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特開2003-207812号
可変光遅延装置
発明者
川
かわ
西
にし
哲
てつ
也
や
井
い
筒
づつ
雅
まさ
之
ゆき
技術の概要
本発明は、一定間隔で高密度な光周波数基準信号を発生させる光コム発生装置の心臓部分に関する発
明です。この装置は光 SSB 変調器をファイバーループ内に配置することを特徴としています。光 SSB
変調器には、基本となる光
f
o を入力し、外部から周波数
f m
が加えられると、その周波数
f m
分だけ、
入力された光
f
o からシフトします(図1)。この現象をループ状にした光回路上で連続して起こさせるこ
とにより、光コムを発生させます。光コム発生装置は、図2のように光 SSB 変調器をファイバーループ
内に配置することによって、一定間隔で高密度な光周波数基準信号を発生させています。
この構成によれば、光信号ごとに遅延時間を管理できることや、入力する光信号に応じて遅延量の調
整が容易にできるというメリットがあります。
特許紹介
図2 光コム発生装置原理図
光コム発生装置概観
図1 光SSB変調器の入出力特性
144情報通信研究機構季報Vol.50Nos.3/4 2004
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試作品開発の背景
近年の光通信における情報の大容量化に伴い、高密度波長多重(DWDM)システムが用いられるように
なりました。このシステムではより大容量化に向けて、使用するチャンネル間隔が従来に比べて更に狭
くなっており、光源の発振周波数の精度向上が不可欠です。このため、光周波数を制御する基準器とし
て、「光コム発生装置」が求められています。これまでに、光周波数確度の高い多波長光源としては、フ
ァイバリングを用いたモードロックレーザ、ファブリペロー光変調器を用いたコム発生器などが提案さ
れています。しかし、これらの光源では各成分で位相関係と光周波数間隔が高い確度で一定となります
が、光が周回する部分の長さの高精度な安定化が必要なため、システムが複雑になりコスト高という問
題がありました。また、従来の基準光源では各成分の位相状態が変動すると、出力光スペクトルも不安
定になるという欠点があることから、これを安定化することが重要な課題でしたが、今回開発した基準
光源では、位相の安定化が不要になります。実験の結果 10 GHzの周波数間隔で120本の基準光の発生を
安定化制御なしで実現しました(図3)。この成果はこれまでのファイバーループを用いた多波長光源の常
識を覆すものであり、大幅な低コストでの多波長光源の実現を可能にするものです。
商品化
今回、開発した光コム発生装置は NICT のライセンス供与を受けた株式会社アルネアラボラトリより
販売が開始される予定です。今後この技術により、更にコンパクトかつ安価な光コム発生装置や多波長
光源など様々な用途への応用発展が期待されています。
図3 出力光スペクトル