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Single Photon Emission Computed Tomographyを用いた脳循環の臨床的研究 (I) クモ膜下出血における脳循環の経時的変化について, ^<99m>Tc-d, l-hexamethyl propyleneamine oximを用いた検討 (II) ウィリス動脈輪閉塞症におけるacetazolamide負荷の意義

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Academic year: 2021

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(1)

Title

Single Photon Emission Computed Tomographyを用いた脳循環

の臨床的研究 (I) クモ膜下出血における脳循環の経時的変

化について, ^<99m>Tc-d, l-hexamethyl propyleneamine oxim

を用いた検討 (II) ウィリス動脈輪閉塞症における

acetazolamide負荷の意義( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

宇野, 俊郎

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第899号

Issue Date

1994-03-16

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15364

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名 ( 本 籍

) 宇 野 俊 郎(岐阜県)

学 位 の 種 類

博 士(医学)

学 位 授 与 番 号

乙第 8 9 9 号

学 位 授 与 日 付

平成 6 年 3 月 16 日

学位授与の要件

学位規則第 4 条第 2 項該当

学 位 論 文 題 目

Single Photon Emission Computed Tomography を用いた脳循環の臨床的研究

(I) クモ膜下出血における脳循環の経時的変化について,^<99m>Tc‐d,l-hexamethyl

propyleneamine oxim を用いた検討

(II) ウィリス動脈輪閉塞症における acetazolamide 負荷の意義

員 (主査)教授 山 田 弘

(副査)教授 佐 治 重 豊 教授 土 井 偉 誉

論 文 内 容 の 要 旨

クモ膜下出血(SAH)は出血と同時に強い頭蓋内圧亢進が起こり,種々の程度の脳循環障害が発生する。また,その後の手術によ っても脳循環動態は変化し,症例によってはSAH 後に発現する脳血管攣縮(VS)により,またそれにともなう脳浮腫等により脳循 環は障害される。さらにSAH 後の正常圧水頭症(NPH),NPH に対するシャント術等によっても脳循環は変化する。 SAH 後の脳循環に関しては,従来より多くの研究がなされているが,経時的に詳細な検討を行った報告は少ない。 一方,ウィリス動脈輪閉塞症(モヤモヤ病)は原因不明の疾患で本邦で多く発見されている。モヤモヤ病は主として虚血発作で発 症する小児型と頭蓋内出血で発症する成人型が知られているが,その脳血流, 脳循環動態を比較検討した研究は少ない。またモヤモ ヤ病の脳循環予備能を知ることは治療上重要であるが一定の見解はない。申請者はこの両疾患に着目しsingle photon emisson CT (SPECT)を用いて,両者の脳循環動態を詳細に検討し以下の結果を得た。

I.SAH における脳循環の経時的変化 (対象および方法)

対象症例は1989 年 12 月から 1991 年12 月までの間に SAH で発症し,発症 2 日以内に入院し,入院 24 時間以内に根治術を行っ た34例につき,脳循環測定のためのべ147回のSPECTを行った。なおSPECTの機種はTomomatic 564(Medimatic Inc.Denmark) を使用した。測定に用いたRI 核種は^<99m>Tc-d,l‐hexamethyl propyleneamine oxim(^<99m>Tc-HMPAO)とした。検討す る関心領域(ROI)は患側の中大脳動脈領域とし,経時的に比較検討した。 (結果) 1)^<99m>Tc-HMPAO は血流を定量的に計測することが困難である。しかし同一症例で 2 回の測定を行うと,投与放射能量あた りのカウント数(count/Mbq)はほぼ一定で用量依存性の関係にあった。しかも1 週間程度の間隔をおいても,測定値に影響をおよ ぼさなかった。したがって同一症例において投与放射能量あたりのカウント数を比較することで,SAH 根治術後の脳血流の経時的変 化を相対的に追跡することが可能であった。 2)SAH 発症後の経時的変化について,発症直後と根治術後の脳血流を 7 例において比較すると有意の差をもって根治術後に血流 の上昇をみた(p<0.05)。 3)根治術後の変化は,血管撮影で脳血管攣縮を認めた VS(+)群 15 例と認めなかった VS(-)群 19 例において,発症第 1 週 から第2 週にかけてVS(+)群では有意の差をもって血流の低下をみたが(p<0.05),VS(-)群では変化がなかった。 4)第2 週から第3 週にかけてはVS(+)群では有意の差をもって血流の上昇をみたが(p<0.01),VS(-)群では有意差はなく やや低下する傾向にあった。第3 週と第4 週以降ではどちらの群も変化を認めなかった。 5)NPH をきたした症例ではその時期に脳血流の低下したものが多かったが,脳室腹腔シャント術を行うと,手術後に全例で血流 が上昇し有意の差をみた(p<0.01)。 以上の結果,SAH 後手術によって脳循環が改善することより脳循環の立場からみると SAH 後比較的早期の手術が好ましいこと, VS(+)群ではSAH 後第1 週から第2 週にかけて血流の低下がみられVS の早期対策の指標になること,NPH をきたし

