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異常性に着目した気象観測データの可視化

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Academic year: 2021

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(1)Vol.2014-MPS-101 No.14 2014/12/9. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 異常性に着目した気象観測データの可視化 富岡 佑紀1. 熊野 雅仁2. 木村 昌弘2. 近年、世界の各地域で観測された気象データが、Web 空 間上でオープン化され始めており、ビッグデータとして、 データマイニングや知識発見の観点から、新たな活用法の 探求や有益な情報の抽出に挑戦する研究が注目されつつあ る [1]。一方、情報可視化の研究においても、近年、気象 データを対象として、空に占める雲の割合や、気温、気温. $EQRUPDOLW\GHJUHH$' W

(2). 80. 1. はじめに. 70. 60. 50. 40. 30. 20. 10. の範囲、風速、雨が降る日の頻度などを、3 次元 CG によ 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51. る四角柱の色、高さ、輝度や、複数の四角柱に関する配置. :HHNVW. 上の規則性、密集度に当てはめ、多種情報を同時に世界地 図上へ可視化することで、多種の気象データの特徴を一度 に一望して比較分析し得る手法を提案している [2]。この 可視化法は、気象に関する長期的傾向が捉えられ得るもの の、近年懸念されている、短期的な気象の異常性を分析す る上で、いつの時期にどれくらいの期間に渡ってどの程度 の異常が起きているかなどを地域間で一望して比較分析す るには不向きな面がある。我々は、気象データの可視化で はないが、撮影位置、撮影時間、撮影者などのメタ情報が付 随した大量の写真群をうまく集約することで、空間上の人 気撮影スポットを抽出し、さらに、各撮影スポットの時間 軸上、人々が短期間により多くの撮影を行う異常性をバー スト性の観点から捉えた旬シーズンを抽出し、各旬シーズ ンが、いつの時期にどれくらいの期間に渡ってどの程度の バースト性を示すかという多種情報を地図上に 3D 可視化 する手法を提案している [3]。本研究では、旬シーズンの可. 図 1 1984 年宮城県南部を Rk とする異常値の変動とシーズン. し、Rk における Xk,y (t) の 30 年平均値を平年値として S k (t) とする。ここで、平年値 S k (t) から外れた度合(Abnormality. degree)を ADn,y (t) = |Xn,y (t) − S n (t)| と定義する。ただし、ADk,y (t) が Xk,y (t) > S k (t) を満たすと H L き ADk,y (t)、Xk,y (t) < S k (t) を満たすとき ADk,y (t) と表記して. 区別する場合がある。また、t における ADk,y (t) の 30 年平均 を µADk,t 、標準偏差を σADk,t とし、Lk (t) = µADk,t + σADk,t とし たとき、地域 Rk における顕著に逸脱した異常値(Anomaly. value)を以下のように定義する。     ADk,y (t) − Lk (t) (ADk,y (t) > Lk (t)) Avk,y (t) =    0 (otherwise). 視化に用いたアプローチを新たな課題にも適用できること. H (t)、 図 1 における各 t の ADk,y (t) ビン上、赤を含むビンは ADk,y. を示すため、気象データにおける短期的な異常性を分析す. L (t) を表わしている。また、緑の点が 青を含むビンは ADk,y. るための可視化問題に応用し、提案法の有効性を検証する。. Lk (t) であり、黒い部分が Avk,y (t) である。. 2. 異常シーズンの抽出法. 2.2 異常シーズンの抽出に基づく異常度. 2.1 特徴量. 各地域 Rk の y 年における Avk,y (t), (t = 1, · · · , 54) に対し、. 本研究では、平年の値(長期の平均)から顕著に逸脱し. Mk,y 個の異常シーズン {Jk,y,1 , · · · , Jk,y,Mk,y } を抽出する。こ. た気象データ上の値を異常値と考える。観測地域の集合を. min max こに、各 Jk,y,m は閉区間 Jk,y,m = [tk,y,m , tk,y,m ] である。m ← 0. {R1 , · · · , RK } とする。正の整数 t に対し、地域 Rk における. とし、t=1 から Avk,y (t) > 0 を満たす t を探索し、最初に見. y 年、第 t 週目の気象観測データ一週間の平均値を Xk,y (t) と 1 2. 龍谷大学大学院理工学研究科電子情報学専攻 龍谷大学理工学部電子情報学科. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. min つけた t を tk,y,m とし、m ← m + 1 とする。t が終端でなく、. Avk,y (t + 1) > 0 または Avk,y (t + 2) > 0 を満たしている間、 t ← t + 1 を繰り返し、Avk,y (t + 1) > 0 または Avk,y (t + 2) > 0 max のいずれも成立しないとき、t を tk,y,m とし、Jk,y,m を抽出. 1.

