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遺伝的アルゴリズムによる巡回セールスマン問題のマルコフ解析

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Academic year: 2021

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1996年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

1−A−3

遺伝的アルゴリズムによる

巡回セールスマン問題のマルコフ解析

02401560 法政大学 *長崎勇治 NAGASAKIYuji

O1900070 法政大学 若山邦紘 WAKAYAMAKunihiro

1 はじめに

遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithms,以下 GA)とは,生物の進化の課程を模倣した手法で,人 工生命や人工知能,そして最適化問題などのさまざ まな問題に応用されている.GAを最適化問題へ応用 する際にエリート保存戦略などの遺伝的操作が用い られるが,実際にGAに対してどのような影響を与 えるのかは経験的にしかわかっていない. そこで本研究では,よくGAの応用として用いられ る巡回セールスマン問題(TraveringSalesmanProb− 1em,以下TSP)をマルコフ連鎖として定式化し,近 似なしにGAの挙動を観察できるモデルを作成した. 実際に用いられるような規模のTSPでは,状態数が 多すぎ解析が困難であるので,まずは小規模で単純 な構造の問題として,都市数4のTSPを解析する. 図1サブツアー交換交差

2.2 その他の遺伝的操作とパラメータ

集団サイズは2,交差率は1とし,交差回数の制限 は設けない.選択にはルーレット選択を用いるが,集

団内での同一個体の重複を避けるために,非復元抽

出を行なうこととする. また,突然変異もモデル化可能であるが、モデルの 簡単化のため今回は考慮しない.

3 マルコフ連鎖による定式化

3.1 マルコフ連鎖

本研究で使うマルコフモデノレの概念について簡単 に述べる・状態盲からjへの推移確率pijを要素に持 つ行列を,推移確率行列Pとする.この推移確率は,す べての時点で同じであると仮定すると,状態確率分布 坤−1)から汀(りへの推移は,次のように表される. 坤)=汀(モー1)P=汀(0)〆 (1) このとき裾=1である状態哀を吸収状態という. この吸収状態iから他の状態へは推移できないので, その時点で探索は終了してしまう.しかしGAでは,

2 GAによるTSPの解法

2.1 サブツアー交換交差

GAの特性を反映させるために,形質の遺伝性が 高いサブツアー交換交差を用いた.サブツアー交換 交差では,親の染色体をそれぞれランダムに2点で 切り,2点間に含まれる遺伝子の要素が全て一鼓す るときに限り交差を行なう.また,交差を行なった 場合図1のように4通りの子が生成される.この方 法では,親のすべての形質を子に伝えることができる. ●法政大学大学院工学研究科システム工学専攻修士過程 ー8一 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

このような吸収状態に陥らないように,突然変異や, 集団内に同一個体の重複を許さない,というような 操作を行なう.したがって,どの状態からどの状態へ でもいつかは到達することができるので,GAは既約 なマルコフ連鎖である, 表1:個体の種類 個体番号 染色体 Jl 12341 J2 13241 ち 12431 J4 14231 J5 14321 J6 13421 3.2 エルゴード的マルコフ連鎖 既約なマルコフ連鎖には,壬を大きくしていくとあ る一定の分布(定常分布)に近づいていく「土ルゴ ード的マルコフ連鎖」と,r個の部分集合を順に訪問 する 周期rの周期的マルコフ連鎖」があるが,一般 に周期rのマルコフ連鎖は,r個のエルゴード的マル コフ連鎖に分解することができる. エルゴード的マルコフ連鎖では,汀い)が収束する ベクトルをα,その要素をαiとすると,αは初期分布 汀(0)によらず また,すべての親の組合せに対して交差をさせた ときに生まれる子の一覧を、表2に示す.生じた子の 中から,非復元抽出のルーレット選択によって2つの 個体が選択され,それが次世代の親となる. 表2:生じる個体 状態哀 親 子q Jlノ2 Jl,ち,んノ5 2 Jl,ち Jl,ちノ5ノ6 3 Jl,ん Jl,J2,んノ5 4 Jlノ5 ムノ2,ち,んノ5,克 5 ムノ6 ム,ちノ5,J6 6 J2,ち J2,ち,ん,ん 7 J2,ん Jl,J2,ち,ちノ5,ん 8 ち,J5 Jl,J2,ち,ム 9 J2,J6 J2,ち,ん,J6 10 ち,ん J2,ム,ち,J6 ち,J5 Jl,ち,J5,ん 12 ちノ6 ム,ち,ち,ち,J5,ム 13 んノ5 Jlノ2,ちノ5 14 ち,J6 J2,ち,ち,ん 15 J5ノ6 Jl,ち,ちノ6 P α 1 0 ニ ニ > α 叫 叫

∑Ⅵ

︶ ︶ ︶ 2 3 4 ︵ ︵ ︵ をみたす唯一の解として求められる.この定常分布 αには次の3つの意味がある. 1・汀(りの極限 2・α=αP(汀(0)=αならば7申)=α) 3.長期間に各状態を訪れる相対頻度 この定常分布を計算することで,GAにおける集団が どのような挙動をするのかを知ることができる.

3.3 定式化

ひとつの生物集団を状態と考える.都市数をm,集 団サイズをmすると,全状態数Ⅳは Ⅳ=((mニ1)!) (5) 例えl謂β市数4,集団サイズ2とすると,解を表す個 体数は6,全状態数Ⅳ=15である.ここで表1のよ うにすべての個体に番号をつける. このモデルを用いて,エリート保存戟略を用いた場 合に,収束の様子にどのような影響があるか、などを 調べる.推移確率行列,計算結果考察等は発表時に 示す.

参考文献

【1]森村,高橋 匝ルコフ解析」日科技連(1979) [2]小林 重信 他「遺伝的アルゴリズムの基礎と 応用【Ⅰ卜【ⅠⅤ]」オペレーションズ・リサーチ Vol・38No・5−8(1993) ー9− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

参照

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