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公共草地の維持管理に関する研究

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公共草地の維持管理に関する研究

3

表 層 土 の 処 理 と 追 播 に よ る 増 収 効 果

福 永 和 男 ・ 丸 山 純 孝 ・ 本 江 昭 夫 ( 帯 広 畜 産 大 〉

木 幡

稔 ( 上 士 幌 町 営 育 成 牧 場 〉

緒 日 上士幌町営大規模育成牧場は,国営大規模草地改良事業として 1966年に着工し, 1972年に完了した ので,古い草地は造成してから既に25年を経過しており,草地の生産力はかなり表退しているのが現状で ある。 著者等は 1979年から牧場で所有している機種を利用して,所謂低コストの簡易更新による,生産性の 回復について検討してきたが1),本報では表層土の撹持回数並びに追播量の多少が 更新後の植生と生 産性に及ぼす影響を検討した。 材料および方法 試 験Iは表層土の撹持回数が追播牧草の生産性 と植生に及ぼす影響と,

n

は追播量が生産性と植生 に及ぼす影響の

2

つに分けて実施した。試験圃場は 1968年に造成した採草地を使用し,その試験方法 は表1に示すとおりである。なお試験闘場の造成は 1989年5月15日であるO 結果および方法 1. 更新年

1

番草における追播

OG

の草丈・生草 量・茎数 更新年の気象状況は,平年に比較して5"'6月に 表I.試験方法 試験I 簡易更新区①ロータ)え タ一区+ ②デスクハロ 区 4 対照区 ①完全更新区 ②無処理区 封書持回数 l回-4閉鎖け(4処理区) 試験E 同左 同左 2回掛け 供試草積 オーチヤードグラス(キタミドリ) 同友 迫播量 簡易更新区1.5kg!10a 完全更新区 3.0kg!lOa 。 .5-3. Okg/l0a( 6処理区) 同左 施肥量 両試験とも土改材として炭カル 100kg/IOa,ヨウリン 50kg!10aとした 追肥量は年間 N:P

05:K

O:MgOとして 10:8:10:4kg!lOaとした 調査月日 間試験とも 1989年は l番草7月 6日, 2番卒9月19日 かけて低温であり,またやや早魅ぎみであったため 即 時 は l番 草 明18日, 2番 車 問10日

OG

の発芽は遅く,初期生育にも影響が見られた。 描種床の状態は完全更新区が良好であったが, 1 番草の草丈の推移(表

2

)を見ると,追矯

OG

では ローターベーター区の生育が最も良好であった。こ れは完全更新区に比較して, ローターベーター区で は風害や寒害等から既存植生によって保護された結 果であると推察される。また,試験地の造成時期が やや遅かったため,既存植生の草丈は

1

0

c

m

程度に伸 4試験Iは迫播区と無迫播区を設けた 表2更新年(1989) 1番草の草丈 (c皿) 6/8 6/15 6/22 6/30 7/6 ロータFーベータ一区 3.6 9.8 14.1 23.7 36.2 迫播OG デスクハロー区 3.4 8.5 12.4 18.5 24.8 完全更新区 2.1 5.9 B.7 14. 1 19.6 ロータ~ーター区 28.日 仏6 63. 3 80. 6 94. 7 既存OG デスクハロー区 34.2 50.7 67. 1 85.5 10l. 2 対照区 43.0 57.7 75.4 89.2 102.7

(2)

北海道草地研究会報25:162 -166 (1991) 長しており,デスクハロー区の追幡

OG

の生育に庇 陰等の影響が見られた。 既存の

OG

の生育は,表層土の撹持により当初は 影響されたが,生育が進につれてその差は小さくな り, 1番草の刈取り時では,対照区に比してデスク ハロー区では殆ど差は見られなかった。これは表土 の撹狩による土壌の物理性の改善効果によるものと 思われる。 表

3

は両試験区における追播

OG

1

番草の生産 量と茎数を示した表である。試験!の撹非回数では, ローターベーターによる撹持深度が 10""'15cmと深い ため,撹持回数が増すにつれて,既存植生は土壌中 に混入して再生が遅れるため,追括