(3)

た症例では脳血流の低下があり,シャント術の適応決定とその効果の評価に有用であった0 1l.モヤモヤ病における脳循環と8COt8ZOIamid01荷の憲暮 (対象および方法) 対象症例はモヤモヤ病確診例15例でt発症年齢が12歳以下を小児型(6軌平均8歳),15歳以上を成人型(9軋平均41・ 4歳)とした,脳循環測定時年齢は小児型が20歳以下(平均10.8歳),成人型が25歳以上(平均胡・6歳)であった0これらの症 例につき安静時脳血流.および脳循環予備能を推定することができるとされているacetazolamide(以下A)負荷時(15m写 /Kg)の脳血流を測定したo A反応性は(%CBF=100×(負荷CBF一安静時CBF)/安静時CBF)で求められ・脳循環予備 能のひとつの指横とした。脳血流測定部位は前大脳動脈(ACA),中大脳動脈(MCA).後大脳動脈(PCA),基底核(BG)およ び小脳の各領域にROIをおき比較した。SPECTの機種はTomomatic564を使用し.脳血流測定に用いた核種ば33Ⅹeガスで 吸入法を用いて検討した。また,モヤモヤ掛こおいて小脳の血流ははとんど影響を受けないため,小脳の血流に対する大脳各 部位の血流の比較を検討し(100×大脳各部位の血流/小脳血流),加えてA反応性についても小脳のA反応性に対する大脳各 部位のA反応性の比率(100×大脳各部位のA反応性/小脳のA反応性)をもとめ比較検討した。 (結果) 1)各領域の血流分布は.安静時血流は小児型では,大脳の各部位全休に血流低下が認められたが掛こACA領域で血流低下 が著明であり,成人型ではBG領域に対し大脳皮質領域が全休的に低下していた。A負荷時は小児型ではACA.MCA領域で 低下し,成人ではPCA領域に対しACA領域が低下していた。 2)小脳血流を基準として大脳各部位の血流を比較すると,小児型では安静時ACA,MCA領域で血流低下があり.成人型 ではBG領域に対して大脳皮質領域が低下していた。A負荷時は小児型および成人型ともにACA.MCA領域での反応性低下 がありPCA領域で反応が保たれていた。各領域の単純な比較と小脳を基準とした場合とで血流低下部位の変化はみられなかっ たが,安静時血流およぴA反応性の有意善がより顕著となった。 3)A負荷における小児型と成人型のA反応性の相違について.小脳のA反応を基準として検討すると,単純なA反応性の 比較ではすべての支配領域において小児型と成人型ではとんど差がみられなかった。しかし小脳を基準とした場合は小児型の A反応性が成人型のそれより明らかに劣っていた。大脳全休とMCA領域のA反応性は小児型と成人型で有意の差を認めた(p <0.01)。この方法により小児型において大脳の循環予備能が,成人型と比べて顕著に低下していることが明確となった。 4)Extracranial-intracranialバイパス術の手術前後の血流の変化を小児型の3例について検討した。その結果はぼ全て の領域でバイパス術後に脳血流の増加があった。しかしA反応性を2例についてみると術後早期には改善していなかった。 以上の結果よりモヤモヤ掛こおいては小児型,成人型を問わず大脳各部位の血流低下がみられたが,掛こ小児型ではACA 領域の血流低下が著明であり.成人病ではBG領域の血流が比較的保たれているという特徴が明らかとなった。また,小児型 では成人型に比し脳循環予備能が顕著に低下しており,小児型が脳虚血に対する抵抗力が少なく両者の発症様式の相遵に一つ の示唆を与えるものであった。

論文審査の結果の要旨

申請者宇野 俊郎は,SinglephotonemissionCTを用いてクモ躾下出血後の脳循環を経時的に測定し,脳循環の立場か ら早期手術の有用性,脳血管攣縮の早期予知が可能であることを明らかにした。またモヤモヤ掛こおいては小児型が成人型に 比べて前大脳動脈領域の血流が著明に減少しており,小児型においては脳循環予備能が不良であることを明らかにした。これ ら本研究の成果は脳神経外科学の進歩に少なからず寄与するものと認める。