(3) Vol.2014-MPS-101 No.14 2014/12/9. 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 図3. 1984 年と 1997 年の気温に基づく異常シーズン可視化例. 装置の休止や故障等により観測値が得られていない場合が ある。そこで、一次細分区域に基づいて細分区域に属する 観測地のデータを平均化して Rk とすることで、K = 143 個 の観測地を可視化した。. 3.2 可視化結果 図 2 各地域の異常可視化向けグリフ. する。以上の処理に基づき、t が終端になるまで Jk,y,m の 探索を繰り返す。図 1 の橙色破線で囲った期間が抽出され た Jk,y,m の例である。ここで、各 Jk,y,m の異常度を以下の ように定義する。. 図 3 が可視化結果である。紙面の都合上、代表的な結果 として 1984,1997 年の気温のみの結果を示す。1997 年で は、多様な色のファイバーが多数存在し、複数の異常シー ズンを持つ地域も多数存在することや、各 Rk の異常シー ズンがいつの時期であるかが一望して同時に視認できるこ とがわかる。一方、1984 年では日本全域で 1 月や 2 月に極. max tk,y,m. Bk,y,m =. ∑. 度の異常を示すことや、東日本では、ファイバーが赤から. Avk,y (i). min i=tk,y,m. 青まで変化している地域が多いため、5 月まで異常が続い ていることが視認できる。この年は、ラニーニャ現象が極 めて強く影響した年であり、日本では 5 月上旬まで記録的. 2.3 可視化法. な寒冬・寒春となった。提案法では、その影響がどの地域. 本研究では、y 年の Rk ごとに Mk,y 個抽出された異常シー. のどの時期のどの程度影響したかを一目で視認できること. ズンを図 2 左のように可視化する。図 2 左の一つの円柱を. から提案法の有効性が示唆される。今後は、より詳細に視. 本研究ではファイバーと呼び、各 Jk,y,m に対応させること. 覚的分析を進め、より高度な特徴抽出法の構築や、可視化. で、各 Rk に何個の異常シーズンが抽出されたかを視認可. 法の高度化を目指す予定である。. 能とする。また、各ファイバーの高さに Bk,y,m を対応させ ることで、高いファイバーほど異常度の高さを視認可能と する。ファイバーの色は、図 2 右に示す色を割り当てる。. 参考文献 [1]. J. H. Faghmous and V. Kumar: Spatio-Temporal Data Mining. この色は、1 年間の各日に HSV 色相環に基づく色を恣意. for Climate Data: Advances, Challenges, and Opportunities. In. 的に割り当てたものであり、ファイバーの下端を Jk,y,m の. W.W.Chu (ed.), Data Mining and Knowledge Discovery For. min max tk,y,m 、上端を tk,y,m とすることで、単色であるほど Jk,y,m の. Big Data, Studies in Big Data 1, pp.83-116, Springer-Verlag. 期間が短く、多色であるほど長い期間であることが視認可. Berlin Heidelberg 2014.. 能となる。. [2]. C. G. Healey and B. M. Dennis: Interest driven navigation in visualization. IEEE Transactions on Visualization and Com-. 3. 実験 3.1 データセット アメダスにおける平均気温および降水量データ (1981 年∼2010 年) を用いた。またアメダス等の気象データは、. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. puter Graphics, Vol.18, No.10, pp.1744-1756, 2012. [3]. S. Iwabuchi, M. Kumano, M. Koseki, K. Ono, M. Kimura: Visualizing attractive periods of popular photo spots using Flichr data, Proc. of ACM SIGGRAPH’13 Posters, Article112, 2013.. 2.

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図 3 1984 年と 1997 年の気温に基づく異常シーズン可視化例 図 2 各地域の異常可視化向けグリフ する。以上の処理に基づき、 t が終端になるまで J k , y , m の 探索を繰り返す。図 1 の橙色破線で囲った期間が抽出され た J k,y,m の例である。ここで、各 J k,y,m の異常度を以下の ように定義する。 B k,y,m = t max k,y,m ∑ i=t min k , y , m Av k,y (i) 2.3 可視化法 本研究では、 y 年の R k ごとに M k

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