OG

の数量は増 加したが,デスクハローによる撹持深度は 5""'1伽況 で,表土に傷をつける程度なため,播種床は不良で あり,さらに既存植生による庇陰も影響し,撹持回 数による差は若干見られるが,ローターベーター区 に比較して,デスクハロー区の数量は極めて少なか 5 った。 試験Eの追播量においては,機種聞による数量の 傾向は試験!と同様である。なお,両機種とも追矯 3 量の増加により,増収の傾向は見られるものの,

2

.

0

2 K~

/

1

0

a以上の区では顕著な差は見られなかった。 また,完全更新区は描種床の不良なデスクハロー区 l より良好であったが, ローターベータ一区に比較す ると,茎数は多いが草量は1.5K~区と同程度であっ たも。

2

.

生草収量 図

1

2

は試験

I

及 び

E

における

2

年間の生草収 量を示した図で,色枠が

1

番草で白枠が

2

番草であ 3 る。なお,追=追播,無=無追播,完=完全更新を 意味する。 (1) 試験1.撹狩回数 ① ローターベーター区 更新初年目の

1

番草では,表層土の捷持回数が多 くなるにつれて撹持深度も高まり,前植生の根茎も 表3更新年における迫矯OGの生草盤 (g/ rrl)・茎数(本/rrl) 担持回数 l回 2回 3回 4回 q d n 白 r D p h d ・ η , , n G n u r a n u n o n o n J U F h d F h d 。 , h A H U E R h u n ソ uρhuan' n u n U η d 'and 句 d 量 数 草 生 茎 区 タ ベ タ ロ デスクハロー区 生草量 5 12 13 16 ( 0.4) (0.9) (1. 0)(1. 3) 茎 数 17 37 42 52 迫t番盆 o.5kg1.Okg1.5kg 2. Okg 2. 5kg 3. Okg ローター""'"ーター区生草量 78 167 209 338 388 386 ( 8.0)(18.5)(16.5) (27.7) (31.5) (29.0) 茎 数 166 379 454 751 902 877 デスクハロー区 生草量 5 18 12 24 26 23 ( 0.4) ( 1.6) ( 0.9). ( 1.9) ( 2. 1) ( 1.8) 茎 数 16 58 37 80 84 74 完全更新区 生草量 茎 数 209 1.161 ( )内は l番草総収量に対する指数 更新初年目 更新 2年目 照 対

-一

相 州 回 迫 4 飢 回 迫 3 無 回 迫 2 区 幅 削 回 タ 迫 l

べ 同 州 タ 対 一 目 。 苅 無 回 迫 4 無 回 迫 3 終回 迫 2 無回 迫 l 照 対 完 幅 削 回 迫 4 鎌 田 迫 3 幅 削 回 迫 2 無 回 区 迫 l 一 口 、 J 照 ク 対 ス - ア 出 TA 無 因 追 4 無 回 迫 3 無 回 迫 2 佃 州 国 追 l 図L表層規採回数・年間生草量(t/IOa)

(3)

細分化されて土壌中に深く混和されるので,追播牧草の播種床としては良好となり,追播

OG

の草量は高 まる(表3)が,既存植生の再生に影響が大きく,撹持回数が多くなるにつれて低収であった。なお,各 処理区とも対照区に比して低収であったが,特に完全更新区は無追措区よりも低〈く,対照区の13.0係程 度の収量であった。

2

番草の追矯区でも,撹持回数が多くなるにつれて減収の傾向は見られるが,

1

番草とは異なり,対照 区に比較して各区とも高収で平均31%の増収であった。また,無追播区においても 1'"'"'2回撹持区では, 対照区より高収であり,土壌の物理性の改善効果を示唆している。なお,年間の総収量では1'"'"'2回撹持 区が,対照区より 10'"'"'11婦の増収であった。 更新 2年目の追描区は,既存植生の旺盛な再生と追描の効果が加算されて,各処理聞に顕著な収量差は 見られず,

