え方も,年齢相応の価 値ある長寿を実現したいという新たな視点が要求されるようになってきた。 それぞれが,日頃からの健康管理・規則的な生活習慣・適正な食生活の実践,そして日常生活に おいて,健康維持のための運動を実践・習慣化させ,楽しみながら無理しないで長続きさせること が必要であろう。今回のアンケートにおいても前回同様,健康に対して関心がある・趣味を持って いる・食生活に気をつけるなど,3世代男性女性共にかなり高い値だった。週休2日制もあり,孫・ 子世代も積極的に健康の1つとして趣味活動を行っているものと思われる。また孫世代の男性が食 生活に気をつけるの項目で他世代に比較するとやや低めであったが,台所を預かっている母親が 85%と高く,いろいろな点に気をつけて料理しているのではないだろうか。が,最近大学生を中心 に,食事を抜いたり菓子類で空腹を満たすなど「きちんとした食事」を摂らない若者が増えている と言われている(1995年・松浦陽一)。大学生の肥満傾向と共に,食生活に見る「夕食偏重」「洋食 指向」「間食過多」の3つの問題点を指摘している。下宿生活・サークル活動・アルバイトにより, 外食傾向・夜型生活になりやすく,いっそう夕食偏重が進み,偏食・過食に陥りやすいとしている。 また若い女性の中には,必要なくてもダイエットを試みる者もあり,ただ減量のみに目を向け,と んでもない落し穴にはまり込み,体調をくずしたり色々な障害を起こすことになる。やはりより健 康であるためには,正しい食生活・食習慣を身につけることが必要であろう。 趣味について,孫・子世代男性においてはスポーツに関するものが一番多く,またコンピューター を趣味にする傾向もあり,親世代の園芸も特徴的だった。女性においては,最近ブームになってい るかーデニング・音楽・和楽・スポーツ・手芸など幅広い趣味内容だった。スポーツという者が前 回よりも多く,心の休養となる和楽が,平均年齢の少し若い分,活発な趣味に移ったようだ。 一138一

(7)

たばこの項目では,仕事の忙しい男性子世代の喫煙率が63%と高く,1日の平均喫煙本数も20.8 本だった。禁煙が様々なところで叫ばれているにもかかわらず,気分転換も含めてであろうが,ニ コチンによる習慣性には勝てないものがあるのだろう。孫世代では興味本意で吸いはじめたものの, 習慣性がついてしまったのか26%となっていた。一酸化炭素により,血液中の酸素不足をきたし脳 の働きが悪くなり,脳細胞が柔軟な人,つまり若年層ほど有害作用を受けやすく,脳の老化・萎縮 を起こしやすいと言われている。またタールも遺伝子に作用するなど,若年層の喫煙は健康被害が 大きく,生活習慣病・老化を早め,ガン発生の危険度を高めており,たばこの正体をよく知り,お もしろ半分で吸わないでもらいたい。 酒の項目では,1日の平均飲酒量は,適量の範囲ではあるが,仕事上のつきあいもあるのか,ス トレスの発散なのか,子世代男性・女性共に多かった。 生活面において,男性孫・子世代は食生活・たばこなど,もう少し健康に気を配るよう心がけて ほしい。また,1999年より1998年目親世代の方がやや健康的な傾向にある。 日常生活における運動面について,健康を維持するための運動は,親世代においては60∼70%と 高いが,子・孫世代の女性は40%弱と低かった。これまで,私たちは日常生活の中で,労働を通し てからだをうまく利用していた。しかし現代社会においては,交通手段の発達や労働の機械化,あ るいは家庭生活の電化に伴い,からだを使うことが目に見えて減ってきた。私たちの体力を維持・ 増進させ,運動不足を解消するには,日常生活の中で運動を習慣化させることである。今まで運動 していた,それももちろん大切なことではあるが,現在も運動を続けていることが最も大切なので ある。特に,幼児期に神経系を中心とする調整力の発揮に関わる全身運動を大いにさせ,そのあそ びの中で,自然に筋力,循環・呼吸機能を高め,からだの発育・発達をさせておく必要がある。ま た青年期と言われる時期の思春期を過ぎたころから20才代頃までの学生生活の中において,運動を 習慣づけておけば,社会人になった時も仕事の合間や休日を利用して,運動に取り組みやすい。こ の青年期は,すべての機能・能力がピークに達する時期であり,この時のレベルを維持・向上させ るためにも生涯スポーツとして自分にあった運動を積極的にすべきである。 健康維持のために行っている運動・スポーツの種目は,全体的にはウォーキング(38%)・球技 (25%)・ジョギング(10%)となっていた。ウォーキングは孫世代男性で6%と少なかったもの の,各世代共に高く,特に女性子世代が63%と高かった。総理府「体力・スポーツに関する世論調 査」(1994年10月)においても,過去1年間に行った運動・今後行いたい運動どちらも1位はウォー キングであった。ウォーキングはからだにかかる負担が少ないため,体力のない年配者でも安心し て行え,また特別な準備や場所も必要ない,身近で手軽な運動であることがブームとなっている理 由の1つであろう。ウォーキングを続ければ,骨密度の増加が望め,骨粗しょう症の予防にもなる (深代1997年・呉1999年)こともわかり,豊かな高齢化社会の実現へ向けて,今後さらにウォーキ ングを楽しむ人が増えることが望まれる。またウォーキングをしたいが膝や腰が痛い者・体力がな い中高齢者・肥満者等には,水中ウォーキングが適しており,アクアエクササイズとして効果を期 待できる。水の浮力を利用し,膝・腰への負担を軽くし関節のスムーズな動きやバランスの保持に