(4)

た症例では脳血流の低下があり,シャント術の適応決定とその効果の評価に有用であった。 l】.モヤモヤ病における脳循環と8¢Ot8ZOl8mid01荷の慧♯ (対象および方法) 対象症例はモヤモヤ病確診例15例でt発症年齢が12歳以下を小児型(6‡札平均8歳).15歳以上を成人型(9例,平均41. 4歳)とした,脳循環測定時年齢闇小児型が20歳以下(平均10.8歳),成人型が25歳以上(平均胡.6歳)であった。これらの症 例につき安静時脳血流・および脳循環予備能を推定することができるとされているacetazolamide(以下A)負荷時(15m冒 /Kg)の脳血流を測定した。A反応性は(%CBF=100×(負荷CBF一安静時CBF)/安静時CBF)で求められ,脳循環予備 能のひとつの指模とした。脳血流測定部位は前大脳動脈(ACA),中大脳動脈(MCA),後大脳動脈(PCA),基底核(BG)およ び小脳の各領域にROIをおき比較した。SPECTの機種はTomomatic564を使用し.脳血流測定に用いた核種ば33Ⅹeガスで 吸入法を用いて検討した。また,モヤモヤ掛こおいて小脳の血流ははとんど影響を受けないため.小脳の血流に対する大脳各 部位の血流の比較を検討し(100×大脳各部位の血流/小脳血流),加えてA反応性についても小脳のA反応性に対する大脳各 部位のA反応性の比率(100×大脳各部位のA反応性/小脳のA反応性)をもとめ比校検討した。 (結果) 1)各領域の血流分布は,安静時血流は小児型では,大脳の各部位全体に血流低下が認められたが特にACA領域で血流低下 が著明であり,成人型ではBG領域に対し大脳皮質領域が全体的に低下していた。A負荷時は小児型ではACA.MCA領域で 低下し.成人ではPCA領域に対しACA領域が低下していた。 2)小脳血流を基準として大脳各部位の血流を比較すると,小児型では安静時ACA,MCA領域で血流低下があり,成人型 ではBG領域に対して大脳皮質領域が低下していた。A負荷時は小児型および成人型ともにACA,MCA領域での反応性低下 がありPCA領域で反応が保たれていた。各領域の単純な比較と小脳を基準とした場合とで血流低下部位の変化はみられなかっ たが,安静時血流およぴA反応性の有意差がより顕著となった。 3)A負荷における小児型と成人型のA反応性の相違について,小脳のA反応を基準として検討すると,単純なA反応性の 比較ではすべての支配領域において小児型と成人型ではとんど差がみられなかった。しかし小脳を基準とした場合は小児型の A反応性が成人型のそれより明らかに劣っていた。大脳全休とMCA領域のA反応性は小児型と成人型で有意の差を認めた(p <0.01)。この方法により小児型において大脳の循環予備能が,成人型と比べて顕著に低下していることが明確となった。 4)Extracranial-intracranialバイパス術の手術前後の血流の変化を小児型の3例について検討した。その結果はぼ全て の領域でバイパス術後に脳血流の増加があった。しかしA反応性を2例についてみると術後早期には改善していなかった。 以上の結果よりモヤモヤ病においては小児型,成人型を問わず大脳各部位の血流低下がみられたが,特に小児型ではACA 領域の血流低下が著明であり.成人病ではBG領域の血流が比較的保たれているという特徴が明らかとなった。また.小児型 では成人型に比し脳循環予備能が顕著に低下しており,小児型が脳虚血に対する抵抗力が少なく両者の発症様式の相遵に一つ の示唆を与えるものであった。

論文辛査の結果の要旨

申請者宇野 俊郎は,Single photon emission CTを用いてクモ膜下出血後の脳循環を経時的に測定し,脳循環の立場か

ら早期手術の有用性,脳血管攣縮の早期予知が可能であることを明らかにした。またモヤモヤ病においては小児型が成人型に 比べて前大脳動脈領域の血流が著明に減少しており,小児型においては脳循環予備能が不良であることを明らかにした。これ

ら本研究の成果は脳神経外科学の進歩に少なからず寄与するものと認める。

[主論文公表誌]

Single PhotontEmissionComputed Tomographyを用いた脳循環の臨床的研究

(Ⅰ)クモ膜下出血における脳循環の経時的変化について,‰Tc-d,l-hexamethylpropyleneamine oximを用いた検討 岐阜大医紀 41(5):804∼飢7,1993

(Ⅱ)ウィリス動脈輪閉塞症におけるacetazolamide負荷の意義

岐阜大医紀 41(5):818∼828,1993

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