1. 2

番草とも対照区に対して高収であり,平均46婦の増収であった。また,無追播区におい / ても, 1"-'

2

回撹持区は対照区に比して 14'" 16係の増収であった。 ② デスクハロー区 デスクハローによる表層撹持は,ローターベーターのように前植生を表土中に混和することがなく,表 土に浅く傷をつけるか,一部分反転する程度なため,播種床としては不十分であり,図 1に見られるよう に,更新初年目

1

番草での追括効果は,

3

"

-

'

4

回撹持区で若干見られる程度で,各処理聞に収量差は殆ど 見られなかった。

2

番草においても同様の傾向を示しているが,特に

1"

-

'

2

回撹持区においては,追播効果よりも撹持効 果の方が大きかった。なお,年間の総収量は

3

"

-

'

4

回撹持区の追播区が,対照区に比して若干高収であっ た。また,各処理区とも完全更新区より高収であった。

2

年目は,

1

2

番草の各処理区における追幡・無追播区とも,対照区に比して高収であり,さらに撹 狩回数が多くなるにつれて収量は高まっているが,追播効果よりも,むしろ撹持効果のほうが顕著に見ら れた。

2

年間の結果は,ローターベーター区では表層

1'

"

2

回撹持+追幡区が高収量を示し,デスクハロー区 では表層

3"'4

回撹持+追搭区が良好であった。なお,無追描区においても同様の傾向を示している。 (2) 試験ll.追矯量 ① ローターベーター区 播種床が良好なため更新初年目の生産性は,追播量に伴って顕著に増収することを想定したが, 1番草 の草量は1.

5

K9

110

a以上の区で顕著な差は見られなかった。この要因として既存植生の再生が影響した ものと推察される。なお, 1番草は対照区に比して44'"17婦の低収であった。

2

番草は,各処理区とも対照区に比して高収であったが,追播量に伴う収量差は顕著には見られなかっ た。なお,年間の総収量で対照区より高収な区は,追播量1.5 K9

110

a以上の区であり,増収率は7"'12 %であった。 更新

2

年目は

1

2

番草とも対照区に比して高収であったが,追括量の増加による収量差は顕著には見 られなかった。なお,年間の総収量は対照区に比して各処理区とも高く,増収率は

3

9

'

"5

0

婦であった。 ② デスクハロー区 既存植生の土壌中への混入がないため,既存植生の再生には良好であったが,追幡牧草の播種床として

(4)

北海道草地研究会報 25:162 -166 (1991) なかった。なお,デスクハロー区はローターベータ 4 一区と異なり完全更新区より低収であった。この大 きな要因としては,①追播時期が遅かったこと,② 播種床が不完全であったこと,③土壌の物理性の改 2 善効果がローターベータに比して少なかったこと等 が影響したと推察される。

3

.

草種別草量 図

3

は試験

I

における年間の総収量を草種別に示 した図である。 (1) 試験I.撹持回数 ① ローターベーター区 更新初年目の追播区は,播種床が良好なため各処理区とも追播効果が大きく. O Gが大半を占めている。 なお. 1番草における追播 O Gの割合は表 3に示したとおり,撹持回数の増加により高まっていたが,既 存の草種は撹枠回数の増加により,相対的に低下の傾向が見られた。なお,既存草種の平均草種別割合は, OGー30.0係. T i -37.4

KB G -4.7係.

wc

-

3. 7%であったのに対して,対照区の割合はそ れぞれ28.8%. 50.2%. 15.0%. 6.0%であった。また.,2番草においても同様の傾向を示し,処理 区の平均草種別割合はOG一 缶.3係. T iー11.5%. KBG一2.7係.

wc-

O. 5 %であり,その結果 は不十分であり,更新初年目 1番草では追矯量に伴 う収量差は殆ど見られなかった。また,対照区に比 5 して各処理区とも低収(32'"'-' 21係)であった。

2

番草においても追婚量に伴う増収効果は見られ なかったが,各処理区とも対象区に比して高収(9 3 '"'-'26%)であり,追播効果よりも撹枠効果のほうが 顕著に見られた。なお,総収量は各処理区に大差は なく対照区と同程度であった。 更新

