68 (18) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
コ セキ ユ カ小関由佳(昭和41
博士(医学) 二二249号平成6年3月18日
学位規則第4条第1項該当(医学研究科専攻,博士課程修了者)
白血球mterabilityに影響を及ぼす各種薬剤の検討
(主査)教授 丸山 勝一 (副査)教授 溝口 秀昭,細田 瑳一論 文 内 容 の 要 旨
目的 脳虚血時には白血球が活性化し,ロイコトリエン, PAFなどが放出され,白血球の粘着能,遊走能の充進 が生じ微小循環が障害されることが知られている.こ の微小循環障害の増悪因子として白血球mterability の低下が注目されている.そこで,in vitroにおいて白 血球趾erabilityに及ぼす各種薬剤の影響を検討し た. 対象及び方法’ 健常人より採取した静脈血より白血球浮遊液を作製 し,白血球遊走ペプチドFMLP,血小板活性化因子 (PAF),プロスタグランジンE、(PGE、),プロスタグ ランジン12(PGI2)誘導体TEI7165,細胞内Ca拮抗 薬TMB-8,抗酸化剤ebselen, PAF受容体拮抗薬 TCV309の白血球創terabilityに及ぼす効果をSt, George’s filtrometerを用いて測定した.指標として, 相対濾過率(rFR),閉塞率(CR),閉塞粒子数(CP) を算定した. 結果 白血球浮遊液へのPAF添加によりrFR, CR, CP が,FMLP添加によりCR, CPが有意に低下した. PGE1の添加ではrFR, CR, CPが,またTEI7165の添 加ではCR, CPがいずれも有意に改善したが, TMB- 8,ebselenの添加では,有意な変化はなかった.しか し,PAF刺激による白血球活性化状態では, ebselen によりCR, CPが,また, TCV309によりrFR, CR, CPがいずれも有意に改善した. 考察 白血球を活性化することにより創terabi1童tyを低下 させる可能性のあるケミカルメディエーターとして FMLPとPAFの影響を検討したが,両者とも丘lter- abilityを低下せしめた.脳虚血急性期には,虚血脳組 織から大量にPAFが産生され,白血球の内皮への粘 着が充饗して白血球凝集を促進せしめ,虚血性ペナン ブラと呼ばれる梗塞巣周辺の可逆性虚血部の微小循環 を障害して梗塞巣の拡大と神経症状の増悪を招くと考 えられており,PAFによる白血球丘1terability低下も このペナンブラ部の微小循環を障害する役割を演じて いる可能性が示唆される.また,PGE、とPGI2誘導体は定常状態のebselenとTCV309はPAFによる活性化
状態の白血球mterabilityを改善した.このような自 血球丘lterabilityを改善させる薬剤は,脳虚血に伴う 微小循環障害の治療法として臨床応用が期待される. 結論in vitroにおいてPAFとFMLPは白血球丘lter-
abilityを低下させ, PGE1とPGI2誘導体は定常状態の,また,ebselenとTCV309はPAFによる活性化状
態の白血球創terabilityを改善した.白血球創ter- abilityを改善する薬物は,脳虚血時の微小循環障害の 治療薬として期待される. 一674一69