Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
№15:東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科にお
ける平成26年度外来初診患者の臨床統計
Author(s)
細川, 裕貴; 齊藤, 朋愛; 市島, 丈裕; 三條, 祐介; 酒
井, 克彦; 浮地, 賢一郎; 澁井, 武夫; 佐藤, 一道; 野
村, 武史
Journal
歯科学報, 115(5): 478-478
URL
http://hdl.handle.net/10130/3851
Right
目的:日本の高齢化は先進諸国のなかでも類を見な いほどに速く,歯科に訪れる患者の疾患は年々多様 化している。今回我々は,東京歯科大学市川総合病 院歯科・口腔外科における平成26年度の初診来院患 者臨床統計を示すことで患者背景の相違を把握し, 病院歯科・口腔外科の役割を再考した。 方法:平成26年4月1日から平成27年3月31日まで の一年間に当院歯科・口腔外科を初めて受診した患 者のみを対象とし,再来初診等の保険制度上の初診 患者,救急外来受診患者は除いた。疾患の分類は㈳ 日本口腔外科学会調査企画委員会が作成した実績調 査票に準じて,性別,年齢分布,来科地域,受診経 路,疾患別分類,患者の基礎疾患,院内他科からの 依頼内容について集計し検討を行った。 結果:期間中に受診した初診患者数は5,158人であ り,去年と比較し447人増加していた。そのうち男 性は46.5%,女性は53.5%であった。年齢分布は0 歳から102歳まで,平均年齢は50.5歳であった。年 齢 別 で は70歳 代 が16.1%,60歳 代 が14.8%と 続 い た。去年は,20歳代および60歳代が15%と最も高 かったことに対し,今年は患者層の高齢化が認めら れた。60歳以上は41.0%を占めた。来科地域は市川 市が61.8%であった。県別では千葉県が84.8%で あった。受診経路は紹介患者が60.9%を占めた。疾 患別では,歯の疾患が39.3%,口腔粘膜疾患が8.5 %,顎関節症が5.1%を占めた。初診患者の内,医 学的問題点を持った症例は54.9%を占めており,最 も多い疾患は高血圧が14.9%,次いで循環器疾患が 9.8%,そして呼吸器疾患が7.3%であった。 考察:東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科 は,院内各科間,地域医療機関との連携を密にとっ ていることが大きな特徴である。今回の調査で当院 を受診する患者の高齢化を認め,それに伴って基礎 疾患を認める患者も増加が認められた。今後,院内 はもとより,地域の医療機関と更なる連携をさらに 密なものとし,口腔外科とオーラルメディシンの専 門性に加えて全身管理の充実を図りながら診察の向 上に努めていきたいと考える。 目的:平成25年2月28日,東京歯科大学市川総合病 院歯科・口腔外科と皮膚科が共同して,自己免疫性 水疱症や扁平苔癬,難治性口内炎などの疾患を対象 とした粘膜疾患外来を開設した。本外来を受診する 患者の大半は,口腔内に有痛性の粘膜病変を認め, 清掃状態が悪化しやすい。また,ステロイド薬や免 疫抑制剤を使用することが多く,易感染性となるた め,歯科衛生士による口腔衛生管理が重要な役割を 担っている。今回,本外来を受診した患者のうち, 歯科衛生士が口腔衛生管理を行っている患者を分析 し,歯科衛生士の役割について報告する。 方法:平成25年2月28日から平成27年2月28日まで の2年間に粘膜疾患外来を初診で受診した患者を対 象とした。調査項目は㈳日本口腔外科学会調査企画 委員会が作成した実績調査表に準じて集計した。 結果:患者数は84人,男性15人(18%),女性69人 (82%)であった。年齢分布は16歳から87歳までで, 平均年齢は62歳であった。疾患別では,扁平苔癬が 約42%,尋常性天疱瘡が約21%,類天疱瘡が約18% であった。そのうち,歯科衛生士が継続して口腔衛 生管理を行っている患者は13人であった。疾患は, 尋常性天疱瘡,類天疱瘡ともに5人,扁平苔癬が3 人であった。中でも尋常性天疱瘡は症状の急性期に 介入した症例が多かった。12人は当院で継続した口 腔衛生管理を行っており,1人は症状が軽快したた め,病診連携を図り,かかりつけ歯科診療所にて 行っている。ケアは,口腔内の症状に合わせて行 い,方法や介入回数を変えながら実施した。 考察:粘膜疾患外来に受診する患者の病態は様々で あり,歯科衛生士はその病態に合わせて口腔衛生管 理を行う必要がある。尋常性天疱瘡など自己免疫性 水疱症の患者は水疱やびらんを形成し,清掃状態が 不良となるため,症状の増悪期に徹底したケアを行 うことで効果が得られた。また,扁平苔癬患者で は,清掃状態が不良になると症状の悪化に繋がるの で,きめ細かい対処が必要である。いずれの疾患に おいても,清掃状態の悪化は原疾患の治療の妨げに なることから,口腔衛生管理を定期的に行っていく 必要があると考えられた。歯科衛生士の介入数は未 だ少ないが,今後も口腔衛生管理を積極的に行い, さらに地域歯科診療所とも連携して口腔衛生管理を 行っていきたい。