170 (69) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
ツノ ダ ショウ コ角田祥子(昭和
博士(医学) 乙第1415号平成6年1月21日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
熱性けいれん再発における危険因子の検討(主査)教授福山 幸夫
(副査)教授門間和夫,笠島確
論 文 内 容 の 要 旨
目的 熱性けいれん(FC)患児が将来無熱胃けいれん(て んかん)を発症するか否かの予後を推定するための危 険因子に関しては,従来多くの研究があるが,FCその ものの発作再発如何を予測する危険因子に関する研究 はまだほとんどない.本研究では,FC再発の危険因子 を検索し,かつそれとFCのてんかん発症危険因子と 比較した. 対象と方法1.対象:最終発作から2年以上経過観察したFC
患児188例を,再発群(FCを2回以上起こしたもの) 97例と対照群(FC発作1回のみのもの)91例に分けて 比較検討した. 2.方法 1)次の8項目を危険因子として検討した.すなわ ち,①FCの家族歴,②てんかんの家族歴,③神経学的 異常,④長時間けいれん,⑤焦点けいれん,⑥初発年 齢1歳未満または6歳以後,⑦発作群発,⑧脳波異常. 2)初回FCの危険因子保有率を両群小で比較した. 3)再発群のうち,発作回数3回以上の3!例と,2回 のみのもの66例について,第2回目FC発作の性状を 分析し,長時間けいれん,焦点けいれん,発作群発の 陽性率を比較した. 4)初回FCの性状と再発の関係を検討するため,再 発の有無を外的基準とし,脳波異常を除いた7項目の 危険因子をアイテムとし,数量化II類を用いて多変量 解析を行った. 結果 1)初回FCの危険因子陽性率 てんかん発症の危険因子と目されている②~⑧の7 項目の少なくとも1項目以上陽性者は,再発群97例中 21例(21.6%),対照群91例中51例(56.0%)であり, 危険因子陽性率は対照群で有意に高率であった(p〈 0.001).項目①(FCの家族歴)の陽性率は,半群間に 差がなかった.個々の因子を比較すると,長時間けい れんと発作群発の項目に関して,対照群は再発部に比 し有意に高率であった.2)第2回目FCの危険因子陽性率
FC 2回のみの群は,3回以上反復群に比し有意に 高い危険因子陽性率を示した. 3)多変量解析(数量化II類)の結果 両群の判別に最も寄与する項目は,発作群発であり, その正判別率は69,7%であった. 考案並びに結語・ 本研究の結果,従来よりFCのてんかん発症危険因 子とされている項目のほとんどは,FC再発の危険因 子ではないことが明らかとなった.のみならず,長時 間けいれんと発作群発の項目はむしろ再発率を低める 結果となった.また,多変量解析の結果,再発には単 一因子ではなく複数因子の相互作用が関係することが 判明した.さらにこの結果を用いて再発の有無を判別 すると,正判別率は69.7%と高く,本法の有用性が実 証された. 一776一171