(8)

つながる。また,水圧に抵抗することにより代謝機能が高まり,心肺機能にとってもよい運動であ る。そしてプールに入ることにより,体温の調節機能が働き,エネルギーが消費されるなど効果は 大きい。 このように,健康維持のために運動・スポーツをしている者は,様々な面で効果はあるが,さら に日常生活の中での動作を意識的に行うことにより,少しでも体力を維持したいものである。日常 生活の中で,ベッド・洋式トイレの使用が親よりも子・子よりも孫世代へと若者になるほど多く なっていた。日常生活様式も洋式化しており,和室より洋間を好み,布団よりベッドで睡眠をとり, 和式トイレより洋式トイレを使用し,いろいろな所に手すりをつけるなど,住宅環境も住みやすく 便利になり,バリアフリーも考慮されている。 しかし,その反面,労力のいらない・身体活動量の少ない日常生活動作が繰り返されている。寝 起き時に必要な腹筋・背筋,直立位から椅座位までに使われる緊張筋線維の鍛練もほとんど出来な いと思われる。したがって意識行動をする。つまり椅座位姿勢から直立位姿勢になるとき,手すり や物につかまらない,自分の膝を持たない。直立高姿勢時には,正しい姿勢(からだの重心は一直 線上にくる,あごを引く,背筋を伸ばし後に反り返らない,下腹部を引く,腰・膝を伸ばす)を心 がける。また歩行時には,かかとから着地し,できるだけ歩幅を大きくするなど意識して行動をす るとよいであろう。手すりの使用の中で,女性孫世代の17%,これは見落とすことのできない値だ と思っている。現在の若い女性に多い厚宜靴のせいもあるかも知れないが,ほとんどが階段での手 すり使用者であった。これらの無意識に行われている日常生活動作が,次世代の老化を早める要因 の1つにならねばよいがと懸念している。 健康に関心があると答えた者は,一番低くても63%の孫世代の男性で,他はすべて90%前後と大 変高かった。しかしその内,食生活に気をつけ,しかも健康維持のために運動していると答えた者, 要するに健康生活を実行しているものは,孫・子世代が約30%,親世代(1999年)は約60%・(1998 年)は約70%であった。健康の3本柱の1つである休養(睡眠)において,健康生活非実行者は実 行者に比し,平均睡眠時間は全体的に長くバラつきの傾向にあったが,有意性は見られなかった。 また喫煙についても,各世代共に非実行者が多かった。1km以内の移動手段では,全体的に実行者 に比較し,非実行者の自家用車・バイクという他力移動をしている者が多く,子世代に特に多く見 られた。親世代においては,実行者・非実行者共に自転車・徒歩と自分の足を使っての移動が多かっ た。新開・溝端(1999年)は,歩行移動の評価に「1km歩行移動力」指標を用いており,これが低 いことは,転倒のリスクをあげている。その意味で,高齢者が歩行能力を維持しておくことは,転 倒・ひいては骨折の予防になると考えられる。新開ら(1999年)によると,男性では75才以降,女 性で70才以降で歩行移動能力が落ちていく人が増えてくるとしている。生涯を通じた老年病予防へ の心がけとともに,外に積極的に出るよう心がけ,日常生活を身体的・精神的に,活発に送ること が大切であろう。そして,歩いて足腰を強くする事も大変重要であるが,同時に握力と腕力の運動 も大切である。握力が弱り,20kgをきると食事・排泄・入浴・着替え・整容・移動(手すり使用) などの日常生活動作の自立が不可能になるだろうと調査研究が続いている(鈴木正成ら)。 一140一