2

年目は

1

2

番草とも対照区に比して高収 であり,総収量で16'"'-'21%の増収を示していたが, 追播量に伴う生産性は初年目同様に顕著には見られ 5 更新初年目 更新2年目 戸 " n n r 「ー 以 閥 闘 闘 閥 悶 悶 倒 閣 附 悶 悶 閥 ハ ハ ハ 凶 悶 悶 悶 悶 闘 閥 閥 門 け 什

H u

l

-- l

闘 悶 悶 悶 閥 閥 閥 蹴 倒 M 閥閥悶悶悶悶 凶 悶 悶 悶 悶 悶 幽 閥 附 悶 悶 悶 悶 悶 同 附 悶 悶 悶 閥 悶 悶 悶 幽 0.51.01.52.02.53.0完 対 照 O. 5 1 0 1. . 5 2. 0 2. 5 3. 0完 対 照 ローターベータ一区 O. 5 1. 0 1. 5 2. 0 2. 5 3. 0完 対 照 O. 5 1. 0 1. 5 2. 0 2. 5 3. 0完 対 照 デスクハロー区 図 2.迫錨量・年間生草量(t/lOa) が図3の草種別草量である。 特に,対照区に比較して追播区及び無追播区ともKBGと

wc

の割合が低かったことが特徴的であった。 また,更新

2

年目においても初年目と同様の傾向を示した。 ② デスクハロー区 更新初年目の追播区は,撹持回数の増加により増収の傾向が見られるとともに. O Gの全体に占める割 合も若干増加の傾向は見られるが,表3に示したようにOGの追播効果はきわめて少ない。また,無追描 区において対照区に比してOGの草量が高いのは,撹持により既存のOGの再生力が増した結果と推察さ れる。なお,前植生が土壌中に混入されることが少ないので. KBGや

wc

の量が低下する傾向は見られ

(5)

更新2年目 更新初年目 なかった。また,更新

2

年目においても同様の傾向 試験Eの追播量の植生状態も,試験Iと殆ど同様 の傾向であったので考察は省略した。 摘 を示している。 要 本試験地でのローターベーターによる表土の 撹狩回数は,植生状態や土壌条件にもよるが 1"-'2 回が好ましく,追播量は1.

5

"

-

'

2

.

0

K

q

/

1

0

a程度が 迫 無 迫 熊 迫 叙t迫 熊 完 対 照 追 録 迫 無 迫 総 迫 然 完 対 照 l回 2回 3回 4回 l回 2回 3回 4回 ローター-"(ータ一区 デスクハローによる撹持 適当量と思われる。なお, wc KBG Ti は3"-'4回と多いほど良好であったが,追播時期も 5 さらに描種床の状態も不十分なため,期待し 悪く, たほどの結果が得られず,今後さらに撹持の方法, 深度,時期等を含めた研究の継続が必要である。 ローターベーターやデスクハローによる表層 撹持と追播による草地更新は,更新の経費の面や土 壌改良資材及び施肥の効果的な利用,

2

.

また傾斜地で l OG 迫 無 迫 無 追 録 迫 鍛 完 対 照 追 録 迫mt迫 無 迫 真 喜 完 対 照 l回 2回 3回 4回 l回 2回 3回 4回 デスクハロー区 図3.表層11持回数・年関車種別草量(t/lOa) さらに既存植生の再利用によ る更新当年の飼料不足を軽減させる利点等を考え併 せると,本試験地のように面積が大きいだけでなく, のエロージョン防止, 表土が浅く,傾斜地の多い公共草地の更新には利用 可能な一方法と考えられる。 稔

(1989)

日草誌(別

35)

:

189 - 190

引 用 文 献 1 )福永和男・丸山純孝・本江昭夫・木幡

参照

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