(9)

したがって,有意性は見られなかったものの,健康生活実行者は,非実行者に比較し,望ましい 食習慣を形成し,日常から運動習慣があり,正しい生活習慣を心がけているように思われる。 生活習慣病の予備軍にならぬよう,これからの世代を担う孫世代は,体づくり・基礎体力づくり をし,仕事中心になりがちな子世代は,肥満・生活習慣病予防・改善を行い・筋骨減弱防止に努め, 長寿になった親世代では,虚弱化・寝たきり防止をし,生活自立を守りぬき,自らのライフスタイ ルをよく見極めて,運動を日常生活の中に組み込んで習慣化し,楽しい「人生80年」を送りたいも のである。

本研究は,1999年1月中旬に本学学生の家族,3世代を対象に健康に関する実態調査を行った。 親世代の比較対象として,1998年・中国短期大学紀要第29号での研究対象を採用し,次のような結 果を得た。 1.生活面においては,親世代の1999年に比し,1998年の方がやや健康的な生活の傾向にあった。 2.健康維持のために行っている運動・スポーツの種目では,ウォーキングが一番多かった。 3,日常生活動作において,若い世代から運動量が減少傾向にあった。 4.健康生活実行者は,非実行者に比し,睡眠時間のバラつきが少なく,喫煙者も少なかった。 5.健康生活歯行者は,1km以内の移動手段として自転車・徒歩と自分の足で移動する者が多かっ た。

参 考 文 献

1.荒木タミ子 編著:ヘルスライフ&スポーツ 不昧堂出版(平成7年)谷本 満江 共著 2.高木・荒木 編著:新訂 幼児期の運動あそび 不昧堂出版(平成11年)谷本 満江 共著 3.谷本・荒木:中国短期大学紀要第24号(1993) 4.荒木・谷本:中国短期大学紀要第27号(1996) 5.谷本 満江:中国短期大学紀要第29号(1998) 6.文部省大臣官房調査統計企画課 編集:教育と情報(平成10年1月号) 7.文部省大臣官房調査統計企画課 編集:教育と情報(平成11年4月号) 8。日本ウォーキング学会 監修:エクササイズ.ウォーキング 永岡書店(1998) 9.保健科学研究会 編集:保健の科学論41巻第3号(1999) 10.保健科学研究会 編集:保健の科学第41巻第5号(1999) 11.保健科学研究会 編集:保健の科学第41巻第7号(1999)

参照

関連したドキュメント

ヨーロッパにおいても、似たような生者と死者との関係ぱみられる。中世農村社会における祭り

今回の SSLRT において、1 日目の授業を受けた受講者が日常生活でゲートキーパーの役割を実

   がんを体験した人が、京都で共に息し、意 気を持ち、粋(庶民の生活から生まれた美

■はじめに

しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは

利用者 の旅行 計画では、高齢 ・ 重度化 が進 む 中で、長 距離移動や体調 に考慮した調査を 実施 し20名 の利 用者から日帰

告—欧米豪の法制度と対比においてー』 , 知的財産の適切な保護に関する調査研究 ,2008,II-1 頁による。.. え ,

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き